パインフローリングの経年変色について(飴色・黄変)

パインフローリングは、明るい雰囲気で節が多い風合いは
いかにも無垢を使用した感じが出るので人気の無垢フローリングです。

明るいはずのパインフローリングが、
年月が経つたびに黄色く変色していく事を
夢いっぱいの住宅建築計画中に考える間もないかもしれません。

しかし、実際にはどの樹種の無垢材でも経年で変色します。
よく色が濃くなるとは耳にしますが、
最終的に木は白化して土に戻ります。
人間と樹木の寿命のサイクルが異なるのでズレは有りますが、
もちろん人間の目で見ての経年変化や経年変色がよく言われます。

さて、パインの経年による変色を見てみましょう。

画像の様に当初は、明るく清潔感のあるパインフローリングです。

 

 

パインフローリングを無塗装やオイル塗装で5年ほど使用すると
以下の様に経年変化、変色(黄変)します。
日本では、「日に焼けて色艶が出て良くなった」と言われます。
でも、当初の計画ではパインの明るい色合いが好きで選んだはず…
これだけ変色するなら扉や巾木類も、もう少し考えておけばよかった…
と、思った方も多いはずです。


欧米では、このパインフローリングの黄変を
“あまり手入れをしていない床”だと捉える方もいらっしゃるようです。

では、欧米ではどの様な使われ方をしているのでしょうか?
欧米では、土足での生活が多く
土が家の中に入ることも日本より多いと言われています。
そうすると床表面は多少白くなってしまいます。

その様な事を加味し、初めからパインフローリングを白く塗装します。
塗装と言ってもライやオイルを使用し黄変を防ぐ程度です。
ホワイトオイルは、含浸型で触った感じはクリアオイルと同じです。

また、クリアオイル塗装する事で木目や節はしっかりと映りますが
ホワイトオイルなどの塗装は、木目や節を少し目立ちにくくします。
この事でお部屋全体が明るく優しい感じに仕上がると言われます。

パインフローリングに限らず、
オークや桧でも経年変化における変色を防ぐのに
ライやホワイトオイルを使用する方はたくさんいらっしゃいます。

イングリッシュオークフローリング(ホワイトオイル塗装5年後)

イングリッシュオークフローリング(ホワイトオイル塗装)

どの樹種にどのホワイトオイルが適しているのかは
それぞれ少し違うのでぜひお問い合わせください。

無垢フローリングって変色しますよね?

最近、お電話でたまたま3回も同じ質問が寄せられたのでご紹介させていただきます。
「パイン材って焼けて変色しますよね。どれくらい変色するんですか?」
「軟らかくて凹みや傷が付くからお勧めできないって言われるんですけど…」

この質問セットが3回も続きました。ビックリしました。
陽の当たり方や家具の配置、メンテナンスの度合いによって変わってきますので
一概には“こうなる!”とは言えないと思います。
ただ、確実に日焼けによる変色は起こります。
大体こんな感じです。

ノルディックパインフローリングの施工直後です。
ノルディックパイン

 

 

 

ノルディックパインフローリングの施工4年後です。
ノルディックパイン

 

 

 

こんな感じで陽に焼けて黄色味が帯びてきます。
もちろんたくさん傷や凹みはできるし艶も出てきます。
ちなみにカントリー調を求めて来られる方の
ほとんどはパイン材を指定されます。

全てとは言えませんが、
ヨーロッパでは変色や艶を嫌がられる方も相当居られるそうです。
もともと土足で生活するので艶は出難いはずですが、
LYEと言われる灰汁から取った成分を
フローリング表面に塗布し、白っぽく仕上げるそうです。
そうする事で、艶や黄変色は抑えることができ、
白っぽいフローリングのままで使えるそうです。
その方がいつまでも新品ぽいと言う訳です。考え方も様々です。
カントリー調も色々ですね。

凹みについては付けば付くほど気にならなくなります。
生活し始めた当初はフローリング面が平滑なために傷や凹みは目立ちます。
ただ、普通に生活していくうちにフローリングの表面は体重などで押さえつけられ、
だんだんと表面の密度が詰まりあまり傷も凹みも目立たなくなって行きます。
つまり凹む事で滑らかな表面になっていき、更には表面硬度も上がっていくのです。
まぁ大阪名物の「バッテラ」みたいなもんです。私は大好きです!
木枠の中に入れられた酢飯と鯖と昆布は、押さえられた力を分散する事ができずに
そのまま具に圧力がかかり「バッテラ」に変身するという訳です。
そうする事で「バッテラ」は硬く締まった状態で頂けるのです。

こんな感じで、フローリングも押さえられても力を分散する場所が無いのです。
そうすると自分の身を圧縮するしかなくなります。
それも上からの圧力なので表面だけが硬くなります。
どれだけ人間の力で押さえつけても無垢フローリング
ぺっしゃんこにはなりませんのでご安心ください。
でもやっぱり私が気になるのは、
傷や凹みよりもどんな住環境で生活するかになります。
いくら傷や凹みが付き難くても目立たなくても、
なるべくなら合板フロアーの上では生活したくはないですね。

JASも日に日に基準が変わるし…
歴史に裏付けられた物の方が良いような気がします。