スウェーデンハウスに最適な無垢フローリング?|スウェーデンハウスと無垢フローリングの相性

投稿日:2025年06月15日

 

 

スウェーデンハウスに無垢フローリングを検討する
スウェーデンハウスに無垢フローリングを検討する

 

スウェーデンハウスは、日本国内で高い人気を誇る輸入住宅のひとつ。北欧・スウェーデンの住宅思想に基づき、快適性・耐久性・デザイン性に優れた住まいを実現します。本記事では、スウェーデンハウスの主な特徴や、日本の気候におけるメリットについてご紹介します。

1. 高気密・高断熱性能

スウェーデンハウス最大の特徴は「高気密・高断熱」。トリプルガラスの木製サッシ窓や、断熱性能の高い壁・天井・床構造により、冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごせます。冷暖房効率も高く、省エネルギー住宅としても注目されています。

2. 木製サッシ3層ガラス窓

独自の木製サッシ+3層ガラス窓は、外気の影響を最小限に抑え、結露の発生も防ぎます。室内の静音性も高まり、外部の騒音を気にせず生活できます。

3. 高い耐久性とメンテナンス性

スウェーデンハウスは、50年以上の長期使用を前提とした設計で、高品質な木材と構造により耐久性も抜群。20年保証・定期点検などアフターサポートも充実しています。

4. 北欧デザインの美しさ

自然素材を活かした内装、シンプルで温もりのあるデザインが魅力。無垢フローリングとの相性もよく、経年変化による美しさを楽しめます。

5. 高水準のセキュリティと構造

堅牢な構造により、地震や風圧にも強い住宅を実現。窓やドアの鍵構造もセキュリティに配慮されています。

6. 長く快適に住み続けられる住まい

ライフステージの変化に応じてリフォームしやすく、住み継ぐことも可能。長寿命・快適性・デザイン性を兼ね備えた理想的な住まいと言えるでしょう。

 

北欧デザインで人気のスウェーデンハウス。その魅力をさらに高めるのが、自然素材の温もりを感じられる「無垢フローリング」です。本記事では、スウェーデンハウスと無垢フローリングの相性や選び方、施工上の注意点までを詳しく解説します。

 

スウェーデンハウスと無垢フローリングの相性

スウェーデンハウスは、高気密・高断熱が特徴の住宅。その室内環境は、無垢フローリングの良さを最大限に活かす条件が整っています。適切な湿度管理により、木材の反りや収縮も抑えやすく、快適な住環境が保たれます。

おすすめの樹種とその特徴

スギ(杉)無垢フローリング

柔らかく温かみのある質感。断熱性が高く、足触りも良好。

 

ヒノキ(檜)無垢フローリング

芳香性が高く、抗菌・防虫効果もあり衛生的。

 

オーク(ナラ)無垢フローリング

硬くて丈夫。重厚感のあるインテリアに最適。

 

ウォールナット(クルミ)無垢フローリング

クルミの仲間の材は、固く滑らかで狂いが少ない。

 

サクラ(チェリー)無垢フローリング

滑らかな足触り。バラ科サクラ属の広葉樹です。

 

 

床暖房との相性は?

スウェーデンハウスでは床暖房を採用することも多くあります。無垢材は木の性質上、床暖房対応無垢フローリングを選ぶ必要があります。対応樹種の中から厚みや含水率に注意し、反りや割れに配慮された製品を選びましょう。

 

施工のポイントとメンテナンス

高断熱住宅であるスウェーデンハウスでは、急激な乾燥や湿気の変化が起こりにくいため、無垢材の膨張・収縮リスクが軽減されます。ただし、施工時には数日の現場なじみが必要です。定期的な拭き掃除やオイルメンテナンスで、長く美しい状態を保てます。

 

無垢フローリングでより豊かな北欧ライフを

スウェーデンハウスのぬくもりある暮らしを支える無垢フローリング。住まいの質感を高めるだけでなく、自然素材ならではの経年変化も楽しめます。長く愛着を持って使える床材として、無垢材は非常におすすめです。

よくある質問(FAQ)

スウェーデンハウスには無垢フローリングが向いていますか?

