パインフローリングの経年変色について(飴色・黄変)|色味と風合いの変化を写真で解説

投稿日:2018年01月19日

パインフローリングは、明るい雰囲気で節が多い風合いは
いかにも無垢を使用した感じが出るので人気の無垢フローリングです。

明るいはずのパインフローリングが、
年月が経つたびに黄色く変色していく事を
夢いっぱいの住宅建築計画中に考える間もないかもしれません。

しかし、実際にはどの樹種の無垢材でも経年で変色します。
よく色が濃くなるとは耳にしますが、
最終的に木は白化して土に戻ります。
人間と樹木の寿命のサイクルが異なるのでズレは有りますが、
もちろん人間の目で見ての経年変化や経年変色がよく言われます。

さて、パインの経年による変色を見てみましょう。

画像の様に当初は、明るく清潔感のあるパインフローリングです。

 

施工直後と5年後の違い|実際の写真で比較

 

パインフローリングを無塗装やオイル塗装で5年ほど使用すると
以下の様に経年変化、変色(黄変)します。
日本では、「日に焼けて色艶が出て良くなった」と言われます。
でも、当初の計画ではパインの明るい色合いが好きで選んだはず…
これだけ変色するなら扉や巾木類も、もう少し考えておけばよかった…
と、思った方も多いはずです。

パインを黄変させないようにする工夫

欧米では、このパインフローリングの黄変を“あまり手入れをしていない床”だと捉える方もいらっしゃるようです。
では、欧米ではどの様な使われ方をしているのでしょうか?
欧米では、土足での生活が多く土が家の中に入ることも日本より多いと言われています。
そうすると床表面は多少白くなってしまいます。

その様な事を加味し、初めからパインフローリングを白く塗装します。
塗装と言ってもライやオイルを使用し黄変を防ぐ程度です。
ホワイトオイルは、含浸型で触った感じはクリアオイルと同じです。

また、クリアオイル塗装する事で木目や節はしっかりと映りますが
ホワイトオイルなどの塗装は、木目や節を少し目立ちにくくします。
この事でお部屋全体が明るく優しい感じに仕上がると言われます。

パインフローリングに限らず、オークや桧でも経年変化における変色を防ぐのにライやホワイトオイルを使用する方はたくさんいらっしゃいます。

イングリッシュオークフローリング(ホワイトオイル塗装5年後)

イングリッシュオークフローリング(ホワイトオイル塗装)

どの樹種にどのホワイトオイルが適しているのかは
それぞれ少し違うのでぜひお問い合わせください。

パインフローリングの経年変化変色についてのQ&Aまとめ

パイン材はどのように経年変化しますか?

施工直後は白っぽく柔らかい印象ですが、年数を重ねることで日焼けや酸化により飴色へと変色、黄変し、風合いが増していきます。

 

 

経年変化でパイン材は劣化しますか?

パイン材の経年変化は基本的に劣化ではなく、自然な色味の変化です。ただし、乾燥による収縮や傷みが出る場合もあるため、定期的なメンテナンスが推奨されます。

 

 

日当たりの良い場所とそうでない場所で経年変化に差は出ますか?

はい、日当たりの良い部分は日焼けにより色が濃くなる傾向があります。家具をどかすと色の差が出ることもありますが、時間とともに馴染んできます。

 

 

パイン材の経年変化を美しく保つには?

定期的な乾拭き、オイル塗布などのメンテナンスが有効です。また、紫外線を遮るカーテンの使用や、湿度調整も美しい経年変化には欠かせません。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/