激安!パインフローリング!!は本当に激安なのか??

材木屋としてこの様な事を書くことも大変恐縮ではございますが、
一般のお施主様が勘違いされていることも多いので書いてみます。

昨今、無垢フローリング激安品の代名詞と言えば申し訳ないけどパインフローリングの節有・無塗装品が多くみられます。

激安!パイン無垢フローリング!! 〇〇〇〇円! とかですね…

実際、当社でも3,500円/㎡から販売しています。
合板フロアから少し頑張って手が届きそうな価格帯も人気の一つです。

パインフローリング 節有・無塗装パインフローリング 節有・無塗装

 

また、パインフローリングは、白く明るく、軟らかく温かみが有り、節が顔面みたいに揃い、北欧風な感じが漂う人気の無垢フローリングです。

価格は安い。

確かに安い。

でも、そのまま使えるのか?

パインフローリングのそのほとんどが現地では土足用として販売されています。
土足用という事は、靴を履いて生活する方たち専用なのでそもそも素足で生活する日本人の生活スタイルに合っているものかどうなのか?

日本では、無垢フローリングを使用しようとするとカンナ仕上げでない限りウレタン塗装やオイル塗装、ガラス塗装など何かの塗装を施すのが一般的です。

そもそも日本向けの無垢フローリングの無塗装品は、表面に#180ほどのサンディングを掛け、塗装下地を作って無塗装として在庫や販売をすることが多いです。

輸入品のパインフローリングは、サンディング処理されていない物が多くみられます。
モルダーという加工機から出て来たままの状態です。
もし、これを日本国内で何らかの塗装を施そうとしたときには表面をサンディングし下地を作ってから塗装を施す事になります。
もちろんサンディング費用も塗装費用も掛かります。
サンディングとオイル塗装費を合わせると2000円/㎡は掛かると思います。

あともう一つ。
パインフローリングは、
節などの表面補修処理が施されていないことが多いようです。
抜け節、節欠け、ヤニツボなどは補修せずにそのままの事があります。

節の欠け
節の欠け
枝の折れた跡
枝の折れた跡
ヤニツボ
ヤニツボ

抜け節や節欠けなどは、
素足で歩くと引っかかる可能性も無きにしも非ずです。
ヤニツボなんかは、ベタベタしてあまり気持ちいいとは言えませんね。

これが国産の桧フローリングや杉フローリングになると、抜けたり欠けたりしている節は埋め木で処理されたり。
各節もパテ埋めしてサンディング処理を施すなど、素足対応の加工が施されています。

桧の埋め木
桧の埋め木

 

節のパテ処理
節のパテ処理

 

スギの埋め木
スギの埋め木

また、塗装に関してもパインフローリングは、塗装費や塗装屋までの横持ち運賃が掛かりますが、国産の杉フローリングや桧フローリングの場合は、製材所で塗装することがほとんどなので安価です。

例えば税別単価で比較してみると…
パインフローリング           節有 無塗装       3,580円/㎡
自然オイル塗装費                      2,000円/㎡
合計:                   5,580円/㎡

杉フローリング IS-05  節有 オイル塗装  3,999円/㎡

桧フローリング AH-22  節有 オイル塗装  4,160円/㎡

 

あれれ?
パインフローリングより桧や杉の無垢フローリングの方が安価ですね。

結局は、日本で住宅内装材として使える状態にした時の価格差で比較するのが良いのではと思います。

決してパインフローリングが良いとか悪いとか言ってるわけではございません。
パインフローリングの表情や温かさや香りが好きな方もたくさんいらっしゃいます。

ただ、パインフローリングが素直に安価だと思ってはいけないという事です。

杉フローリングや桧フローリングだってB級アウトレット無垢フローリングとなるとかなり安くなりますし…

無垢フローリングが激安になっちゃうその訳は?

