ベイヒが日本で使われ始めたのは、明治30年代です。
当時輸入されたベイマツに混じっていたのを、材木商がたまたま見つけてヒノキの代替品にしたのが始まりのようです。
本格的に輸入され出したのは、大正時代の中ごろ以降です。米国では、ベイヒを日本のヒノキのようには高く評価していなかったので、
市場材として取り上げたのは日本が最初のようです。
分布は狭く、オレゴン州南西部からカリフォルニア州北西部に見られます。
現地では、Port-Orford-cedar、P-0-cedar、Lawsoncypress、Oregon-cedarなどと呼ばれています。
植物分類上はヒノキの仲間で木材も似ていますが、材色が若干濃いことと、ヒノキと同系統ながら強烈な芳香があるところが違っています。
これを使っている建築現場周辺では、かなり離れた所でも匂うのですぐそれとわかり、ヒノキとは容易に区別できます。
ヒノキに比べ価格が安いため、代替材として日本で大量に使われていた時期もありましたが、このごろは資源的制約からか、東京近辺ではあまり見られなくなりました。
心材の色は黄白色から淡褐色で、辺材との差ははっきりしないことが多いようです。早材から晩材への移行はゆるやかで、
年輪はかろうじて見える程度です。したがって、肌目は精で平均気乾比重は0.47とやや軽軟です。
ヒノキと同様に加工や乾燥もしやすく、
強度も同等で、耐朽性にも富むので、ヒノキの代替建築材、船舶やボートの構造材、指し物、木枠、衣装箱、蓄電池のセパレーターなど広い用途があります。