『無垢フローリングにクイックルワイパーやウェットシートの使用は適しているのか?』とお客様やお施主様からご質問を頂きます。
答えとしては、『化学モップとムクフローリングの相性は? とっても悪いです』 と同様に通常クイックルワイパーやウェットシートの相性も悪いです。
あまり難しく考える事もないのですが、クイックルワイパーやウェットシートの使用説明に沿ってご使用いただければと思います。
”クイックルワイパーやウェットシートの使用上の注意など”に下記の記載が有ります。
使えないもの(水がしみこむ白木)
●白木やビニール床の上に長時間置いたままにしない。
床が変色することがある。
白木という言葉がイマイチ分かりにくいのですが“白木とは、塗料をぬらない白地(しらじ)のままの木材”の事を指すようです。
蜜蝋ワックスやオイル塗装品ならどうなのだろう?とも思うのですが白木はきっと無垢フローリングも含まれると思っておいた方がよさそうです。
化学モップにも同じような注意書きが有りますが、着塵剤を含んだモップ等を無垢フローリングの上に長時間置いたままにした画像がこちらです。


こちらは桧集成材フローリング無塗装品の上に長時間化学モップを放置した例です。集成材といえども表面は無垢材です。
時間が経つと着塵剤などの薬剤が桧材に染み込んで黒ずんでいるのが分かります。着塵剤を無垢フローリングに塗りこんでいるという事になります。そうなると無垢フローリングが塵や埃(ホコリ)を呼び込むことになります。本来は綺麗にするはずのお掃除道具が逆に汚くなっています。
クイックルワイパーやウェットシートや化学モップには、埃(ホコリ)を吸着させる為に着塵剤といわれる化学薬品が使用されています。着塵剤は、流動パラフィンやイソパラフィンという薬剤が使用されます。着塵剤を含ませたモップやシートを床面や家具などの拭き掃除に用いると、着塵剤における親油性液体の粘着力により塵埃を吸着する事ができ、また、その親油性液体の効果により、モップ糸等が若干の静電気を帯び、塵埃をモップ糸等に取り込みやすくなっています。
なぜ、着塵剤が必要なのか?
そもそもダスキンモップやクイックルワイパーやウェットシートは、フロア面の塵(チリ)や埃(ホコリ)をふき取ってくれる
とっても手軽で便利なお掃除道具です。これらのお掃除用具は、基本的には合板フロアーやビニール系の面材を使用した床材製品を想定して開発されているものです。住宅の床面では、現代そのほとんどが合板フロアーを使用しています。合板フロアーは、表面に静電気が発生するので塵(チリ)や埃(ホコリ)はくっつきやすいです。
これは、一部の無垢フローリングにも起こりえることで、無垢フローリングでもウレタン塗装を施していると表面に静電気が発生し塵(チリ)や埃(ホコリ)がくっつきやすくなります。
ウレタン塗装とは、しっかりコーティングされ素足、裸足で歩くとペタペタする塗装ですね。それらの床面にくっついた塵や埃を吸着する為に着塵剤が必要となるのです。
ちなみに壁もビニールクロスだと静電気が発生し塵(チリ)や埃(ホコリ)がくっつきます。珪藻土や漆喰は静電気を発生しませんので塵や埃はくっつきませんね。
もし、普段から無垢フローリングのお掃除にクイックルワイパーやウェットシートのようなワイパー系の道具を使用したい場合は薬剤を含んでいない不織布をご使用ください。
でも、こんなことは家を建てる計画中で無垢フローリング採用前に悩むかもしれませんが、オイル塗装やガラス塗装を施した無垢フローリング表面には静電気は発生しませんのでクイックルワイパーやウェットシート系のお掃除道具はあまり使用しないかもそれません。間取りにもよるかもしれませんが天気が良い日に大きく窓を開けはなって箒(ほうき)で掃く方が気持ちいいかもしれませんよ。そう思うと合板フロアーはピカッと輝いてるけど本当に清潔なのかと思う今日この頃です。
無垢フローリングのお掃除については色々な方法が有ります。汚れが気になるようであれば、まずは雑巾での乾拭きです。それでも落ちないようでしたら硬く絞った雑巾の水拭きで汚れを落としてみるのが良いでしょう。さらに落ちなけれが中性洗剤を使ったり削ったり、順に方法を変えていきましょう。

凹み傷などは大丈夫!広葉樹、針葉樹問わずそこそこ簡単に治せます。凹んだ部分に数滴水をこぼしてアイロンを掛け、乾くとある程度は戻ってきます。その後、軽くヤスリを掛けてオイル塗布して拭き取るとそこそこ綺麗になります。オイル塗装は、ウレタン塗装と違い自分で手軽に塗れるので便利です。
よくある質問(FAQ)|無垢フローリングとクイックルワイパーの注意点
無垢フローリングにクイックルワイパーは使えますか?
基本的にはおすすめしません。ドライタイプであっても化繊のシートが無垢材の表面に細かい傷をつける恐れがあり、繰り返し使用すると艶を損ねることがあります。
なぜクイックルワイパーの使用が無垢フローリングに適していないのですか?
クイックルワイパーのシートはポリエステルなどの化学繊維でできており、摩擦によって表面の油分やワックスを取り除いてしまう可能性があります。無垢材は表面保護が繊細なため、自然素材の柔らかいクロスやほうきなどがより適しています。
どうやって無垢フローリングを掃除すればいいですか?
ほうきで掃いたり、乾いた綿布などを使った乾拭きが基本です。ホコリが多い場合は、掃除機のブラシヘッドを使うか、ハタキやブロアーや吹き飛ばす方法がおすすめです。
どうしてもクイックルワイパーを使いたい場合は?
どうしても使用したい場合は、摩擦を抑えるように軽くなでる程度にとどめ、頻繁には使用しないようにしましょう。できれば無垢材専用の掃除用品(ほうき等)に切り替えることをおすすめします。
無垢フローリングといえども床材の表面仕上げによって
お手入れ方法は変わりますので以下リンクをご参照いただければと思います。
>無塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>オイル塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>UVウレタン・ウレタン塗装の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>ガラス系塗料塗装(SSG・木塗MOKUTOなど)の無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス、掃除
>ナラ無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
>杉無垢フローリングのお手入れ、メンテナンス方法
>桧無垢フローリング お手入れ面メンテナンス

