マンションに無垢フローリングを採用する時に注意するべきこと

投稿日:2015年03月16日

マンションのリノベーションやリフォームに無垢フローリングを採用される際に気をつけたいことの1つにマンションの防音規定というものがあります。
よく聞くのは、LL45等級やLL40等級の床材を使用することが決められています。
その基準に無垢フローリングで対応する方法として現状では大きく3つの工法があると思います。
1.直貼り無垢フローリング
2.防音マット+無垢フローリング
3.乾式二重床+無垢フローリング
どの方法でもLL45等級やLL40等級の性能が表示されていてそのデーター測定時の施工方法・施工基準に乗っ取った施工であれば
どれとも表示されている遮音性能は期待できます。その性能に見合った施工方法・施工基準をとると言うことは当然だと思うのですがそうでない可能性が高い工法が1つあります。

それは、『乾式二重床+無垢フローリング』です。乾式二重床とは、防振ゴムのついた支持脚で床パネルを支える床仕上げ構造であり、いまでは多くのマンションで採用されています。床下地を作ってその上に無垢フローリングを施工します。床下に空気層が防振ゴムの効果も相まって遮音性能は良いと言われています。

乾式二重床メーカーの遮音性能試験データはそのほとんどがコンクリート床面(GL)~仕上げフローリング(FL)の高さが150mmとなっています。どうして各メーカーが同じ150mmで試験を行っているのか疑問だったのでとある乾式二重床メーカーに問い合わせてみたところ
「各乾式二重床メーカーの協定により試験時にはGL~FLの高さが150mmということで決めている」と教えてくれました。何となく○○○○の規定に準じて行っている。くらいの答えが返ってくると思ったのですがあっさりしたものです。とある1社の見解は、JIS1440の試験方法で懐高さは決まっているのでそれに従った。なんともビックリするような答えが返ってきました。ちなみにこのJIS1440というのは試験方法であり懐高さの規定などはございません。

ところで、実際の工事現場では150mm以上を保てる現場ばかりでは無いかと思います。ただでさえ天井高を高くしたいマンションについては、床の厚みを抑えたいのが心情です。マンションリフォーム、リノベーションで使用されている乾式二重床は、性能はさておき結構な割合でGL~FLの高さ150mmよりも低くなっているのもそう珍しくは無いかと思います。
Q.乾式二重床メーカー数社にGL~FLの高さが150mm以外になるとこのデータは使えるのか質問してみました。
A.『GL~FLの高さが150mm以外になるとこのデータの数値は想定できない』という見解です。
軽量衝撃音の数値は、基本的には床下の空気層が厚いと良くなるし薄いと悪くなります。ほとんどの木造2階建て住宅の1階には天井設置されているのもそういう意味からですね。

つまり、公開されているデーターからGL~FLの高さが151mm以上の場合では性能があがるGL~FLの高さが149mm以下の場合では性能が下がる想定できます。床下高さが低くなればなるほど性能も落ちていきます。では、「GL~FLの高さが150mm以下になった場合は、どの様なデータを提示すれば良いのか?」という問いには実物件データの用意があるのでそれで代用してほしいとも。
実物件測定では、ほとんどの場合階下の部屋は試験場のように真四角の部屋は皆無であり、家具やカーテンが設置されている事が多く音の反射が乱れますので簡単に性能は上がります。基本的には実物件データ測定時は、お部屋の形やカーテン、家具などの影響を受けて実際よりも良いデータが出ると言われます。

直貼りフローリングや防音マットを使用する場合は床高の変更は行えませんので性能は一定です。ところが、乾式二重床工法の場合は床の懐を下げてしまうと階上の床遮音性能が落ちるという事になります。階上の遮音性能が落ちた分を階下のお部屋の環境によって遮音性能を賄っていると言う事が十分考えられます。直貼り無垢フローリング・防音マット+無垢フローリング・乾式二重床+無垢フローリングなど様々な工法を用いたマンション床の遮音性能を比較する際にはそれぞれの試験体情報や試験方法、設置工法等も確認しながら比較検討する必要があります。カテゴリーⅠで評価したデータとカテゴリーⅡで評価したデータを同じ1枚の図表に表して比較することは試験環境が異なるので控えるべきだと思います。

例)直貼りフローリング(カテゴリーⅠ)と乾式二重床(カテゴリーⅡ)など、また試験場でのJIS1440を用いた試験方法、簡易測定方法、自社測定、実物件データ等々試験方法や測定環境の異なる場合も考えられるのでそれぞれ背景をも確認しながら比較検討しなくてはいけません。一目でそれぞれの低減量を分かる様に表示しようとしても異なる測定方法や異なる工法のデータを同じ表に表すことで誤解を招く恐れがあります。

測定結果のグラフだけ見てもどれほどの床下高さなのか、どんな厚さや構造のマットを使用したのか分かりません。
基本的には乾式二重床は、GL~FLの高さを上げさえすれば性能は上がります。その評価を使って、現場ではGL~FLの高さを試験より低くして使用する事は問題です。いくらでもGL~FLの高さを調整できる束を作っていさえすればGL~FLの高さを大きくとってより良いデータを作成します。そのデータを元に様々な高さの束を作り、データだけはGL~FLの高さを高くした時の物を使う。
それが現状と言う事でしょうけど、、、
そもそもメーカーは、保証値でないデータとして公開しているので現場性能が基準値以下でもそれほど大きな問題にはならないかとは思います。
しかし、GL~FLの高さが低くなれば遮音性能が落ちる事は分かっています。もし管理組合に提出したデータと違う施工方法を行って階下の住人と騒音問題で紛争になった場合は誰がどの様に対処すればいいのでしょうか?メーカーは、保証値ではなく推定値であることを明確にしています。みんながやっているから大丈夫!!ではすまないような気もします。

ではどうやって?
無垢フローリング+乾式二重床を採用する際は、データを測定した試験時の床高さを守る。
堅苦しいですかね?

