材木屋としてこの様な事を書くことも大変恐縮ではございますが、
一般のお施主様が勘違いされていることも多いので書いてみます。
昨今、無垢フローリング激安品の代名詞と言えば申し訳ないけどパインフローリングの節有・無塗装品が多くみられます。
激安!パイン無垢フローリング!! 〇〇〇〇円! とかですね…
実際、当社でも3,500円/㎡から販売しています。
合板フロアから少し頑張って手が届きそうな価格帯も人気の一つです。
また、パインフローリングは、白く明るく、軟らかく温かみが有り、節が顔面みたいに揃い、北欧風な感じが漂う人気の無垢フローリングです。
価格は安い。
確かに安い。
でも、そのまま使えるのか?
パインフローリングのそのほとんどが現地では土足用として販売されています。
土足用という事は、靴を履いて生活する方たち専用なのでそもそも素足で生活する日本人の生活スタイルに合っているものかどうなのか?
日本では、無垢フローリングを使用しようとするとカンナ仕上げでない限りウレタン塗装やオイル塗装、ガラス塗装など何かの塗装を施すのが一般的です。
そもそも日本向けの無垢フローリングの無塗装品は、表面に#180ほどのサンディングを掛け、塗装下地を作って無塗装として在庫や販売をすることが多いです。
輸入品のパインフローリングは、サンディング処理されていない物が多くみられます。
モルダーという加工機から出て来たままの状態です。
もし、これを日本国内で何らかの塗装を施そうとしたときには表面をサンディングし下地を作ってから塗装を施す事になります。
もちろんサンディング費用も塗装費用も掛かります。
サンディングとオイル塗装費を合わせると2000円/㎡は掛かると思います。
あともう一つ。
パインフローリングは、
節などの表面補修処理が施されていないことが多いようです。
抜け節、節欠け、ヤニツボなどは補修せずにそのままの事があります。
抜け節や節欠けなどは、
素足で歩くと引っかかる可能性も無きにしも非ずです。
ヤニツボなんかは、ベタベタしてあまり気持ちいいとは言えませんね。
これが国産の桧フローリングや杉フローリングになると、抜けたり欠けたりしている節は埋め木で処理されたり。
各節もパテ埋めしてサンディング処理を施すなど、素足対応の加工が施されています。
また、塗装に関してもパインフローリングは、塗装費や塗装屋までの横持ち運賃が掛かりますが、国産の杉フローリングや桧フローリングの場合は、製材所で塗装することがほとんどなので安価です。
例えば税別単価で比較してみると…
パインフローリング 節有 無塗装 3,580円/㎡
自然オイル塗装費 2,000円/㎡
合計: 5,580円/㎡
杉フローリング IS-05 節有 オイル塗装 3,999円/㎡
桧フローリング AH-22 節有 オイル塗装 4,160円/㎡
あれれ?
パインフローリングより桧や杉の無垢フローリングの方が安価ですね。
結局は、日本で住宅内装材として使える状態にした時の価格差で比較するのが良いのではと思います。
決してパインフローリングが良いとか悪いとか言ってるわけではございません。
パインフローリングの表情や温かさや香りが好きな方もたくさんいらっしゃいます。
ただ、パインフローリングが素直に安価だと思ってはいけないという事です。
杉フローリングや桧フローリングだってB級アウトレット無垢フローリングとなるとかなり安くなりますし…