木質のフローリングと言っても色々とあるようです。
ここではよく耳にする突き板フローリング(ツキイタ)と挽き板フローリング(ヒキイタ)と無垢フローリングのそれぞれの違いと特徴をご説明いたします。3種類とも貼ってしまえばどれとも同じ様には見えます。長年使うにあたりどの様な経年変化が現れるのでしょう。
突板・挽板・無垢、それぞれの特徴
特徴 |
突板(合板) |
挽板(合板) |
無垢フローリング |
表面の厚み |
約0.2〜0.6mm |
約2〜4mm |
天然木100% |
傷への強さ |
△ 下地がすぐ見える |
○ 軽微な傷なら補修可能 |
◎ 補修・再研磨が可能 |
寸法安定性 |
◎ 湿度変化に強い |
◎ 湿度変化に比較的強い |
△ 湿度で反りやすい |
価格帯 |
◎ 安価 |
○ 中価格帯 |
△ 安価~高価格帯 |
メンテナンス性 |
× 傷や凹みの修復が難しい |
○ アイロン補修など可能 |
◎ 再研磨で長持ち |
質感・肌触り |
○ 天然木風 |
◎ 無垢に近い |
◎ 本物の木の質感 |
【突板フローリングとは? 合板との違いをわかりやすく解説】
突板フローリング断面図
突き板(ツキイタ)とは、木材を薄くスライスした表面化粧材です。主には、フローリングや家具などの表面材に使用します。
その厚みは、0.3mmと薄く、かつお節の様に透けて向こう側が見えるほどですが、均一な物を安価に大量生産が可能です。
突き板は非常に薄いため、はく離しないように塗装でかためる必要があります。
突き板は、薄い表面にキズが入ると、下の合板が見えてしまいます。
突板フローリング打突試験
突板フローリング打突試験
▲金槌で叩くと、表面が割れて基材が見える。
一旦、傷が付くとそこからどんどん剥離していく。
基材が合板なので、ソリ・収縮などの変形は少ないですが、使えば使うほど味が出るものではなく、施工当初が一番美しいのが突き板フローリングです。
長所:
安価、均一な木目、寸法安定性が高い、床暖房対応品が多い
短所:
傷が付き易い、耐久性が低い、冷たい
最近は、プリント技術が発達してきたために0.3mm位の単板を貼るくらいならプリントした方が幅が広い物でも安く綺麗に仕上がると言われだしてきた。結局のところは、0.3mmでもプリントでも表面塗装が床表面の耐久性に直結するので表面プリント化はどんどん進んでいる。実際に付き板もプリントも見分けが付き難くなってきている。
【挽板フローリングとは?無垢ライクな質感と合板の特長を比較】
挽き板(ヒキイタ)とは、スライスではなく、電動鋸(のこ)刃で切り出した板です。
挽板フローリング断面図
のこくずが出る分、歩留まりの関係上コストアップになりますが、スライスでは難しい厚みのある材を生産することが出来ます。
2mmの厚みを持たせることで、無垢フローリングと同等の味のある質感を出しています。
また、無垢材と比べた場合、基材が合板であるため、無垢材よりも木のソリ・収縮などの変形が極めて少ないと言えます。
※ 基材の合板にも種類があり、合板の種類によってはソリ・収縮が起こりやすいものもあります。
※ 挽き板を使用したフローリングは複合フローリングと呼ばれます。
挽板フローリング打突試験
挽板フローリング打突試験
▲ 金づちで叩いても凹むだけ。下地は見えない。
挽き板は、表面に傷が入っても下の合板が見える事はまずありません。
ためしに金づちなどで叩いたりしても、へこみはしますが下の合板までは見えません。
アイロンを使っての補修も可能です。
銘木挽き板を使ったフローリングなら、長期にわたって無垢の美しさを楽しめるでしょう。
長所:
寸法安定性が高いく無垢材の経年変化も楽しめる。
無塗装からオイル塗装、ガラス塗料など木の質感を失わない様々な塗装が選べる。
床暖房対応品もある
短所:
