無垢フローリングは手入れ不要?と伺いました… 汚れたまま不潔でよければどうぞ

お客様から
「無垢フローリングは手入れが不要だと聞いたのですが???」
とご質問をいただきました。

また、すごい質問だなぁと思いながらお話を聞くとWeb上では
無垢フローリングのお手入れは
ほぼ不要、特別な手入れは不要、本物の無垢材であれば不要、
と紹介されているらしい。

手入れするのも、手入れ不要にするのも使う者次第だと思います。
当たり前すぎてこんがらがることもありますが、
そもそも手入れとはどういう意味なのでしょうか?

手入れとは…

1 よい状態を保つために、整備・補修などをすること。
「手入れが行き届く」「よく手入れされた庭木」

2 捜査や検挙のために、現場や犯人の居所に踏み込むこと。
「密売の現場を手入れする」

今回、無垢フローリング手入れ不要の手入れは
もちろん“よい状態を保つために、整備・補修などをすること”です。

よい状態を保つための整備・補修 です。

無垢フローリングのお手入れ不要 は
無垢フローリングのよい状態を保つための整備・補修は不要 ???

よい状態を保たなくてよければ、お手入れ不要だし
長年よい状態を保ちたければお手入れは必要。

合板フロアー、クッションフロアー、無垢フローリングなどの床材
クロス、漆喰、珪藻土などの壁材
瓦、ガルバニウム、焼杉などの外装材
なんでも長くよい状態で使いたければ手入れはした方が良いに決まっている。
手入れ不要だと思う人はそれでいいと思う。

 

私たちとしては、
無垢フローリングのお手入れは必要だと思っています。
無垢フローリングのお手入れについてたくさん記載しておりますが
どんな樹種でもどんな塗装でも
無垢フローリングお手入れ不要とはいかないと思います。

どこでどうなったのか?
よくわかっていないのか?
無垢フローリングはほぼ手入れ不要

ほぼ手入れ不要

不要?

無垢フローリングは、特別な手入れは不要

無垢フローリングは手入れ不要??

となって行ったのでしょう。

記事を読んでみると、インテリアプランナーやライターが書いた文章で
現実味や裏付けの無い話が多すぎる。
こんな方々が書く記事が最近の流行みたいですが、施主は踊らされますね。

色々見てみると、無垢フローリングの塗装の違いと
仕上によって無垢フローリングの手入れ不要論があるようです。

・造膜型塗料 : ウレタン塗装、UVウレタン塗装など

・含浸型塗料 : 自然オイルワックス、ガラス塗装など

・無塗装   : 鉋仕上げがあるだろうに触れられていないことが多い

・浮づくり  : よくわかりませんがとても良いらしいです

このあたりの記事は読めば読むほどよく分からない。
「手入れ不要論」矛盾が多すぎます。

 

基本的にどんな無垢フローリングのお手入れ方法も、
無垢フローリングの表面仕上げと塗装の状況によって異なります。

一番は、お手入れを不要としている
無垢フローリングメーカーに問い合わせることが最良です。

基本的な無垢フローリングのお手入れは以下となります。
詳しくは「無垢フローリングの手入れ」をご参照ください。

無塗装無垢フローリング(カンナ仕上げ)の
掃除と手入れ・メンテナンス手順

  1. 窓を開けられる環境でしたら、窓を開けてください。
    無塗装(カンナ仕上げ)の場合は、表面に静電気が発生しにくいので
    埃(ほこり)が床にぴったりくっつく事はありません。
    窓を開けて風通しを良くするだけでも、埃はある程度外に出ていきます。
  2. ホウキまたはフロアワイパー(ドライ)、
    乾拭き雑巾を使用して残った埃を取り去ります。
    無塗装品(カンナ仕上げ)とオイル塗装はホウキと相性が良いようです。
  3. 家具の裏やフロアワイパー(ドライ)が入り込めなかった箇所は、
    掃除機を使用してホコリやごみを吸い取りましょう。
  4. 特に汚れている箇所を見つけたら、硬く絞った雑巾で拭きとってください。
    フローリングの隙間に落ちた汚れの付着が気になる方は
    爪楊枝等で取り除いてください。
  5. それでも落ちない場合は、カンナを使用して削り取ってください。
    紙ヤスリ・サンドペーパーは使わない方が良いです。
  6. 傷・凹みに関しては、程度にもよりますが凹み箇所に
    お水を掛けて必ず当て布をし、
    アイロンで水蒸気を送り込み凹みを膨張させてください。
  7. 磨いて艶を出したい場合には、ヌカ袋(湿式)をお使いください。
  8. カンナ仕上げの場合は特に塗装は必要ございません。
    何かワックスを塗布する場合は、蜜蝋ワックスとの相性がよいです。

