木材関連用語集3

81 .住宅性能評価・表示制度
消費者が自由な住宅市場において望ましい住宅を適正な価格で確保できるよう、予算に応じて、住宅の性能を通性に評価できるよう、その情報を明快に表示してゆく。また住宅を供給する側にとっても、自己責任原則の明確化と連動することにより自主管理能力の向上が求められる一方で、規制緩和による技術開発活動などができる範囲を拡大する。
これらの考え方を普及させてゆくために住宅の主要な性能項目についての評価基準を作成しその基準に基づき評価を受けた住宅事業者が消費者にわかりやすい表現で性能を表示する制度を創設している。
表示の具体的な項目は、① 耐久性(構造躯体の物理的耐久性、社会的耐久性、保証・維持管理体制など)② 居住性(遮音性、気密性、省エネルギー性など)③ 安全性(防耐火性、構造耐力性、長寿社会対応性)などが挙げられる。
82 . 住宅設備費
住宅設備の主なものには、給排水衛生設備、給湯設備、ガス設備、電気設備、空調設備等がある。
バスユニット、システムキッチン、洗面化粧台等の箱物類は設備機器として区別して取扱うこともある。
住宅は、建物仕様のグレード、間取りも様々 で、同じ床面積でも建築費に違いを生ずる。このなかでも、設備費に係わる費用は極めて個別性が強いが、平均的な住宅で見込む基本的な給排水衛生設備費、電気設備費等は12 ~15 %とみられる。
これに、標準的な、厨房機器、洗面設備等の箱物等を含めると15 ~18 %程度になろう。
更に、空調設備、ガス工事、バスユニット、システムキッチン、照明器具、汚水浄化槽を加算すると工事費に占める比率が更に高くなる。
住宅設備費は、今後の高齢化社会に対応したホームエレベーターの設置、家事軽減のための設備や住宅メーカーが他社との差別化等を積極的に図ることもあり、増加して推移するものとみられている。
83 . 準耐力壁等
性能表示項目のなかの「構造の安定に関すること」 では、等級1 と、等級2 以上ではチェックの種類内容が異なる。その中で等級2 以上において、基準として、上下に横架材や枠材のない面材や垂れ壁・腰壁も存在壁量として評価出来ることになった。これが準耐力壁である。
準耐力壁等には、準耐力壁と腰壁等(腰壁と垂れ壁)の2 種類があり、その条件として、
( 1 )以下の材料が使われていること。
①木ずり等を打った壁、②JAS 構造用合板、③構造用パネル、④ パーティクルボード、⑤ 石膏ボード(室内側及び室内壁)とあわせて
( 2 )横架材間の上から下までに前項の材料が貼られてなくてもよいが、① 少なくとも柱・間柱・縦枠材に釘うちされていること。② 直接軸組に打ち付けられていることの条件が必要である。
84 .真壁 大壁
真壁造りは、大ざっぱにいえば多く日本間に見られるもので、柱と柱の間に壁をとりつけた形のものであり、柱が壁の外にあらわれている。したがってこの場合の柱角は構造材であるとともに化粧材である。
これに対比して大壁は、一般的には洋間で柱が壁の外に出ていない 。
林業において“商品生産林業”といって枝打ちが盛んになってきたひとつのねらいは、真壁向きの化粧と強度の両面の役割を果す無節の柱角をとることである。
しかし問題なのは木造住宅においても、大壁の部屋がふえてきていること、また真壁向きの柱角といっても集成材が広まってきていることだ。
もちろん枝打ちが盛んになってきたといっても作業のコスト面で限界があり全体からすると少量であり、ムクの無節の柱は希少価値材として位置づけられよう。
85 . 芯去り材
もともと芯材とは赤身ともいわれ、樹木の髄の周辺部であり、一般的に濃い色の部分である。
芯去り材とは、製材品のうち、そうした芯材・樹芯部を取り除いた挽き角、平角などである。言いかえれば辺材に近いところから採る。したがって芯去り材・芯去り角を挽くには、どちらかといえば優良な太い原木が必要であり、それだけに芯持ち材・芯持ち角より価格的に高いのが普通である。
柱角の場合、関東・中部地域などでは大体が芯持ち柱を用いるが、九州地方などでは無節に近い芯去り柱を愛用する傾向がある。しかし最近は住宅工法が変化、柱の見える日本間が減少、かわって柱が壁のうしろにかくれる洋間へ傾斜しているので、こうした化粧性を備えている芯去り柱は、ひと頃よりは珍重されなくなりつつある。芯去り柱にかわって洋間向きの並柱がふえてきている。
86 .新世代住宅
建設省が平成3 年度にスタートさせたもので、在来木造軸組住宅の合理化・普及がねらいであった。
住宅メーカーなどが提案・応募。このなかから① ソフト面(たとえば住宅の設計)、② ハード面(たとえば住宅資材のパネル化、ユニット化)で「新世紀にふさわしい合理的な住宅」と認められたところが、13 社入選した。
入選した住宅メーカーが、その住宅システムを一般の大工・工務店に広く開放、在来木造住宅の合理化を促進させようというものだ。入選した住宅メーカーは、希望する大工・工務店に、(一定のマージンを取って)営業支援したり、合理化部材を販売することが可能となる。
87 . スクリブナー
スクリブナー(Scribner Scale )は、米西岸の丸太検量方法で、1 BM ( 1 Board Measure =約0.0024㎥ )の製材がとれる丸太材積が1 スクリブナー(約0.005 ㎥)とされている。そして現地では、丸太は一般に1 , 000 スクリブナー(約5 ㎥)単位で価格交渉される。米西岸で、たとえば米材丸太価格が500 ドルとされ、1 ドル=125 円とした場合の㎥当り日本円価格は次のようになる。
〈計算例〉
500 ドル×125 円=62 , 500 円(千スクリブナー当り)
62 , 500 円÷5 ㎥=12 , 500 円(㎥当り)
88 .スクリブナー(scribner )とボードメジャー(Board Measure )
ともに北米で使用される度量単位。1 ボードメジャーの製材品を生産するために必要な丸太材積を1 スクリブナーという。
1 ボードメジャーは0.00236㎥で、厚1 インチ× 幅12 インチ× 長1 フィートの製材品材積に相当する。正式な計算式は
厚(インチ単位)× 幅(インチ単位)× 長(フィート単位)÷12
で与えられ、例えばツーバイフォー、長さ6 フィートの製材品の材積は、4 ボードメジャーである。ボードメジャーはBM と略され、またボードフィート(BF )とも称される。
ただしスクリブナーもBF とも称されるので注意が必要。スクリブナーの㎥への換算値は、冒頭に述べたような性格の単位であるので、樹種や径級によって異なる。例えば米国西部産針葉樹丸太の場合、1 , 000 スクリブナー当たりの㎥材積は、末口12 インチの場合6.0㎥。20 インチの場合は4.4㎥、28 インチの場合は3.9㎥ が目安となる。
89 . スティール住宅
スティール住宅が浮上している。アメリカでは1996年現在、住宅着工総戸数147 万戸のうちのほぼ4 %に当る5 万5 , 000 戸がスティール構造になったという。とくにカリフォルニアといった西部では15 %を占めているそうだが、アメリカ鉄鋼協会はなお強気で「耐震性が大きく、ハリケーンへの耐久力もある。2000 年までに全米住宅着工戸数の25 %に達するだろう」と述べている。
そして日本の大手鉄鋼会社もこのスティール住宅に本格的に取り組む姿勢だ。スティール住宅は厚さ1 ㎜前後の薄い鋼材をコの字型などに加工して枠組み材に使うツーバイフォー形式。96年度の建築戸数は大手5 社合計で10 戸程度だったが、97 年度の建築計画戸数は川崎製鉄、住友金属工業、神戸製鋼所、NKK などでざっと100 戸ほどで96 年度に対比し10 倍ほどだった。価格は坪当り約50 万円からでプレハブ住宅並みだが将来は40 万円台にまで下げたい意向。
90 . スーパーウッド
木材の細胞の中にセラミックを形成する(複合化)ことなどによって木材の燃える、狂う、腐るなどの特性を改善した新しい木材のこと。
林野庁の助成で、民間企業の集りである木材性能向上技術研究組合が発足、技術開発を急いでいるが、実用化が進めば建築基準法により難燃材使用が義務づけられている劇場・病院・ホテル・百貨店などの内装(壁・天井)に木材の使用が可能となる。また家具、屋外遊具などに向けても新しい用途の開発が見込まれる。
工業化製品である「エンジニアリングウッド」に属するものであり、「今後の木材需要拡大のキーポイントだ」と期待が大きい。
91 . 性能規定
建築物が有すべき単体に関する基準を建築物に要求される性能項目、性能水準及びその検証方法(計算方法・試験方法)を規定し、建築物の安全性等の項目を明記すること。
現行の建築基準法は材料、工法、寸法等を具体的に規定する仕様規定が中心となっている。そのため、確保すべき性能水準が必ずしも明確でなく、固定化した仕様が自由な選択を妨げるという問題を有している。
法の第一目的は国民の生命健康及び財産を守ることであるが、その目的を達成する上での性能的に規定する項目としては、構造安全性、火災に対する安全性、避難時の安全性、環境・衛生上の安全性などが挙げられる。
また法で規定される性能を検証・確認する方法として、①標準的な検証方法を定める、②標準的な検証方法以外の特別な方法を定める、③ 標準的な適合みなし仕様に依る、④ 企業・団体の作成する適合みなし仕様が挙げられる。
92 . セーフガード
GATT 第19 条に定められている措置で、輸入急増により重大な損害を受けている輸入国の産業を救済し、当該産業の構造調整を行うことを旨とした輸入に対する一時的な緊急措置。発動にあたっては、利害関係国との協議、関税引き上げ等に関する利害関係国への保証措置等の努力義務が課せられる。また一定の条件のことで、輸出国は輸入国からの輸出貨物に対し、関税引き上げ等の対抗措置をとることができる。セーフガードは、日本では関税定率法第9 条緊急関税等として定められている。緊急関税とは、① 外国における価格の低落その他予想されなかった事情の変化による特定の種類の貨物の輸入の増加の事実があり、② 当該貨物の輸入が、これと同種の貨物その他用途が直接競合する貨物の生産に関する本邦の産業に重大な損害を与え、また与えるおそれがある事実、③ 国民経済上緊急に必要があると認められる時に実施できる関税措置を指す。
93 .セラミックウッド
戦後、木材需給のひっ迫を引き金にアルミなどのいわゆる代替材が進出、木材と置きかえられた。しかし再び木材が見直されているが、性能重視が強まっている。
このため化学的に木材へ難燃性や防腐性を与える技術が進んでいるが、セラミックウッドもそのひとつ。
セラミックウッドをつくるには、木材を構成する細胞の中に、後で水に溶けなくなるような方法で、塩化バリウム、リン酸水素アンモニウムといった無機化合物の溶液を浸み込ませる。
セラミックウッドは燃えないだけでなく、白アリにも強く、人畜無害でその効果も長い。木材新時代の素材だ。
94 . ゼロエミッション
エミッションは放射物のこと。最近は環境問題で、燃料消費や生産物製造の過程で汚染物質の排出されることが問題視されている。そして林業地・製材加工地においてもゼロエミッション(zero emission )構想、つまり「地域で使うエネルギーや資源は地域で賄い、地域で排出する廃棄物は地域で処理する」ことが強調されている。
一般に製材などの残廃材は、① チップは紙パルプ用、パーティクルボード用、MDF (中質繊維板)用に、② バーク(樹皮)は堆肥用に、③ ノコ屑は畜舎向け敷料・堆肥用また、きのこ栽培用に、④ 広くは乾燥、電力の熱エネルギー源として活用されているものの、今後はなおこうした残廃材の有効活用が資源を無駄なく活かすこと、残廃材を“商品” にすることからも課題であろう。地域によっては残廃材での規模の大きな電力施設の設置といった構想も出ている。
