無垢フローリングの施工や本実加工を程の下床材の施工には、大工さんや床張り職人さんの多くがエアツールのフロアタッカーでフロアステープルを使用して打ち込むかと思います。大工さんや職人さんはエアコンプレッサーを持っているのでフロアタッカーが打ち込めます。フロアタッカーとは、その名の通りフロア用のタッカーで、コの字型のフロアステープル釘を打ち込むためのの道具です。
しかし、一般の方がDIYなどで無垢フローリングを施工する場合、ほとんどの方がフロアタッカーどころかコンプレッサーをお持ちではないので、自ずとインパクトドライバーでビスで施工しようかという事になりがちです。ビスにしろフロアステープル釘にせよ、ボンド接着剤と併用なのでしっかり固定はできるかと思います。しかし、無垢フローリングへのインパクトドライバーでのビスの打ち込みは、フロアタッカーに比べて2~5倍位の作業時間が掛かってくるかと思います。また、無垢フローリングへのビス打ち込み固定施工をするにしても、様々なビスがあるのでどの様なビスを使用するのがベストなのか迷うところです。
最近では、ほとんどのフローリングメーカーが床鳴り防止のために床下地は根太工法ではなく、捨て貼り合板方式の施工を推奨しています。以前主流であった根太張り工法ですが、床下地木材の根太や大引きが経年変化で痩せることで空間ができフカフカして床鳴りの原因の一つとされてきました。捨て貼り合板方式は、その名の通りフローリング下地に根太木材ではなく合板木材を使用するのでボンド接着剤がしっかり塗布でき、ビス、釘、フロアステープル釘などもたくさん使用できるので床材自体も根太工法と比べてしっかりと床材を固定できます。
ここでは、DIYに使用する代表的なビスを見ていこうと思います。

手前から、太いフレキビス、造作用ビス、コーススレッド、コンパネビス、フロアーミニビスです。名前からしてフロアーミニビスがフローリングの施工に向いていそうです。でも施工方法で少し違いがある場合もあるようです。

こちらは、ウッドデッキや脳天打ち用の床材の固定に使用します。特徴は、トルクが掛かっても滑難い四角ビットと引っ張り力が強い半ねじ。一般的なビスと比べて太いことと食い込みが良いように先補足加工されていて器割れが起きにくいように工夫されているところです。力が掛かるところにはもってこいのビスです。

敷居や鴨居などを取り付ける際に最適な造昨ビスです。細いビスですが半ねじで引っ張り力もありフレキも付いているのでしっかりと木材に食い込みます。

内装木材を固定する際に使用する一般的なビスです。目が粗く切ってあるのでねじ込むスピードが速いです。価格も安価で全ねじも半ねじもあるので使いやすいです。木工ビスと言えばこちらが定番ですね。

コンパネ固定専用に使われるビスです。打込んだ際の毛羽立ちを抑える工夫が凝らしてあります。フレキも付いているのでしっかりと平面に固定できます。

まさに合板フロアーや無垢フローリングを施工する際に使用するビスです。おおよそ固定する床材の倍ほどの長さのものを使用すると良いとされています。15mm厚の無垢フローリングなら30mm以上のビスを使用しておけば大丈夫です。全体的に細く先が尖っているのとフレキが着いているので本実加工の凸部にもしっかり食い込みます。カリンやローズウッドなど硬い木の施工には下穴加工が必要です。何本か試してみて床材に割れが入るようでしたら面倒でも下穴をあけるようにしてください。
無垢フローリングに最適な「ビス」の選び方
「無垢フローリングの施工にビスを使いたいけれど、どれを選べばいいかわからない」という方のために、プロの視点から選定基準をまとめました。
1. ステープル(釘)とビスの比較
一般的にはエアツールを用いた「フロアステープル」が主流ですが、保持力やメンテナンス性を重視する場合はビス止めが推奨されます。
| 比較項目 | フロアステープル | フローリング用ビス |
|---|---|---|
| 保持力 | 普通 | 非常に高い |
| 床鳴り防止 | 普通 | 強い(引き寄せ効果) |
| 施工スピード | 速い | 遅い(下穴が必要) |
| 推奨用途 | 一般的な新築施工 | DIY・リフォーム・厚型材 |
2. 失敗しないビス選びの「3つの条件」
- 極細タイプ(スリムビス): 無垢材の「実(さね)」は非常に割れやすいため、軸の細いフローリング専用ビスを選びます。
- 半ネジタイプ: ネジ山が先端側にしかない「半ネジ」を選ぶことで、フローリングを下地(合板など)に強力に引き寄せることができ、床鳴り防止になります。
- 適切な長さ: フローリングの厚みの2倍〜2.5倍の長さが目安です。
- 15mm厚の床板 ➡ 38mm 〜 45mmのビス
- 30mm厚の床板 ➡ 60mm 〜 75mmのビス
よくある質問:無垢床施工の疑問
- Q. 普通のコーススレッド(木ネジ)は使えませんか?
- A. おすすめしません。一般的なコーススレッドは頭が大きく、フローリングの「実(さね)」を破壊したり、次の板がはまらなくなる原因になります。必ず「極細フローリングビス」を使用してください。
- Q. ビスの頭が浮いてしまうのですが?
- A. 「皿取錐(さらとりきり)」を使って、ビスの頭がしっかり沈むスペースを作ってから打ち込むのがコツです。浮いていると、歩いた際に板がぶつかり「カチカチ」という異音の原因になります。
- Q. 鉄製とステンレス製、どちらが良いですか?
- A. 通常の室内なら鉄(クロメート処理等)で十分ですが、洗面所などの水回りや、湿気が多い現場ではサビに強いステンレス製が安心です。ただし、ステンレスは硬いため折れやすく、より正確な下穴が必要です。
💡 プロのアドバイス:実(さね)割れを防ぐコツ
無垢材は乾燥状態によって非常に割れやすくなります。ビスを打つ前には、必ず面倒でも「下穴」をあけてください。これだけで仕上がりの美しさと強度が劇的に変わります。
フローリングの施工は基本的にボンド接着剤とビスまたはフロアステープル釘の併用です。
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Ll45対応直貼りマンションリノベーション・リフォーム用防音無垢フローリング
木魂防音無垢フローリング取扱説明書(取付)
マンション用 遮音等級L45対応(ΔLL(I)-4)挽き板直貼りフローリング取扱説明書(取付)
マンション用ΔLL(I)-4防音マットサウンドプルーフ2取扱説明書(取付)