無垢フローリングと比べても思ったほど安価ではない。
無垢フローリングからすると挽き板(複合)フローリングは上辺だけの偽物だと言われることがある。
寸法安定性に優れ、無垢材特有の経年変化を楽しむ事が出来る。
合板なので安いだろうと考えがちだが思ったほど安くない。
その理由は、突き板が高価であることと高製造コストだからです。
また、合板を使用するので無垢フローリングと比べて製造時に石油製品を多用し、CO2の排出量も多いので環境負荷が高いとも言われています。
【無垢フローリングとは?天然木の魅力と注意点】
無垢フローリング断面図
無垢材とは、木を継ぎ足したり重ねたりしていない、そのままの木材のことです。
自然素材ならではの質感がありますが、木は収縮・変形を味わいとして理解して使う必要があります。
時間とともに経年変化し、傷や色の変化が楽しめるのが本物ならではです。
長所:安価な物から高価な物までラインナップが幅広い温かみがあり冬場でもひんやりとはしない。
香り、触感が良くリラックス効果がある。調湿作用があり湿度の過度な上昇を抑制できる。
短所:巾に対する収縮が必ず起る。
割れ・反り・曲り・ヤニなど無垢材特有の現象が100%起こる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 突板とプリント合板の違いは何ですか?
A. 突板は本物の天然木を薄くスライスした表面材を使用しており、木目の表情が一枚ずつ異なります。一方、プリント合板は木目柄のシートを印刷して貼り付けたもので、見た目は均一ですが、質感や経年変化はありません。
Q2. 挽板と無垢フローリング、どちらが長持ちしますか?
A. 一般的に、無垢フローリングの方が厚みがあるため再研磨回数が多く、長く使うことができます。ただし、挽板も再研磨が可能な厚みがあるため、使用環境によっては十分な耐久性があります。
Q3. 床暖房に使えるのはどのタイプですか?
A. 突板・挽板フローリングは、寸法安定性が高いため床暖房との相性が良い製品が多くあります。一方、無垢フローリングは反りやすいため、使用できる木種や加工に制限があります。事前に床暖房対応品かどうかを必ず確認しましょう。
Q4. どれが素足に一番気持ちいいですか?
A. 素足の感触にこだわる方には、無垢フローリングが最もおすすめです。木そのものの質感や温もりが感じられ、経年変化も楽しめます。挽板も近い感触ですが、突板は表面が薄く加工されているためやや人工的な印象になることがあります。
まとめ
住む人が安全・安心で快適な住まいを望む方なら無垢フローリングが必須です。それよりも、床材のヒビ割れや曲り、反りなどが気になる方は
突き板または挽き板(複合)フローリングをお勧めします。また、無垢フローリングは生産に当たって合板ほど手を加えないために突板・挽き板フローリングに比べて環境負荷が低くて済みます。一見、無垢フローリングは贅沢な感じがするものの突板や挽き板では表面材の厚みが薄すぎて取りにくい節有の製品も無垢フローリングなら製造できます。つまり突板や挽き板は、マグロで言う大トロのわずかにとれる部分でしか製造できません。無垢フローリングなら、赤身の部分での製造が可能です。
ご採用を検討される場所によって、商品を変えるのも一つの手段です。例えば、ヒノキフローリングをご検討いただく場合は、リビング、玄関は、節の少ないもの。寝室やクローゼットは節のあるものなど…
ご予算に合わせて様々な手段方法がありますのでぜひ、東京新木場無垢フローリングショールームで現物を見ながらご検討いただければと思います。
木魂の挽板フローリングには3つの施工方法に対応します。
・LL45対応マンション用挽板フローリング
・直貼り用挽板フローリング
・釘打ち用挽板フローリング

挽板フローリングラインナップ