”激安”って耳にしますよね。

激安といえども不要な物はそもそも購入する必要が無しですが大体の人はなんでも激安と聞くと気になってしまうものです。
もちろんフローリング以外にも激安は様々な商品やサービスが存在しています。

激安って言い方は少し下品に聞こえたりするかもしれませんがアウトレット、B級品、訳有り品なども同じような感じでしょうか。

最近、郊外に大型アウトレットモールがたくさんできてきましたがそこでは正規の洋服でも季節外れの物や売れにくいサイズ、モデルチェンジしたカバンや靴や時計など通常価格より安い商品が所狭しと並んでいます。

どんなものでも安いからには理由がある訳で様々な企業努力で価格を抑えて販売しているのは当然かと思います。

他にも…
夕方のスーパーでは、食品の消費期限が迫っているから売り切りたい。
事故車の中古車だが人気車種だから人気が落ちる前に売り切りたい。
モデルチェンジ前の商品は新型が出る前に売り切りたい。
など色々な理由がなんとなくわかる訳です。

無垢フローリングや木材の価格については、それぞれの原材料価格はおおよそ横一線だと言われています。
世界中必ず高く買ってくれる人のところへ流れていく原木です。
そなのに無垢フローリングの激安とはどのような仕組みや理由で実現しているのでしょうか?
・ロット販売
・正規品とは異なりマイナス要因がある
・加工工程を省いている
・偽装表示品である
以上のようなことが言えるかと思います。
それぞれ見ていく事にしましょう。

 

・ロット販売
ロット販売とは、大量販売で尚且つ細かい数量には対応できません。1ロットが50ケースなら50ケース単位でしか購入できないという事です。
60ケース欲しくても100ケースでしか購入できません。売る側からしたら小分けする手間が掛からないので安くしやすいですね。

 

・正規品とは異なりマイナス要因がある
木材では主に、キズが付いた物や割れ、反り、曲りなどがこれに当たります。無垢フローリングなら90巾仕上がり寸法で製材してみたが、
88ミリにしか仕上がらなかった寸法違いの製品などもこれに当たります。なかには梱包にだけ傷が付いていて、中身は無傷と言う物もあるそうなので希望の品でそういう物を見つけたらラッキーですね。

 

・加工工程を省いている
何だかよくわからないですね。でもあるんです…訳が。たまに見かけるのが、無垢フローリングの塗装についてです。樹種、サイズ、グレード、が同じで、無塗装とウレタン塗装の無垢フローリングを比較した際にウレタン塗装品の方が安いという事があります。塗装しているのにしていない方が高くなっちゃう?どうしてこうなっちゃうのか?ウレタン塗装は木の表面に造膜するのですが、木の表面の呼吸を止める効果と木を固める効果を持ち合わせています。はい。乾燥工程が省けます。無垢フローリングだと巾方向にUの字やその真逆方向に反りが出やすいのですが、施工現場でそのような現象が出ないように製造段階で反るだけ反らしてから加工を施すのが通常の乾燥法です。”木の応力を抜く”とも言われます。しかし、乾燥には時間も費用もとっても掛かります。乾燥工程を甘くし、ウレタン塗装で固めると言った生産工程だと無塗装品よりウレタン塗装品の方が安くなる場合も有ります。これは、工夫と言えば工夫だという事も出来ますしウレタン塗装前提の無垢フローリングにそこまでしっかり乾燥させなくてもよいのではないか?とも考えられますね。但し、お施主様に対しては説明が必要なポイントだと思います。


・偽装表示品である

普通に堂々と販売されています。馬鹿にしているのか?と思えてしまう代表がカバザクラです。カバかサクラか?おちょくっているのか馬鹿にされているのか?通称がカバザクラだからそれで良い。らしいです。業界のレベルが露呈しています。カバは、カバノキ科。サクラはバラ科。原木の価格が全く異なります。現状では、サクラやチェリーの方が高価です。

銘木でも偽装表示が結構あります。たまに良材が出ると有名産地に持ち込んでブランド名を付けて販売されたりしています。

霧島山系に生える霧島松は、今も昔もなかなか手に入らない銘木松です。他産地の赤松集成材を霧島松と銘打って販売しています。東京都や神奈川県で良く出回っている霧島松ですが、本場の鹿児島県、宮崎県以上に東京都には産地偽装した霧島松が多いです。また、これが使われているのが公共物件だからさらにたちが悪い。

あとは、違法伐採された木材などが安く流通する事もあるようですが、現状、違法伐採は国際的に合意された定義はなく、一般的に、それぞれの国の法律に反して行われる伐採を指すことが多いです。

