無垢フローリング施工時に隙間(クリアランス)を設けるためのスペーサー

無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色み
  1. 無垢フローリング施工時の隙間(クリアランス)と突き上げ
  2. 無垢フローリング施工時にスペーサーを使う理由
  3. 無垢フローリング施工に最適なスペーサー
  4. 無垢フローリング施工時に使用するスペーサーのサイズと作業性
  5. 無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色と作業性
  6. 無垢フローリング施工時に使用しているスペーサーの使用例

 

無垢フローリングのデメリット欠点
無垢フローリングの突き上げ

無垢フローリング施工時の隙間(クリアランス)と突き上げ
無垢フローリングを施工する際には、巾に対して隣り合うフローリング同士の隙間(クリアランス)をおおよそ0.2mm~0.5mmほど持たせます。意図的に隙間(クリアランス)を設けるという事です。隙間(クリアランス)が全くないと、無垢材フローリングが膨張し、反って、力の逃げ場所が無ければ表面に突き上げてきます。無垢材の反りや突き上げを意図的に起こそうと思えば含水率など関係なく非常に簡単に再現できます。
参考資料:無垢フローリングのすき間(クリアランス)の必要性について
その隙間(クリアランス)を均等に持たせるためにスペーサーの使用を推奨しております。スペーサーは、施工する無垢フローリングの巾や施工する季節や天気によって膨張収縮を繰り返すのでそれぞれで厚みを調整します。
スペーサーの間隔はおおよそ2 尺(606mm)ピッチを基準に差し込みます。ほんの少しの隙間なのですが、これが無いと無垢フローリングの突き上げ現象が起こる可能性が高くなります。

どの様な木材の樹種がどれくらい動きがあるのか気になりますよね。オークやメープルなど硬い木材の方が膨張収縮が起きにくく、杉、桧、桐など柔らかい木材の方が膨張収縮が起きやすいのか?起きにくいのか? では、なぜ箪笥に意図的に柔らかい桐材が使われているのか?桐箪笥の引き出しはなぜ隙間が無く密閉性が高いのか?それぞれの樹種を木材性質一覧表でご確認いただけます。

 

YouTube動画で見る オーク無垢材フローリングによる膨張実験動画
オーク材が反ったあと、突き上げてくる様子を見ることができます。
木材の中においてオーク材が固いから膨張収縮し難いとは言えません。

 

無垢フローリング施工時にスペーサーを使う理由
ではなぜ?無垢フローリングを施工する際にスペーサーを使う必要があるのでしょうか?無垢材フローリングは室内の湿気の吸放出を繰り返します。梅雨から夏場にかけて湿気が多い時期には空気中の湿気を吸って膨張します。逆に、冬場など乾燥時期には湿気が無いので収縮します。1年を通して湿気の増減と同じように膨張収縮を繰り返しています。
特に無垢材の巾方向に関しては、長さ方向の10倍ほど膨張収縮が起こると言われていますので巾反りには要注意です。無垢フローリングの場合は、エンドマッチ(木口・長手継ぎ)は、軽く付く程度にひっつけます。無垢材フローリングは、含水率の変化によって膨張したり、収縮したり、反り、曲がりと様々な寸法変化が起こります。それが原因で床鳴りすることもございます。ひとつの対策としては、お部屋の湿度を50%前後に調整しておくことで木材は平衡含水率に近づき、寸法が安定し反りや割れなどの狂いが生じにくい状態になります。

この様な膨張収縮を考えた工事の施工は
身近なところでも見ることができます。例えば、高速道路のつなぎ目や鉄道の線路のつなぎ目など、同様の目的で隙間(クリアランス)を見ることができます。自動車や電車に乗車した時にガタンガタンとなる部分ですね。これは気温や湿度で膨張して伸びた時のことを考慮して隙間(クリアランス)を持たせてあります。逆に冬に気温が低くなると収縮するということになります。

無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色み No.4(3)
無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.4

せっかくお施主様が無垢フローリングを選んでも、間違った施工をしてしまうと取り返しのつかない事にもなりかねません。また、無垢材フローリングそのものが原因ではないにもかかわらず、無垢フローリングのデメリットとして紹介されることもしばしばございます。
やはり合板フロアーしか施工したことが無い大工さんは、無垢材における膨張収縮にあまり意識がないために反りや突き上げが起こる可能性が高いような気がします。ちなみに合板フロアーや挽板フローリングは、クリアランスは必要とせずにぴっちりと貼っていくのが基本となります。

