無垢フローリング材の塗装について
- 塗装の種類
- 1-1. 無塗装
- 1-2. 自然系塗装
- 1-3. ウレタン系塗装
- 1-4. ガラス系塗料塗装(SSG・木塗MOKUTOなど)
- ご希望のカラーでの塗装も可能です
1.塗装の種類
無垢フローリングの塗装の種類には以下のものがあります。
無塗装 | 何も塗装を施していない状態のものです。(基本的にはサンドペーパーでのサンディング塗装下地です) |
自然系塗装 | 「自然オイル&ワックス塗装」 「蜜蝋WAX」 「LYE&OIL&WAX塗装(ライ&オイル&ワックス)」 |
ウレタン系塗装 | 「ウレタン塗装」 「UV塗装」 「エコウレタン塗装」 |
それぞれの塗装の特徴を解説していきます。
1-1.無塗装
木地に何も塗装を施していない状態ですが、そのままフローリングとしてお使いいただくことはお勧めしません。
DIYが大好きな方で、手間と時間をかけられる方はご自身で塗装できますが、一般的にはあらかじめ塗装された状態のフローリング材のご購入をお勧めします。
また一言に「無塗装」といっても、フローリング材自体が表面を紙ヤスリやサンドペーパーで塗装下地を作っている「サンディング塗装下地」か、あるいは表面をカンナで削った「カンナ仕上げ(超仕上げ)」かによって性質が大きく異なり、施工後のメンテナンスも違ってきますので注意が必要です。
→「サンディング塗装下地」と「カンナ仕上げ」の違いについて、詳しくはこちらをご確認ください。
無塗装無垢フローリング(カンナ仕上げ)の掃除と手入れ・メンテナンス手順
無塗装無垢フローリング(サンディング塗装下地)の掃除と手入れ・メンテナンス手順
1-2.自然系塗装
●自然オイル&ワックス塗装
自然オイル&ワックスの原料としては、亜麻仁油、大豆油、ヒマワリ油、アザミ油、バルサムテレピン油、レモン油、菜種油、オレンジピールオイル、桐油、アマニスタンドオイル、ヒマシ油など自然素材由来の油性です。各オイルメーカー共に様々な自然素材から構成されます。有害化学品を極力含まず、環境と人に優しい塗料です。
塗膜を作らず、木の呼吸を妨がないため、木に浸透してよくなじみ木の持つ自然の風合いをいつまでも保ち続けます。
また、湿度がほぼ一定に保たれた快適な生活が実現します。反面、塗膜が無いことにより水などの液体に対して弱い面があり、定期的な正しいメンテナンスが必要となります。
日本でよく知られている自然オイル&ワックスのメーカーとしては、リボス、オスモカラー、クランプなどのドイツメーカが有名です。
イソファリアーテやホワイトスピリッツなどの溶剤が含まれていますが人体に影響がない程度だとされています。
溶剤を全く含まない自然オイル&ワックスも販売されていますが、逆に漆で被れたようになる方もいらっしゃるようなので注意が必要です。
●蜜蝋ワックス
国産ミツロウ(無漂白)と、純正一番絞り荏ゴマ油だけで出来ています。撥水効果が長持ちし、メンテナンスは1年に一度でOKです。木の呼吸を妨げないために、木の持つ自然の風合いが生かされます。無垢フローリングの良さを最大に発揮するためには、まずオイル塗装を施し、メンテナンスとして蜜蝋ワックスを塗布することをお勧めしています。
●LYE&OIL&WAX塗装(ライ&オイル&ワックス)
桐油を主成分としたホワイトオイルとLYE(ライ)と蜜蝋を主成分としたワックスで塗装した製品。 有機溶剤及び重金属を含まない天然原料から作られた“自然塗料”です。 通常、汚れ落としメンテナンスには、FAXE FLOOR SOAP(ファクセフロアソープ)だけで十分です。 フロアソープは仕様を誤ると木地の毛羽立ちの原因ともなりますので注してご使用ください。 油脂分を除去するような洗浄製品のご使用は避けてください。 塗料の成分表も公開しておりますので必要な方はご連絡ください。
→自然系オイル塗装について、詳しくはこちらをご確認ください。
オイル塗装無垢フローリングの掃除と手入れ・メンテナンス手順