95 . 背割り
木材は乾燥と並行して収縮する。とりわけ、切断面における収縮の異方性(半径方向は接線方向の約1 / 2 など方向によって異なる性質)によって、未乾燥材(丸太)から柱、板、梁等の部材を製材して乾燥すると、木取りの仕方により異なった断面形状の変化(収縮の違いが応力の差となって現れ、この応力をバランスよくする特性のため材断面が歪む)を生ずる。
このような木材の特質から、芯持ち柱等(木口面に芯を有するもの)では、収縮の異方性による外辺から芯に向かった放射線状の割れが一般的なものとして発生する。この状況を無くし外見的にも商品価値を維持するめには、あらかじめ、材一面の中心線から材の芯まで達する直線上の鋸目を入れておくことが重要になる。背割りはこの直線上の鋸目のことで、大径材等では必要により樫(くさび)を入れる。
一方で、近年の木材乾燥に係わる技術の発達で、背割りなし柱等人工乾燥材が生産されていることにも留意する必要があろう。
96. 相対取引とセリ売り
相対取引とは売主と買主とが話し合いの相対で売買する取引。一般の問屋とか木材センターではこの相対取引である。国有林の販売方法の一つである「競争によらず当事者の合意によって売買契約する」随意契約と同じだともいえる。
この相対取引に対して、多数の買手が集り競い合って材を購入する一つの手段としてセリ売がある。市売には原木市売と製品市売とがあり、原木の場合は入札が多く、製品の場合はセリ売りが多い。セリ売りは、多数の買手が集り発声ごとに値段を高値へとセリ上げ、最後の高値のものが買手となる。反対の場合はセリ下げである。
97 . ソリッド材
ソリッド(solid )は、もともと固体の、密度の高い、硬質な、がっちりした、中まで充実しているさま、などを意味している。またソリッド・ステート(solid state ) というと電子工学においては、真空管のような気体状態内での電子の動きを利用するものに対して、半導体など固定状態内での電子の動きを利用した電子部品で組み立てられていることを表す、という。それに人の場合は真面目な、堅実な、堅い、などの意味に使われる。
そして木材の場合、ソリッド材というと、これまで普通、一般的には無垢材を指していた。もっともアメリカなどでは集成材についてもソリッド材と言うことがある。
ということはソリッド材とは、要は、たとえば家具材にしろ張りのもので中が太鼓になっている材ではなく、一枚板の材であるといった広い意味を指していよう。
98 . 台形集成材
集成材はエンジニアリングウッド(木質工業資材)を代表する材だといえるが、一般集成材とは別に台形集成材がある。台形集成材は曲がりの多い小径木を歩留まりよく集成する目的で開発されたもので、曲がりの影響がない程度の長さ(65cm くらい)に玉切りした小丸太を半割にして台形(梯形)に加工し、木表と木裏を交互に合わせ広幅板にし、さらにこれをブロックする。長大ブロックに集成された製品は、用途により任意の寸法に製材・仕上げられる。用途は建築物の壁板、腰板、フローリング、出窓枠、棚板、家具、カウンター、日曜大工用材、また敷居、鴨居などの芯材などで、幅広く使用される。
原料はヒノキ、スギ、マツなどで間伐促進をねらいに岩手・九戸村森林組合、徳島・木頭杉集成材加工協組など全国に10 社の工場が量産していたが、減少している。
99 . 耐力壁(たいりょくへき)
阪神大震災を契機に“耐力壁”が一段とクローズアップされている。耐力壁は構造体の壁の中で鉛直(水平面に対する直角)および水平荷重を負担させるための壁のことで、間仕切り壁とは区分され、ベアリングウォール(往復運動する軸を支える壁)ともいう。筋違いや壁が耐震性を高める上で重要であることは古くから経験的に指摘されていたが、壁量計算による耐震設計の方法が確立したのは建築基準法が成立した戦後のことである。
在来軸組構法と枠組壁工法における耐力壁の仕様と倍率は建築基準法施行令の中で定められている。耐力壁の種類は基準法設立当時は筋違いや土塗壁などだったが、いまでは合板やパーティクルボードなどの各種の面材も用いられるようになっている。
倍率は「耐力壁の水平方向の長さlm 当たり一定の抵抗力」を指していう。軸組構法と枠組壁工法との倍率は仕様が異なるため同じではない。
100 . ヤング係数測定 打撃音法
このところ建築材性能化時代を背景に、たとえば曲げヤング係数値(ヤング率。木材の曲がりにくさを示す数値で、数値の大きいものの方が曲がりにくい)への認識が高まってきている。
そして打撃音法によってヤング係数を求める方法が普及しつつある。打撃音法は木材の木口面をハンマーなどでたたいた時に発生する音の特性を、機器を用いて分析してヤング係数を求める方法である。
打撃音怯によるメリットは、① 強度試験機を持っていない場合、少ない投資でヤング係数の測定ができる⑧ 丸太などの変形断面の材料の測定ができる③ 手軽にすばやい測定ができること、などである。
集成材などの普及で木材にも品質保証、ヤング係数による等級区分が求められるようになってきた。
なお鉄鋼メー力一でも強度表示の高まりから原木自動測定システムの開発を進めている。
101 .たてつぎ材 幅はぎ材
木材工業用原料は原木丸太が小径だと品質が低下、そして節、割れなどの欠点を除こうとすると短尺化してしまう。このため長尺材や幅広材をとるためのひとつの手法として集成材生産などが盛んだが、これらの場合「たてつぎ」や「幅はぎ」の工法がある。「たてつぎ」の工法では無欠点の短尺材や端材などをたてつぎして一定の強度性能を持った定尺材や長尺材を生産する。一方「横はぎ」の工法は板幅を広くするために幅方向に寄せ合わせるものであり、はぐは「はぎ合わせる」、「つぎはぎ」のはぐであって縦方向につぐのとは区分している。
幅はぎの手法は、① 接着する方法、② つぎ手で組み合わせる方法、③ くぎ、ねじなどで組み合わせる方法に大別される。なお、一般に接着による幅はぎは柾・板目面の接着だから木材の横方向の強さに対して十分な接着性能が得られるとされている。
102 . WWPA ・COFI
WWPA は米国西部木材製品協会。米国のワシントン州など西部12 州の製材業者約600 工場で組織された米国最大の木材関連団体であって、① 品質規格検査、③ 市場開発調査・開発、③ 販売促進などの活動を行っている。今後はとくに集成材とかLVL とかいったいわゆるエンジニアリングウッド(木質工業資材)のたぐいの対日普及に力を入れよう。
一方、COFI (コフィー)は力ナダ・ブリティッシュ・コロンビア州林産業審議会であってカナダBC州の製材合板生産者の集まりである。やはりカナダ材製品の普及、輸出振興などに活動しており、とくに日本では2 × 4 (ツーバイフォー)工法住宅の普及運動で知られている。
WWPA 、COFI とも日本に事務所を置いている。
103 .断熱材
室内暖房時の室内からの熱の流失、また冷房時の室外からの熱の流入は、室内周囲の壁、開口部等より生ずる。断熱材は、この流失、流入を防ぐために壁、屋根、天井等に用いられ、例えば、壁の間柱間に施工時は、下のほうから足などで押さえつけながらはめ込む方式となる。
天然系の断熱材として主なものは、セルロースファィバー(主原料は新聞古紙のリサイクル材等)、炭化コルク、羊毛など。また化学製品として高発泡ポリエチレン系断熱材、鉄鋼スラグを原料とした断熱材等がある。
いずれの断熱材も熱エネルギーの移動速度を示す熱伝導率(λ)が低いと言う性質を利用したものであるが、建物の結露や結露によるカビの発生を防ぎ、建物全体を密閉することなく快適な状況に保つことがポイントとなる。
なお、木材細胞は熱を伝えにくい空気を含むことから、とりわけ比重の軽いキリ等木材は、断熱材と同様の用途に使用することができる。
104 . チェック・プライス(check price )
パプアニューギニアなど南洋材産地国が法律で定めているミニマム・エキスポート・プライス(最低輸出価格)のこと。抑制価格ともいわれている。
過当競争による出血赤字で、自国経済に損失を招くのを防ごうといったねらいもある。
資源の枯渇を背景に、南洋材輸出国においては、こうしたチェック・プライス制度が強化されてきた。
105 .定期借地権
平成4 年に成立した新しい「借地借家法」で、一定期間(50 年)後、土地所有者に確実にその所有地が戻ってくる「定期借地権」が認められた。
旧借地法、あるいは新法でも通常の借地(普通借地権)ではよほどの理由がない限り地主側が借地契約の更新を拒否することができない。つまり「一度貸す土地は二度と返ってこない」といわれている“借地”だが、定期借地権だと、土地所有者にとっては、50 年間土地を貸して地代を受け取り、50 年後には更地で返してもらえるというもので、新しい土地活用の途が開かれたかたちである。地主にとっては① 安定した土地収入が得られる、② 土地が必ず返ってくる、一方家主にとっては① 高い土地購入代が不要、② 自分の建てたい一戸建ての家を建てられるというメリットがあるとされており、ハウスメーカーなどが新設住宅の需要掘り起しをねらって取り組み出している。
106 . DC ボード
DC ボードは「幅はぎ板」の一種で、幅はぎ板のことをDC ボードと呼んでいるところがある。D はdowel でダボとか合わせ釘のこと。C はconnect で接合。つまりダボで幅広方向に寄せ合わせ、板幅を広くした材、幅はぎ板である。
なお幅方向につけることをはぐといい、このはぐは「はぎ合わせる」「つぎはぎ」などのことを指す。そしてこのはぐが「幅はぎ板」になった。
幅はぎ板は、小径木からたとえば縦1.8m 、幅9cm の小幅板をとり、これを5 枚横に合わせると縦はそのまま1.8m 、幅45cm の幅広の板になり、屋根瓦の下の野地板とか床下地材などに使用される。野地板に使われる場合、6 尺(1 .8m )× 3 尺(90cm )の合板にくらべると幅が狭いだけに風にあおられたり、滑る危険が少ないが、問題はやはりこの合板との価格競争である。
107 .低ホルム合板
合板のホルムアルデヒド放散量は、JAS の試験に合格したものに、Fl 、F2 、F3いずれかの表示により示されている。試験方法はデシケーター法と呼ばれ、合板から放散されたホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させ、その水中濃度を測定する方法で、放散量の平均値および最大値が、基準値をクリアすれば合格とされ、表示の区分に応じてF1 、F2 、F3 のマークが表示される。マークのF は、Formaldehyde の頭文字のF である。
F1 (エフワン)基準は、水中濃度が1 ℓ中、平均値0.5㎎以下、最大値0.7mg 以下のもので、用途の目安としては、気密性の高い建築物の内装材・構造材などである。
F2(エフツウ)基準は、同じく平均値5㎎以下、最大値7㎎以下のもので、用途としては一般の建築物の内装材・構造材などである。
F3 (エフスリー)は、平均値10mg 以下、最大値12㎎以下のもので、気密性が高くない建築物で使われる。
108 . ディメンションランバー(Dimension Lumber )
北米で住宅建築部材として最も一般的に利用されている厚さ2 インチあるいは4 インチ、幅2 インチ以上の製材品の一般的呼称で、具体的には2×4 、2×6 、2×10 、4×4 などを指す。長さは用途によりまちまちである。
樹種としては、カナダのSPF (スプルース、パイン、ファー)、米国南部のSYP (サザンイエローパイン)、米国西部のダグラスファーおよびへム/ファーが主体である。
