近年、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、ドイツなどからホワイトウッドと称されて大量に集成材、製材、製材用原木の形で輸入されるようになりました。 2000年の輸入量は米材を抜いて一位です。ホワイトウッド=オウシユウトウヒ(Picea abies)とするのは日本に限られたことのようです。
英語圏でWhitewoodと呼ばれている木は20種近くありますが、オウシュウトウヒは見当たりません。
逆にオウシュウアカマツ(Pinus sylvestris)がその一つです。Whitewoodでもっともポピュラーなのはユリノキ (Yellow-poplar、Liriodendrontulipifera)です。
ホワイトウッドは商業名で、一般名はオウシュウトウヒです。 これらの製材や構造用集成材(グルーラム)は1993年の北米製材市況の高騰をきっかけに
北欧ならびにオーストリア、ドイツから輸入されるようになりました。スウェーデン、フィンランドにおける1998年の製材生産量はあわせて2600万?余で、
日本への輸出量は75万?余でした。このうちの2割強が構造用集成材です。
オウシュウトウヒはヨーロッパ中部から北部の森林の主要樹種で、植栽もされています。
有名なクレモナの古ヴァイオリン名器はルーマニア産のオウシュウトウヒで作られました。
古ヴァイオリン名器は希少価値もあって、1台数億円の高値で取引されています。
その古ヴァイオリン名器の価値はわずか数10グラムの表板にあるといわれています。
他方では集成材の柱となって、1?数万円で輸入され、スギの製材を圧迫しています。
しかし、耐朽性が5段階評価で最低なので、湿気のある場所で使うことは厳禁です。