違法伐採の木材を使用しない為にも流通業者も国際的な森林認証機関である FSC® および PEFC / SGECなどに加盟しているかどうかも一つの目安となります。

無垢フローリング専門店木魂を運営する株式会社五感では、国際的な森林認証機関である FSC® および PEFC / SGEC より、生産・流通・加工工程の管理認証であるCoC認証(Chain of Custody)を取得しております。無垢フローリング FSC® および PEFC / SGEC製品のご案内

また何と比べて激安なのか?にもよります。そもそも無垢フローリングと合板フロアーを比べるのであれば圧倒的に安価な無垢フローリングの方が激安になります。同じ使い方をして10年後に美しいのは無垢フローリングです。

どれだけ安定して長く使えるかどうかでも激安になるか、割高になるかが決まってきます。しっかりと製品の特徴をとらえて商品を選ぶ事にしましょう。

 

無垢フローリング材の張り替え(上張り・上貼り等)費用について考える

床材の材料費の目安

今日は、『無垢フローリング材の張り替え費用』に
ついて考えてみようと思います。

無垢フローリングで生活したい!と思ったものの近隣の工務店さんにリフォーム、リノベーションの相談に行ったら…
「今の合板フロアーは安くていいですよ」
「無垢フローリングは価格が高いですからねぇ」
「水廻り洗面に無垢フローリングはねぇ…」
「無垢フローリングは施工が難しく手間が掛かるからねぇ」
「無垢フローリングは反りますよ…」
「床鳴りがするかもね…」
などと言われることも少なからずあります。

どの様な無垢フローリングがるのか、上張りするのか?剥がすのか?などどの様な工法が有るのかなどはさておきあまり良い顔をしない工務店さんもいらっしゃいますね。

一先ず、取り付けに関わる取付工賃の大工さん手間はさておき床材、床板、フローリングの材料費の目安の表です。

【床材・床板・フローリングの材料費の目安】

床材の材料費の目安
床材の材料費の目安

無垢フローリングの価格が安いとか高いとかは、生活して快適かどうかとは方向性が異なるので今一度、よく考えて頂くか違う工務店さんを当たる事にしましょう。

では、無垢フローリングを施工するとなると、どの様な工事でどれくらい費用が掛かるのかリフォームやリノベーションの場合で見ていこうと思います。

今回は、無垢フローリングの張替え(上張り・上貼り・重ね張り)に限らず床板をさまざまな場面で改修・リフォームする状況で検討してみようと思います。

価格は、全国平均の相場を想定しています。
リビングなどの洋室や和室でも改修箇所がことなりますしっかり計画してみてください。

無垢フローリングや木材、大工手間など住宅工事には様々な費用が掛かります。
床材一つとっても、合板フロア、直貼りフロア、無垢フローリングなどなどどれともサイズが異なるので施工手間も変わってくるのでしょうか?

広葉樹?針葉樹?で価格が違うの???
分からないことだらけであります…

様々な工事現場で比較してみましょう。

  1. 既存床にフローリングを重ね貼り(上貼り・上張り)する
  2. 複合フロアーを無垢フローリング張り替える
  3. 既存床にコルク床材を重ね貼り(上貼り・上張り)する
  4. ペットに優しい床に張り替える
  5. 和室の畳をフローリングに張り替える
  6. カーペットを遮音フローリングに張り替える
  7. カーペットを二重床構造にしてフローリングに張り替える

 

ケース1・既存床にフローリングを重ね貼り(上貼り・上張り)する

工事概要:
既存床材の上に、リフォーム用の薄い床材(厚1.5㎜)を両面テープで直接貼り付け上張り(重ね貼り)して張り替える。

留意点:
現況の床を剥がして貼り替える・張り替えるのではなく、重ね貼り専用フローリング材は薄く、下地の影響を受けやすいため下地や床組の状態確認が必要。また、既存床の材質によっては上張り重ね貼りが不可能な場合もある。

ケース①・既存床にフローリングを重ね貼りする
ケース①・既存床にフローリングを重ね貼りする

大工貼り手間:1,500円/㎡

 

 

ケース2・複合フロアーを無垢フローリング張り替える

工事概要:
複合フロアーを無垢フローリングに変更する。床の傾斜や床なりがある場合は、根太、大引、束立まで撤去し、床下地から新規に施工する。

留意点:
無垢フローリングは、色や模様等が均一でないこともあり、温度・湿気・湿度の影響も受けやすいため、リフォーム時に採用する場合は注意が必要。

ケース②・複合フロアーを無垢フローリングにする
ケース②・複合フロアーを無垢フローリングにする

大工貼り手間:2,800円/㎡

 