オイル塗装無垢フローリングの
掃除と手入れ・メンテナンス手順

  1. 窓を開けられる環境なら窓を開けてください。
    オイル塗装の場合は、
    ウレタン塗装とは違い表面に静電気が発生しにくいので
    埃(ほこり)が床にぴったりくっつく事はありません。
    窓を開けて風通しを良くするだけでも埃はある程度外に出ていきます。
  2. ホウキまたはフロアワイパー(ドライ)、
    乾拭き雑巾で残った埃を取り去ります。
    オイル塗装と無塗装品(カンナ仕上げ)はホウキと相性が良いようです。
  3. 家具の裏やフロアワイパー(ドライ)が入り込めなかった箇所は
    掃除機でホコリやごみを吸い取りましょう。
  4. 特に汚れている箇所を見つけたら、硬く絞った雑巾で拭きとってください。
    フローリングの隙間に落ちた汚れが気になる方は
    爪楊枝等で取り除いてください。
  5. それでも落ちない場合は、紙ヤスリ・サンドペーパーでサンディングして
    削り取ってください。削られた箇所ではオイルも削られていますので
    オイルを塗布してください。
  6. 傷・凹みに関しては、程度にもよりますが凹み箇所にお水を掛けて
    必ず当て布をし、アイロンで水蒸気を送り込み凹みを膨張させてください。
  7. 1~2年毎の定期的にメンテナンスで蜜蝋ワックスを塗布してください。
    フローリング表面の汚れを落としてからワックスがけを行ってください。
    木の導管に汚れが詰まっているとオイルもワックスも浸透しません。
    あまり頻繁にワックスを塗布する必要はございません。
    元々、木の導管にワックスを入れ込んでいく訳ですから
    入る量は限られています。
    浸透しきらなかったオイルやワックスは表面に残ることになり、
    べたつきや汚れが付く原因になります。
    また、例えば家具の下やお部屋の隅など、足の届かない箇所は
    ワックス材の剥がれる要因が少ないので
    頻繁に塗布する必要はございません。
    蜜蝋ワックス塗布のコツは、床が完全に乾いた状態で
    少しずつチビチビと塗ることになります。
  8. 水で希釈して溶かす様な水性クリーナーのご使用はなるべく避けてください。
    水分は無垢フローリングにとっては大敵です。
    使い方によってはひどく毛羽立ったり反りが出てしまう可能性がございます。
    各オイルメーカーとも水性クリーナーを販売しておりますが、
    ご利用にあたっては十分にご注意ください。
    弊社といたしましては推奨いたしません。

 

UVウレタン・ウレタン塗装無垢フローリングの
掃除と手入れ・メンテナンス手順

  1. フロアワイパーを使用して埃(ほこり)を取り去ります。
  2. 家具の裏やフロアワイパー(ドライ)が入り込めなかった箇所は、
    掃除機を使用してホコリやごみを吸い取りましょう。
  3. 特に汚れている箇所を見つけたら、
    硬く絞った雑巾を使用して拭きとってください。
    フローリングの隙間に落ちた汚れが気になる方は
    爪楊枝等で取り除いてください。
    紙ヤスリ・サンドペーパー等は使わないように注意してください。
    これが原因で表面がくすんでしまう事があります。
  4. 1~2年毎に定期的に、ウレタン塗装に適したワックスを、
    乾いた状態で塗布してメンテナンスしてください。
    水性クリーナーのご使用は避けてください。