 

無垢フローリング施工に最適なスペーサー
さて、無垢フローリング施工時にスペーサーを使う事った方が安心して施工できるとして、どの様なスペーサーを使用するのが良いのか少し考えてみます。最終的には0.2~0.5mmほどの隙間(クリアランス)ができればいい事なのですが、施工者からしてどの様なスペーサーが使いやすいのでしょう。

無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.3 (2)
無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.3
無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.6 (4)
無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.6

無垢材フローリング施工時に使用するスペーサーに求められるのは、厚みが変わらないこと、作業性が良い事です。厚みが変わらないと言えば、そんなに難しいリクエストではないように思えますが、紙製の様に軟らかい素材だと施工中に破れてしまったり、厚みが変わってしまいがちです。施工時、ボンドとフロア釘やフロアステープルで固定していきますが、ボンドが固まるまでスペーサーはそのままです。施工範囲が広くてスペーサーを使い廻すようであればあまりお勧めできません。プラバンなど貼りこみ時に厚さが変わらない素材の方が使いやすいです。PPバンドも使用できますが、かなり厚みが様々なので注意して選ぶようにしましょう。

無垢フローリング施工時に使用するスペーサーのサイズと作業性
無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの
作業性です。これも貼る範囲やサイズなどにもよりますが、私はプラバンを小さく切るよりなるべく大きく切った方が使いやすいです。小さく切ってしまうと翌日に抜くのが非常に面倒です。ホウキなどで一気に抜く方法も試してみましたがフローリングの塗装に傷が付きそうなので、面倒でも真上に抜くのが最良なのでは?と思っています。

無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.1 (5)
無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.1

無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色と作業性
また、注意しないといけないのが色です。無垢フローリングを施工する際のスペーサーにクリアー(透明)は使わない方が無難です。1度だけ使ったことがありますが、透明なので刺さっているのに気が付かずに蹴ってしまってつまずいたりします。
それに画像でも確認できると思いますが、透明だと工事中に床に落ちていても気が付きにくいです。作業性がとても悪くなりがちです。なるべくなら施工する無垢材フローリングの色みを考えて目立つ色のスペーサーを使用することをお勧め致します。

無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.2 (1)
無垢フローリング施工時に使用するスペーサーの色みNo.2

画像の赤いスペーサーのサイズは、8x8cmで厚みは0.4mmです。この辺りが施工する側にとっては使いやすいと思っております。
スペーサーは貼り込み時の補助具ですので、クリアランスが取れているかは必ず目視にてご確認ください。

 

無垢フローリング施工時に使用しているスペーサーの使用例

シルキーメープル無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
シルキーメープル無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
シルキーメープル無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2
シルキーメープル無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2

 

ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2

 

ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.3
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.3
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.4
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.4
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.5
ブラックウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.5

 

シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.5
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.5
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.4
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.4
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.3
シベリアンウォールナット無垢フローリング施工時のスペーサーNo.3

 

南部本栗無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
南部本栗無垢フローリング施工時のスペーサーNo.1
南部本栗無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2
南部本栗無垢フローリング施工時のスペーサーNo.2
南部本栗無垢フローリング施工時のスペーサーNo.3
南部本栗無垢フローリング施工時のスペーサーNo.3

 