生産量が多いのはやはり2 × 4 で、基礎フレームや間柱として最も汎用性に富む。2 × 10 や2 × 12 のラージサイズは、従来、床根太としての利用が多かったが、近年はI‐ ジョイストの進出に押されている。
日本のツーバイフォー住宅用としての2 × 4 や2 × 6 製材品は、ほとんどがカナダのBC州内陸部からの製品であるが、輸出企業は節や丸み等の欠点が少ないものを選別してJ ソートと称している。
109 . D1 樹種、D2樹種
日本農林規格(JAS )では、耐久性によって主要な針葉樹をDl とD2 に分けて指定している。Dl 樹種はヒノキ、ヒバ、スギ、カラマツ、ベイヒ、ベイスギ、べイヒバ、べイマツ、ダフリカ(ロシア)カラマツ、その他これらに類するもの、D2 樹種はアカマツ、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、モミ、ツガ、ベイモミ、ベイツガ、ラジアタパイン、べニマツ、スプルース、ロッジポールパイン、アガチス、その他これらに類するものであり、D1樹種に指定された樹種はD2樹種よりも耐久性が高いことから、防腐・防蟻処理の基準が一部緩和されている。JAS の中で樹種による耐久性区分はこの分類しかないため、品確法の劣化の軽減に関する項目でも、一部にこの区分が採用されている。
尚、これは「心材」であることが要求され、辺材(白太)が付いたものは認められないので注意を要する。
110 .出石 欠石
実際の材積が送り状の材積より多いことを出石(でごくOverrun )という。これはその国によって材積測定方法が違うからで、日本の農林規格に基づく材積測定と合わないからだ。かつて輸入南洋材丸太の場合は20 %内外の出石があり、輸入米材丸太の場合は10 %内外の出石があるといわれていた。出石は出歩ともいわれる。
なお出石は米ツガ丸太、米マツ丸太にしろ長尺材ほど多く、その分輸入側にとっては有利だということにもなる。なお輸入北洋材丸太の場合は逆に欠石(Underrun )があり、日露間でしばしば問題になり、日本側は改善を申し入れたことがある。欠石は石切れ、とか減石ともいわれる。
111 . 特恵関税
フィリピン、インドネシア、マレーシアなどの発展途上国などに対する経済的支援のための関税制度。
わが国の主要木材・木製品についていえば、マツ属製材、パーティクルボード、繊維板、集成材などに特恵関税が適用されており、その税率は0 %。ただし「かんながけ又はやすりがけをしたもの以外のもの」のラワン等の製材については関税引き下げ幅2 分の1 で5 % の関税がかかっている(通常は10 % )。また合板用単板も引き下げ幅2 分の1 で税率は2 . 5 % (通常は5 % )。合板については特恵が適用されていない。
なお特恵関税には品目ごとに金額上の一定のシーリング枠が設けられており、年度途中でこのシーリング枠を越えた場合は当該年度における特恵関税の適用を停止することとなっている。
112 . NIES 、ASEAN
NIES (ニーズ)は発展途上国の中でとくに工業化が進み先進国を追い上げている新興工業経済地域。アジアNIES といえば、台湾、香港、韓国、シンガポール。
ASEAN (アセアン)はフィリピン、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイの6 カ国が経済協力のために結成した機構だが、ASEAN でもこのところ良質低廉な労働力と外貨の積極的な導入で工業化が目ざましい。
とくにインドネシアでは木材加工に力を入れ合板産業が成長。東マレーシアでも木材加工部門への投資が盛ん。
113 . 70 条基準
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」第70 条に規定されている「住宅の紛争処理の参考となるべき技術的基準」を称している。この技術基準は、指定住宅紛争処理機関において紛争処理委員(主として弁護士)が住宅性能表示制度を利用した住宅にかかわるトラブルについて調停・仲裁を行う際に参考資料として用いられる。住宅のトラブルは、顧客が、実際に居住をし始めた後に、住宅の表面に現れたひび割れや床の傾きなどが発生したことから始まることが多い。しかし、住宅の表面に発生している不都合事象の状況のみで、基本構造部分に瑕疵が存在するかどうかを決定することは技術的に限界があり、ここでは、具体的に発生した不都合現象を、3 段階にレべル分けし、基本構造部分に瑕疵が発生する可能性がどの程度あるかを把握するための目安として設定している。
114 . ノミナルサイズとアクチャルサイズ( Nominal and Actual Size )
ノミナルサイズは呼称寸法、アクチャルサイズは実寸法を指す。北米の製材品取引において、両者は一般的に使用されている。例えばツーバイフォー製材品は、木口断面が2 インチ× 4 インチ=51 mm × 102mm = 5 , 202m㎡の製材品である。しかしこれは呼称寸法であって、実寸法の標準的木口断面は未乾燥材で40 ㎜× 90 ㎜=3 , 600m㎡ 、乾燥材では38 ㎜× 89 ㎜=3 , 382m㎡である。各木口断面積比率は、呼称寸法1 に対し、実寸法では未乾燥材が0.69 、乾燥材は0.65 でしかない。一般的に北米の業界紙等に掲載されている価格や、製材品取引で交わされる価格は、呼称寸法ベースである。呼称寸法で150(ドル)/㎥のツーバイフォー乾燥材を、100㎥取引する際の価格は、150 (ドル)/ 0 . 65 (木口断面積比率・換算率)× 100 (㎥)=23,077 ドルとなるので、呼称寸法を実寸法に換算しないと、8,077ドルの差額が生じる等のトラブルに見舞われる。
115 .バイオマス(biomass )
生態学の分野で、一定空間領域に存する全ての生物体を有機物(生体内でできる物質の総称)に換算した量を示すことばである。そこで、一般的には再生可能な有機物資源である生物体エネルギー資源としての意味合いで用いられる。
木材分野では、「木質バイオマス」として多く使用され、木材チップ、端材、樹皮、間伐材、建築廃材、炭等木材としての生物体エネルギー資源を活用して熱源や発電として利用する取組みが実施されている。これらはゴミ焼却に伴うダイオキシン対策につながることからも大きな期待が寄せられ、各地域で実用化事例が多数見られる。セメント工場での建築廃材チップと石炭の混焼、製材工場での製材端材等利用した発電施設の稼動、国産ペレットストーブの導入等代表的なものである。
さらに、直接的に燃焼エネルギーとすることに加えて、ガス化、アルコール化等による利用への研究・開発が積極的に進められている。
116 . 羽柄材
羽柄(はがら)材は端柄材とも書く。角材以外の製材品で、たとえば小幅板(ヌキ)、タルキ、野地板、ラス下などのたぐいだ。かつての東京の木場問屋街ではこうした羽柄材を扱う問屋のことを羽柄屋と呼んでいた。
しかし、こうした羽柄材の需要の先行きが住宅工法の変化で懸念される状況になった。というのは壁といった“面”の部門が次第に厚い合板などによる耐力壁としてのパネルに転換されつつあるためである。
こうしたパネル化でモルタル壁の下地材としてのラス下の使用が減っていきかねないし、また屋根の下地材としての野地板の分野にも合板や輸入OSB(木削片板)が浸透してきている。つまり製材の際出る、とくに背板からの羽柄材の需要の落ち込みが気がかりで、その背板からの羽柄材にかわって、この背板を集成材のラミナ(挽き板)にしようという動きも出てきている。
117 . 葉枯らし
葉枯らしは、葉干し、穂干しともいわれ、スギ等樹木を伐倒して、枝葉を付けた状態で一定期間林内放置するものである。この処理を行うと、枝葉から水分が蒸散し、樹幹部の含水率の減少を促進し、同時に木材中の成分にも変化が生じると考えられ、スギ黒心材の黒さが和らぐなど材色にも変化を生ずる。
葉枯らしの乾燥効果が著しいのは春季~夏季の伐倒である。当該期のスギ事例で樹幹部の含水率経過は、開始後1 ケ月の間に100 %以上が70 %程度になるなど急激に低下し、その後次第に低下速度は鈍り、2 カ月前後で60 %程度での安定がみられる。このことから葉枯らし期間をいたずらに長くすることは必ずしも得策でなく、林内に長く放置すれば病害虫の恐れもあり、2 ケ月程度が適当とされている。
また葉枯らしは、辺材部と心材部で含水率の低下の違いが見られ、含水率の低下は主に辺材部に限られていて、心材部の含水率はあまり低下しないことに留意する必要がある。
118 .バーコードとRFID
( Radio frequency – Identification )
バーコードは情報機器にデータを正確かつ容易に入力するために誕生した手段である。
バーコードは,バーシンボルとスペースで構成され、予め決められたパターンで0 ~9 の数字を示している。バーコードには多くの種類があり、商品識別のためのJAN コード、物流単位を識別するためのITF コード、EDI と連携するUCC / EAN – 128 コード等が主に利用されている。
木材分野では、北米材、欧州材等製材品、国内大規模製材工場等で商品管理、物流管理の効率化にバーコードラベルが貢献している。
なお、将来的には、一つずつ手作業でラベルを読み取らなければならないバーコードと違い、表面に出ていなくても、電子機器で読み取れ、情報を書き加えられるRFID (電波方式認識と呼ばれICチップに代表されるもの)が、バーコードの代替として物流分野などへの実用化が期待されている。
119 .柱・通し柱・管柱・間柱
柱は、建築物の屋根、床等構造部を支える垂直の部材の総称である。建築部材としての利用からは通(トオ)し柱、管(クダ)柱、間(マ)柱等が主なもの。柱の樹種はスギ、ヒノキ、ベイツガ等に加えて、ここ数年はホワイトウッドと呼ばれる欧州材が主力である。通し柱は、土台から軒桁(ノキゲタ)まで一本の柱で通したもの。建築基準法・令43 条で階数が2 以上の隅の柱またはこれに準しる柱は通し柱とすることが必要になる。部材寸法は12 × 12 、材長6m が一般的である。
管柱は、土台から軒桁までの途中で柱を継いだもの。部材寸法は10.5 × 10.5cm 、材長3m が一般的ですが、高規格な12 × 12㎝ も多く利用される。なお、材長は地域や階数で4m 、3.65m 等も用いる。間柱は、荷重を支えず、壁を作るための 骨組みで管柱等の間に立てる。部材寸法は管柱より細い材料である。3 cm × 10.5cm (又は7.5 cm )、材長3m が一般的に用いる。
120 .パーティクル・ボード
パーティクル・ボード(particle board )は戦後、ヨーロッパにおいて戦争中の森林乱伐により枯渇した木材資源を補うために、森林育成の際に生じた間伐材や林地残材を利用し、復興資材として開発した板材料・削片板。
木材を細かく切りきざみ、小片とし、よく乾かしてからユリア樹脂などの接着剤をスプレーなどで添加し、一定の面積と厚さに熱圧成形してつくる。木材の節、腐れ、狂い、そりなどの欠陥を除くこと、また小径木、林地残材、工場廃材などの低価値の原料から大面積の板材をつくることができるのが特徴。建築の壁下地材、床下地材、屋根下地材(野地板)、家具、弱電機用などに使われる。日本でも昭和28 年頃から生産を開始したが、安い合板が大量にあったため欧米ほど発展を見なかった。しかし合板の熱帯材原料不足を背景に、合板の代替需要として、このところMDF (中質繊維板)などとともに再びクローズアップされた。