ガラス系塗料塗装の無垢フローリングの
掃除と手入れ・メンテナンス手順

  1. 乾いた雑巾、化学雑巾を使用して乾拭きしてください。
  2. 汚れが落ちにくい場合は濡れ雑巾を使用して汚れを除去し、
    その後乾拭きで水気を拭き取ってください。
  3. 木目に汚れが入っているなど、汚れがひどく落ちにくい時は、
    薄めた中性洗剤を浸したミクロファイバー布などを使用して
    汚れを除去してください。水気はすぐ拭き取ってください。
    ※強アルカリ洗剤は使用しないでください。
  4. ガムや食べ物による汚れの付着は、表面を傷つけないように
    ペーパーナイフなどでおおまかに取り除いた後、
    市販のスプレークリーナーなどを使用して完全に除去してください。
  5. マジックや絵の具などのひどい汚れが付着した場合は、
    塗料用シンナー、ラッカーシンナーなどの溶剤を
    ミクロファイバーに含浸させ拭き取ってください。何もこぼさない、落とさない生活は無理ですものね。
    合板フロアーでも無垢フローリングでも、
    塗装でもコーティングでも床材として販売されているのであれば
    硬く絞った雑巾で水拭きして不具合が出るような床材は
    ほとんどないと思います。
    お手入れ不要、必要とかよりも
    日々のお掃除レベルなお話ですが… 

    無垢フローリング材のお手入れ・メンテナンスについてのまとめ

    >無塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
    >オイル塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
    >UVウレタン・ウレタン塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
    >ガラス系塗料塗装(SSG・木塗MOKUTOなど)の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
    ナラ無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
    杉無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
    桧無垢フローリング お手入れ面メンテナンス

無垢フローリングと断熱 無垢材は断熱材ではありません。

ヒノキ電子顕微鏡

リフォーム、リノベーション時によくご質問をいただきます。

『無垢フローリングで床の断熱を施そうと思っています。』

冬期は床面が冷たいので床暖房を検討しましたが、
機器のメンテナンスや寿命のことを考えて検討をやめました。
床暖房の使用については、何年くらいその物件で暮らすのか?
終の棲家にするのか?はたまた売りに出すのか?で
採用するかしないかをしっかりご検討いただければと思います。

サッシや断熱材の性能を上げた方が床暖房を採用するよりも
都合が良い場面が多々ありますのでじっくり検討です。

ただの木材である無垢フローリングを床の断熱材代わりに
使用することはあまりお勧めしておりません。
中には、分厚い30㎜の杉を使うのであたたかい
とおっしゃる方もいらっしゃいますが
直接足に触れる部分は厚さに関係しませんし、
12㎜や15㎜厚の無垢フローリングに床下断熱材を使用する方が
断熱性能は良い方に振れるのではないかと思っています。
もしかして12㎜厚も必要が無く半分の6㎜厚の無垢フローリング
に断熱材24㎜厚の方が30㎜厚の無垢フローリングよりも
暖かく過ごせるのではないかと考えています。

無垢フローリングがあたたかいと感じるかどうかは
熱伝導率の差がそのまま断熱性能の差になるわけです。
熱伝導率の数値が小さいほど熱が伝わりにくいこと意味します。
例えば、杉の熱伝導率は0.087W/(m・k)で
コンクリートの熱伝導率は1.0W/(m・k)です。
杉の熱伝導率はコンクリートと比べると約12分の1になります。
それだけ熱を伝えにくいという事になります。
熱い鍋やフライパンの取っ手や柄が鉄だと直に握れませんが
木製であれば素手でもつことができます。
この木材の性質は様々な場面で役立てられていて、
外部ドアのドアノブ、ベンチの座面、アイロンの柄、
ライフルの銃床なども熱伝導率の低さから木材が使われることがあります。

どうして木材の熱伝導率は低くなるのでしょう?
木材の比重は、樹種による差はほとんどなく約1.5g/cm3です。
これを木材の真比重と言います。
真比重に対して、木材を乾燥させた時の重さと
同じ体積の水の重さを比べた値を気乾比重と呼んでいます。
一般的に木材の比重と言う場合は気乾比重を指しています。
空隙率が高く、空気が多く含まれるほど、
その木の比重は小さくなります。
つまり軽い木ほど熱伝導率が低く、断熱性能が高いという事ができます。
金庫内部に桐材が使われているのは、
熱伝導率が低く断熱性能が高いために
金庫の貯蔵物が守られやすいということが要因でもあります。

