無垢フローリングの「UNI(ユニ)タイプ」は、複数の短い無垢材を縦方向に継ぎ合わせて一枚の床材に仕上げた製品です。見た目の美しさとコストパフォーマンスの良さから、住宅や商業施設でも広く使用されています。本記事では、UNIタイプの特徴、メリット・デメリット、他のタイプとの違いについてわかりやすく解説します。
無垢フローリングを検討する際に意味が分かりにくい用語の一つにUNIタイプ(ユニタイプ)という言葉が有ります。ユニタイプとはユニットタイプの略です。なぜ、無垢フローリングにタイプ別が設けられているのかというとタイプには様々なパターンがあるからです。
無垢フローリングをタイプ別で大きく分けると以下の様になります。1枚物(OPC)、乱尺、UNI(ユニ)タイプ、FJLなど画像サンプルの樹種は、ヨーロピアンアッシュ無垢フローリングのラフグレード(節有)になります。画像では、それぞれ木目の伸びが異なる事が確認できます。
1枚物OPCと乱尺とUNIタイプ
1枚物(OPC)、乱尺、UNI(ユニ)タイプのそれぞれにどのような特徴があるのか比べてみましょう。
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OPCはOne peace ワンピースの略です。
繋ぎ、継ぎ目の無い1枚板(OPC)の希少価値が高いフローリング。
木目に繋がりがあり、お部屋に奥行きがあるように見える。
希少価値が高いので乱尺やUNIタイプよりも割高な価格帯になる。
無垢フローリングOPC1枚物
床材や、木の板材など長さが一定ではなく、不ぞろいなもののこと。フローリングの4方に本実(ホンザネ)が付いています。おおよそ400~1200mmまでの長さをランダムに梱包されています。短い物も入っていますので割り付けもよく、現場でのロスが少なくて済みます。
無垢フローリング乱尺
縦繋ぎ、継ぎ目のある、ジョイントのある無垢フローリングのこと。乱尺の商品を施工しやすい様に工場であらかじめ縦方向をフィンガージョイントした無垢フローリングです。1820mmの長さに対して2~6ピースの板をフィンガージョイントしています。ジョイントすることによって材料を効率よく使えるので安価に製造でき、施工時間も節約できる。現在日本で販売されている無垢フローリングで一番たくさん販売されています。
無垢フローリングUNIタイプ
ちなみにUNI・ユニタイプの製造工程の動画は以下となります。連結部分は、フィンガージョイントと言って、短い板端部に手の指の様にギザギザを着けてボンドで圧着します。
FJLは「フィンガー・ジョインテッド・ラミネーション(finger jointed lamination)」の略です。一枚のフローリングを幅方向に3~6枚継ぎ、
長さ 方向に5~8枚継いで作った無垢フローリングです。
木魂の FJLフローリングの例:
バーガンディーローズ フローリング(RW-07、RW-08)
タイプ別に並べて比べてみると何となく違いが判ると思いますがカットサンプルなどではこの差はほとんど分かりません。
この差は数枚を並べてみる事で表情の見え方にどれ位さが有るのかがよく分かります。
下の3枚の画像は、どれも材木はヨーロピアンアッシュフローリングでラフグレード(色むら節有)、幅広、自然オイル&ワックス塗装仕上げでタイプが異なるだけの無垢フローリングです。それぞれのタイプの差をご確認いただければと思います。
無垢フローリングOPC1枚物
無垢フローリング乱尺
無垢フローリングUNIタイプ
