剣道場床用の原板 杉柾目材、桧柾目材、赤松柾目材について

投稿日:2022年04月15日
杉(スギ)赤柾目桧(ヒノキ)柾目赤松(アカマツ)柾目(マサメ)
杉(スギ)赤柾目桧(ヒノキ)柾目赤松(アカマツ)柾目(マサメ)
杉(スギ)赤柾目桧(ヒノキ)柾目赤松(アカマツ)柾目(マサメ)

剣道場の床材についての問い合わせが増えております。
本当は、針葉樹の杉(スギ)赤柾目材、桧(ヒノキ)柾目材、赤松(アカマツ)の柾目材(マサメ)を希望しているけど、業者からは手に入らないと言われることも多いそうです。画像は杉、桧、赤松の柾目原板です。厚みは42mmあります。もちろん18mmや24mmなどに薄く加工する事も可能です。既存の剣道場床材は無垢材だけど、剣道場床改修工事の際には集成材を勧められることも多いようです。なぜそうなるかというと、売る側が簡単だからです。剣士(使用者)側は、今までの経験上、無垢材の方が足捌きがしやすいし、弾力性がある事を知っています。でも、売る側としては寸法安定性が高く、硬くて丈夫で割れにくい集成材の方が売りやすい。それぞれの立場でその木の良し悪しが変わってしまうという事ですね。本当は、剣士にとって最適であるべきだとは思います。しかし、剣士の方もわがままを言ってはいけません。柾目無垢材という足捌きがしやすく、弾力性がある床材で稽古させていただくことは、日々自身の足腰のけが予防になっています。それなのにヒビが入った、ササクレが出た、表面の木目が立ってきた等々… ある程度どれもメンテナンスで防げることです。また、このようなことは設計段階である程度防げるようなことです。どんなに希少で上等な木を使用しても、仕立てが悪ければ良い道場にはなり得ません。料理でも洋服でも同じようなことが言えますよね。逆にそれなりの材料でそれなりの剣道場床を作ることも可能です。歴史ある古い剣道場床の改修等で集成材や合板になる事も多いようですが、その原因がどこにあるのかしっかりとご確認いただければと思います。申し訳ございませんが、剣道の経験が無い設計士に剣道場床を依頼したところでまともな答えが返ってくることはまずないと思います。因みに柾目材が採用されている剣道場床は、京都武徳殿の東西両端の一部、東京武道館第二武道場の一部、天理大学剣道場の一部などです。全国的にも採用数は少ないですが柾目と板目が混ざって採用されている床は比較がしやすいですね。数寄屋は数寄屋。茶室は茶室。能舞台は能舞台。安土は安土。餅は餅屋。ちょっと難しそうなことは専門店に聞いてみるのがよろしいかと思います。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

無垢フローリングの黒ずみと水シミ 原因は何なんでしょうか??

投稿日:2020年05月05日

無垢フローリング手入れやメンテナンスの相談時に「無垢フローリングの黒ずみはどのように対処すればいいのですか?」とご質問をいただくことがあります。

無垢フローリングの黒ずみと言っても色々な状況で黒ずむ原因があるかと思いますが基本的に黒いのは汚れが多いように思います。
無垢フローリングは、たまに雑巾で乾拭きなどの手入れをしてあげることで黒ずみが増すことはございません。
さらにウレタン塗装やオイル塗装、ガラス塗装を施すことで汚れは付着しにくくなり黒ずみにはなりにくいです。

無垢フローリングには、様々な原因で黒ずみが発生するようです。

いくつかの黒ずみを紹介していこうと思います。

  1. 汚れが溜まって黒ずむ

  2. 洗剤など、強アルカリ性の水溶液が原因の黒ずみ

  3. カビからくる黒ずみ

  4. もともと無垢フローリングに含まれる黒ずみ

  5. 着色での黒ずみ(濃い目の着色)

 

1.汚れが溜まって黒ずむ

下の画像は、剣道場で70年間使用されていた杉の床板です。
無塗装で長年使われてきました。

フローリングの黒い汚れ
フローリングの黒ずみ汚れ

どちらも同じように汚れていましたが、右側は、解体時に剥がしたものそのままで、左側は、ただ固く絞った雑巾で拭きあげたものです。
黒ずみ汚れはほとんど落ちました。
ただ、雑巾で拭きあげるだけでも無垢フローリングの黒ずみは落ちる場合もあります。