木材を電子顕微鏡で見てみると、
パイプ状の細胞の集合体であることがわかります。

イタヤカエデ電子顕微鏡
イタヤカエデ電子顕微鏡
ヒノキ電子顕微鏡
ヒノキ電子顕微鏡

このパイプの中が空気で満たされているので木材は熱伝導率が低いのです。
上記画像のイタヤカエデとヒノキの電子顕微鏡画像では
ヒノキの方が隙間が多いのがわかります。
空気をたくさん含んでいるので温かみを感じるという事になります。
一般的に広葉樹が硬くて重く、針葉樹は軟らかくて軽いと言われています。
この事だけを聞いてみると、
針葉樹は、熱伝導率が低く、断熱性能が高い。
逆に広葉樹は、熱伝導率が高く、断熱性能が低いと考えがちです。
しかし、軽くて柔らかいバルサや桐も広葉樹ですので一概には言えません。
詳しくは、木材性質一覧表をご参照いただければと思います。

少し話がそれてしまいましたが元に戻します。
例えば床厚を30㎜の厚さで収めなければいけない現場状況だとします。
ただの木材である、杉の床材30㎜を使用することで仕事は早く、
「通常の合板フロアーの倍以上の厚みがあるんだ」と見た目安心感があります。
同じ現場で、12㎜の杉フローリングに18㎜の断熱材スタイロフォームを
敷き込んだ場合はどちらが断熱性能が高くお部屋が暖かくなると思いますか?

もう少し思うところは、合板フロアー材でも杉の床材30㎜よりも
暖かく快適に過ごせる可能性もあります。
合板フロアーにも様々な合板フロアー材があります。
よく言われるのは表面材の違いです。
1つ目は、昨今では一番多いかもしれません。
表面にプリントシートを合板フロアー材。
こうなれば合板を使う事は無く、ビニールシートを直接
下地合板に貼ればいいのではないかと思ってしまうくらいです。

2番目に多いのは、突板(ツキイタ)を使用した合板フロアー材。
突板とは、木材を0.3~0.6㎜くらいに薄くスライスしたものです。
突板を合板フロアーに張り付けたもの。

3つ目は、挽き板フローリングです。
挽き板とは、2~6㎜程度の板を鋸で薄く挽いたものです。
挽き板を合板に張り付けたものが挽き板フローリングになります。

シートと突板を使用した合板フロアーは、表面にクリアー塗装を
施さなければ商品として成り立ちません。
シートはそもそも写真のようなものですし、
突板は薄いので造膜型の塗装ありきの合板フロアーリングです。
シートの合板フローリングも突板の訪販フローリングも
人が触れる床材表面に木材の空洞は現れません。
木材として空気が納まるべきパイプが塗料で埋まっている
もしくは写真なので存在すらしません。
これでは暖かみを感じる事すらできません。
しかし、挽き板フローリングに関しては、表面が2㎜以上ありますので
無塗装やオイル塗装などでも使用することが可能です。
表面には、空気をためるためのパイプが存在しているのです。
挽き板合板フロアーと断熱材を使用することで
30㎜厚の杉フローリングよりも
暖かく過ごすことができる可能性が十分あります。

どうしても合板でなく無垢フローリングの方が良いというお施主様には
6㎜厚のヒノキ無垢フローリング「賃貸用無垢フローリングマット」の
ご用意もございます。
厚さ6㎜の為にクローゼットの扉がひっかって開かいない…なんて
こともありません。