無垢フローリングの取り扱いと施工方法
無垢フローリング貼りこみ時の注意点としては以下となります。

  • 靴跡が付きますので、作業の再は綺麗な足袋や靴底にウエス等を巻いて施工してください。
  • エンドマッチ(木口・長手継ぎ)は、軽く付く程度にしてください。通常、スペーサーを噛ましてのクリアランスは不要です。
  • 張り込みは当て木を使用し強く叩き込まずに通常0.3mmのクリアランス(隙間)をとってください。
  • スペーサーはプラバン、PP バンドなど季節によって使い分けてください。(時期によって膨張収縮します。冬場は0.5mm 位必要です)
  • スペーサーの間隔は2 尺ピッチを基準に差し込んでください。
  • スペーサーは貼り込み時の補助具ですので、クリアランスが取れているかは必ず目視にてご確認ください。
  • スペーサーは接着剤が硬化するまではさんだままにしてください。
  • フローリングと壁部、壁際は5 ~ 10mm程すき間をとってください。すき間は巾木で隠してください。
  • 掃き出し窓のサッシの納め、敷居、ドア枠、框、床見切り納めの場合も突きつけずに必ずクリアランスをとってください。
  • 施工は予め雄実(凸)部に直径2mm位の下穴を開け接着剤とフロアービス工法、フロアーネイル工法のいずれか併用でご使用いただくか、無垢フローリングの施工に適したフロア用ステープルを接着剤と併用でお使い下さい。
  • フロア用ビス、フロア用ネイル、フロア用ステープルは凸部へ約45度の角度でそれぜれの専用工具(金槌、専用エアツール等)を用いて打ち込んでください。
  • フロア用ビス、フロア用ネイル、フロア用ステープルは38mm以上の物をご使用ください。
  • 接着剤は木質フロアー用の物を使用してください。
    ※水性木工用ボンドや酢酸ビニル樹脂系接着剤は使用しないでください。

無垢フローリング施工用ビスはどんなビスを使えばいいのか?

無垢フローリングの施工や本実加工を程の下床材の施工には、大工さんや床張り職人さんの多くがエアツールのフロアタッカーでフロアステープルを使用して打ち込むかと思います。大工さんや職人さんはエアコンプレッサーを持っているのでフロアタッカーが打ち込めます。フロアタッカーとは、その名の通りフロア用のタッカーで、コの字型のフロアステープル釘を打ち込むためのの道具です。しかし、一般の方がDIYなどで無垢フローリングを施工する場合、ほとんどの方がフロアタッカーどころかコンプレッサーをお持ちではないので、自ずとインパクトドライバーでビスで施工しようかという事になりがちです。ビスにしろフロアステープル釘にせよ、ボンド接着剤と併用なのでしっかり固定はできるかと思います。しかし、無垢フローリングへのインパクトドライバーでのビスの打ち込みは、フロアタッカーに比べて2~5倍位の作業時間が掛かってくるかと思います。また、無垢フローリングへのビス打ち込み固定施工をするにしても、様々なビスがあるのでどの様なビスを使用するのがベストなのか迷うところです。

最近では、ほとんどのフローリングメーカーが床鳴り防止のために床下地は根太工法ではなく、捨て貼り合板方式の施工を推奨しています。以前主流であった根太張り工法ですが、床下地木材の根太や大引きが経年変化で痩せることで空間ができフカフカして床鳴りの原因の一つとされてきました。捨て貼り合板方式は、その名の通りフローリング下地に根太木材ではなく合板木材を使用するのでボンド接着剤がしっかり塗布でき、ビス、釘、フロアステープル釘などもたくさん使用できるので床材自体も根太工法と比べてしっかりと床材を固定できます。

ここでは、DIYに使用する代表的なビスを見ていこうと思います。

 

手前から、太いフレキビス、造作用ビス、コーススレッド、コンパネビス、フロアーミニビスです。名前からしてフロアーミニビスがフローリングの施工に向いていそうです。でも施工方法で少し違いがある場合もあるようです。

 

クロメートメッキの太いフレキビス50mmダンドリビス
太いフレキビス

こちらは、ウッドデッキや脳天打ち用の床材の固定に使用します。特徴は、トルクが掛かっても滑難い四角ビットと引っ張り力が強い半ねじ。一般的なビスと比べて太いことと食い込みが良いように先補足加工されていて器割れが起きにくいように工夫されているところです。力が掛かるところにはもってこいのビスです。

 

クロメートメッキ造作ビス38mmフレキ付き
造作ビス

敷居や鴨居などを取り付ける際に最適な造昨ビスです。細いビスですが半ねじで引っ張り力もありフレキも付いているのでしっかりと木材に食い込みます。

 

クロメートメッキコーススレッド32mm
コーススレッド

内装木材を固定する際に使用する一般的なビスです。目が粗く切ってあるのでねじ込むスピードが速いです。価格も安価で全ねじも半ねじもあるので使いやすいです。木工ビスと言えばこちらが定番ですね。

 