無垢フローリング専門店木魂の広葉樹の場合、1枚物(OPC)だと10%以下、乱尺やUNIタイプが90%以上と言ったような割合でしか製造できません。1枚物(OPC)は、非常に希少価値が高いのでグレードや幅に関わらず高価になりがちです。
カットサンプルだけでは、この表情の差は確認できません。UNI・ユニタイプか乱尺か1枚物(OPC)のどれが我が家に適しているのか?最低でも1ケースをしっかり確認して選んだ方が無難です。絶対にどれだけ長くてもカットサンプルだけで選ばない方が良いです。
東京都江東区新木場の無垢フローリングショールームゆらぎでは木魂で扱うほとんどの無垢フローリングを1畳分の広さで確認できます。ぜひ、ご予約の上でご来場ください。
無垢フローリング専門店木魂で扱う継ぎ目のない1枚物(OPC)無垢フローリングの樹種
広葉樹
ブラックウォールナット
ブラックチェリー、チェリー
サザンブラック
カントリーバーチ
ガルボオーク
ビルマチーク
インドネシアチーク
ヒッコリー
シベリアンウォールナット
イングリッシュオーク
北海道産ナラ
シルキーメープル、イタヤカエデ
シベリアンバーチ、カバ
ロータスビーチ
ジャーマンメープル、シカモア
ウォルナットモカ
クラシカルバーチ
針葉樹
ダグラスファー、米松
伊予杉、国産スギ
因幡杉、国産スギ
美作赤松、アカマツ
侍浜松、アカマツ
百々桧、国産ヒノキ
阿波桧、国産ヒノキ
桧柾目、国産ヒノキ
ザ・ストレートグレイン
イージーカントリー
花梨(カリン)
無垢フローリング専門店木魂で扱う乱尺の無垢フローリングの樹種
広葉樹のみ
ブラックウォールナット
サザンブラック
バーガンディーローズ
カントリーバーチ
アンバーメープル
ガルボオーク
インドネシアチーク
ブラックチェリー、チェリー
国産桜、サクラ
国産欅、ケヤキ
ヒッコリー
国産朴、白朴
出羽胡桃、オニグルミ
南部本栗、国産クリ
どんぐり
イングリッシュオーク
北海道産ナラ
栗駒楢、国産ナラ
北海道産タモ
栓、国産セン
シルキーメープル、イタヤカエデ
国産イタヤカエデ
国産あさだ
みちのくぶな、国産ブナ
無垢フローリング専門店木魂で扱う継ぎめのあるUNIタイプの無垢フローリングの樹種
広葉樹のみ
ブラックウォールナット
サザンブラック
栗アンティーク
ビルマチーク
インドネシアチーク
ブラックチェリー、チェリー
シベリアンウォールナット
出羽胡桃、オニグルミ
ラーチ、カラマツ
南部本栗、国産クリ
アジアンチェスナット
ジャギッドチェスナット
イングリッシュオーク
ヨーロピアンアッシュ
栓、国産セン
シルキーメープル、イタヤカエデ
シベリアンバーチ、カバ
ロータスビーチ
ジャーマンメープル、シカモア
アカシア
こちらのページでも【無垢フローリング選び方】について詳しく紹介しております。
無垢フローリングを検討する際、必ず目にするのが「UNI(ユニ)タイプ」という言葉です。実は、日本で流通している無垢フローリングの中で、最も普及しており、かつコストパフォーマンスに優れているのがこのタイプです。
しかし、価格だけで選ぶと「思っていた見た目と違う」と後悔することもあります。今回は無垢フローリングのプロの視点から、UNIタイプの特徴、メリット・デメリット、そして他のタイプとの決定的な違いを詳しく解説します。
1. UNI(ユニ)タイプとは?その構造と特徴
UNI(ユニ)とは「United(連合・結合)」の略で、日本語では「ユニタイプ」や「ユニットタイプ」とも呼ばれます。
一般的に、1820mmという定尺(決まった長さ)の1枚のフローリングの中に、3〜5枚程度の短い無垢材を縦方向にジョイント(指を組んだようなフィンガージョイントなど)して作られています。
【豆知識】なぜUNIタイプが主流なの?