また、マンションなどで床仕上げ材の厚みを増すことで
遮音性能を上げようと考えてもなかなか遮音性能を上げることには
なりませんので注意が必要です。

この点に関しては、また別場面でしっかり取り上げようと思いますが
「子供が飛び跳ねたり走ったりする音がうるさい!」などが
階下からの住民からのクレームとして多いように思いますが
ドンドンという重い音は重量衝撃音と言ってLL値ではなく
LH値で評価される音です。
ちなみに遮音等級LL45(遮音等級ΔLL(Ⅰ)-4 )は軽量衝撃音の基準であり
ドンドンという音とはLH50などは重量衝撃音の遮音等級となります。
重量衝撃音は建物構造上の問題であることが多いので
仕上げ材をどうこうしようと思ってもなかなか遮音はできません。

物に触れた際にあたたかいと感じる感じ無いは
熱伝導率の差によるものです。
熱伝導率が低いと人の持つ熱は奪われにくくなり
あたたかいと感じます。

木材における熱伝導率の違いは比重によるものです。
比重が高いと硬くて重い。低いと軽くて柔らかい。

広葉樹だから、針葉樹だからと言って
あたたかいと感じるか感じないかは判断できない。

確かに素材による熱伝導率の差であたたかいと感じたり
冷たく感じたりする場合もありますが、
基本的に木材は木材であり、断熱材は断熱材。
木材が断熱材と同じ寸法で同じ性能が保たれるのであれば
断熱材がこれほど建築業界に浸透することはありません。

 

 

無垢フローリングと布団

無垢フローリングをご採用頂くお客様で
ベッドではなく敷き布団で就寝される方から頂く質問に
無垢フローリングと布団の相性は良いのか?と
質問されるることがあります。

無垢フローリングに布団を敷いて寝ることは普通にできます。
お施主様は何を気になされているかというと敷布団に
カビが繁殖しないかという事を気にされている方がほとんどです。

1.無垢フローリングにカビが生える原因とは?

1-1原因① : 換気が不十分
カビが繁殖しやすい条件は以下となります。
・気温20~30度
・湿度70~80%
・ホコリや汚れなどの栄養分

6月から8月ころにかけて、湿度と気温が高く、
無垢フローリングに付着した埃(ホコリ)や汚れが
カビ菌の栄養分となり、カビが繁殖しやすい状況になりがちです。

風通しが悪く、掃除を怠っているお部屋の床面は
カビにとっては絶好の繁殖ポイントになります。

1-2原因② : 無垢フローリングが湿度を吸収する
無垢フローリングは、お部屋の湿気を吸放出する性質を持っています。
そのおかげで、無垢フローリングが施工されているお部屋は
ある程度の除湿効果が期待できます。

しかし、あまりにも湿度の高い状態が続くと、無垢フローリングが
吸収できる水分が飽和状態になり、湿度の吸放出性能が落ちてしまいます。
そうすると、湿気が溜まりすぎてカビが発生するという事になります。

1-3原因③ : 無垢フローリングの上に直接布団が敷いてある
無垢フローリングに直で布団を敷くと
湿気が溜まってカビが生えやすくなる傾向になります。

人間は、寝ている間にも汗をかきます。寝汗ですね。
寝汗は一晩にコップ一杯分(200ml)もかくと言われています。
その水分を布団が吸湿しているという事になるので
これを聞いただけでも少し心配ですね。

布団が吸収した寝汗が溜まり、敷布団の下の無垢フローリングが
その水分を吸い込んでしまう事により、無垢フローリングが
湿気っぽくなり、カビが生えやすい状態になってしまいます。

特に布団を長い間敷きっぱなしの場合は、布団を上げたら
敷布団裏面にカビがびっしりという状況も考えられます。

2.無垢フローリングのカビを予防する方法

2-1 風通しを良くして湿度を下げる
カビは70%以上の高い湿度を好むので、
お部屋に湿気がこもらないように工夫しましょう。
雨が降っていない日は窓を開け換気します。
窓を開けた状態でエアコンの送風機能、扇風機、サーキュレーターなど
を使うと効果的です。
マンションやアパートは特に湿気がこもりやすいので
こまめに換気を行うようにしましょう。

2-2 こまめに掃除をする
埃(ホコリ)や汚れはカビの栄養分となる為に
こまめに掃除を行いましょう。
無垢フローリングについては、無塗装やオイル塗装の表面は
静電気が発生しないので埃(ホコリ)は吸着しません。
しっかりと窓を開け放ってお掃除しましょう。