一番多いのが濃い黒ずみ汚れだと思いますので、まずは乾拭きのあとに固く絞った雑巾でしかっかりと雑巾がけすることをお勧めいたします。

日々の手入れでも、乾拭き後、固く絞った雑巾で拭き上げる雑巾がけはお勧めします。
雑巾がけをすることでオイルやワックスも剥がれますので、利用頻度にもよりますが半年から数年の間に蜜蝋ワックスや自然系オイルを塗布するようにしてください。

 

しかし、そう簡単にも行かない場合もあるのです。

嘘みたいな本当の話なんですが、新築やリフォームなどが完了すると引渡し前にだいたいお掃除屋さんが入って掃除をするはずです。

ところが、お掃除屋さんによっては無垢フローリングの扱いに慣れてない業者さんもおられるみたいです。

 

2.洗剤など、強アルカリ性の水溶液が原因の黒ずみ

無垢フローリングのオイル塗装品の場合は、石鹸などアルカリ性の溶液が付着すると黒ずみができる場合があります。

サッシの掃除やエアコンの清掃にはだいたい強アルカリ性の洗剤を使用されます。
その洗剤が無垢フローリングに付着すると下の画像の様に黒ずむ(水シミ)事があります。
ほとんどの場合は、1現場で一か所という事はなくこの現象がある現場は数か所に亘って黒ずみ(水シミ)がある場合がほとんどです。
黒ずみ(水シミ)は、お酢などで中和できる場合もあるようですので一度試してみるのもいいかもしれませんね。

掃除屋さんの付けたシミ

掃除屋さんの付けた黒ずみ(水シミ)あと、工事中に床に壁や天井などで使用する漆喰などが落ちるとこの水シミのように黒ずむ場合もよくあります。
床養生は、しっかり隅々まで施してもらいましょう。

 

3.カビからくる黒ずみ
無垢フローリングのカビ
無垢フローリングのカビ

こちらの画像は、洗面所の無垢床に足ふきマットを濡らしたまま何日間もそのまま使用していたようです。
さすがに温度と湿気で無垢材にカビがどんどん成長します。
これはいわゆるカビの黒ずみですね。
ここまでの黒ずみは、サンドペーパー(紙やすり)で削り取る手法が一番早いような気がします。
無垢材の状況によっては、漂白もありかもしれませんが、画像のような状況で漂白は非常に難しいので止めた方が良いと思います。
その後、黒ずみ(カビ)が増殖しないような環境を整えるべきですね。

 

 

4.もともと無垢フローリングに含まれる黒ずみ
山火事
山火事

こちらはメープルのラフグレードです。
節やカスリなどメープルの白い木肌に黒い節や線は目立ちますね。
しかし、これはこのグレードの特徴でもあるのであまりとやかく言えるようなことではないですね。
その他にも、山火事の後なども表面に黒ずみとして現れることがありますね。

 

5.着色での黒ずみ(濃い目の着色)

こちらの画像は、無垢フローリングの黒ずみというか着色塗装ですね。
樹種は、杉材になります。
この塗装は、オイルでもワックスでもございません。
拭きうるしといわれる塗装で、使い込むほどにどんどん黒光りして周りの景色も映りこむ様になるそうです。
京都には、テーブルや廊下に漆を塗布して黒ずみに映る紅葉などの借景を楽しむそうです。

黒い塗装
黒い塗装

 

基本的には、洗剤など強アルカリ性の水溶液が原因の黒ずみ(水シミ)、カビからくる黒ずみ、もともと無垢フローリングに含まれる黒ずみ、着色での黒ずみ(濃い目の着色)の4つに身に覚えが無ければただの汚れです。

