針葉樹 ベイトウヒ シトカスプルース(マツ科)

北米にはトウヒ類が数種ありますが、量が多く代表的なものがシトカスプルースです。
日本の市場に入ってくるスプルースには、北米材のほか、ヨーロッパからのオウシュウトウヒ、
中国からの雲スギ、ロシアから輸入される日本のエゾマツと同じものがあります。

ロシアからのものは、主として北海道、東北から山陰までの裏日本に荷揚げされ、北米のものは太平洋岸の各地に向けられ、
好対照となっています。雲スギは加工された製品での輸入です。 シトカスプルースは、グライダーの骨組として使われています。

これは年数を経たシトカスプルースは材質が均一で加工しやすく、強度的にも優れていることを表わしています。
しかし最近輸入されているものは、樹齢も若くなり、成長もよいため、材質は以前とは違ってきているようです。

その名が示すように、アラスカのシトカ地方が産地として有名で、ここから太平洋岸沿いにカリフォルニア州まで分布しています。
ほかのスプルースが辺材と心材の色の差がなく白色なのに、シトカスプルースは心材の色が淡桃褐色なので区別ができます。

しかし樹齢が若いと辺材の白い部分が広くて、わかりにく いかもしれません。早材から晩材への移行はゆるやかで、年輪はあまりはっきりとしていません。
肌目は精で、平均気乾比重は0.45ですが、その割合には強度のある木です。乾燥・加工もしやすく、仕上がりも良好です。

製材、単板、パルプ用など広範な用途があり、製材品は根太、垂木、間柱などの構造材に、また良質のものはボートの
オールやマスト、グライダーの骨格、ピアノの響板などにも使われています。

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