 

ケース3・既存床にコルク床材を重ね貼り(上貼り・上張り)する

工事概要:
硬く滑りやすいフローリングの上に滑りにくく軟らかいコルク床材を重ね貼り(上貼り・上張り)工法で張り替え転倒等のリスクに備える。

留意点:
使用するコルクタイルの厚さによっては、部屋の敷居と段差ができる事があるのでその場合は段差見切りを設置する。

ケース③・既存床にコルク床材を重ね貼りする
ケース③・既存床にコルク床材を重ね貼りする

大工貼り手間:2,000円/㎡

 

 

ケース4・ペットに優しい床に張り替える

工事概要:
滑りやすいフローリングを撤去し、ペットに対応したクッションフロアに張り替える。

留意点:
クッションフロアの他にも各メーカーからペット対応の滑りにくい木質系の合板フローリング材なども販売されている。

ケース④・ペットに優しい床にする
ケース④・ペットに優しい床にする

大工貼り手間:2,310円/㎡

 

 

ケース5・和室(6畳)の畳をフローリングに張り替える
工事概要:
和室の畳を撤去し、敷居との高さを揃える為根太と下地合板で高さを調整し、複合フローリングを張る。

留意点:
仕上げ材はもちろん根太と合板のみならず土台や大引が傷んでいないかもチェックする。
和室の畳の厚さと無垢フローリング厚さを考慮する。
和室が真壁の場合、畳寄せではなく巾木についても検討する。

ケース⑤・畳をフローリングにする
ケース⑤・畳をフローリングにする

大工貼り手間:1,800円/㎡

 

 

 

ケース6・約6畳のカーペットを遮音フローリングに張り替える
工事概要:
カーペットを遮音合板フローリングへと変更する。
フローリングはLL-45の遮音等級基準を満たしたものを選択する。
幅木の取り付け交換も必要。

留意点:
一般的にフローリングはカーペットより遮音性が低く、マンションの防音規定や床下地の構成によって求められる遮音等級が異なるため、リフォーム前に管理規約を確認し、遮音等級を満たすフローリングにする必要がある。

ケース⑥・カーペットを遮音フローリングにする
ケース⑥・カーペットを遮音フローリングにする

大工貼り手間:2,300円/㎡

 

 

 

ケース7・カーペットを二重床構造にしてフローリングに張り替える

工事概要:
階下への遮音性能を上げるため、直貼床を乾式二重床に変更、複合フローリング仕上げとする。

ケース⑦・カーペットを遮音フローリングにする
ケース⑦・カーペットを遮音フローリングにする

留意点:
マンションの場合は防音規定や床下地の構造により、求められる遮音等級が異なるため、リフォーム前に管理規約での確認が必須である。
また、躯体が水平でない場合も多く、リフォームの際には水平が取れているか確認しながらの施工が必要。
※直貼り床を乾式二重床にする際には、スラブ厚の確認が必要。
直貼りのスラブ厚は150㎜程度のものが多く、乾式二重床では200㎜程度の物件が多い。

 

大工貼り手間:3,500円/㎡

 

いかがでしょうか?
具体的に当てはまる例はございましたか?

戸建て住宅やマンションでもリフォーム箇所は異なりますでしょうし戸建てなら住宅躯体の工法から、マンションなら床も直貼りか二重床、更にはL40 や L45などの遮音等級も検討しなければいけません。

改修・リフォームには、壁や天井、洗面所、浴室、トイレ、キッチン、外装、内装も加わったりと上記に示しただけではすんなりとはいきません。
仕上げ材にせっかく無垢フローリングを使うなら壁紙(ビニールクロス)では無く木目と相性の良い塗り壁の漆喰や珪藻土を採用したり、具などにもこだわってみたいものです。
その場合は仕上材のみならず壁下地材も関係してくるかもしれません。床を改修したら玄関の上がり框も必要かな…そうしたら土間はどうなるんだろう?窓断熱は?風呂の換気扇は??

