能登ヒバと档(アテ)

投稿日:2019年05月10日
能登ヒバの丸太

ゴールデンウィークに金沢へ行ってきました。
初めての能登半島であり、やっと47都道府県を踏みしめた事になりました。
新幹線で行きましたが、東京からも意外に近い印象を受けました。

石川県では行ってみたい見てみたい場所が盛りだくさん。
輪島塗り
珠洲焼
加賀百万石の前田家
前田利家の槍
などなど初めての土地はわくわくします。

旅程はあまり決めずに能登半島の観光地をドライブする事にしました。
とりあえず朝一は、輪島の朝市へ!
観光地なので当然観光地価格ですね。
お寿司屋さんにお寿司食べてる途中に
隣りのカップルが食い逃げしたらしく店内が慌ただしくなりました。
私も気付きませんでしたが堂々と出て行ったのでしょうね。

朝市近隣で能登ひばファクトリーなるお店を発見。
店員さんに能登ヒバの生育地を訪ねてみると
”石川県健康の森”近隣と教えていただきました。
地図で見ると朝市から近所だったので行ってみることに。

能登ヒバの葉(表)
能登ヒバの葉(表)

 

能登ヒバの葉(裏)
能登ヒバの葉(裏)

能登ヒバ林はすぐに見つかりました。
葉っぱも樹も特徴があるので見つけやすいです。
菜っ葉の裏側がを見るとM字を描いている。そして樹がねじれ気味。

石川県健康の森総合交流センターには、大きなブランコが設置されています。
100kg超えの私も恐るおそる乗ってみました。 とっても面白かったです。

石川県健康の森総合交流センターのブランコ
石川県健康の森総合交流センターのブランコ

 

石川県健康の森の大きなブランコで楽しんで一路南下です。

 

通りすがりに大きな丸太を発見。
すぐそれとわかる香りが漂います。

能登ヒバの丸太
能登ヒバの丸太

この大きな丸太は档(アテ)という樹種だと思われます。
档(アテ)とはなんとなく聞いたことはあったのですが、
神戸屋のねじりん棒パンなみにねじれてるんですね。

神戸屋ねじりんぼうパン
神戸屋ねじりんぼうパン

档(アテ)という木は、いわゆる能登ヒバです。
私は、ただ単に青森ヒバを能登半島に持って来て植林したものだと思っていました。
しかし、档(アテ)造林の由来には諸説あるようです。
アテ造林の由来は、天然生林などから探穂して造林したという在来説と、
奥州からの渡来説とがある。
渡来説には二つあって、その一つは、元祖アテにまつわる伝説である。

これにも二説あって、その一つは
奥州の藤原秀衡の三男泉三郎忠衡が、
文治5年(1189)に鳳至郡門前町浦上へ釆住したとき、
義経が生前めでていたヒバの苗木2本を持って来たというのと、
泉家19代兵右衛が、祖先の城跡奥州唐沢山をとむらっての帰りに、
ヒバの苗木5本を携えてきたということである。
これが38代当主、泉正孝氏の庭に生育している2本の元祖アテである。
太いものは目回り3.95m、樹齢700年とも400年ともいわれている。

あと一説は、前田5代の藩主綱紀が、
ヒバの苗木移出を禁じていた津軽へ藩士を農民に変装させてヒバ苗を取寄せ、
これを能登各郷に配与したといわれるものである。
いずれにしても藩政時代に声価の高まった輪島漆器の木地や、
金沢の小羽根などの需要増大につれて逐次増殖され、
今日のアテ造林地となったのである。

アテは、ヒノキ科アスナロ属アスナロの変種であるヒノキアスナロ
Tlmiopsis dolabrata(Linn.fil.)Sieb.et Zucc.var.HondaiMakino
の地方名で、能登を中心とした日本海側にその系統の名称が分布している。
能登の気候風土がアテを育てるのに適し「当った」ということで、
漢字の「棺(不当)トウ」をアテと読ませたともいわれている。

伝承によれば、
アテの人工植栽は約300年前から始められたといわれている。
品種は、発根力と材質に重点をおいて選抜あるいは陶汰が行われ、
今日みられるものに固定されたと考えられる。

造林されているアテの品種の主な分布地は、
マアテが輪島市、門前町。
クサアテが穴水町。
エソアテが七尾市江曽町である。

この外、珠洲市、能都町、柳田村の一部には、
エソアテとほぼ同一の良い素性のものがあり、
これを一部ではスズアテとも呼んでいる。
なお、生長が恵いため造林の少ないカナアテは、全域に分布している。

能登のあて より

档(アテ)は、石川県の県木で能登半島には広く造林されているそうです。
档(アテ)にも種類が有りマアテ、クサアテ、カナアテ、エソアテ・スズアテなど
の品種が有ります。

平成5年から木材流通の段階で档(アテ)を「能登ヒバ」と呼ぶことになりました。
档(アテ)の特徴として、独特の強い香りがあります。
独自の成分ヒノキチオールを含んでおり、
耐久性が高く、水質のも耐えるので、
住宅の土台に用いられることが多い木材です。
また、漆器の素地等にも用いられます。

石川県木材利用推進協議会のHPより

 