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カテゴリー: 木材

床暖房対応・南部本栗フローリング

岩手県産の南部本栗に床暖房対応・UNIタイプが追加されます。

南部本栗NK-11

 

 

南部本栗フローリング・上小節 NK-11

 

南部本栗NK-12

 

 

南部本栗フローリング・小節 NK-12

 

力強く荒々しい木目が人気の南部本栗フローリングです。
栗は、列車の枕木や住宅の土台などに使用される事が多い材です。
ただ、硬さを求めるのなら枕木などはコンクリートで十分ですが、
列車の運転手さんの話によると
栗の枕木は若干優しい乗り心地になるそうです。
「硬いけれどもしなやか」これも木材の特徴の一つです。

こちらの商品は、床暖房対応無垢フローリングでも有ります。
無塗装品で床暖房対応無垢フローリングをご検討中の方はご検討ください。
無垢フローリングショールーム「ゆらぎ」にも常設展示しております。

 

南部本栗NK-11

 

 

 

南部本栗フローリング・上小節 NK-11

 

 

南部本栗NK-12

 

 

 

 

 

 

南部本栗フローリング・小節 NK-12

 

 

床暖房対応・南部本栗フローリング
サイズ:1820x75x15mm
タイプ:UNIタイプ
入り数:12枚
塗 装:無塗装
ケース単価:
NK-11・上小節:13,000円=7,937円/㎡(税込・送料別)
NK-12・小 節: 8,650円=5,280円/㎡(税込・送料別)

