広葉樹(こうようじゅ)ハリギリ、セン、栓(ウコギ科)

北海道、本州、四国、九州に、また朝鮮半島、中国、ロシアに分布しますが、産地としては、北海道が最も有名です。
この樹種は、木材としてはセン、樹木としては枝にとげがあることからハリギリと呼ばれます。
木材をオニセンとヌカセンと呼んで、2種あるとすることがあります。
これは分類学上の違いによるものではなさそうです。
オニセンと呼ばれるものは、年輪幅が広く、より重硬で、乾燥などで狂い易いのに対し、
ヌカセンは年輪幅が狭く、より軽軟で、加工し易いため、家具用に好まれているようです。

木材
環孔材なので年輪界がはっきりと見え、肌目は粗です。
一般に樹木の成長がよい若い時期に形成された木材では、年輪幅が広くなるので、年輪内に占める環状の道管の部分の割合は少なくなり、繊維の部分の割合が増えます。
このため比重が高くなります。逆にだんだんと樹齢を重ねると年輪幅が狭くなり、比重は低くなります。
気乾比重は0.40~0.52(平均値)~0.69で、広葉樹材としてほぼ中庸です。
心材は淡黄褐色あるいは黄白色で、辺材はやや淡色です。木材の保存性は低く、加工はし易いといえます。
とくに年輪幅の狭いものは、より軽軟で、加工し易いため、家具用材としては好まれていますが、あまり軽軟になると脆くなりますので、逆に使いにくくなります。

用途
家具、合板、器具、建築、下駄(価格の低いもの、ヤマギリと呼ばれる)。
かつて、センの合板が、米国へ大量に“sen”の名で輸出されたことがあり、一時は米国市場での有名な輸出材の一つとされていました。

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