クロメートメッキコンパネビス28mmフレキ付き
コンパネビス

コンパネ固定専用に使われるビスです。打込んだ際の毛羽立ちを抑える工夫が凝らしてあります。フレキも付いているのでしっかりと平面に固定できます。

クロメートメッキフロアミニビス28mmフレキ付きビックス社製
フロアミニビス

まさに合板フロアーや無垢フローリングを施工する際に使用するビスです。おおよそ固定する床材の倍ほどの長さのものを使用すると良いとされています。15mm厚の無垢フローリングなら30mm以上のビスを使用しておけば大丈夫です。全体的に細く先が尖っているのとフレキが着いているので本実加工の凸部にもしっかり食い込みます。カリンやローズウッドなど硬い木の施工には下穴加工が必要です。何本か試してみて床材に割れが入るようでしたら面倒でも下穴をあけるようにしてください。

 

 

フローリングの施工は基本的にボンド接着剤とビスまたはフロアステープル釘の併用です。

 

無垢フローリングの施工について

 

施工要領書各種ダウンロード

無垢フローリングの施工要領書 無垢フローリング説明書

マンション用無垢フローリング施工要領書 Ll45対応直貼りマンションリノベーション・リフォーム用防音無垢フローリング
木魂防音無垢フローリング取扱説明書(取付)

マンション用直貼り挽き板フローリング施工要領書 マンション用 遮音等級L45対応(ΔLL(I)-4)挽き板直貼りフローリング取扱説明書(取付)

マンション用無垢フローリング専用マット施工要領書 マンション用ΔLL(I)-4防音マットサウンドプルーフ2取扱説明書(取付)

挽き板フローリング施工要領書 挽き板直貼りフローリング取扱説明書(取付)

波打つ挽き板フローリング  遮音等級LL45挽き板フローリングでの不具合

『御社で購入したオーク挽き板フローリングが波打っているので
現場まで見に来てくれませんか?』
とお問合せを頂きました。

挽き板フローリングの基材は合板なので、非常に寸法安定性に優れています。
ほとんど収縮することなどないのですが、お送り頂いた画像を見てビックリしました。
お部屋全体のフローリングが本当に波打っています。

画像をお送りいただければほとんどの原因が解明できるので
最近では現場に行く事はほぼ無いのですが、
ここまで波打っているのは初めて見たので現場に行ってみる事にしました。

波打つL45オーク挽き板フローリング
波打つL45オーク挽き板フローリング

 

梅雨時期の高温多湿状態がこの様にしたのかとも思いましたが
ここまでなると他に原因が有るとしか考えられません。

波打つL45オーク挽き板フローリング
波打つL45オーク挽き板フローリング

 

木質フローリングが施工後に反る要因としては
水分を急激に吸ったとしか考えられません。

ただ、バケツの水をこぼしてしまい、すぐに拭取ったとしても
ここまでなる様なこともありません。

波打つL45オーク挽き板フローリング
波打つL45オーク挽き板フローリング

 

その原因は何なのか???

取り合えずオーク挽き板フローリングの含水率を計測してみると14%でした。
少し高めですが通常範囲内の含水率でした。

そこでお施主様の許可を得て、床材を1枚剥がさせて頂きました。
そこに含水率計を当ててみると…

L45オーク挽き板フローリング
L45オーク挽き板フローリング

 

通常、下地合板の含水率は10 〜 14% 程度ですが、
こちらの現場では33.5%と表示されました。

L45オーク挽き板フローリング
L45オーク挽き板フローリング

床下にはガス温水式の床暖房が設置されていますので
そこからの漏水が原因ではないかと推測されますが、
床全面を剥がし、全面が乾いてからでないと原因は掴めないでしょう。

このフローリングは、釘打ち工法では無く直貼り工法なので
釘を間違えて打って温水パイプに穴を空けるようなこともないと思います。

現場では思いもよらない事が起こるものなんですね。
とても勉強になりました。

L字型廊下へのフローリング貼り方デザイン

無垢フローリングの見え方について注意すべきポイントがあります。
L字に曲がっている廊下角の貼り方については少し注意したいです。

フローリングを自分で選ぶには選んだけど、貼り上りが
こんなイメージでは無かったんだけど…となる事もある箇所です。

1尺x6尺(1820x303mm)の合板フロアーなら、L字型廊下フローリングの貼り方
その1・4のパターンを良く見かけます。
まぁしょうがないか。1’x6’の合板フロアだし…ともなりますね。
一部、合板フロアーでも1’x6’では無く雁行タイプは異なります。

      

      

