無垢フローリングをお選びになられる際にお施主様が「硬さ」について悩まれる事があります。
硬さによって感じ方が異なる点としては足あたりの感触、傷や凹みの付き方、床全体の弾力などで迷う事が多いようです。
足あたりの感触は、床表面に触れた時の温かさや冷たさに関わるのかな?
傷や凹みの付き方は、柔らかいと傷が付きやすいのでは?
床全体の弾力は、立ち仕事などをした際の疲れやすさなのかな?
フローリングを選ぶだけでも疑問は多いものです。
『足あたりの感触』に関しては、もちろん柔らかい木の方がたくさん空気を含んでいるので温まるのは早いです。
ちなみに木材(無垢材)は熱は発しませんので何をとっても温かくはありません。
無垢材は、冷たくは無いくらいに思っておいた方が良いと思います。
この場合も、無塗装やオイル塗装に限られ、ウレタン塗装品の表面は木本体に触れているのではなく石油化学製品に触れていると言う事になり、ほぼ触れている箇所は合板フロアーと同じになります。
『傷や凹みの付き方』に関しては、やはり硬い方が傷が付きやすいと言えます。
但し、傷が付いても目立つものとそうでないものがある事を覚えておいた方が良いと思います。
例えば柔らかいと言われる桧フローリングで例を挙げてみると桧節無しフローリングとひのき節有フローリングでは
どちらが傷や凹みが目立つことになるでしょう?
やはり節無しの方は傷が付いたら目立ちますよね。
そもそも初めから節や色むらのある節有なら目立ちません。
と、言うように例えば傷が付く事が容易に想像できる子供部屋やたまーに手が滑って物を落としてしまうキッチン周りや
水の輪染みが目立つかもしれない脱衣場などには節有を使った方が桧節無しフローリングよりも傷や凹みなどは目立ちにくくなります。
これは見た目の好みにもよると思いますので、時間を掛けてお部屋ごとにご検討いただければと思います。
『床全体の弾力』に関してですがこれは今のところ私は勉強不足で難題です。
同じ人が生活しているのであれば、柔らかいとされている杉や桧でも表面が圧縮されてある程度の硬さで止まってしまうのではないかと思います。
杉を10kg/cmで圧縮してもナラを10kg/cmで圧縮しても折れたり割れたりしない限り同じ硬度になるののかなぁ?と思っています。
木材実質の比重(真比重)は樹種による差はほとんどないので圧縮されたらどの樹種でも同じ硬さになるのではないのかな?と思っています。
そうすると、表面が固まって硬くなるまでにどれだけ時間が掛かるか掛からないかだけの事でどの木を選んでもあまり変わりはないのかなぁと思っています。
摩耗で削れる分を考えても最終的には同じ表面硬度になると思います。
また、現在の住宅の床下地材はかなりしっかりしています。
当社でも、無垢フローリングの下地には必ず合板を捨て貼りする様にお願いしております。
床下地材は、一般戸建て住宅なら24mmや28mmの針葉樹合板、マンションの二重床なら20mmのパーチクルボードを使用するのが主流です。
そもそも、以前の根太工法とは違いそれぞれの床下地材が面で無垢フローリングを支える為に根太間のたわみ等は皆無です。
現在の一般的(主流)な工法では木材のたわみはなかなか感じる事はないでしょう。
ちなみに下の画像は、様々な木材の走査電顕像です。
(森林総合研究所・日本産木材標本の画像データベースより)
木材を極限までアップにした画像です。
気乾比重の平均値順に並べています。
上(サワラ)~下(ケヤキ)まで柔らかい木~硬い木 に並べています。
倍率は、大体同じですが異なるものもいくつかあるので注意して見てください。
気乾比重(ru)
水の重さを「1」とし、それと比較して出した重さの割合を数値として表しています。
比重が1を越えたものは同じ体積であれば、水より重いという事になります。
次にこの「気乾」とは何をさしているのかいうと、木材を乾燥させ、含水率が15%になった状態を表しています。
木に含まれている水の量は一定ではないので、乾燥させ水分量を一定にする事で、その木が持つ重量を正確に測る為の指標として、この気乾比重という単位が使われています。
サワラ 気乾比重:0.28~0.34(平均値)~0.40
スギ 気乾比重:0.30~0.38(平均値)~0.45
ヒノキ 気乾比重:0.34~0.44(平均値)~0.54
ホオノキ 気乾比重:0.40-0.49(平均値)-0.61
カラマツ 気乾比重:0.40~0.50(平均値)~0.60
ツガ 気乾比重:0.45~0.50 (平均値)~0.60
アカマツ 気乾比重:0.42~0.52(平均値)~0.62
クロマツ 気乾比重:0.44~0.54(平均値)~0.67
オニグルミ 気乾比重:0.42-0.53(平均値)-0.70
クリ 気乾比重:0.44~0.60 (平均値)~0.78
シイ 気乾比重:0.50~0.61 (平均値)~0.78
ヤマザクラ 気乾比重:0.48~0.62(平均値)~0.74
ブナ 気乾比重:0.50~0.65(平均値)~0.77
ミズナラ 気乾比重:0.45~0.68 (平均値)~0.90
ケヤキ 気乾比重:0.47~0.69 (平均値)~0.84
スカスカからしっかり詰まった画像まで木でも色々あります。
この構造を形成している部分(セルロース、リグニン、ヘミセルロース等)の真比重がどの木をとってもほぼ同じです。
硬くても柔らかくても樹種によらず約1.5g/cm で一定です。
コレ。私的にはとっても面白い。
また、気乾比重でも最低値~平均値~最高値とかなりの差があります。
例えば・・・
ケヤキ 気乾比重:0.47~0.69 (平均値)~0.84(ru)
ヒノキ 気乾比重:0.34~0.44(平均値)~0.54(ru)
ということは、ヒノキより
柔らかいケヤキが存在する場合も有ると言う事になります。
平均値ではかなり差はあるのですが、こんな場合もあるのです。

早材部と晩材部など、比較する箇所でもかなり差が出ますよね。
まぁそんなこんなで木は一筋縄ではいかないと言う事です^^;
私自身基本的にはこう思っています。
どんな木でも強引な事をしない限りは基本的に人には優しいです。
どの無垢フローリングでも自身に傷や凹みを付けてでも人や落下物を守ってくれます。
表面に変な塗装をしない限りは冷たくすることもありません。
ただ、木の我が儘を少し聞いてあげるだけで良いのですがそれが我慢できないのであれば無垢材と
あなたの相性が合わなかったと言う事で、木に文句をガタガタ言わずに潔くあきらめた方が無難です。
木の我が儘とは、よく聞きますが割れたり、反ったり、曲がったりが中心です。
我が儘と言うよりは木ってのはそういうヤツなのです。
強引に割れ、反り、曲がりを抑えようとするからおかしなことになります。
床材を例に挙げると無垢フローリングにウレタン塗装を施したり、木材を薄くスライスして合板フロアーに姿を変えたりです。
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結露→カビ→ダニ→アレルギー。
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色んな価値観があるので何が正解と言う訳ではないのですが
私はできる限り人体に影響が少なくて安心して長く使えるものを選ぼうと思っております。

