ブラックウォールナットフローリングにオスモ自然オイル&ワックスを塗ってみました
シルキーメープルフローリング(カエデ)にリボス自然オイル&ワックスを塗ってみました
1-3.ウレタン系塗装
●ウレタン塗装
F☆☆☆☆塗料を使用し、木の表面を硬い塗膜で覆う塗装です。一般的な合板フロアなどにも用いられます。
●UV塗装
UVウレタン塗装のことです。UV照射することで、ウレタン塗料を短時間で硬化させた塗装です。F☆☆☆☆塗料を使用し、木の表面を硬い塗膜で覆う塗装です。一般的な合板フロアなどにも用いられます。
●エコウレタン塗装
通常のウレタン塗装より塗膜が若干柔らかい塗装になります。 床暖房使用時に、ウレタン塗装では硬すぎて無垢材の動きに塗膜が耐え切れずに塗装が割れる恐れがあります。 通常より含水率を落とした床暖房対応無垢フローリングは優しく柔らかいエコウレタン塗料で6面とも塗装され伸縮による動きを抑えてくれる役目があります。 これにより無垢フローリングの床暖房使用時に起こりえる膨張による突き上げに大変効果をもたらします。 もちろん厚生労働省が定める14科学物質を含んだ原料は使用しておりません。
※表面は無塗装で、ほかの5面にはウレタン塗装を施した「表面無塗装(他ウレタン)」の取り扱いもございます。
湿気の吸放出が少なく、寸法安定性に優れています。
UVウレタン・ウレタン塗装無垢フローリングの掃除と手入れ・メンテナンス手順
無塗装品とウレタン塗装品の違い
自然オイル&ワックス塗装とウレタン塗装
1-4.ガラス系塗料塗装(SSG・木塗MOKUTOなど)
無垢フローリングの塗装において、最近特に取扱いを増やしているのが浸透性の特殊液体ガラス塗料です。
ガラス系塗料と聞くと、ウレタン塗装に様な造膜型で何だか少し冷たいようなイメージを持ってしまいますが、オイル同様に含浸型塗料なので、見た目は自然な風合い、自然な質感に仕上がります。合板フロアーやウレタン塗装のような冷たさは全く感じません。
オイル塗装品とガラス系塗料とを並べて比べてみると、触った感じはほぼ同じです。
ただし色味については、オイル塗装のオイルはクリアーと言えども少し黄色味がかっており、ガラス系塗料は無色透明です。
特殊液体ガラス塗料と自然OIL&WAXの色味差(樹種:ジャーマンメープル(シカモア))
メープル、バーチ、シカモア、桧などの明るく白い色のフローリングに塗った時に見比べると、オイル塗装の方が若干黄色くなり、ガラス系塗料はとても明るく感じます。
特殊液体ガラス塗料は、アルコール系溶剤が短時間で蒸発し、ガラス分が空気中の水分と反応してガラス層を形成します。
対傷性や対溶剤性などの機能性だけでなく、施工性にも優れ、メンテナンスも簡単です。
メンテンスでの塗布としては、5年に1回くらい塗布していただければと思います。液体なので塗布作業は非常にかんたんです。ムラにもなり難いですが、液体の場合はアルコール臭いがきついので塗装屋さんにお願いするのも一つの手かもしれません。乾燥すればアルコール臭は無くなります。
無垢フローリングで快適に過ごしたいけれどもメンテナンスが面倒なので採用に迷われている方、メンテナンス自体は苦ではないけれど共働きで時間が取れない方、メンテナンスは好きだけど高齢になったのでなるべく楽に済ませたい方、塗料まで自然素材にこだわられない方などには最適かもしれません。
現時点では、オイル塗装に比べると割高ですが、もしオイル塗装で年に1回真面目にワックスを塗布するとなると特殊液体ガラスの方が安くつくかもしれません。
ガラス系塗料塗装の無垢フローリングの掃除と手入れ・メンテナンス手順
無垢フローリングにガラス塗料でメンテナンスを楽に
ジャーマンメープル(シカモア)に特殊液体ガラス塗料MOKUTOを塗布しました
ご希望のカラーでの塗装も可能です
掲載商品で、違うカラーをご希望の場合、別注品としてご希望のカラーで塗装を行い出荷可能です。
詳しくは弊社までお問い合わせください。