リフォームや建築工事は、新しい夢が盛りだくさんですが費用としては解体廃材処分費なども出ますのでそちらも加味しなくてはいけません。
少しの傷みで補修で済む箇所、補修では済まない大掛かりな改修を行わなければいけない箇所もあります。

今回、取り上げた大工貼り手間は1,500から3,500円/㎡と床板材の貼り手間と言っても2,000円/㎡の差があります。一概に床板材の貼り手間と言ってもかなりの差が有ります。床材のサイズが合板フロアの様に303mm巾のものと無垢フローリングの75mm巾だと大工さんの貼り手間は変わるのか?
特に床の貼り替え工事についての貼り手間は工務店さんにしっかりと下見したうえで算出してもらってください。運搬費なども考えておかなければ…

樹種についても様々です。
広葉樹は硬いけど、針葉樹はやわらかいって聞いたけど?針葉樹が傷つきやすく、広葉樹は傷が付きにくいってこと?桐や朴は広葉樹だし、唐松なんかは針葉樹?硬さに関しては、樹齢もかなり影響するのでは???

また、無垢フローリングは、実際に反り、割れ、曲がり等メリットだけでなくデメリットもあるので注意が必要です。

様々な例を組み合わせて御自宅に近い条件で改修費用を算出してみてはいかがでしょうか?

無垢フローリングの価格設定方法・お施主様が見るべきポイント

無垢フローリングを検討する際に何を見て比べるべきか?
当然のことながら一番には、『自分たちが気にいったイメージの無垢フローリング』を選ぶという事が最優先として有ります。

やはりその次に気になるのは、価格だと思います。工務店さんや設計士さんからおおよその予算を伝えられることでしょう。

例えば、工務店さんや設計士さんから10,000円/㎡以内で床材を選んで来て下さいと指示されたとします。

そうすると、お施主様は単品で10,000円/㎡以下のものを探そうとすることが多いのですが、コレ間違えです。

まずは、自分の好みで選ばなくてはいけません。例えば、いくつもの無垢フローリングの中から“コレだ!”と思う物を見つけたとします。
その無垢フローリングの価格が15,000円/㎡だったとします。あぁ予算オーバーかぁ…と諦めそうになりますがここはまだ諦めるところではありません。

自分なりに間取り図で格付けします。格上な場所には一番気に入った無垢フローリングを格下の場所にはなるべく単価を抑えた無垢フローリングを採用する事で床材を予算内に収めれる事も多いのです。

例えば、リビングと玄関は一番気に入った物を寝室やクローゼットには単価を抑えた物をという感じで選びながら予算内に収める感じです。

この様にお部屋ごとに検討していこうとした場合は、無垢フローリングの価格がどの様に設定されていくのかを理解していた方がスムーズな商品選びに役立ちます。

この後に記載する「無垢フローリングの価格設定について」をご参照いただきながらご検討いただければと思います。

 

「無垢フローリングの価格設定について」

無垢フローリングは、おおよそどこのメーカーもおおよそ5つの条件から価格を設定しています。

①板幅の広さ
②節や色むらの有無
③塗装の有無と種類
④UNIまたは1枚物または乱尺
⑤樹種と産地

それぞれの条件を見ていきましょう。

①幅の広さ:
幅が広い板が必要となると大きな丸太が必要となります。
大きな丸太は樹齢が高く、丸太自体の価格も高価です。
以下の様な製材はほぼしませんがあくまでも一例です…

 

②節や色むらの有無:
節は、木の枝の付け根になります。木には必ず枝が生えています。枝の無いところ、節の無いところや色むらの無いところを選ぶと希少価値が高くなり高価になります。

当社では、3グレードに分ける事が多いです。
カーム:節や色むらがほぼ入らない
スムース:小さな節や若干の色むらがある
ラフ:節や色むらが入る自然な風ない

例)イングリッシュオークフローリング

カームグレード:節や色むらがほぼ入らない

スムースグレード:小さな節や若干の色むらがある

ラフグレード:節や色むらが入る自然な風ない

 

 

③塗装の有無と種類
無垢フローリングには、自然OIL&WAXや無塗装やウレタン塗装などがございます。
参照:無垢フローリングの塗装について
基本的に無塗装でのご利用はお勧めしておりません。最近では、ガラス塗料SSGの採用も増えてまいりました。それぞれの塗装でメンテナンス方法が異なるのでご確認ください。

樹種例)シベリアンウォールナットフローリング

・自然OIL&WAX:表面に膜を作らない自然な風合いの仕上り。
ツルツルペタペタせずに足触りもやさしい。

 