木材は自然の産物であるため、節がなく、色の美しい長い板(1枚物)はごくわずかしか採れません。短い材を繋ぎ合わせるUNIタイプは、原料を無駄なく活用できるため、環境に優しく、安定した供給が可能なのです。
2. 専門家が教えるUNIタイプのメリット
① コストパフォーマンスが圧倒的に高い
UNIタイプの最大の魅力は、無垢の質感を保ちながら価格を抑えられる点です。1枚物(OPC)と比較すると、同じ樹種でも3割〜5割ほど安価になるケースが多く、家全体の予算を抑えたい場合に非常に有効な選択肢となります。
② 寸法安定性が高く、施工がスムーズ
短い材を繋ぎ合わせているため、1枚の長い板に比べて「反り」や「ねじれ」の力が分散されやすいという特性があります。また、長さが1820mmで統一されているため、現場での割り付けが容易で、大工さんの施工効率が良い(=工期が読みやすい)のも隠れたメリットです。
3. UNIタイプのデメリットと注意点
① 色ムラ・継ぎ目が目立つ場合がある
UNIタイプは複数の材を繋ぐため、隣り合う材同士で「色が濃い部分」と「薄い部分」が混在します。特にオークやアカシアなど色の個性が強い樹種では、床全体がパッチワークのような賑やかな印象になります。スッキリとした高級感を求める方には、このバラつきがデメリットに感じられるかもしれません。
② 質感の断絶
1枚物のような「一本の木がスッと通っている」という連続性はありません。ジョイント部分(継ぎ目)がV字の線として見えるため、デザイン的な好みを確認しておくことが重要です。
4. 徹底比較:1枚物(OPC)・乱尺・UNI・FJLの違い
無垢フローリングの形状は、主に以下の4つに分類されます。それぞれの特徴を比較表にまとめました。
| タイプ |
見た目の特徴 |
価格帯 |
希少性 |
| 1枚物(OPC) |
継ぎ目なし。最高級の美しさ。 |
高い |
極めて高い |
| 乱尺(らんじゃく) |
長さがバラバラ。自然な雰囲気。 |
やや高め |
高い |
| UNI(ユニ) |
縦に継ぎ目あり。一般的。 |
標準 |
普及品 |
| FJL |
縦横に繋ぎあり。モザイク状。 |
安価 |
量産品 |
5. プロのアドバイス:UNIタイプはどんな人におすすめ?
最後に、これまで数多くの現場を見てきた専門家として、UNIタイプを選ぶべきかどうかの判断基準をお伝えします。
- UNIタイプがおすすめの方
- 無垢の温もりは譲れないが、コストも賢く抑えたい。
- 木の色の濃淡(キャラクター)がある、賑やかで自然な表情が好き。
- 床暖房対応など、より動きの少ない安定した床材を求めている。
- 1枚物(OPC)を検討すべき方
- 広々とした空間で、ラグジュアリーな「伸びやかさ」を強調したい。
- 継ぎ目が視界に入るのを極力避けたい。
UNIタイプは、決して「1枚物の代用品」ではありません。その賑やかな表情は、カジュアルなインテリアや北欧スタイル、インダストリアルな空間には非常によく映えます。
まずはカットサンプルだけでなく、「ケース並べ(4〜5枚を実際に床に並べる)」をして、継ぎ目や色のバランスを確認することをおすすめします。
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無垢フローリングのUNI ユニタイプQ&Aまとめ
Q:無垢フローリングのUNI(ユニ)タイプとは何ですか?
A:UNIタイプとは、長さの短い無垢材を縦方向に接着して一枚のフローリング材にしたものです。無垢材の質感を保ちながら、コストを抑えられるのが特長です。
Q:UNIタイプとOPC(ワンピース)タイプの違いは?
A:OPCは一本の木材から切り出された単一の板で、つなぎ目がありません。一方、UNIタイプは数枚の無垢材を縦に継いで一枚にしています。そのため、OPCの方が高価ですお部屋に奥行き感が出ると言われています。
Q:UNIタイプは品質的に問題ありませんか?
A:しっかりとした接着技術と乾燥管理がされていれば、UNIタイプでも十分な耐久性と安定性があります。ただし、見た目の木目のつながりはOPCに比べてやや賑やかな雰囲気となり、色柄が不揃いになる傾向があります。
Q:どのような用途にUNIタイプは適していますか?
A:価格を抑えながらも天然木の風合いを取り入れたい住宅リフォーム、店舗内装などに向いています。コストパフォーマンス重視の場面で選ばれることが多いです。