無垢フローリングの場合はどうでしょう。
1~4までどの貼り方でも対応はできるのですが
一番美しく、耐久性があるのはやはり”その3”だと思います。

その2もスカッと綺麗に見えますね。
これは留め加工と言ってフローリングの木口を斜めに切って
擦り合わせながら施工していきます。
完成時はスカッとして綺麗に美しく見えますが、
フローリングの小口によっぽど手間と工夫を凝らさないと
時間経過とともに段差ができるかもしれません。

その3は、小口にエンドマッチ加工と言って
サネ(凹凸)が付いているのでりゃんこ貼りしても
キチリと納まりやすいです。
また、貼りあがりが「入」の字にいていることから
家に福が入ってくるようにという意味合いもあるそうです。
大工さんの心遣いが垣間見れる部分でもあるんですね。

L字型廊下の無垢フローリングの納まり
なら、見た目・意味合い・耐久性も合わせて
その3の納まりをお勧めします。


ちなみに地域などによって呼び方は変わるかもしれませんが
その3は、りゃんこ貼り
その2は、留め加工貼り
で大工さんには伝わるかと思います。

デザイナーさんや意匠設計の方には、
上記の絵をプリントして渡すかこちらのURLを連絡する
のが無難だと思われます。

無垢フローリングの隙間(すきま)やクリアランスなど

Q:無垢フローリングは隙間ができますか?

無垢フローリングのご採用を検討いただく中で
”無垢フローリングは隙間ができますよ”とは
無垢フローリングの施工に慣れていない
ハウスメーカーや建築会社からよく聞くセリフです。

程度にもよると思いますが隙間ができると
快適な生活が送れないのか?と思ってしまいます。

無垢フローリングに隙間ができたからと言って
温かさや優しい足触りが失われるわけではない。
耐久性だって落ちるとは思えない。

合板フロアーは夏はペタペタ、冬はとっても冷たい
足触りになります。
静電気によるフローリング表面へのホコリの吸着など
隙間はできにくいかもしれませんが
お部屋の快適性が保てるのかというとそうは思いません。

お施主様が、住宅計画の何処に重きを置くか
にもよると思いますが人間として”快適”に過ごせた方が
住宅としては良いものになるのではと思います。
デザインで”快適”にもあるかもしれませんが
なかなか少ないように思えます。

さて、無垢フローリングの隙間の話に戻ります。
おおよそのお施主様はご存知だと思うのですが、
無垢フローリングは巾に対して収縮があります。
理解はいるもののどのくらい収縮があるのが
気になる方は、以下のページをご参照ください。
無垢フローリングの収縮率について

無垢フローリングの収縮は、
巾方向の動きが長さ方向のおおよそ10倍だと言われています。
鉄道のレールや高速道路のつなぎ目とは逆方向ですね。
レールや道路のつなぎ目は、長い方向に隙間を設けます。
レールや道路が伸びた際、お互いにぶつかって
不具合が出ないようにするためです。

無垢フローリングは、巾方向に収縮が出ますので
巾方向に隙間(クリアランス)が無いとこんな風に盛り上がります。
おおよその原因は、無垢フローリングを施工する際に
隙間(クリアランス)を設けずに施工し、
梅雨時期から夏にかけて無垢フローリングが
空気中の水分を吸収し膨張し、力の逃げ場がなくなって
ボンドや釘も抜いて剥がして盛り上がってきます。
この現象は、“突き上げ”と言われています。

この突き上げ現象は、起こそうと思うと起こせる現象です。

※突き上げは、適切な施工によって防げる現象です。
では、どのようにして”突き上げ”を防ぐのか?

施工時に隣り合う無垢フローリング同士の間に
スペーサーを挟みながら、わざと隙間を空けて施工します。

この隙間があるのと無いのとでは大違いです。
スペーサーを使用せずに施工される大工さんもいらっしゃいます。
大工さんが大丈夫だと言っているのであれば大丈夫なのでしょう…
たまに”大丈夫”から”品物が悪い”に変化する事もあるのですが
くだらないので勘弁してほしいところです…

と、いう事で無垢フローリングは元々隙間を空けて施工するものなので
隣り合うフローリング同士の隙間が気になる方にはお勧めできません。
木質系床材で行くと合板フロアーをお勧めいたします。

ほとんどのお施主様が同じことを考えると思いますが
いかに安全で快適に過ごすにはどうすれば良いのか?
この考えを元に住宅資材もお選びいただければと思います。