*上記価格は予告無く変更する場合がございます。

フローリング
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木材関連用語集4

121 .パネル化
最近、軸組住宅においても、「構造材はプレカット、壁部門は厚い合板や国産スギ厚板などによる耐力壁としてのパネルにする」といったP & P (プレカット・パネル)的な工法が急速に進みつつある。そしてこの壁部門のパネル化が従来のモルタル壁の下地材としての羽柄材・ラス下類の需要後退にもつながっている。軸組住宅においてもパネル化が進んでいることの背景には、前述のとおりパネルをそのまま耐力壁にするといったことのほかに「大工作業量の縮小を図ろう」といったことがあげられる。構造材は工場でプレカットされたにしろ、これまでの多くが壁・床の面の部分は大工職方の分野であった。ところが、在来軸組工法の場合はツーバイフォーとが鉄骨系に対比して、とくに「壁」にかける労務量がもっとも大きいとされ、このためこれをパネル化し、一日に何坪貼れるかといった標準作業量をも明確化しようということでもある。
122 .浜問屋
流通上の市売とは、原木市売市場、製品市売市場ともに「一定の市日に委託材をセリまたは入札をもって行う」ところであり、市売の制度が早くから力を持っていたのは関西・大阪であり、関東では昭25 、26 年頃からであった。
市売には単式市場と複式市場とがあり、複式市場には複数の問屋が所属しており、問屋は集荷業務と販売業務を行い、市場会社は荷物の引き渡しと集金業務を行う。
その問屋のことを浜問屋といい、「浜」 は「市場会社が集荷問屋に貸す区画」とされているが、浜の語源は海や湖の水ぎわに沿った平地のこと、また揚げる浜、揚げ地からきていよう。
なお大阪では、浜のことを河岸(かし)といった。東京でも魚河岸がある。したがって浜とは、大阪の河岸、それに荷物の揚げ地といったことからきていよう。
プレカット材などの浸透で、今後そうした浜問屋も様変わりしていくであろう。
123 . バリアフリー住宅
バリアフリー(barrier-free )は「障害・防げがない」の意味であり、障害者や高齢者の生活に不便な障害を取り除こうという考え方である。道の段差をなくしたり、階段のかわりにゆるやかな坂道にしたり、電話のボタンなどに触れればわかる印をつけたりしている。
住宅においても高齢化社会の到来で老人にとって障害となる、たとえば台所や風呂場や洋間と日本間の仕切りなどの段差をなくしたバリアフリー住宅が広まってきている。
住宅金融公庫でもバリアフリー住宅について高耐久住宅、省エネ住宅などとともに優遇措置の見直しを行ったりしている。ハウスメーカーもこのバリアフリー住宅については、普及を目指して熱心であり、たとえば廊下に手すりを付けた場合、階段の有効幅はどうなるかなどのモジュールの見直し、開発に力を入れている。
124 . P & P システム
前のP はプレカット、後のP はパネルを指す。つまり軸材はプレカットで、壁などはパネルにして木造軸組建築においての現場施工を一段と簡素化させようというシステム。
省力化を目指してプレカット化が急速に進んでいるが、プレカット加工といっても現状での対象は主に柱、土台、梁といった構造材で、木工事全体に占めるプレカット率は15 ~20 %に過ぎず、建築現場では相変わらず大工技能に頼らざるを得ない。そこで構造材のプレカットに加えて床・壁・天井などもパネルにし、大幅な省力化・工期短縮を実現しようというのがねらいだ。構造材のプレカット以外に工場でのパネル化を加えれば、現場での丸鋸使用も減り、端材が出ず、産業廃棄物の削減にもつながる。プレカットが木造軸組工法合理化の第1 段階とすれば、P & P システムはその第2 段階といえる。
125 . BF ( Board Feet )
米材の材積単位でBF と表記されていることがある、これはBM ( Board Measure )と同じこと。より正確にはBFM ( Board Feet Measure )であり、これがBF と書かれたりBM と記されたりする。そして製品の場合のIBF ( IBM )は約0 . 0024 ㎥であり、丸太の場合のIBF はその量の製品をとるのに必要な材積であって約0.004 ㎥である。同じIBF でも丸太の場合は製品の1. 7 倍近く( 0 . 004㎥÷0. 0024 ㎥)の材積ということになる。
たとえば製品の2 億BF は2 億× 0. 0024 ㎥で約48 万㎥になるし、丸太の2 億BF なら2 億× 0 . 004 ㎥でざっと80 万㎥ になる。
126 . BM とSCR ・BM
( Board Measure ) ( Scribner Scale Board Measure )
米材丸太輸出規制で「ワシントン州有林の丸太輸出可能量は2 億BM になる」と記されていたりする。しかしこれは製材品材積のことか丸大材積のことか、当初ちょっと判断に困ったりするが、実はこの場合の2 億BM は丸太材積のことである。だから本当は2 億SCR (スクリブナー)・BM 、または略して2 億SCR と記したほうが一般に分かりやすい。
SCR ・BM はスクリブナー検量方法に基づいたもので丸太材積を表す。そして1SCR ・BM (約0.004㎥)は1BM (約0.0024㎥)の製材品をとるのに必要な丸太材積のことだ。丸太も製品も一様にBM とすると混乱しやすい。
冒頭の2 億BM (つまり2 億SCR )の丸太を㎥に換算すると2 億× 0.004 でざっと80 万㎥になる。
127 . PSL
PSL はパラレル・ストランド・ランバー(Parallel Strand Lumber )の略。原料は米マツとサザンパィン(南部マツ)など。単板を乾燥し、欠点箇所を除去し、繊維方向を揃えて切断、細長の木片にし、これを接着剤で圧縮し固めたもの。LVL (単板積層材)とは製造工程がやや異なるが関税分類の中では単板積層材の中に入っている。
厚さ30cm ほど、幅40cm ほど、長さ20m ものまで生産が可能。必要によって再割り。住宅、商業用の木造建築物の柱、梁、まぐさ(戸口などの上の横材)、ケタなどに向く。マックミラン社系の企業によって製造された商品名はパララム。
なおポプラ系広葉樹のアスペンによるものもあり、これはドア枠や窓枠用など。これのマックミラン社の商品名はティンバーストランドと言った。
128 . PL 制度
PL ( Product liability )制度は「製造物責任」制度のことで消費者保護がねらい。
欠陥製品による被害を裁判で争う場合、民法では訴えた消費者が企業の過失を立証しなければならず、消費者の立証責任が重い。ところがアメリカでは製品の欠陥が有れば企業に過失がなくても賠償を負わせる考えかたか確立しており、さらにこれが国際的な流れになって、日本でもこのPL 制度を導入されている。
129 . ビジネスモデル特許
IT 革命が有効的な仕組みとして現実化するには、コンピューターネットワークの優れた情報共有・伝達機能や加工機能を活用したビジネス戦略や取引の技術的手法を開発・構築する必要がある。こうしたIT を活用して具現化された新しいビジネスの仕組みが「ビジネスモデル特許」である。
特許の対象は、逆オークションやワン・クリック購入などEC (電子商取引)や電子決済といったネット・ビジネスに関するインフラ技術のみならず、販売・在庫管理や顧客管理の仕組みも新規性、進歩性、有用性が認められるものであれば特許に含まれる。消費者ニーズが多様化し、環境・健康・リサイクル・産業廃棄物問題等の社会的ニーズに対応した木造住宅供給体制の再構築が求められる木材産業にあっては、IT を活用した生産・流通の付加価値創出が業界の死命を制する重要な課題となっており、特許として有用性が認められる多くのビジネスモデル構築が急がれる。
130 . ピーラー(Peeler )
製材業界の間で、建築用造作材などに向く、主にオールドグロス(天然林などからの樹齢100 年以上の優良材)の米マツ上級材のことを指して、ピーラーと呼んだりする。が、これは、もともとは合板のことからきている。
つまり輸入針葉樹合板の主流は米マツ合板であり、米マツのとくに上級材は太くて丸くて、表面の節が少なく合板向けに剥ぎやすい。
剥くはピール(Peel) であり、このことが製材の場合においても米マツ上級材=ピーラー(Peeler )と転化した。米マツといえば平成5 ( 1993 )年の米マツ丸太輸入量はざっと480 万㎥(前年比約13 %減)で米材丸太輸入量の60 %近くを占めており、製品は120 万㎥余り(前年比約30 %増)。
しかしオールドグロスの減少で、いわゆるピーラーは年々 希少価値になっている。
131 . ファイアー・クロージア
( Fire closure )
アメリカ西海岸での山火事防止のための入山閉鎖のこと。夏場、異常乾燥状態になると、山火事が発生しやすいため入山が禁止される。ちょうど日本における給水制限みたいなもので雨が降ると解除される。
入山が禁止になると当然伐採作業が出来なくなり、これが長期間にわたると現地での在庫・生産・船積みに影響が出てくる。
132 .ファイバーボード(繊維板)
繊維板は製品の性質、密度によって① 軟質繊維板(インシュレーションボード)、② 中質繊維板(MDF 、メヂュアム・デンスティ・ファイバーボード)、③ 硬質繊維板(ハードボード)に三大別される。軟質繊維板の用途は屋根、外壁、床などの下地材。中質繊維板は家具、住宅機器、楽器用など。硬質繊維板は自動車内装用のほか建築、家具、建具、梱包、電機器用などだ。
最近脚光をあびているのがニュージーランド松などによる中質繊維板のMDF ( Medium Density Fiberboards)である。いまのところ家具用が中心だが、建築内装の面材向けに期待されている。素板のままでなく表面にツキ板などが貼ってあるので、MDF が使用されていることに気づかないことが多い。
133 . VOC
「環境問題」「健康住宅」がクローズアップされてきており、人体に有害とされている新しい建材のたぐいから出るホルムアルデヒドとともにVOC も問題視されている。
VOC ( Volatile Organic Compounds )は、ボードなどから発生するホルムアルデヒドの臭い、壁紙に使ったりする塩化ビニール樹脂から出る可塑剤や接着剤の臭い、塗料溶剤の臭い、床下に用いられる防虫剤や防腐剤の臭いなど、このようなさまざまな揮発性の有機ガスを総称して呼ばれるものである。
最近は高気密・高断熱住宅が多くなっただけに室内でのこうした臭気がなかなか消え去らず、鼻、喉に異常を感じたり頭痛をきたす。VOC 対策のひとつは室内の換気性を良くすることである。
134 .複合合板
南洋材の枯渇化で、このところ合板メーカーの針葉樹材への転換が目立つようになった。
針葉樹材を用いた合板といっても、単板構成をすべて針葉樹材にしたいわゆる針葉樹合板と、針葉樹材と南洋材を併用した複合合板とがある。
さらに複合合板の場合は、① 中芯板(コアー)に針葉樹単板を用い、表板(フェース)と裏板(バック)には南洋材単板を用いたものと、② その逆に中芯板に南洋材単板を使い、表板と裏板には針葉樹単板を使ったものの2 種類がある。表板、裏板に針葉樹材を用いるのは南洋材の低質化傾向に対応するためである。問題は針葉樹合板であれ、こうした複合合板であれ歩留まりの低さからもコスト高になることで、これをどう克服していくかである。
135 . 副製品
