北海道南部、本州、四国、九州に分布しています。低湿地に多く成育しているので、谷川添いを歩くとサワグルミに出会います。サワグルミに馴染みがない人も多いと思いますが、われわれの身のまわりにもあります。それはマッチの軸です。このサワグルミはポプラの類と並んで主なマッチ用の材料として知られています。クルミと名はつきますが、実は食べられません。
木材
辺材と心材の境界はほとんど区別できません。両者とも黄白色です。年輪界はあまりはっきりとしていません。道管の直径がかなり大きいので、肌目は粗くなっています。気乾比重は0.30-0.45(平均値)-0.64で軽く、軟らかい木材の一つです。保存性は非常に低く、変色したり、腐ったりするので、湿度の高い条件で利用することは避けなければなりません。切削などの加工は容易ですが、仕上がり面はとくによいとは言えません。
用途
サワグルミの用途として重要なものはマッチの軸木ですが、色が淡いので、染色する場合もあります。器具、経木、さらに、下駄(山桐という名前で売ったりします)などです。