2-3 寝具のお手入れをこまめに
布団が吸収した寝汗によってカビが繁殖する場合がある為、
こまめに天日干しをしたり布団乾燥機を使用して
布団に湿気が溜まらないようにしましょう。
敷き布団も掛け布団も枕も同様です。

2-4 無垢フローリングと布団の間にすのこを敷く
無垢フローリングに直に布団を敷くと湿気がこもってしまいます。
無垢フローリングと布団の間にすのこを敷くことで隙間ができます。
空気層になるので湿気がこもり難くなり
カビの発生を大幅に抑えることができます。
万年床は絶対にやめましょう。
布団と無垢フローリングの間に湿気が溜まり
カビにとっては絶好の繁殖地帯になりえます。

2-5 毎日布団を上げる
カビを発生させないためには、カビが嫌がる環境を作る事です。
寝具(掛け布団、敷布団、シーツ、枕)から湿気を取り除き
しっかり乾燥させることです。

 

とはいえ無垢フローリングに布団を敷くメリットもあります。

3.無垢フローリングに布団を敷くメリット

3-1 ベッドに比べてスペースを取らない
布団はベッドと比べて省スペースです。
使い終わったらたたんで収納できます。
その分、お寝室を広く使うことができます。

3-2 落ちる心配が無いので安全
寝相が悪くてもベッドほどの高さから落ちるという事はありません。

3-3 お掃除が楽
ベッドですと、下面やヘッドレスト裏あたりに
どうしても埃(ホコリ)が溜まりなかなかきれいに掃除ができません。
布団は移動が簡単なので、お部屋の隅々まできれいに掃除ができます。

 

4.最後に
無垢フローリングに敷き布団を敷いて就寝する場合は
湿気が溜まらないように工夫する
天日に干すこと、または布団乾燥機を使用する
日々の掃除を怠らないこと

以上がポイントとなります。

 

 

 

無垢フローリングのささくれやとげの補修

 

ささくれ補修 - YouTube - www.youtube.com

YouTube : 無垢フローリングささくれ補修

無垢フローリングのささくれ箇所の補修についてお問い合わせいただきます。どうしても経年変化でささくれは起こってしまいます。足裏に刺さる可能性もあるので見つけたら補修するのが無難です。その都度、業者にお願いすると高くつくので、補修方法を覚えておきましょう。この動画で補修している樹種は針葉樹の杉材の場合になります。

補修自体は動画を見ていただくとお分かりの通り、接着剤で貼り付けて、表面をサンドペーパーで擦って削り取るだけなのでそんなに難しくはありません。木工パテで埋める補修も簡単ですが、美観的にはささくれの木片を残しておいて再度使用するのが綺麗に補修できるかと思います。補修道具もこれといって特殊な道具を使用するわけではございません。

無垢フローリングのささくれ補修に使用する道具
1.瞬間接着剤(ゼリー状)
2.つまようじ
3.紙やすり・サンドペーパー(#180)

無垢フローリングのささくれ(とげ)箇所の補修手順
1.補修する箇所の埃(ホコリ)やゴミを掃除します。
2.木目に沿ってササクレの長さを確認します。
3.ササクレにつまようじを刺してどんどん浮き上がらせていきます。
4.ササクレを浮き上がらせてできた隙間に瞬間接着剤(ゼリー状)を塗布します。
5.ササクレをつまようじで押さえつけて直ぐに圧着します。
6.表面にはみ出した瞬間接着剤を紙やすり・サンドペーパーで削り取る。
7.さらにササクレの段差が無くなるように紙やすり・サンドペーパーで削り取る。
8.サンドペーパーの埃を雑巾で乾拭きし除去したら補修完成です。

塗装の有無や塗料で補修方法も異なります。今回の動画は、無塗装の場合です。オイル塗装や蜜蝋ワックス塗装のササクレ箇所の補修に関しては、サンドペーパーで表面を削り取って後にオイルや蜜蝋ワックスを再塗布してください。