製材で丸太の心材部から採る柱などの角材を主製品とするなら、辺材部の端(はし)のほうで採る小幅の板の野地板(屋根の下地材)やラス下は副製品である。ところが住宅工法の変化や、使用部材の移り変わりで、このところ、こうした副製品の需要が落ち込み、製材工場は頭を抱えている。
これまでの一般的在来軸組住宅は柱、間柱の上に前述のラス下を貼り、あと防水シート→ 金網→ 合成樹脂の外壁剤を吹き付ける、といった手順だったが、いまではラス下を使用せず、直接、耐力のある構造用合板を貼るのでラス下が使用されなくなってきている。このため製材工場は、いまではこの副製品を安いチップに回すなど苦労している。
野地板の分野も、合板にかわっているし、また輸入OSB (オリエンテッド・ストランド・ボード 木片板)に侵食されている。丸太からの側板を集成材の単板に切りかえるなど、副製品の活かしかたが製材工場の課題になっている。
136 .プレカットシステム
( PRECUT SYSTEM )
プレカット工場は、一般的に軸組工法による木造建築物の柱、土台、梁といったものの仕口・継手などの加工を機械で行う工場のことをいう。工場には① 単能機械だけを持つ工場、② 単能機械を組み合わせてライン化した工場、③ ラインをコンピューター制御で自動化した工場がある。
加工に当ってスミ付けを必要とするものを「半自動」というのに対して、CAD (設計図の作成などを行うコンピューター)とCAM(加工機械を自動制御するコンピューター)をオンライン化し、設計から加工までを完全自動化したシステムをCAD/CAM システムと呼んでいる。
なおプレカットラインは機能の違う加工機械と搬送機器を連結し、ライン構成したもので① 柱材加工ライン、②梁、桁、土台などを加工する横架材ラインに大別される。プレカット工場は現在800 工場余りとされている。
137 .プレカット率
プレカット工場は平成6 年時点で650 工場ほどだったが、その後も増加し続けているので現在では700工場に達していよう。そしてその平成6 年時点でのプレカット加工棟数は18 万棟とされている。となると木造住宅でのプレカット率はどうなるか。仮に年間新設住宅を150 万戸とし、木造率45 %とすると木造住宅は約68 万戸。ただしこの中には木造のツーバイフォー住宅と木造プレハブ住宅とが合わせて10 万戸ほど入っているから在来軸組住宅は58 万戸。したがって木造住宅におけるプレカット率は18 万÷68 万で約25 %。在来組軸住宅に対するプレカット率は18 万÷58 万で30 %ほどになる。またこれも6 年現在のプレカット工場がフル稼働した場合は能力26 万棟といわれ、在来住宅の45 % ( 26 万÷58 万)にも達する。
(注)平成12 年の機械プレカット率52 %、ブロック別では関東・東海のシェアーが高い。
138 . ブロードバンド(広帯域通信)
ブロードバンドは広帯域の周波数を使い高速・大容量・低価格のデジタル通信を行う技術で、インターネットに常時接続し動画・音声などを快適に利用できることから急速に普及が進んでいる。既に始まっているサービスは、電話回線(ADSL :非対称デジタル加入者線)、CATV 、光ファイバーなどの通信回線を使い、ADSL の場合には既存の電話回線に専用端子機器を接続(パソコンとはLAN ルータやUSB インターフェース等で接続)し、最大1 . 5 ギガビット(従来の数十倍)の速度で、料金は月3000円~7000 円(NTT 電話回線とADSL の利用料、機器レンタル料、プロバイダー接続料などを含めた常時接続利用の場合で通信サービス会社によって異なる)と低価格化が進んでいる。
こうした高速通信網の拡大は、インターネットで映像・音楽配信など放送メディアとしての新しいサービスやe ビジネスが拡大すると共にパソコンソフトを購入すれば動画のネット配信やテレビ電話など個人的に楽しめる。
139 . 米加針葉製材品貿易問題
1906 年に力ナダBC 州が丸太の輸出を原則的に禁止したため、米国と力ナダとの間で軋轢が生じたことに端を発した貿易問題(100 年戦争とも言われている)。
米国の針葉樹製材品消費量の約3 割はカナダ産。米国の林産業界は、カナダの大量な対米輸出を可能にしているのは、カナダの森林面積の7 割を占める州有林の立木価格設定が低いためで、これは州政府の実質的補助に該当すると米国政府に訴えたことから、過去20 年間に4 回に渡って米国は輸入制限措置を実施。年間対米輸出量の内、147 億BF ( 3 , 469 万㎥)を無税とし、超過分に課税することを骨子とした前回の針葉樹製材品貿易協定は、5 年の時限を経て平成13 年の3 月で終了。
協定の改訂が注目を集めたがなされず、米国商務省は5 月20 日以降輸入されたカナダ産針葉樹製材品に19 . 31 %の暫定的相殺関税を課す決定を8 月20 日に公布。力ナダはこの措置をWTO に提訴した。
140 .平衡含水率
樹木は多くの水分を吸収・貯蔵して生育していることから、伐採直後の木材は、極めて多量の水分を含んでいる。樹種により、また季節によって異なるが、とりわけ辺材部の含水率は、100 %を超えるものが多くみられる。
このような木材を雨の当らない風通しのよい場所に長期間置くと次第に水分が減少していき、ついには周辺外気の温度、湿度条件に対応した一定の水分状態に近づく。これを平衡するといい、この条件の含水率を平衡含水率と言う。この値はすべての樹種についてほぼ等しいものとなるが、厚い材の中心部がこれに到達するのは、表層部に比べてかなり遅くなる。また、平衡状態に一度達した木材でも、周辺外気の温度、湿度条件が変化することに対応して乾燥、吸湿してかなり変動する。
なお、周辺外気が自然状態における平衡含水率を気乾含水率と呼んでいる。各地方の気象条件で多少違うが、日本全国の平均は15.2 % とほぼ15%に落ち着く。
141 . 米国の丸太等級
米国の丸太等級格付けは、国内向けと輸出向けで扱いが異なっている。
米国国内向け丸太の等級は、径級、材長、節の程度、1 インチ当たりの年輪数、木理の傾斜度を尺度とした公式等級基準により格付けされる。例えばオレゴン州プジェットサウンド検寸局が用いているダグラスファーの等級は、8 つに区分され、これらがピーラー、スペシャルミル、ソーログの3 つにグループ化されている。輸出用丸太には、公式な等級格付基準がない。このため輸出企業は、前述の径級から木理の傾斜度等の要素を基に、企業によっては二次林材か否か等の要素を加えて、企業ごとに仕分基準を設定している。同一品質の丸太であっても、等級の呼称が各輸出企業によって異なるため、業界新聞の価格欄等に記載されているSS 、IS 等の等級は、対日出荷量が多く、現地でも仕分基準が高い評価を得ているウェアハウザー社の等級呼称に代表させて表現していることが多い 。
142 .米材丸太55 級
1992 年2 月からウェアハウザー社によって採用されている丸太規格。主として米松丸太を対象とするが米栂丸太にも準用される。天然林の急速な減少による丸太の品質低下に伴い、新たにグレイドダウンした規格を取り決めた訳である。規格はRS 、SS 、IS 、GC 、SL 、SC の5 段階に区分され、ウ社のタコマ、べイシティ、ロングビュウの3 事業所所管材に適用されたが、現在では他のロガーの格付もこれに倣うものが多くなっている。
規格は、① 径、② 長さ、③ 目合、④ 等級、⑤ 節、⑥ 偏心、⑦ 曲り、⑧ その他の項目により規定される。その中、SS は① 12 吋上、② 26尺~40尺③ 制限なし④ No. 2 べター⑤ 2 尺以内⑥ IS 、GC は20 %以内とされているが、RS 、SSには規定がない。⑦ 4 m ⑧ 規定なし、RS は「円くクリーン」と規定されている。現時点での積荷割合は概ねであるが、RS 3 ~5 %、SS35 ~45 %、IS30 ~40 %、GC 以下15 %程度。
143 .ベニヤ(veneer )と合板(plywood )
WWPA (米国西部木材製品協会)総代表の山口郁雄さんによると「木材関係者でも意外とベニヤと合板の違いが分らず混同しておられる」と言っておられた。よく合板をそのままベニヤと呼んでいることからであろう。
で、木材を薄く切り取った単板がベニヤであり、その単板を数枚、織維方向が互いにほぼ直角に交差するように重ね合わせ、接着剤を用いて一体化した木材加工品が合板、つまりプライウッドである。なお、ついでだがLVL (単板積層材)は、木材を比較的厚くむいた単板を、繊維方向をほぼ平行にして積層接着した材料。合板と製造工程が類似していることから平行合板と呼ばれたこともあった。
144 .ペレット
ペレット(pellet )と言う語は、講談社日本語大辞典で「丸めた小球。小弾丸。丸薬。 ② 動物が吐き出す不消化物。等」となっている。ペレットは製品の形状を示し、木質バイオマスエネルギーとして利用される木質ペレット、粒状に成形されたプラスチック樹脂からなるプラスチックレンジペレット、とうもろこし等原料とするうさぎ飼育用ペレット、飼鳥粒餌ペレットなど多様である。
木質ペレットは、微細化した樹皮を高温で固める色黒となるバークペレット、また同様の方法で端材、おが粉等木質部を原料とする、いわゆるホワイトペレットがある。いずれも形状は乾燥・圧縮して直径6 ~13mm 、長さ10~20 mm程度の円柱状となる。なお、バークペレットは残灰分が多い。国内での製造は、岩手県、大阪府等の企業、団体で行われ、また近年燃料として見直す取組みの中で、多数の地域で新たな製造プラントの建設等が進められている。製造コスト削減やペレット流通の改善が課題となっている。
145 . 偏心率(へんしんりつ)
地震などの水平力を受けた場合、耐力壁(筋かいや合板が取付けられた壁)が偏って配置されていると、建物は回転しようとする。回転を起こすと、耐力壁の少ない部分の変形が大きくなり、その部分から破壊が始まる。
現行の建築基準法では、耐力壁を所定量以上確保することと定めているが、その配置は「釣合い良く」と表現されているに過ぎない。その配置を具体的にチェックする方法が偏心率である。この考え方は、そもそも1981 年の「新耐震基準」で既に規定されており、主として大規模建築物に適用されていた。阪神・淡路大震災以降、これを木造住宅にも適用しようという動きが出てきた。偏芯率とは建物の重心(水平力を受ける中心)と剛心(回転の中心)のずれによるねじれの度合いを定量的に確認する方法である。重心と剛心の差を偏心距離といい、これが大きいほど地震時には不利となる。偏心率は0 . 15 以下が望ましいとされている。
146 .防火材料
建築材料は、燃えにくさ(不燃性能)により、不燃材料、準不燃材料、難燃材料という防火材料としての区別がある。これらは通常の火災による加熱で、『 燃焼しない』 『 防火上有害な変形、溶融、亀裂その他を生じない』 『 避難上有害な煙またはガスを発生しない』 という3 つの不燃性能を保持する時間長により区分される。不燃材料は加熱開始後20 分間上記の3 要件を満たし、準不燃材料は10 分問、難燃材料は5 分間を満たす。
木質系の建材には、燃えにくい加工をすることにより準不燃材料、難燃材料として認定を受けたもの、またスギ、ヒノキ部材においても難燃剤等処理により不燃材料、準不燃材料としての商品が開発されている。これらの防火材料は、準耐火構造物の新しい防火被覆材料として、また今まで内装制限を受け使用が限られていた特殊建築物、大規模建築物、住宅などで使用することができる。
147 .北欧材
フィンランドなどスカンジナビアからのいわゆる北欧材の輸入が激増している。平成元年にはゼロに等しかったものが、平成14 年の日本の北欧材輸入量は丸太12 万6 , 000 ㎥、製品246 万㎥となっている。