無垢フローリングの黒ずむのが気になるようでしたら日々の乾拭きからのお掃除・お手入れ・メンテナンスの回数を増やしていただければと思います。
足裏の皮脂や小さなゴミ、チリ、ホコリなどを踏んで無垢フローリングに擦りつけるわけです。
小さなゴミ、チリ、ホコリは、自動ロボット掃除機でもかなり吸い取ってくれますのでご活用いただければと思います。
ただし、合板フロアーや無垢でもウレタン塗装などは表面に静電気が発生しますので小さなゴミ、チリ、ホコリは貼りついてしまい乾拭きでは取り除きにくいです。
そうしたことから濡れ雑巾での拭き掃除や着塵剤などが入ったモップやワイパーが必要になって来るわけです。
無垢フローリングでもオイル塗装やSSGガラス塗装など造膜型でない含浸型塗料で表面に膜を作らなければ小さなゴミ、チリ、ホコリは引っ付くことなくホウキや自動ロボット掃除機でもかなりきれいになります。

それでも取れない黒ずみ汚れはまずは雑巾で乾拭きです。
乾拭きしただけで取れる黒ずみ汚れもよくあります。
雑巾での乾拭きで汚れが落ちない場合には硬く絞った濡れ雑巾で拭いてみてください。
オイルやワックス効果が残っている様であれば硬く絞った雑巾でも黒ずみ汚れは落ちることでしょう。

硬く絞った雑巾で雑巾がけしても落ちない黒ずみはサンドペーパーなどで研磨することになります。

無垢フローリングの黒ずみが気になる方は、床自体をライ(アク)を塗布して白っぽくぼかす方も多いです。
日本ではなかなかライが手に入らないのでホワイトオイルやワックスを使用することが多いようです。
わざと水シミを全面に広げようという考えでしょうか?
水シミも小さければ気になりますが、前面に水シミとなると全くイメージが異なります。
北海道産ナラフローリング 品番:DN-47 ホワイトオイル塗装

北海道産ナラフローリング 品番:DN-47 ホワイトオイル塗装

欧米では、ライは洗剤として使われています。
自宅の暖炉や薪ストーブなど灰を用いてライを作ります。
そのライをフローリングのメンテナンスに使用するそうです。
ライの作り方は、そんなに難しくはないようなのでいつか自家製ライを作ってみようと思います。

 

無垢フローリング材のお手入れ・メンテナンスについてのまとめ

>無塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>オイル塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>UVウレタン・ウレタン塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>ガラス系塗料塗装(SSG・木塗MOKUTOなど)の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
ナラ無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
杉無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
桧無垢フローリング お手入れ面メンテナンス

 

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

杉は柔らかいので凹んじゃうと聞きましたが…  

投稿日:2010年05月06日

Q:無垢フローリング(特に杉など柔らかい木)は、
凹むと聞いたのですが大丈夫ですか?

A:どれだけ硬い床材を使っても必ず傷や凹みができると考えてください。
それよりもその傷が辛抱できる傷なのか、
傷や凹みは補修できるのかも重要です。
また、合板フロアーか無垢フローリングで迷っておられる方は
できるだけ無垢フローリング採用されたほうが良いと思います。
よくよく無垢フローリングを考え出したときの理由を思い出してください。
気持ち良さ、自然素材、耐久性等で選ばれたと思います。
いくら表面が硬くて艶々ピカピカでも梅雨にベトベトはしたくないですし
足触りも気持ちよくない物は使わない方が良い。
これは、傷や凹みの問題とは全く別問題です。
傷や凹みが付かないからと言って気持ち良く過せるとは限りません。
何れにせよ傷や凹みは必ず付きます。
補修にどれ位の費用が掛かるか?そもそも補修は可能なのか?
この点についてもよくよくご検討ください。

伊予杉フローリングをご採用いただいたお施主様のブログです。
フローリング選びに戸惑っておられる方にはとても参考になると思います。
ぜひ、アクセスしてみてください。
たかおさんのブログ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

燃え難い木があるんですね

投稿日:2005年09月26日

桧準不燃杉準不燃

 

 

桧準不燃羽目板      杉準不燃羽目板

見た目は普通の羽目板ですが燃え難い処理が施されているそうです。
準不燃木材では公共施設、学校・病院、市外地区及び3階以上の天井など
木材の幅広いニーズにお答えできます。
減圧・加圧注入で処理された準不燃木材は、
防火性能上厚さが9mm以上の石膏ボードと同等の防火性能があるので
今まで防火上の問題から内装制限されていた場所にも
木材の使用が可能となります。
もちろん無垢フローリングも羽目板のどちらでも対応できるらしいです。

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前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

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