ウレタン塗装のササクレ箇所の補修場合は、そもそもササクレは起きにくいと思いますが補修で塗る塗料は塗装屋さんやメーカーと要相談です。
間違ってもいきなりワックスは塗布しないでください。ワックスを塗布することでササクレの木片が接着しにくくなります。

また、同じ木質でも合板フロアーのササクレ箇所の補修方法は今回の動画とは異なりますのでお間違え無いようにお願いいたします。

木質系フローリングのささくれ箇所の補修で一番やってはいけないこと。それは、ウレタン塗装などの造膜型塗料をサンドペーパーで擦ることです。造膜型塗料は、無垢フローリング、挽き板フローリング、突き板フローリングプリント合板フローリングのどれにでも使われていることがあります。ウレタン塗装を代表とする造膜型塗料での塗装は、素人ではなかなか再塗装での補修が困難です。因みにUVウレタン塗装と記載があったりしますが、UV=紫外線に強い塗装という訳ではなく、紫外線硬化型の塗料を使用したウレタン塗装になります。特別にUVウレタン塗装が強い塗装という訳ではございません。UV硬化型のウレタン塗装は、現場ではなかなか同じ塗装に補修できません。後先を考えずにウレタン塗装のササクレ箇所をサンドペーパーで削ると大変です。サンドペーパーで塗装表面を削り取ってしまうとその塗装は無くなるわけです。できる限り、ササクレ箇所の木片を生かし、ウレタン塗装が着いた状態で圧着で補修するのが望ましいでしょう。

 

とはいえ、ささくれにもいろいろなパターンがあるかと思います。軽度のささくれ補修と言えば、縫い針より細い棘(トゲ)のようなもの中度のささくれ補修と言うと、今回の動画のようなつまようじ大のトゲ、重度のささくれ補修はと言うと、木目に沿って割れている目割れのようなもの
それぞれ簡単にそれぞれささくれ補修方法を解説いたします。

1.軽度のささくれ(トゲ)箇所の補修の場合
縫い針より細い棘(トゲ)のようなささくれは表面をサンドペーパーで削って落としてください。木にもよりますが、ほとんどの木で引っ掛かった時点で折れてしまいます。無垢フローリングの経年変化で普通に現れます。

2.中度のささくれ箇所の補修の場合
今回、動画にした木片くらいの大きさのささくれですね。こちらも経年変化で現れてきます。動画を参考に補修していただければと思います。接着面にしっかりゼリー状の瞬間接着剤を塗布して固めることが重要です。サンドペーパーで削って表面段差は擦り合わせて下さい。間違ってもここでは液状瞬間接着剤は使用しないでください。

3.重度のささくれ箇所の補修の場合
目割れが多いですね。木目(年輪)に沿ってバリっと剥がれそうになるささくれです。経年変化で現れることは少なく、施工してから早めに現れます。立木の成長過程で年輪に水などが入り、木目(年輪)に沿って木が剥離することがあります。結構、大胆に剥離しますのでびっくりします。状況にもよりますが、つまようじで剥離部分を持ち上げて奥の方には液状の瞬間接着剤、手前側にはゼリー状の瞬間接着剤を使用して圧着し固めます。
もし、木目(年輪)に沿って凹みがあるようでしたら凹みの部分は樹種の色合いに合ったパテでパテ埋めを施してください。パテなどでできた表面段差に関しては、サンドペーパーで削って表面の擦り合わせを行ってください。パテで段差が大きく出たらサンドペーパーの番手を
80番,120番,180番と粗い方から順を追って細かくしてください。表面の削りカスを雑巾などで拭きあげたら完了です。

軽度、中度、重度、どのささくれの場合も塗装の扱いは同じです。オイルやワックスの取り扱いに十分注意してください。

 

ご参考までに

無垢フローリングの塗装について

無垢フローリング材のお手入れ・メンテナンスについてのまとめ

>無塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>オイル塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>UVウレタン・ウレタン塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>ガラス系塗料塗装(SSG・木塗MOKUTOなど)の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
ナラ無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
杉無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
桧無垢フローリング お手入れ面メンテナンス

 

 

 