はい、高気密・高断熱なスウェーデンハウスは無垢材の伸縮を抑えやすく、快適な床材として非常に相性が良いです。

無垢フローリングに床暖房は使えますか?

樹種や仕様により異なりますが、床暖房対応の無垢フローリングを選ぶことで併用可能です。

どの樹種がスウェーデンハウスにおすすめですか?

杉やヒノキ、オークなどがおすすめです。住宅の雰囲気や機能性に合わせて選びましょう。

無垢フローリングはメンテナンスが大変ですか?

定期的な乾拭きや専用オイルでのメンテナンスが必要ですが、慣れれば簡単です。

施工前に注意すべき点はありますか?

現場の湿度に合わせて数日間なじませること、接着剤や釘の選定にも注意が必要です。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

【埋め木とは?】河井寛次郎記念館で出会った“くにゃくにゃ”の衝撃

投稿日:2025年06月06日
◆「埋め木」という技術、ご存知ですか?
木工における「埋め木(うめき)」とは、傷や節抜け、ひび割れなどの欠損部分を木材で丁寧に埋めて修復する伝統技法のことです。木の風合いを損なわず、美しく補うための職人の知恵が詰まっています。実はこの「埋め木」、無垢フローリングや家具の補修でもよく使われる身近な技法です。しかし先日、京都にある河井寛次郎記念館を訪れた際、私はこれまで見たことがないような“驚きの埋め木”に出会いました。 

◆臼をひっくり返した「テーブル」に隠された技
館内の一角に置かれていた小さな丸テーブル。何気なく眺めていたそのテーブル、実は「古い臼」をひっくり返しただけのものだったのです。
かつては力強く臼として用いられていた器物が、今では静かに佇むテーブルとして再生されていました。
その発想は、単なる転用にとどまらず、日本的な「見立て」の精神が極めて高い次元で結晶したものといえます。用途を変えながらも、物の記憶と気配をそのままに残し、新たな命を与える――
それは、実用と美意識、そして時の重なりを読み取る深い審美眼がなければ成し得ない、極めて詩的かつ知的な行為です。このような静かな驚きをもたらす展示に触れるたび、日本の美意識の奥深さにあらためて感嘆させられます。

そして、その臼の裏面に施された“埋め木”を見た瞬間、私は思わず息を呑みました。
河井寛次郎記念館臼のテーブル

 

 

◆くにゃくにゃと曲がった埋め木が、木の年輪に溶け込んでいた
一般的な埋め木は、丸や四角、楕円などのシンプルな形状が多いですが、この臼の裏面に施された埋め木はまったく異なりました。木の年輪に沿って、くにゃくにゃと波打つような有機的な曲線を描いており、それが見事に木目と調和していました。まるで「魅せる修復」として意図的にデザインされたようにも感じられ、まさにアート作品と呼べる埋め木です。瓢箪や蝶々、富士山など縁起物の埋め木も目にしますが、こちらの臼の埋め木はそれらとは全く異なるものでした。

河井寛次郎記念館臼のテーブル 
◆「埋め木」は“隠す”ではなく“活かす”ものへ
私は無垢材を扱う仕事柄、日頃から埋め木には慣れ親しんでいますが、これほど自由で大胆な埋め木を見たのは初めてでした。そして驚いたことに、これまでに3回もこの記念館を訪れていたにもかかわらず、今回初めてその存在に気付いたのです。訪れるたびに新しい発見がある——それこそが河井寛次郎記念館の魅力だと改めて感じました。 
◆無垢フローリングにも活かせる「埋め木」の発想
無垢フローリングは、木そのものの個性や経年変化を楽しむ素材です。節や割れが出ることもありますが、それらを埋め木で補うことで、風合いを活かしながら長く使い続けることができます。埋め木は、単なる修復技術ではなく“木を活かす工夫”なのです。
無垢フローリングの埋め木の例
無垢フローリングの埋め木の例

 

◆まとめ:埋め木は“木との対話”の技法
今回の訪問を通じて、「埋め木」の本質が「直す」ことではなく、「活かす」ことであると強く感じました。河井寛次郎記念館で出会った、あのくにゃくにゃと曲がった埋め木のように、木と向き合い、木の流れに身を委ねながら形を決めていく——そんな柔らかな発想こそが、木工の本当の魅力なのかもしれません。 
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木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
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投稿日:
カテゴリー: 木材