でも、実際に施工後に現場で音の測定をすればそれなりの良い数値が出てくることでしょう。実物件測定では、試験場と違い良いデータは出やすいものです。マンションのリフォーム、リノベーションなどで乾式二重床を採用される計画の方は、特に乾式二重床のGL~FLの高さには気をつけた方が良いと思います。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

『木魂防音無垢フローリング』発表会

投稿日:2014年12月18日

木魂防音無垢フローリング』の新商品発表会でした。
木魂防音無垢フローリング発

木魂防音無垢フローリング』は、
マンションでのリノベーション&リフォーム用の直貼り防音無垢フローリングとなります。
直貼りフローリングでよく聞かれるのが「踏み心地がフカフカしないですか?」とご質問頂きます。
本日もたくさんの記者の方に踏み心地をご体感いただきましたが、まずまずの合格点を頂けました。
感覚は人それぞれなのでなるべく踏んでいただいてからご採用いただくように心がけています。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

スラブ厚120mmでJIS規格LL40の床材ってどんな物?

投稿日:2009年04月13日

マンション床の防音についてのお問い合わせをよくいただきます。
ほとんどのマンションは管理組合規定で
軽量衝撃音LL:45程度の床材を指定されています。

公の機関で軽量衝撃音のテストをするとスラブ厚は150mmです。
このスラブの上に防音材などの実験体を置いて
タッピングマシーンでテストをします。

そのテスト結果がLL:40やLL:45だったりする訳で
この数値は保障値ではありません。

最近、問い合わせが多い事例が…
スラブ厚120㎜の物件でLL:40等級以上の床材を使用する事。
こんな材料が存在するとは思えません。

公の場でL値データを測定するにしてもスラブ厚は150㎜です。
もう少し、現場の状況を掘り下げて聞いてみると
築20年以上で現状カーペットか絨毯という場合がほとんどです。

簡単に言うと
LL(軽量衝撃音)はスプーンなどが落ちた時の音です。
LH(重量衝撃音)は子供達がどんどんはしゃいだ時の低い音です。
カーペットや絨毯などはLLには非常に有効ですが
LHではあまり効果が期待できません。

つまりスラブ厚120㎜の物件でLL:40等級以上の床材を使用する事。
と言う事はスラブが120㎜しかなく防音性能が低いので
カーペットか絨毯しか使用できません。
と言う事なのでしょう。

上手いこと?を言うもんだ…(-_-;)
マンションの防音材を調べていてその物件の
スラブ厚を知った時の方が少し怖い気がします。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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L45のマンションでも無垢フローリングは敷く事ができます

投稿日:2005年10月25日

実はほとんどのお施主さまがマンションには防音の関係から
無垢フローリングは使えないと思っておられるようです。

マンションのフローアー敷き代えといえば
だいたいは階下への防音を考えてLL45という防音性能を持った
直貼りフロアーが一般的に使用されています。
このL45の直貼りフロアーとは
合板フロアーの裏にスポンジやゴム系の物を貼り付けて
防音性能を発揮させている商品です。

しかし、無垢フローリングには
今のところ直張りフロアーさえあまり無く、
防音となればほぼ無いと思っていいでしょう。
そこで、無垢フローリングでも防音効果が発揮でき、
さらにスラブに直張りできる下地材がちゃんとあるんですよ。
マンション下地

 

 

 

 

画像のようにスラブ又は合板の上に防音マットを敷きこみ
その上に無垢フローリングを貼るという方法です。
この防音マットにはLL45の直貼りフロアーと同等の防音効果があります。
これで階下への気兼ねも無く
無垢フローリングで快適な住空間が出来上がります(^^)/
マンションリフォームの方もお気軽にご相談下さいね(^_^)

2015年12月追記

マンションのリノベーション、リフォーム時に
無垢フローリングをご検討いただくと
必ずと言っていいほどマンションの防音管理規約が立ちはだかります。
マンションの防音規約には、「軽量衝撃音LL45に対応した床材」を
使用することと記載されていることが多いです。
中には、ワンランク上のL40の基準を設けたマンションもございます。
今までは、マンションに無垢フローリングをご採用いただく際に
無垢フローリング用マンション防音マット
二重床を施工する必要がありました。
防音マットや二重床は、商品代も掛かりますが施工代も掛かります。
特に二重床は、ただでさえ天井高が低いと言われている
マンションにとっては非常に圧迫感が出る為に
できる限り避けなくてはいけません。

木魂防音無垢フローリングは、
無垢フローリングに遮音材が貼られている商品なので
最低でも防音マットや二重床では必要となる
防音材の施工費や配送費は確実に削減できます。

木魂防音無垢フローリングなら、
LL45の防音規定があるマンションの方にも
今までよりはお手軽に無垢フローリングをご検討いただけます。

また、木魂防音無垢フローリングの歩行感は特に好評を得ております。
LL45対応合板フロアーにありがちなフカフカした歩行感とは
まるで違いしっかりとした歩行感が感じ取れます。

無垢フローリングショールームゆらぎでは、実際の歩行感もご体感頂けます。
ご検討中のお施主様は、ぜひご予約の上ご来場ください。

 

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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