産地ではホワイトウッドと呼んでいるが、輸入材はスプルース(トウヒ)が主体で北洋材エゾに近い樹種である。
為替が円安になったり、競合材としての北洋材価格が一段と下がったりしても増勢傾向に歯止めがかからない。
なおフィンランドの森林蓄積は約19 億㎥、スウェーデン26 億㎥、ノルウェー6 億㎥と言われ、いずれも針葉樹が主体だ。
148 . POS (ポス)
・POS はPoint of Sale の略で、日本語では「販売時点情報管理」と表現されている。
・POS システムは、1 つひとつの商品にあらかじめ商品名などの商品情報を線の形で記号化したバーコードをつけておき、それらを販売時に自動読取装置で読み取らせ、そのデータをコンピューターで処理するシステムのこと。売上情報や在庫管理などに役立つ。
149 . ポータルサイト
インターネットで提供される多様で豊富な情報の案内役となるのがポータルサイトで、求める情報が掲載されているホームページを見つけるための玄関(入口)となる便利なホームページである。ポータルサイトの利用は一般的には無償で、サイト自身は、テレビの視聴率と同様に利用者に利便性を提供することで利用アクセス数の拡大を図り、自らが発信する情報をより多くの利用者に提供したり、ネット広告などネット関連収入を得ることで運営している。情報が何処に掲載されているか分からない場合や関連情報を幅広く検索したい場合にはキーワードで検索する検索エンジン型(代表的なポータルサイトとしてはYAHOO ) を、専門的な情報を効率的に探し出す場合は情報を体系的に整理したメニュー型(日本木材総合情報センターの木材関連情報ホームページ)のポータルサイトを上手に使い分けることで情報が容易に検索でき、知的好奇心を満足させるネットサーフィン(web サイトを渡り歩き情報を得ること)が楽しめる。
150 . ホームページ
コンピューターによるネットワークであるインターネットが、いまでは商用にまで発展し、たとえば買い物なども、このコンピューターによる「ホームページ」でできるようになっている。そして木材業界においても主要な情報源になろうとしている。
このコンピューターによるホームページは、言語でプログラムされ、ちょうど雑誌を見ているような感覚で情報を閲覧できる。雑誌と違うのは文字のほかに画像や音声を合体させた形で情報を得ることができる点だ。ホームページで、さまざまなコンテンツ(情報を活用し、内容を充実させていく産業)が生まれてきた。ホームページは通常アドレス(データなどをメモリの中から探し出す番地の役目)を持っていて、それをソフトウェア(コンピューター利用上のプログラム)で検索できる。
製品市売市場においても買方が市場に足を運ばなくても必要とされる材が入手できるホームページ開設の動きを見せている。
151 . ホルムアルデヒド
( formaldehyde )
ホルムアルデヒドは、化学式HCHO で無色透明刺激臭のある気体である。このホルムアルデヒドの35 ~38 %水溶液がホルマリンと呼ばれる。フェノール樹脂・メラミン樹脂等、接着剤、塗料や生体標本など防腐、殺菌剤として利用されている。気中濃度(ppm )が高いと人体に障害を引き起こし、低くても人によっては目、鼻への刺激等不快感、苦痛を生ずる場合がある。ホルムアルデヒドの工業生産には、天然ガスから作られるメタノールCH3OH (メチルアルコール)を空気中の酸素O2 と酸化させる方法が用いられている。
なお、ホルムアルデヒドは、単純な物質で自然にも見られ、空気中放散量は明らかになっていないが、木質を構成するセルロース、リグニンなどからホルムアルデヒドが一定条件の中で生成(微量)されたと言う報告がされている。並びに、きのこ類、魚類等食品にも含有され、食品衛生法では適用除外の取扱となっている。
152 . ホワイトウッド
フィンランド、ノルウェー、スウェーデンといった北欧、またオーストリア(欧州)といったところからの輸入ホワイトウッド(松科のスプルース)が集成材管柱(通常3m )の原料として平成8 年以降著しく伸びている。
平成14 年の管柱主力の小断面構造用集成材の生産量は44 万㎥余りで前年比1.13 倍と大きく伸びているが、これらの主要原料は上記のホワイトウッドの輸入乾燥ラミナ(挽き板)である。
こうした北欧、オーストリアのホワイトウッドは当初大部分がほぼ100 年生ものの人工林であり、現地での伐採量は生長量の7 割であり、蓄積には余裕があるとされてきている。また生長が遅いだけに目が詰んでおり、筋は小さく、抜け節も少ないといわれている。なおホワイトウッドのほかに、輸入レッドウッド(欧州アカマツ)材も集成材の原料として伸びている。
153 .本ろつ…
かつての東京の木場うちなどで慣用されていた商売上の数の符丁でいまは懐かしい。「 本(ほん)ろつそれたよ山(やま)木(き)」の順で、本は1 、ろは2 、つは3 、そは4 、れは5 、たは6 、よは7 、山は8 、木は9 を指す。
たとえば「これは本の字だ」と言えば千の単位なら1 , 000 円、万の単位なら1 万円、「つならだよ」と言われたら3 の字が並んで、たとえば3 万3 , 000 円だと分かる。また「本れ」としゃべったら1 万5 , 000 のことである。
こうした符丁で自在に相場を語ることが出来、そして素人に知られることがなかった。が、逆にこうした符号を知らないと商売にならず木材商への新参者は符丁を知ることから始まった。いまは外材輸入時代で横文字が氾濫、こうした符丁も消えた。
154 .マーケットプレイス
IT 革命はブロードバンド、次世代携帯といった基盤技術の革新が進み、21 世紀の社会的ネットワーク基盤の整備が進むなか、e ビジネスを支援する新しいIT サービスの拡大がインターネット活用をさらに加速しています。例えば、マーケットプレイスは、供給者と需要者の間でn 対n の自由なEC (電子商取引)の場を提供するインターネット上の仮想商店街で、IT とEC 関連サービスを提供する情報取引の仲介業者です。多様な商品を品揃えする総合的なEC サイトや木材や建材に限定した専門街的なEC サイト等があり、出店料や売上手数料を払えば簡単にEC が始められる環境と場を提供してくれます。その機能はカタログ販売やオークション等情報取引機能だけでなく決済、物流等支援機能を含むサイトもあります。利用メリットは、多くの需要者アクセスが見込めること、IT の専門的知識なしに、比較的短期間に、安価にEC が始められることがあげられ、IT サービスを上手く利用することがe ビジネスを開始する有効な手段の1 つとなっています。
155 .丸太のヤング係数値測定
もともと曲げヤング係数値(ヤング率)は木材の曲がりにくさを示す数値である。この数値の大きいものの方が、曲がりにくいとされている。
最近は丸太市場でも丸太の木口面をハンマーのたぐいで叩いての、いわゆる打撃音法でのヤング係数値(E )を、含水率(D )とともに、その木口面に印字するところが出てきている。
印字している市場の丸太のE の表示は40~130 まで。打撃音法のメリットは、投資額が比較的少なく、手軽ですばやくヤング係数値が測定できる点である。
品確法(住宅品質確保促進法)がらみもあり、今後は丸太の段階で、こうした打撃音法などで等級区分けするところがふえそうである。
E の数値の小さいものは下地材向け、大きいものは構造材に使用するといった具合に、丸太の段階で用途仕分けが可能にもなる。
156 .見え掛り 見え隠れ
住宅資材について、よく「見え掛り」とか「見え隠(がく)れ」とかいう。で、見え掛りというのは材の露出部、つまり目に見えるところであり、見え隠れというのはこの反対、目に見えないところだ。
分かりやすく柱に例をとれば、真壁・日本間において化粧と強度の両面の役割を果たす柱、通常、無節の柱などは見え掛り材の代表的なものであろう。逆に大壁・洋間において壁の後ろにかくれている柱は見え隠れ材の典型的なものだといえる。とくに都市部においては住生活の変化で、このところむしろ日本間が減り、洋間がふえてきている。したがって見え掛りの役柱需要が次第に後退、柱といえば洋間用の見え隠れの柱が主流になってきた。
このことは大勢として無節材生産にも影響を与えるわけで、これからは見え掛りの無節の柱は“希少的価値材”に位置づけられよう。
157 .無等級材
日本農林規格(JAS)に定められてない木材をいう。平成14年3 月改正の趣旨と内容は、政令に規定されていない樹種の許容応力度及び材料強度は、強度試験によって求められていたが、この制度では、広く利用されている樹種については不合理であるとして、法令にその値を規定することとなった。特に外国産の木材強度については比較的短い周期で見直しを行うことが必要不可欠であることから、具体的な数値は建設大臣が定めることとして、短い周期での見直しに対応出来るようにした。
158 .銘柄化・ブランド化
このところ各県とも県産材の銘柄化・ブランド化に乗り出している。もともと銘柄というのは「商品の差別化」である。昔の銘柄化・商品の差別化というのは産地固有のものであった。たとえばミカンは紀州であり、お茶は静岡であって特定の産地に限られていた。 木材のほうは吉野、秋田、尾鷲材といったものが、いわば銘柄材であった。ところが、各県ともが地域材の出回り増を見込んで銘柄化に乗り出し、これからの銘柄材は過去のような産地固有のものではなくなりつつある。
で、その銘柄材だが、銘柄材に対するかつての考えは、たとえば無節材といった役物重視の思想であった。ところがこれからは住宅工業化の波で、求められるのはむしろ乾燥もされた性能資材であり、安定出荷が可能な材がブランド材の資格条件になろう。
159 .木材とダイオキシン
ダイオキシンの発生源のほとんどは廃棄物焼却によるもので、木材、廃材の焼却ではごく微量しか発生しないといわれている。しかし木材といえど規制の対象となる。特にいま問題視されているのが製材工場からの端材など木質系廃棄物の焼却である。木材はそのほとんどが炭素と酸素、水素でできている。その他に心材部に多く含まれる抽出成分があるが、木材の化学系の書籍をみても塩素を含む物質は見あたらない。だから純粋に木材だけ燃焼してもダイオキシンが発生する可能性は非常に低いと考えられる。しかし外材など海から来るものは塩が付着している可能性はあるし、発生量がゼロではないのが現実だといわれている。
なお「ダイオキシン類対策特別措置法」が平成12 年1 月15日に施行された。小型焼却炉についても、新たに規制の対象に加わるなど厳しいものになっている。
160 .木材の品質・性能
近年、住宅建築においてより高い品質や性能が求められる時代へと変化し、また平成12 年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の施行等の中で、その部材である木材にも品質の安定や性能の向上が求められている。
木材の品質・性能に係わる区分、測定方法等の主な規格は、日本農林規格(JAS )により規定されている。ここで明示される寸法精度(厚さ、幅、長さ)、狂い、材面の割れ、節の状況などの規格への適合レベル、あわせてこれらの規格適合と密接に係わる適切な表示、乾燥処理、プレナーがけを総称して木材の品質と言う。また、製材品のかなりの量が構造材として使用されている実態から、柱、梁等部材の強度性能とりわけ曲げ・圧縮性能や土台部材の耐朽性、耐蟻性に係わる規格基準への適合レベルを一般的に木材の性能としている。
なお、広義の木材の性能には木材の耐磨耗性、寸法安定性、耐候性、耐火性能、音響特性等を包含していることに留意する必要がある。