マンションの直貼り工法は無垢フローリングを諦めなくてはいけないのか?そんなことは無い。

投稿日:2025年06月03日

 

直貼りマンションでも無垢フローリングが選ばれる理由

マンションにおいても、無垢フローリングをご希望されるお施主様は少なくありません。二重床構造の場合、乾式二重床により床下地において遮音等級を確保することが可能です。一方で、直貼り工法を採用する場合には、使用するフローリング材そのものに遮音性能が求められ、遮音等級を満たす仕様の製品を選定する必要があります。

 

無垢フローリング専門店木魂では、以下のように遮音等級LL45の無垢フローリングを2種類ご用意しております。

木魂防音無垢フローリング

遮音等級LL-45対応の「木魂防音無垢フローリング」
マンションの直貼り工法でも、本物の無垢フローリングをあきらめる必要はありません。
当社では、遮音等級LL-45に対応した「木魂防音無垢フローリング」をご用意しています。対応樹種は20種、タイプは175種類以上。豊富なラインナップからお選びいただけます。

スケルトンリフォームやリノベーションに最適
お部屋単位の部分リフォームよりも、スケルトンリフォームや大規模リノベーションの際に、多くの採用実績があります。直貼り工法でも安心してご使用いただける性能を備えています。

自然塗装で快適な足触り
標準塗装には、自然由来のオイルワックスを使用。夏はさらさら、冬は冷たくなりにくい、無垢材特有のやさしい足触りをお楽しみいただけます。

踏み心地の改善と天井高の確保
遮音直貼りフローリングでありがちな「ふわふわ感」を大幅に軽減。自然な踏み心地を実現しました。さらに、厚みは26mmと十分で、乾式二重床と比較しても天井高を確保しやすい設計です。乾式二重床工法を直貼り工法の物件に採用するには注意が必要です。

遮音等級LL45木魂防音無垢フローリング
遮音等級LL45木魂防音無垢フローリング

 

遮音等級LL45・挽板直貼り遮音フローリング

遮音等級LL-45対応 挽板直貼り遮音フローリング
無垢フローリングに近い質感と遮音性能を兼ね備えた選択肢として、「遮音等級LL-45/挽板直貼り遮音フローリング」もご用意しております。直貼り工法に対応し、無垢材にこだわるお客様からも高い評価をいただいている製品です。

表面2mmの挽板で自然な質感と足触り
表面に2mm厚の挽板を使用しており、無垢フローリングに近い自然な表情と心地よい足触りを実現しています。見た目にも触感にも、合板フロアとは一線を画する仕上がりです。

塗装は選べる2種類
耐久性に優れたウレタン塗装(造膜系)はもちろん、自然素材由来のオイルワックス塗装(含浸型)にも対応しています。
一般的なウレタン塗装でありがちな、「木材に直接触れている感覚がない」「冬場は冷たく、夏はべたつく」
といった違和感を避けたい方には、自然塗装がおすすめです。無垢材本来の温もりをそのままに、快適な住環境をサポートします。
この小さいようでとても大きな違いに気が付いたお施主様だけが、無垢床の快適な住空間を実現できます。

踏み心地にもこだわった設計
特殊な遮音材を採用することで、遮音性を確保しながらも、直貼り特有の“フカフカ感”を大幅に軽減。快適な踏み心地に配慮した構造となっています。

リフォーム・床暖房にも対応
厚みは12mmと薄型設計のため、既存住宅の部分リフォームにも最適。さらに、床暖房にも対応しており、温もりある無垢調フロアを寒冷地や冬季でも快適にご使用いただけます。

遮音等級LL45挽板直貼りフローリング
遮音等級LL45挽板直貼りフローリング

 

私が住むマンションに無垢フローリングが使えるのか?

