波打つ挽き板フローリング  遮音等級LL45挽き板フローリングでの不具合

『御社で購入したオーク挽き板フローリングが波打っているので
現場まで見に来てくれませんか?』
とお問合せを頂きました。

挽き板フローリングの基材は合板なので、非常に寸法安定性に優れています。
ほとんど収縮することなどないのですが、お送り頂いた画像を見てビックリしました。
お部屋全体のフローリングが本当に波打っています。

画像をお送りいただければほとんどの原因が解明できるので
最近では現場に行く事はほぼ無いのですが、
ここまで波打っているのは初めて見たので現場に行ってみる事にしました。

波打つL45オーク挽き板フローリング
波打つL45オーク挽き板フローリング

 

梅雨時期の高温多湿状態がこの様にしたのかとも思いましたが
ここまでなると他に原因が有るとしか考えられません。

波打つL45オーク挽き板フローリング
波打つL45オーク挽き板フローリング

 

木質フローリングが施工後に反る要因としては
水分を急激に吸ったとしか考えられません。

ただ、バケツの水をこぼしてしまい、すぐに拭取ったとしても
ここまでなる様なこともありません。

波打つL45オーク挽き板フローリング
波打つL45オーク挽き板フローリング

 

その原因は何なのか???

取り合えずオーク挽き板フローリングの含水率を計測してみると14%でした。
少し高めですが通常範囲内の含水率でした。

そこでお施主様の許可を得て、床材を1枚剥がさせて頂きました。
そこに含水率計を当ててみると…

L45オーク挽き板フローリング
L45オーク挽き板フローリング

 

通常、下地合板の含水率は10 〜 14% 程度ですが、
こちらの現場では33.5%と表示されました。

L45オーク挽き板フローリング
L45オーク挽き板フローリング

床下にはガス温水式の床暖房が設置されていますので
そこからの漏水が原因ではないかと推測されますが、
床全面を剥がし、全面が乾いてからでないと原因は掴めないでしょう。

このフローリングは、釘打ち工法では無く直貼り工法なので
釘を間違えて打って温水パイプに穴を空けるようなこともないと思います。

現場では思いもよらない事が起こるものなんですね。
とても勉強になりました。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

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