・無塗装:塗装下地とお考えください。

 

・ウレタン塗装:表面に膜を作る塗装。ピカピカでツルツルしている。
       塗料が剥がれだすと素人では補修ができない。

 

 

④UNIまたは1枚物または乱尺
長手方向(1820㎜など)にかまぼこ板の様な短い板を繋ぎ合わせた物をUNIタイプと呼びます。長手方向につなぎ合わせが無く1枚の板で作った物を1枚物と呼びます。針葉樹のほとんどが1枚物なのに対し広葉樹の1枚物は全体の10%以下でしか製造できません。その理由の一つとして
針葉樹は、人工林がほとんどなので人間が植林して木を真っ直ぐ育てています。
広葉樹は、自然更新がほとんどなので木が好きなように幹を伸ばしながら少し曲がって育ちます。
真っ直ぐ育った木でないと1枚物は取りにくいということです。

 

 

⑤樹種と産地
最後に樹種名と産地となります。同じ樹種でもブランド化している地域もあります。そのような場合は、少し割高になるかもしれません。

 

ウォールナット
ウォールナット

 

 

 

 

カラマツ ラーチ
カラマツ ラーチ

 

 

 

 

メープル
メープル

 

 

 

 

チーク
チーク

 

 

 

 

椈 ブナ
椈 ブナ

 

 

 

 

パイン
パイン

 

 

 

 

栂 ツガ
栂 ツガ

 

 

 

 

松 マツ
松 マツ

 

 

 

 

桧 ヒノキ
桧 ヒノキ

 

 

 

 

杉 スギ
杉 スギ

 

 

 

 

樺 バーチ
樺 バーチ

 

 

 

 

楢 ナラ
楢 ナラ

 

 

 

 

栗 クリ
栗 クリ

 

 

 

 

タモ アッシュ
タモ アッシュ

 

 

 

 

カラマツ ラーチ
カラマツ ラーチ

 

 

 

 

 

以上、5つの条件から無垢フローリングの価格は決まっていきます。
上記の事からブラックウォールナット(ヒノキ)の価格が高いや安いだの、樹種名で決めることは絶対にできません。

ちなみに無垢フローリング専門店木魂で扱う無垢フローリングで一番価格差がある樹種はヒノキフローリングになります。
㎡価格にすると3,000円台~60,000円台まで桧フローリングの中でも20倍もの価格差があるというのが現実です。

価格とは他に、木材の性質からご検討いただく場合は木材性質一覧表をご活用ください。

その他、様々な条件から無垢フローリングを検索する事も可能です。
無垢フローリング・絞り込み条件検索

 

無垢フローリング価格を検索

無垢フローリングを価格別に並べ替えて閲覧する事が可能です。

 

 

無垢フローリングを検討する際の予算感???③マンションリフォームの場合

いまでも高価な物だと思われがちな無垢フローリングですが、最近では、分譲マンションのリフォームやリノベーションにも使われます。日本のマンションでは無機質なコンクリートの塊りの中に住むことになります。新築時から床には合板フロアー、壁にはビニールクロスとお決まりのパターンがほとんどでした。無垢フローリングがなかなか採用されなかった背景としてはそもそも無垢フローリングが施工できると思っていなかったのではじめから検討材料に入れなかった。少しは、検討したけれどマンションの管理組合規則にある防音性能を満たす無垢フローリングが見つからなかった。

この様な理由から、マンションでの無垢フローリング生活は見送られてきました。でも、無機質なお部屋になりがちなマンションだからこそ壁はしっくい、床は無垢フローリングと少しでも温かみを感じられるような住空間にしたいものです。

最近では、リフォーム、リノベーション雑誌などをみてもどのお宅も無垢フローリングを採用しているといっても過言では無くなりました。リフォームをしようとかな?と思いたった時は、夢が広がりあんな風にしたいこんな風にしてみたいとどんどん調子よく夢を描きます。そして、実際に設計士さんや工務店さんに依頼を持ちかけたころでしょうか、最初の障壁「防音規定」が立ちはだかるのです。