マアテ、クサアテ、カナアテ、エソアテ・スズアテは
木材利用する際もそれぞれ特徴が少し異なるようです。

マアテ:
材質は、堅く、湿気に耐える。
削り面は、美麗で光沢があり伸縮が少ない。
反張しないが、ややねじれ気味である。
昔から漆器の膳、盆、重箱、硯等、パネル、卓、薯等の
木地に使用されている。
一般には、建築材、建具材、造作材として算用されている。
樹皮は、ヒワダ(桧皮)としても利用されている。

クサアテ:
材質は、マアテに比べて軟らかく、耐湿性、強度ともにやや弱い。
木理は比較的粗いが、通直完満で節が小さいため、
とくに柱材に賞用されている。

カナアテ:
材質は、地域によって差があるが、比重、強度、耐湿性は比較的大である。
耐久性があるので、土台、床板等に算用されるが、
生長が遅いので造林寸封種としては、あまり用いられていない。

エソアテ・スズアテ:
材は通直、完満であり、断面は正円に近い。
弾力性に富み、ねじれがなくたわんでも折れず復元力が強いので、
エソアテは明治期以前の和帆船、北前船の帆柱に利用されていた。
帆柱の需要は、昭和10年頃まであった。

能登ヒバとして流通に乗った時にここまで分類して販売はしていない
と思いますので、能登ヒバの全体的な特徴としてどうなのかな?
素晴らしい地域だと思いますので、
計画を練ってまたじっくり伺ってみたいと思います。

 

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

剣道場床の打ち合わせ 岡山県にて

投稿日:2019年02月14日

今日は、岡山県岡山市で剣道場の打ち合わせでした。

この度も軽トラックに小さい剣道場床を積んで出動です。

打ち合わせ終了後、以前は各都道府県に合ったとされる武徳殿を探してみることに。google map にて大日本武徳会岡山支部(武徳殿)跡なる場所を発見!

早速、行ってみました。

残念なことに岡山武徳殿の建物は今はもう存在していないようです。

現在その土地に建つ施設の方に訪ねてみましたが、武徳殿という言葉すら聞いた事が無いと教えて下さいました。

うーむ… 本当なのかgoogle mapさん。

周囲にも史跡資料なども見当たりませんでした。残念…

    

その後、近くにあった岡山武道館も見学させて頂きました。

ぜひ、岡山県でも当社仕様の剣道場床を施工してみたいものです。

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

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JBN国産材委員会第4回研修会

投稿日:2019年02月13日

今日は、東京大学にてJBN 国産材委員会の研修会です。

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

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殺虫剤を使用していない原料の無垢フローリングはありますか?

投稿日:2018年11月13日

同じようなご質問が重なることが有ります。

今回の問い合わせは

Q:殺虫剤などの薬剤を使用していない原木を使用した無垢フローリングの用意がございますか?

無垢フローリングと言えば、自然素材の代表格で快適な住環境を整えるのになくてはならない存在となっています。

合板フロアーの様に接着剤を多用せずに住宅の床材として使用できるのは健康面を気遣う方にも安心感を与えます。
安心・安全で健康的な住宅は、誰もが求める住環境です。

住宅建材やボンドに反応する持病をお持ちの方は住宅計画の資材選びにおいてかなり慎重にならざるを得ません。

そして本題の殺虫剤などの薬剤を使用していない原木を
使用した無垢フローリングの取扱いがあるのか?
とご質問をいただくと・・・

弊社では、 残念ながら  “ No ”   です。
完全に薬剤が掛かっていないと言える木材はありません。

えっ!そうなの? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
そこまでの履歴は当社でも分かりかねます。
例えば、杉や桧とか楢や樺とか何でもいいんですけど森があって
その近くに虫が好む樹木林が有ったとします。
人間は、その樹木林を守ろうと殺虫剤が噴霧します。
こんな感じです。

地上からの薬剤噴霧

 

ヘリコプターからの薬剤空中散布

両方の画像とも、様々な樹木が映り込んでいます。
この様な薬剤散布方法が取られているので、
うちの木材は絶対に殺虫剤が掛かっていない。と言い切れません。

海外の木材でも同じようなことが言えます。
参考:気候変動 瀬戸際の地球 消える北米の森 ナショナルジオグラフィック

しかし、薬剤は噴霧や散布程度では木の中に入り込むことはないと考えます。
樹皮近辺(丸太の外廻り)に留まるとされています。
無垢フローリングに加工する際は、樹皮の近くは使用しません。
よって無垢フローリングとなった際に残留している殺虫剤や防カビ剤はほぼ無いと考えます。

薬剤と聞くと何となく嫌なのは当然だと思います。
使用しているかしていないかよりも薬剤が残留しているか?
はたまたご自身に合っているかどうか主治医と一緒に検討してみてはいかがでしょうか?

それでも気になるのであれば無垢フローリングは諦めた方が無難ですね。
だってほとんどの木は、山主や施主よりも長生きしてるはずです。
個々の木の生き字引は、ほぼ存在しませんから誰も分かりません。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

木製看板

投稿日:2018年08月06日

 

当社の木製看板が傷んだので再塗装しました。
もう、紫外線と対峙しないことにして
数年ごとに塗り替える事にします。

塗り替え前

 

綺麗になりました!

 

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

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