剣道場床の除菌について

剣道場床の除菌

昨今の新型コロナウィルス対策として
稽古前に剣道場床の除菌を求められております。

剣道場床の除菌を行うときの注意点としては以下となります。

・剣道場床の素材(樹種)や仕上げの確認
剣道場床には、様々な床材(フローリング)が使用されています。
樹種としては以下のような床材(フローリング)が多いと思います。
・杉(スギ)
・桧(ヒノキ)
・松(マツ)
・樺(カバ)
・桜(サクラ)
また、樹種が確認出来たら無垢材か集成材か合板かを確認します。

・剣道場床の表面仕上げの確認
剣道場床の除菌を行うには、樹種の確認も必要ですが
床表面の仕上げが最も重要です。
剣道場床には、以下のような床仕上げがあります。
・無塗装(何も塗装していない)
・オイル塗装
・ウレタン塗装

※剣道場床の樹種だけを確認して、除菌剤を選ぶのは間違いです。
除菌剤が付着する場所はあくまでも床表面です。
必ず床表面の仕上げがどのようになっているのかを確認します。

 

・除菌剤の確認
対象の剣道場床の樹種と表面仕上げを確認したのちに
除菌剤を選定します。
性質で大きく3つに分けられます。
・アルカリ性
・酸性
・中性

アルカリ性の水溶液は、
エアコンの清掃などの清掃などに使用されています。
アルカリ性のph値にもよると思いますが強すぎると
剣道場床の汚れが分解されてまだら模様になる可能性があります。
水溶液を床に垂らすと黒く変色する場合もあるので注意が必要です。

酸性の水溶液は、トイレやお風呂の洗浄によく使われています。
漂白作用があり、木質部に使用する際は注意が必要です。
水で薄めて使用するのも噴霧するのも避けた方が良いでしょう。

中性の代表的な水溶液はph7の純水です。
重要文化財などの洗い作業は、純水と刷毛でただただ洗うだけです。
ただし、水道水はカルキの影響でアルカリ性に
振れていることもあるので確認が必要です。

そうすると中性の除菌剤がどの表面仕上げに対しても
ある程度安心して使用できるのだと思います。

ウレタン塗装に関しては、アルカリ性や酸性に対しても
ある程度は対応しているかと思いますが
塗装して何年もたって劣化していたり剥がれたりしている
箇所があると変色や更なる塗膜の剥離などが起こるかもしれません。

界面活性剤入りの洗剤が新型コロナウィルスに対して有効という
一説もあるようですが、剣道場床の除菌に際しては
界面活性剤入りの洗剤は色変わりの原因になるので
使用しないでください。

中性で無臭の除菌剤も販売されています。
中性の除菌剤としては
二酸化塩素を使用した商品が多いようです。
二酸化塩素水溶液については、新型コロナウィルスに対して
効果が証明できていなかったようですが最近になって
効果があるという研究結果が出始めているようです。

新型コロナウイルス対策の二酸化塩素を使用した
除菌商品については、続報も日々更新されているようなので
ご確認いただければと思います。

何れにせよ、現段階では剣道場床の木材にとっては
酸性、アルカリ性が不向きなことが確かな以上、
中性溶液での除菌を行うことが最良という結論になります。

そこで表面仕上げの異なる杉床材(ウレタン塗装、オイル塗装、無塗装)に
二酸化塩素水溶液のスプレーを噴霧して比較してみました。

 

左から
・杉無垢材  ウレタン塗装
・杉集成材  オイル塗装
・杉集成材  無塗装

 

各床材に二酸化塩素水溶液をスプレーで噴霧

 

5分後に拭きあげ

杉ウレタン塗装

 

杉集成材 オイル塗装

 

杉集成材 無塗装

 

各床仕上げ共に変色などは無かったです。

どんな除菌剤を使用しても自己責任になります。
道場の隅っこの床などでしっかり試してから全面に使用してください。

現時点で求められていることは「除菌を行う」ことなので
剣道場床に二酸化塩素水溶液をスプレーで噴霧する方法は
手軽で現実的ではないかと思います。

状況は日々変化し、各道場の床状況も全く同じだとは言えません。
今後、さらに良い除菌方法が出てくるかもしれません。
また新たな情報が判明しましたらこちらでもご紹介させていただきます。