防音規定は、マンションの管理組合で定めている階下住民に対する騒音の配慮のレベルが示されていることが多いです。床衝撃音は、軽量床衝撃音(LL:レベルライト)、重量衝撃音(LH:レベルヘビー)の2種類に分けられています。
軽量衝撃音とは、スプーンやコップを床に落とした時のチャリーンと言った軽い音や、スリッパでパタパタ歩いたときにでる音などです。
重量床衝撃音は飛び跳ねたり走り回ったり重いものを落とした場合にでるドズンッといったよう音を指します。
軽量床衝撃音は、主にスラブ面より上端の構造や床仕上げ材の種類によって音の大小に影響が出ると考えられています。なるべく音の出ない仕上げ材にすれば効果が出ると考えてよいでしょう。
それに対し、重量床衝撃音は、床スラブの厚さや梁の位置が音の大小に影響を与えます。重量衝撃音に関しては、後々の工事で対処する事は難しいと言われています。

現状、マンションの管理規約にL45(LL45)相当の床材を使用する事と記載されていることが多いです。それでは、遮音等級L45の床材を使用すれば階下からのクレームが絶対にでないのか?というとそういう訳でもないのです。
たまにしか聞きませんが、そのたまにが毎度同じようなパターンが多いのです。それは、畳のお部屋をフローリングに変えた場合です。床防音研究者の中で畳は最高の防音材と言われています。畳のお部屋をフローリングに変更した際が階下からのクレームが一番多いとも言われています。
畳は、L値で表記するととんでもなく高い遮音等級になると言われています。厚みは60㎜もあり表面は柔らかく、中身はぎっしり詰まっている。
遮音防音材として最高です。

しかし、基準は基準なので改修前より多少遮音性能が落ちても基準値であるL45相当の性能があれば大丈夫なはずです。工事前にはマンションの管理組合を通して階下の住民にも床仕上げ材を確認してもらって了解を受けましょう。

さて、マンションの床構造には大きくは乾式二重床方式と直貼り方式があります。乾式二重床方式は、床スラブの上に直接カーペットやフローリングを貼るのではなく、間に緩衝材を入れて床板を二重に工法です。直貼り方式は、その名の通り床スラブに直接床板を施工していく工法です。
直貼り方式は、西高東低で関西より西で採用されていることが多いようです。

マンション床構造
乾式二重床で床材をリフォームする際は、意外と簡単にマンション管理規約の防音規定をクリアーできる場合もあります。
乾式二重床の場合、床構造そのもので遮音等級を得ていますので表面の床材が変わってもそれほど影響を受けないと考えられます。単純に現況床材から無垢フローリングに貼り換えたり、重ね貼りしたりが可能です。
但し、現況の乾式二重床が管理規約の遮音等級をクリアーしている事は必須となるため現況の乾式二重床の品番を確認してそれを証明しなくてはいけません。証明方法としては、管理事務所に行って竣工図面から探してみたり、マンション新築時のパンフレットの載っている床構造で証明したりでしょうか。
どういう訳か、乾式二重床でも遮音等級を持った床材を使用する様に取り決めのある管理組合もございますのでよくよく管理規約をお確かめ下さい。
現況の二重床がそのまま使用できるようでしたらぜひ無垢フローリング一覧からお気に入りの無垢フローリングを探してみてください。
直貼り方式の場合は、床スラブに貼ってある現況のカーペットやフロアーを剥がし、そこに管理規約に沿った遮音等級を持った床材を貼り付けていく事になります。

少し前までは、遮音等級を持つ合板フロアーの上に無垢フローリングを貼るという荒業で無垢フローリングを施工されていた業者もいましたが、下地がブカブカするのでかなりの床鳴りなどの不具合が出ていたようです。

最近では、マンション用無垢フローリング防音マット木魂防音無垢フローリングなど、直貼り工法専用の部材が販売されています。
特に木魂防音無垢フローリングは、直接床スラブに貼り付けますので遮音防音マット類とは違い配送費、労務費、作業時間の削減が期待できます。直貼り工法でご検討いただく場合は、ぜひ木魂防音無垢フローリングの中からご検討ください。ここまでで工法による違いでそもそも選ぶ無垢フローリングが変わってくることをご理解いただけたかと思います。

