東京武道館第二武道場(剣道場)の床改修の打ち合わせを行いました。
こちらの床は、とても知恵と工夫が施されており、図面を見ても、現物を見ても、なかなかその理由が分からない加工が施されている箇所が多い床です。ぱっと見は松のフローリングに見えますが、JASフローリングの日本農林規格に照らし合わせると、フローリングとは言えない床材です。
2012年ころ、筑波大学・鍋山隆弘先生に「東京武道館改修工事の見学に行ってみないか」とお誘いいただきました。その時に、新築時に携わった東京都のプロジェクト担当者の方と設計士さんから直接東京武道館への思い入れや工夫を教えて頂きとても勉強になりました。
その知恵と工夫は、国体開催と共に静岡県武道館や埼玉県立武道館の武道場床へと引き継がれていきました。少しづつ改良が加わり各武道館とも全く同じ工法では無いものの、よく似た工法と部材で構成されています。
プレーヤー、施主、管理者の”三方良し”を皆目指すところではありますが、なかなか難しいのが現状です。私が聞いた中では東京武道館の現状の床は、剣士(プレーヤー)の方々にはとても好評です。今回も東京都の担当者の方は「東京における剣道の聖地を守り抜く」と力強くおっしゃっておられました。改修後もきっと素晴らしい道場床になると思います。