Q:キッチンや洗面・脱衣所にはウレタン塗装が適しているの?
お施主様から良くいただくご質問の一つです。
ハウスメーカーさんや建築屋さんからも水周りなどはウレタン塗装の方が良いですよと薦められることもあるようです。
水まわりにウレタン塗装を選ぶのは本当に正解?この記事では「キッチンや洗面・脱衣所にウレタン塗装が不向きな理由」と、代替の選択肢について詳しく解説します。
どちらかというと、間取り的に水廻りは北側に設定されることが多いように思います。キッチンも洗面所も暖かいイメージはあまりありませんね。はっきり言って寒いことが多いのではないでしょうか?
無垢フローリングを検討する際に温かみがあり、足触りが良いという理由で選ぶ方も多いはず。寒いと分かっているお部屋で、冬は冷たいとわかっているウレタン塗装を選ぶなんて本末転倒です。
ウレタン塗装をお薦めする方の気持ちも分からない訳では無い。ウレタン塗装なら、表面に造膜されているので水弾きの輪染みや落ちた粉洗剤なども硬く絞った雑巾で拭き上げればそこそこ綺麗になります。
でも、ウレタンの膜に頼っていても、十数年すると膜は確実に剥がれます。ウレタン塗装は、剥がれだしたらとまりません。ウレタン塗装が最高に綺麗なのは施工が終わった瞬間です。後はどんどん塗装が剥がれてみすぼらしくなっていきます。表面に膜を作っているので、その上に重ね塗りというのは不可能なのです。せっかく何十年も使う予定だった無垢フローリングが、ウレタン塗装のせいで十数年しか使えないという事も実際にあります。
それでは、表面に膜を作らない、含浸型のオイルやワックスはどうでしょう?
オイルやワックスは、ウレタン塗装ほど完璧な膜はできませんが、無垢材表面の感触(足触り・手触り)が残っているので夏はサラサラしていて冬は暖かいと言った感じです。しかし、オイル塗装や蜜蝋ワックスは、手入れを怠っていると輪染みや汚れは染み込んでいきます。キッチンや洗面・脱衣所の手入れとなると、半年に一度の蜜蝋ワックス塗布をお勧めしております。その他、居間・廊下・寝室などは2,3年に1度の塗布となります。
なんだかオイル塗装も面倒だなぁ…と思われた方、そうなんです。実際に蜜蝋ワックス塗布は時間もかかり面倒なのです。革製品のバッグや靴などの様に自分でワックスを塗布しながら良い色になるのを楽しむ。と言うのも良いかもしれませんが、住宅のフローリングとなるとかなりの面積になり大変です。
そうなるとオイル塗装の様な感触で、ウレタン塗装の元気な時期の性能を併せ持った無垢フローリングに最適な塗装は無いものか?そんなに都合が良い塗装があればみんなそうしますよね。
それが発売されたのです。
それは液体ガラス塗料です。
無垢フローリングに塗った感じは、まさにオイル塗装の様な仕上がりで中性性洗剤も使えるメンテナンス性の良さが液体ガラス塗料です。数年前までは、嘘みたいな話でしたが現在はよく使われます。
ガラスと聞くと、なんだかテカテカして冷たいようなイメージがしますが、全く逆で自然な風合いで、もちろん木の温かさも感じる事が出来ます。
日々のお掃除は、乾拭きや掃除機はもちろんOKです。絞った雑巾で水拭きして頂いても大丈夫。さらに頑固な汚れには、中性洗剤を薄めて雑巾掛けもOK。現況の液体ガラス塗料に再塗布も可能です。再塗布は5年に1度の頻度です。
なんとまぁよくできた塗料です。価格的には、今のところオイル塗装よりも若干割高ですがこのまま増えていく事で使いやすい価格に下がって行くと思います。
無垢フローリングは、憧れるし大好きだけれど”メンテナンスは嫌いじゃないけど共働きで時間がない。”
”もう歳なのでなるべくメンテナンスフリーに近いものが良い”
”水周りにウレタン塗装を薦められたけど冷たくて剥がれるのはヤダ”
こんなお施主様には液体ガラス塗装をお勧めします。
無垢フローリングをキッチンや洗面所など水回りに使う際の注意点Q&A
Q. キッチンや洗面所にはウレタン塗装が適していますか?
A. 一見すると水に強そうなウレタン塗装ですが、実際には表面が傷ついたり、塗膜の継ぎ目から水分が入り込むと、かえって内部で劣化が進むことがあります。塗膜の部分補修が難しく、長期的にはリスクもあります。
Q. ウレタン塗装とオイル塗装、どちらが水まわりに適していますか?
A. 水まわりにおいては、メンテナンス性を考慮してオイル塗装を選ぶ方が現実的です。オイル塗装は部分補修がしやすく、木の呼吸を妨げずに使用できます。ただし、定期的なケアが前提です。
Q. ガラス塗料は水まわりに向いていますか?
A. ガラス塗料は木の質感を活かしつつ、薄い保護膜を形成する塗装です。耐水性はある程度ありますが、完全防水ではなく、接合部や小口からの水の侵入には注意が必要です。こまめな清掃と換気が欠かせません。
Q. 無垢フローリングを水まわりで使う際の注意点は?
A. 水に強い塗装を選んでも、濡れたまま放置すれば劣化は進みます。こぼしたらすぐに拭く、定期的にメンテナンスをする、湿気をこもらせないといった「暮らし方」が何よりも重要です。
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