そうしたらどうやって無垢フローリングを選んでいけばよいのでしょうか?
防音規定を気にしすぎて少しでも柔らかい方が良いのだろうか?
今、流行っている無垢フローリングはどれなんだろう?
とかは考えないでください。
一番大切にするべきは 自分の好み です。
当たり前のように感じられる方もいらっしゃると思いますが住宅計画をしているうちにブレちゃう事もしばしばあったりするのです。設計士やインテリアコーディネーターと違い、業界外の方なら住宅計画は人生でほんの数回しかないかと思います。それも、忙しい日々を過ごしながらの計画なのでなかなか難しい。そこで、本や雑誌やWebなどいろいろと見て回ると… 目が回ります(@_@)当社の無垢フローリングショールームにご来場いただくお施主様の中には映画のワンシーンを印刷して”こんな感じにしたい”という方もいらっしゃいます。
しかし、雑誌の表紙などに出てくる新進気鋭なデザイナーの奇抜で住みにくそうな住宅にも目が行ってしまうものです。雑誌も少しでも目をひこうとデザイナーを煽ります。それに流されても当然と言えば当然かもしれません。そういう時代の流れなんですし。最終的に写真写りが良い住宅よりもお施主様は自身が快適に過ごせる住空間を求める訳です。
この様な住宅計画漂流みたいにならないように最初に自分の好みをある程度ひかえておいた方が良いかもしれません。
文章でもラフ図でも走り書きでも良いと思いますよ。絶対に迷っちゃいますから。

では、本題。
マンション間取り
こちらのマンションに直貼りの木魂防音無垢フローリングを採用するとします。
和室はそのままで洋室①②とLDKの変更です。
最近、流行っている表面に2mmほどの挽き板を採用した合板遮音フロアーを例に価格差を見ていこうと思います。
※いくら厚い挽板を使用しても表面塗装が造膜型の硬い塗料なら足裏が直接触れるのは固い塗料なるので挽き板の厚い薄いはほとんど関係無い様な気もしますが…

挽き板フロアーにもチェリー、ウォルナット、チーク、オークなどがあります。
今回は、一番スタンダードなオークで計算してみましょう。
オーク挽き板フローリング LL45対応品
サイズ:145×13.7×909mm
実売㎡価格:18,000円(税別)
施工面積はおおよそ以下(ロス10%含む)になります。
洋室①:11㎡
洋室②:10㎡
LDK:28㎡
廊下:5㎡
合計:54㎡
全て挽き板フロアーにした場合:972,000円(税別)
ん?  合板フロアーなのにあまり安く感じない。
と思った方は大正解!
挽き板フロアーや突き板フロアーは、表面材を薄くスライスする為になるべく節や割れや入り皮などの欠点を省かざるをえないのです。
丸太で一番綺麗な箇所。マグロで言うと大トロの部分でしか生産できないのです。材料が高くなってしまうので、商品も高くなっちゃいます。
では、木魂防音無垢フローリングで上記品と近似商品はというとLLEO-52:イングリッシュオークが近いと思います。

LLEO-52:イングリッシュオーク
サイズ:1820x150x26mm
㎡価格:17,410円(税別)

全て木魂防音無垢フローリングLLEO-52にした場合:940,140円(税別)
あれあれ?挽き板合板フロアーよりも無垢フローリングの方が安くつきそうです。もし、節が有っても良いのですとなると以下品番になります。

品番:LLEO-53
サイズ:1820x150x26mm
㎡価格:14,075円(税別)

全て木魂防音無垢フローリングLLEO-53にした場合:760,050円(税別)
さらに、洋室①②の床はベッドで隠れちゃいますし無垢なら何でもでいいですとなれば香りが良く明るい阿波桧にしてみましょう。

品番:LLAH-37になります。
サイズ:910x108x26mm
㎡価格:9,760円
洋室①:11㎡→LLAH-37
洋室②:10㎡→LLAH-37
LDK:28㎡→LLEO-53
廊下:5㎡→LLEO-53
上記で計算すると合計:669,435円(税別)
1㎡あたり12,397円(税別)となりました。

絶対に無垢のフローリングが高価であると言うようなことはありません。予算を掛けるべきところとそうでないところを分けて考えるのも一つの手段です。一戸建て住宅でも1階と2階で床材を変えられることも多いです。
また、高価な住宅になればなるほどこの傾向にあります。木の価格は希少価値によるところが多いからです。
クロマグロとメバチ。マグロの大トロ。サクとタタキ。よく似てます。
時間があればなるだけ一戸建てを計画されている方は、無垢フローリングを検討する際の予算感???②一戸建編もどうぞご参考になさってください。