無垢フローリング手入れやメンテナンスの相談時に「無垢フローリングの黒ずみはどのように対処すればいいのですか?」とご質問をいただくことがあります。
無垢フローリングの黒ずみと言っても色々な状況で黒ずむ原因があるかと思いますが基本的に黒いのは汚れが多いように思います。
無垢フローリングは、たまに雑巾で乾拭きなどの手入れをしてあげることで黒ずみが増すことはございません。
さらにウレタン塗装やオイル塗装、ガラス塗装を施すことで汚れは付着しにくくなり黒ずみにはなりにくいです。
無垢フローリングには、様々な原因で黒ずみが発生するようです。
いくつかの黒ずみを紹介していこうと思います。
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汚れが溜まって黒ずむ
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洗剤など、強アルカリ性の水溶液が原因の黒ずみ
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カビからくる黒ずみ
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もともと無垢フローリングに含まれる黒ずみ
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着色での黒ずみ(濃い目の着色)
1.汚れが溜まって黒ずむ
下の画像は、剣道場で70年間使用されていた杉の床板です。
無塗装で長年使われてきました。
フローリングの黒ずみ汚れ
どちらも同じように汚れていましたが、右側は、解体時に剥がしたものそのままで、左側は、ただ固く絞った雑巾で拭きあげたものです。
黒ずみ汚れはほとんど落ちました。
ただ、雑巾で拭きあげるだけでも無垢フローリングの黒ずみは落ちる場合もあります。
一番多いのが濃い黒ずみ汚れだと思いますので、まずは乾拭きのあとに固く絞った雑巾でしかっかりと雑巾がけすることをお勧めいたします。
日々の手入れでも、乾拭き後、固く絞った雑巾で拭き上げる雑巾がけはお勧めします。
雑巾がけをすることでオイルやワックスも剥がれますので、利用頻度にもよりますが半年から数年の間に蜜蝋ワックスや自然系オイルを塗布するようにしてください。
しかし、そう簡単にも行かない場合もあるのです。
嘘みたいな本当の話なんですが、新築やリフォームなどが完了すると引渡し前にだいたいお掃除屋さんが入って掃除をするはずです。
ところが、お掃除屋さんによっては無垢フローリングの扱いに慣れてない業者さんもおられるみたいです。
2.洗剤など、強アルカリ性の水溶液が原因の黒ずみ
無垢フローリングのオイル塗装品の場合は、石鹸などアルカリ性の溶液が付着すると黒ずみができる場合があります。
サッシの掃除やエアコンの清掃にはだいたい強アルカリ性の洗剤を使用されます。
その洗剤が無垢フローリングに付着すると下の画像の様に黒ずむ(水シミ)事があります。
ほとんどの場合は、1現場で一か所という事はなくこの現象がある現場は数か所に亘って黒ずみ(水シミ)がある場合がほとんどです。
黒ずみ(水シミ)は、お酢などで中和できる場合もあるようですので一度試してみるのもいいかもしれませんね。

掃除屋さんの付けた黒ずみ(水シミ)あと、工事中に床に壁や天井などで使用する漆喰などが落ちるとこの水シミのように黒ずむ場合もよくあります。
床養生は、しっかり隅々まで施してもらいましょう。
3.カビからくる黒ずみ
無垢フローリングのカビ
こちらの画像は、洗面所の無垢床に足ふきマットを濡らしたまま何日間もそのまま使用していたようです。
さすがに温度と湿気で無垢材にカビがどんどん成長します。
これはいわゆるカビの黒ずみですね。
ここまでの黒ずみは、サンドペーパー(紙やすり)で削り取る手法が一番早いような気がします。
無垢材の状況によっては、漂白もありかもしれませんが、画像のような状況で漂白は非常に難しいので止めた方が良いと思います。
その後、黒ずみ(カビ)が増殖しないような環境を整えるべきですね。
4.もともと無垢フローリングに含まれる黒ずみ
山火事
こちらはメープルのラフグレードです。
節やカスリなどメープルの白い木肌に黒い節や線は目立ちますね。
しかし、これはこのグレードの特徴でもあるのであまりとやかく言えるようなことではないですね。
その他にも、山火事の後なども表面に黒ずみとして現れることがありますね。
5.着色での黒ずみ(濃い目の着色)
こちらの画像は、無垢フローリングの黒ずみというか着色塗装ですね。
樹種は、杉材になります。
この塗装は、オイルでもワックスでもございません。
拭きうるしといわれる塗装で、使い込むほどにどんどん黒光りして周りの景色も映りこむ様になるそうです。
京都には、テーブルや廊下に漆を塗布して黒ずみに映る紅葉などの借景を楽しむそうです。
黒い塗装
基本的には、洗剤など強アルカリ性の水溶液が原因の黒ずみ(水シミ)、カビからくる黒ずみ、もともと無垢フローリングに含まれる黒ずみ、着色での黒ずみ(濃い目の着色)の4つに身に覚えが無ければただの汚れです。
無垢フローリングの黒ずむのが気になるようでしたら日々の乾拭きからのお掃除・お手入れ・メンテナンスの回数を増やしていただければと思います。
足裏の皮脂や小さなゴミ、チリ、ホコリなどを踏んで無垢フローリングに擦りつけるわけです。
小さなゴミ、チリ、ホコリは、自動ロボット掃除機でもかなり吸い取ってくれますのでご活用いただければと思います。
ただし、合板フロアーや無垢でもウレタン塗装などは表面に静電気が発生しますので小さなゴミ、チリ、ホコリは貼りついてしまい乾拭きでは取り除きにくいです。
そうしたことから濡れ雑巾での拭き掃除や着塵剤などが入ったモップやワイパーが必要になって来るわけです。
無垢フローリングでもオイル塗装やSSGガラス塗装など造膜型でない含浸型塗料で表面に膜を作らなければ小さなゴミ、チリ、ホコリは引っ付くことなくホウキや自動ロボット掃除機でもかなりきれいになります。
それでも取れない黒ずみ汚れはまずは雑巾で乾拭きです。
乾拭きしただけで取れる黒ずみ汚れもよくあります。
雑巾での乾拭きで汚れが落ちない場合には硬く絞った濡れ雑巾で拭いてみてください。
オイルやワックス効果が残っている様であれば硬く絞った雑巾でも黒ずみ汚れは落ちることでしょう。
硬く絞った雑巾で雑巾がけしても落ちない黒ずみはサンドペーパーなどで研磨することになります。
無垢フローリングの黒ずみが気になる方は、床自体をライ(アク)を塗布して白っぽくぼかす方も多いです。
日本ではなかなかライが手に入らないのでホワイトオイルやワックスを使用することが多いようです。
わざと水シミを全面に広げようという考えでしょうか?
水シミも小さければ気になりますが、前面に水シミとなると全くイメージが異なります。

北海道産ナラフローリング 品番:DN-47 ホワイトオイル塗装
欧米では、ライは洗剤として使われています。
自宅の暖炉や薪ストーブなど灰を用いてライを作ります。
そのライをフローリングのメンテナンスに使用するそうです。
ライの作り方は、そんなに難しくはないようなのでいつか自家製ライを作ってみようと思います。
無垢フローリング材のお手入れ・メンテナンスについてのまとめ
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