マンションリフォーム、リノベーションにおいて、無垢フローリングが採用できるかどうかのチャートをご用意しております。

マンション遮音等級LL45無垢フローリングチャート
マンション遮音等級LL45無垢フローリングチャート

 

 

 

『マンションに無垢フローリングを採用したい』Q&Aまとめ

Q. マンションに無垢フローリングは使えますか?

A. はい、可能です。特に遮音等級LL-45(ΔLL(I)-4)に適合した製品を使えば、マンションでも直貼り工法による無垢フローリング施工が可能です。当社では数多くの施工実績があります。

 

Q. 直貼り工法とはどのような施工方法ですか?

A. 直貼り工法とは、無垢フローリングを防音マットなどの下地材を介してコンクリートスラブに直接貼る工法です。天井高を確保でき、施工費用も抑えられるため、マンションリフォームに最適です。

 

Q. 遮音性能の基準はどのように確認すればよいですか?

A. マンションでは多くの場合、LL-45またはΔLL(I)-4という遮音等級が求められます。遮音等級についてはマンションの各管理組合にお問い合わせください。

 

Q. 無垢フローリングはマンションの管理規約に違反しませんか?

A. 施工前に管理規約や管理組合の許可が必要ですが、遮音等級を満たした製品と工法であれば問題ないケースが多くあります。当社では管理組合への提出用に遮音等級の試験報告書をご用意しております。

 

Q. 無垢フローリングのメンテナンスは大変ですか?

A. 日常的なお手入れは乾拭きや水拭きで十分です。傷や凹みも、無垢材なら削って再生可能です。長く使うほど味わいが増す点も、無垢フローリングの魅力です。

 

 

 

マンションで無垢フローリングをご検討中の方へ。

「マンションにも無垢フローリングは貼れるの?」——そんな疑問にお応えします。

当社では、直貼り工法に対応した遮音等級LL-45(ΔLL(I)-4)クリアの無垢フローリング、挽き板フローリングを数多く取り扱っており、マンションリノベーション採用実績も豊富です。

「直貼りって何?」「管理組合の許可は取れるの?」といった疑問も、専門スタッフが丁寧にご案内いたします。

東京・新木場のショールーム『ゆらぎ』では、直貼り用サンプルや施工事例を直接ご覧いただけます。ご相談・来場予約はこちらからお気軽にどうぞ。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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中古の無垢フローリング使えるのでしょうか?なぜ、あまり販売されていないの?

投稿日:2025年05月29日
無垢フローリング中古
剣道場に70年使用されていた無垢フローリング

無垢フローリングを検討するにあたり、エイジングやアンティーク、古材調など、少し古めかしい雰囲気に仕上げたいと要望されるお施主様もいらっしゃいます。実際に、当社でも栗アンティークフローリングイージーカントリーフローリングワーミースポルテッドフローリングなどをラインナップしております。ただし、これらは全て新品であり中古品ではありません。

アメリカでは、パイオニアミルワークス社などが、中古品の無垢フローリングを取り扱っています。そのほとんどが、工場で使われていたものや体育館で使われていたものなどになります。古民家で使用されていたものはほとんどありません。

単純に、貼ってある無垢フローリングを剥がして販売すればいいっていうものではないんです。一般的には解体現場ではパワーショベルなどの大型重機を使ってミンチ解体していきます。床材も壁材も天井材も構造材も一緒に解体していくわけです。そして、木材、鉄、コンクリートなど素材ごとに分別して廃棄処分します。

しかし、中古の古材販売となるとなかなかそういう訳にはいきません。解体するにあたり、巨大な梁を残したい、大黒柱を残したい、床の間材を残したいとなると、解体も手順を追ってしなくては行けませんので通常よりも何倍も時間と手間が掛かります。数丁しかない梁や大黒柱だけでもかなりの時間と手間が掛かるのに無垢フローリングを綺麗に次に使えるようにはがすとなると、きっと貼るときよりも時間と手間が掛かることになるでしょう。少し考えてみると、よくある無垢フローリングの本実加工(凹凸)では、凹凸部に釘が刺さっています。釘頭は木材に埋まるように施工されているはずです。その釘をバールで持ち上げ、釘頭を浮かし、綺麗に釘を抜いていく… もちろん、木材にひびが入らないように、実が割れないように気を使いながらの作業になります。もう、想像もできないくらいの手間が掛かってしまいます。

先ほど、パイオニアミルワークス社の話で、工場や体育館などが多いと言いましたが、かなり大きな面積で無垢フローリングが施工されていた現場にて、そこそこ綺麗に剥がして本実加工(凹凸)を再加工することで商売が成り立っているようです。かなり歩留まりが悪いと想像します。もちろん同じ樹種の同じサイズの新品無垢フローリングよりも中古の無垢フローリングに方が販売価格は高くなります。

日本においても古材は安くはありません。希少価値が高く、販売するまでに結構な手間が掛かります。中古の無垢フローリングも同様です。大黒柱や梁の様に一部分に中古の無垢フローリングや中古の羽目板(壁・天井)に使うのが現実的かもしれません。

また、中古の無垢フローリングの場合は、ササクレや段差など様々な不具合個所が出る可能性があり、なにかしらの責任問題が発生する可能性も高いです。新品の無垢フローリングよりもよりも高価で不具合個所が多いかもしれない中古の無垢フローリングは、販売もし難いですし、よくよく考えると採用をためらうお施主さんも多いという事になります。

もし、無垢フローリングを割安で入手したいとの考えから中古の無垢フローリングをご検討いただいているとしたら、無垢フローリングのアウトレットの方が使いやすいかもしれません。杉無垢フローリングや桧無垢フローリングがございます。ぜひ、無垢フローリングアウトレットにアクセスしてみて下さい。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

「あっ!」気が付いた人だけが本物の木の優しさを体感できる

投稿日:2025年05月15日

気が付いた人だけが本物の木の優しさを体感できる

はじめに

無垢材のフローリングを選んだはずなのに、「思っていたほど温かくない」「足触りが気持ちよくない」と感じたことはありませんか?
実は、「木の優しさ」を引き出せるかどうかは、木材そのものだけで決まるわけではありません。

その違いに気がついた人だけが、見た目だけではわからない本物の木の心地よさを日々の暮らしの中で実感できるのです。

 

無垢フローリングを選んだのに「冷たい」「べたつく」と感じるのはなぜでしょうか?

無垢材のフローリングを採用したにもかかわらず、「思ったほど温かみがない」「足触りが期待と異なる」と感じる方がいらっしゃいます。
このような体感のズレは、無垢材自体の性質ではなく、表面に施されている塗装の種類や仕上げ方法に起因するケースが多く見受けられます。

建材に関する知識がないと見落としがちな点ではありますが、こうした情報を事前に把握しておくことで、住まい選びの精度は格段に高まります。

 

自然素材住宅の普及と安全性への関心

自然素材を積極的に取り入れた住宅づくりが注目されるようになったのは、およそ30年前からのことです。
それ以前は、新築住宅やリフォーム直後の住居において、刺激臭や目への違和感を感じることが少なくありませんでした。
こうした背景から、「シックハウス症候群」への関心が高まり、建材に含まれる化学物質を抑制する目的で、F☆☆☆☆(フォースター)表示制度などが導入されてきました。

 

無垢フローリングが期待と異なる感触になる理由

床に無垢フローリング、壁や天井に漆喰や珪藻土など、自然素材を使用した住空間は、快適さと健康への配慮を両立するスタイルとして広まりつつあります。
しかし実際には、「夏はペタペタする」「冬は冷たく感じる」といった声も耳にします。

「無垢材はさらさらして冷たくならない」との説明を受けて導入された方も多い中で、このような印象の違いが生じる理由の多くは、木材の種類ではなく、塗装の違いにあります。

 

塗装の種類と特性を正しく理解する

フローリングに使用される塗装は、主に以下の2種類に分けられます。

  • 造膜型塗装(例:ウレタン塗装)

木の表面に保護膜を形成することで、傷や汚れに強く、掃除がしやすいという利点があります。
一方で、表面が硬くなり、冷たさやべたつきを感じる傾向があるため、素足で過ごす際の快適性には個人差が出やすい傾向があります。
※なお、塗膜の種類や厚みによって、こうした感触を抑えた製品もあります。

木の導管に塗料を浸透させることで、木本来の呼吸や風合いを損なわず、さらっとした自然な質感が得られます。
表面に保護膜を形成しないため、水分や汚れが木材に浸透しやすくなります。そのため、定期的なオイルの再塗布など、メンテナンスによって美観と機能を維持することが推奨されます。

 

「ナチュラルマット塗装」などの表記に注意

近年では、「ナチュラルマット塗装」や「自然な風合い仕上げ」など、ウレタン塗装にマット感や凹凸を加えた製品も流通しています。
これらは見た目や触感の工夫が施されていますが、基本的にはウレタン系塗料に分類される造膜型塗装です。

「自然オイル塗装に近い」といった説明がされている場合もありますが、こうした表現にはメーカーごとの解釈の違いがあるため、実際の塗膜の性質や手触りについて、事前に確認されることをおすすめします。

 

足裏に触れるのは「素材」ではなく「塗装」

どれほど高級な無垢材を使用していても、足に触れるのは素材そのものではなく、その表面に施された塗装層です。
突き板やシート貼りフローリングであっても同様に、塗装がウレタンであれば、無垢材と同じように冷たさやべたつきが感じられる可能性があります。一方、自然オイルなどの含浸型塗装を施した製品であれば、木の導管が開放されているため、より快適な触感を得られます。

 

含浸型塗装が使えないケースに注意

ただし、突き板やシート貼りのフローリングには、含浸型塗装は基本的に使用できません。
突き板は表面の木材層が非常に薄く、塗料を浸透させることが難しいためです。
また、シート貼りフローリングの表面は木目調の印刷シートであるため、塗料を塗布すること自体が構造上不可能です。
※一部には、特殊な処理により含浸型塗装を施すことが可能な突き板製品も存在しますが、それはごく限られた例外です。

 

宣伝文句に惑わされないために

ウレタン塗装が劣っており、自然オイル塗装が優れているといった単純な構図ではありません。
それぞれの塗装には特性があり、使用環境や生活スタイルに合わせて選ぶことが最も大切です。

しかしながら、「ウレタン塗装でも無垢の質感が楽しめる」といった表現には、実際の触感と異なる印象を持たれる可能性もあるため、事前に確認することを強く推奨します。

 

快適な住まいの鍵は「塗装面の理解」にあり

「無垢材=快適」「自然素材=安心」といったイメージは根強くありますが、実際に毎日触れるのは木材表面の塗装です。
素材や価格だけで判断するのではなく、表面仕上げの種類・特徴・メンテナンス性まで含めて総合的にご検討いただくことをおすすめします。

とくにウレタン塗装と自然オイル塗装では、使用感やメンテナンスの手間に明確な違いがあり、それぞれに向き・不向きがあります。

 

おわりに

「無垢材だから快適」「自然素材だから安心」――そう思って選んだはずの床材が、実際には冷たく、べたつく感触だった。
その理由の多くは、木材の質ではなく、足裏に触れる“塗装面”の違いにあることがおわかりいただけたかと思います。

木のぬくもりや優しさは、カタログの言葉ではなく、素材と塗装を正しく選んだ人だけが実際に体感できるものです。

見た目だけでなく、触感・呼吸・時間とともに変化する風合い――。
それらすべてを本当に楽しめるかどうかは、選ぶ前の「ちょっとした気づき」が鍵になります。

気が付いた人から、本物の心地よさを手に入れています。
どうかあなたも、「木の優しさ」と本当に出会える住まいづくりを始めてみてください。

 

 

無垢フローリングが冷たい?べたつく??

Q. 無垢フローリングが冷たく感じるのはなぜ?

A. 無垢材では木材の繊維の中に空気を含んでいるため、たくさんの空気に触れう事になり冷たく感じないはずですが、床材表面に造膜型のウレタン塗装を施すことにより、空気の穴は埋まり塗装面に触れることになります。そこで冷っと感じることがあります。

 

Q. 夏にべたつく原因は何ですか?

A. 高湿度の空気との接触で結露し、そのうえ皮脂や調理汚れなどが混ざるとべたつきが表面に蓄積されやすくなります。ウレタン塗装などのコーティングがある場合は、特に起こりやすい傾向にあります。

 

Q. 冷たさとべたつきを軽減する方法は?

A. 冷たさは、表面塗装を要件等!べたつきは定期的な換気と乾拭き、無垢フローリング表面塗装に合わせたメンテナンスが効果的です。

 

Q. ワックスを塗り過ぎるとどうなる?

A. 無垢材に浸透しきれず表面に残ることでべたつきや黒ずみの原因になります。薄く、かつ塗り重ねすぎないように注意しましょう。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
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