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木材関連用語集5

161 .木三共
木造3 階建て共同住宅のことを、よく略称で木三共(もくさんきょう)と言う。
準防火地域での木造3 階建てが可能になったのは1987 年の建築基準法改正からである。ただし準防火地域で木造3 階建てを建てるには、外部からの延焼を防ぐだけでなく、内部から出火した場合に備えて① 急激な燃焼の抑制措置、② 開口部から噴出する炎の抑制措置、③ 倒壊によって大量の火の粉が発生し周囲へ延焼することを防ぐための主要な柱、梁は断面を大きくする、などの措置が必要である。
また木造3 階建ての場合は構造計算を行なって設計することが義務づけられており、このことは在来軸組構法、枠組壁工法などのいずれも同じである。なお木造3 階建て共同住宅の建築は平成4 年度約550 戸であったものが、平成13 年度1 , 197 戸と増加して推移している。
162 . 木造共同住宅
木造共同住宅は構造躯体に木材を用い(軸組構法・枠組壁工法等)、かつ複数の家族及び人が居住し、避難上の共通廊下、共通階段を持つ等の特徴を有する。なお、2 階建・3 階建の一戸建住宅が、壁を共有して接したものは建築基準法上共同住宅とは取扱わず、重層長屋の分類に入る。また親子で使用する場合、上下を完全に分離し、それぞれに入口を設けた場合は共同住宅とみなされる。共同住宅は特殊建築物に規定され、平成4 年の建築基準法改正により、木造3 階建て共同住宅が防火・準防火地域以外の場所に限り建設可能となった。さらに、一定の防火条件を満たせば3 , 000 ㎡以上の木造3 階建て共同住宅が可能となり、次いで平成11年から準防火地域での木造3 階建て共同住宅の建設が可能となっている。
共同住宅は、建築基準法以外でも各地方自治体により条例があり、基準法プラス地方条例という形で計画する必要がある。
163 .木造住宅CALS ( commerce At Light Speed :光速電子商取引)
CALS(キャルス)は製品情報を共有し、企業内及び関連企業が設計・資材調達・生産・販売・アフターに至る各業務や商取引を光速に行う仕組みで、商品供給の合理化とマーケット変化に迅速に対応することを目的としている。軍需製品の設計・開発用に開発された「生産・調達・運用支援統合情報システム」(Computer Aided Logistic Suport )が基本となっており、受注、出荷、請求処理といった既存の業務プロセスに沿った情報処理と大きく異なり、製品情報を中心に資材情報や工程情報を共有し関連業者間の業務プロセスを出来る限り並行的に処理する仕組みである。木造住宅CALS は、CALS とEC (電子商取引)やEDI (電子データ交換)と組み合わせることで木造住宅供給の合理化を目指そうとする管理手法で、CAD で入力した個別注文住宅の設計情報を基に資材調達・施工・アフターを行う住宅供給関連業者の連携を深め効率化することで、他社との差別化を図る手段としての活用が期待できる。
164 . ヤング係数(ヤング率)
部材に引張り、圧縮、せん断、曲げ等の外力(荷重)が働くと、部材には伸び、縮み、ずれ、たわみ等の変形が必ずみられる。そして部材には外力に等しい内力が発生する。この内力について、ある断面の単位面積に作用したものを応力と呼び㎏f /㎡の単位で表わす。
そこで、荷重を増加負荷させ、部材の変形する関係を、応力(縦軸)と歪み(横軸)の関わりに置き換えると、部材が破壊する最大応力のおおむね2 / 3 までの大きさの範囲は直線比例を示す。一般的に、この直線比例域内においては、応力(б)と歪み(ε) の関わりはε =б/Еとおくことができる。この比例定数E をヤング係数と言う。曲げヤング係数はJAS 機械等級区分製材の規格で用いられている。
なお、ヤング係数の主な算出方法は、非破壊の機械でヤング係数(主として曲げ)と強度の高い相関関係を応用したもの、また部材に衝撃的な荷重を加えたときに発生する共振現象や微少な振動を利用した2 つの方法がある。
165 .有害産業廃棄物
工場などが事業活動によって排出する廃棄物のことで、すでに昭和40 年代、燃えがら、汚泥、廃酸、廃アルカリ、煤塵などについて工場や事業所による処分方法が規制された。
産業廃棄物ではないが、廃乾電池、廃蛍光灯、体温計などの水銀含有廃棄物の処理も問題になっている。
なおゴミ焼却施設の焼却灰や集塵灰から検出されるダイオキシンも社会問題視されている。ダイオキシンはモノの燃焼にともなって生成される有毒な塩素化合物であり、平成9 年には世界保健機構( WHO )でも、人に対して発がん性があると正式に規定した。廃棄物の焼却にともなうダイオキシンの削減が急がれている。
166 .床倍率
性能表示制度の「構造の安定に関すること」の項目で、等級2 および3 においては、建築基準法に定める規定をクリアーさせる事に加えて、より高い安全性を確保するために、安全性の確認方法に新たに加えられた規定である。
耐力壁や準耐力壁で十分な壁量を確保していても、2 階の床や屋根面等が十分に固められていないと、地震力や風圧力が加わった時に上部の水平力を下部に正しく伝えられず、建物全体の耐力を確保できない。
つまり、耐力壁が多く必要とするような平面計画であったり、吹き抜けが多い建物などの時は、その条件に対応した床の固さを必要とする事になる。壁倍率か壁の強さの事を称するように、2 階の床や屋根面の固さを表現する方法として、床倍率という表現方法を使っている。
具体的には、以下のとおり。
構造用剖反24mm 、直張り、N75 、150 以下、床倍率3.0
構造用合板12mm 、根太303 、半欠きN50 、150 以下、床倍率1 .6
167 .養生(ようじょう)
製材工場などの間で、よく養生という言葉が使われる。養生には“保護” と“ 自然に馴染ませる”といった二つの意味がある。保護の意味では、柱などが汚染しないように砥粉(とのこ)塗り、紙張り、ビニール張りなどで木面を保護すること。またモルタルや打ち終わったコンクリートが十分硬化するよう保護することだ。一方、“馴染ませる”という意味ではたとえば板など乾燥したあと暫く一定期間自然の状態に置く。すると自然の湿度に馴れて乾燥が均一化されたり、挽き割ったソリが出ないといった具合に良い意味で応力が低減する。
ただこうした養生という行為にも消極的なものと積極的なものとがある。ただ漠然と自然に放置しておいても結果としては養生の役割を果たしもするが、ここでいう養生とは品質管理のうえでの積極的な管理行為を指している。
168 . ラーチ(larch )
ラーチはカラマツ(唐松)(落葉松)のこと。マツ科の落葉高木であり、よくロシア産カラマツ、つまり北洋材のカラマツのことを「ラーチ」と呼んでいる。カラマツはもともとは建築用材、製紙原料などだったが、このところ南洋材丸太輸入の大幅な減少から合板メーカーが針葉樹への急速な転換を進めたが、その主要な針葉樹原料となっているのがこの北洋カラマツだ。
このところ針葉樹合板のために使われる針葉樹丸太は前記の北洋力ラマツが約60 %、ニュージーランド産のラジアータパインが約30 %で、この両者で90 %ほどを占めるに至っており、この点からも北洋カラマツが大きく脚光を浴びるに至っている。北洋材はロシアの政治経済体制の揺れからくる貿易上の不安定要素を抱えてはいるものの、わが国の針葉樹合板産業にとっては重要な原料となっている。
なお岩手県の宮古地区では、 国産カラマツによる合板が製造されている。
169 . ラーメン(Rahmen )構造
木造の建築物の構造には、①柱、梁、筋交(か)いからなる軸組(在来)構造、② ツーバイフォー工法やパネル工法のような耐力壁で荷重を支える壁式構造があるほか、③柱や梁はあるが筋交いの少ないラーメン構造がある。
ラーメン構造は、柱と梁の筋点が堅い金物のたぐいで接合され一体となっている骨組みのことであり「剛節架構」ともいわれている。大断面集成材を用いた建築物によく見られ、このラーメン構造だと体育館とか文化会館とかいった天井も高い大きな空間が造れるのが特徴である。
ラーメン構造は大断面集成材が使用されるようになって、いっそう広まった工法で、大規模木造建築物時代の到来で脚光を浴びている。
「剛」は柔に対する剛であって、接合に使用する材は金物に限るわけではない。
170 . ランバーとティンバー
(Lumber 、Timber )
木材と言う語は、講談社日本語大辞典で「伐採した樹木を建築・製紙・合板など種々 の用途に適するように加工したもの。材木」、その材木は、「建築・器具用にする木」となっている。
木材は原木(丸太)かつ製材品を含む言葉として、また、材木は主に製材品の意で用いると考えるが、木材関連の用語は伐採したものか、これから伐採するものなのか、枝払いし玉切りした丸太なのか、製材品なのか、その形態が極めて暖味な中で用いることが多い。この木材の形態について英語では、伐採・搬出し枝を切り落として丸太にしたものをlog 、丸太の樹皮を剥ぎ建築等の用途に整えたものが一般的なwood である。また、建築用材としての角材、板材を米国等ではlumber とし、英国ではtimber を主として用いる。なお、米国等ではtimber を立木や伐採・搬出しただけの形態の木材に用い、鋸で挽いて加工したものをlumber として区別する場合があることに留意する必要がある。
171 .利回り
利回り・利率は元本に対する利子の割合だが、最近の林業の利回りは1 %以下だといわれ、これが林業経営意欲喪失の一因になっている。林業白書によるとスギ50 年での利回りは昭和40 年度には6.3 % だったが、すでに平成4 年度には1 %を割って0 . 9 %に落ち込んだという。
たとえばlha 当たりスギ50 年生の木立収入が392 万円だったのに対し、植林・育林に必要とされた経費を270 万円とする。 すると収入から経費を差し引いた利益は122万円。この122 万円を50 年間で割ると年間の利益は2 万4 , 400 円。この2 万4,400 円を投資した270 万円で割ると0 . 9 %。 つまり年間の利率は1 %を割ることになる。植林費・育林費の中で大きいのは労賃で、これが50 %強を占め、さらにこの労賃の中でも下刈費が大きく、その約50 %だとされているo
いずれにしても木材・丸太の安定供給が注目されているが、課題解決には山元還元も必要になる。
172 .流通銘柄・産地銘柄
銘柄化には流通銘柄と産地銘柄がある。流通銘柄というのは一般的にいえば流通段階・消費者層の間で、“製品”としての知名度・評価が高いこと、いわば製材メーカー筋によってつくられた銘柄であり、たとえば東濃ヒノキの柱角などがその例である。一方産地銘柄というのはもっと広範なもので① 丸太、製品を含め良質材の出現率の向上、② 計画生産による安定供給、③ 大量集積による品ぞろえといった体制を整え、産地から生産された材を全量販売する木材供給構造の構築を指すものだ。このためには育種、育苗、生産、加工、流通に至る各部門の整備が必要である。東濃産地では、いまの流通銘柄から産地銘柄への飛躍に力を入れている。
173 .レギュラー(regular )材
米材丸太で使われる用語だが、野球でいう「常時出てくる選手」と同じで、一般材のこと、長さはさまざまだが12m くらいが多く、径級は30~58cm どまり。もっとも最近は太いものが少なくなっており径30~45cm ほどにまで下がっている。径が30cm を下回ると細い下級のポール材になる。
なお高いグレード(等級)順にNo.l 、2 、3 といった区分けがあるが、レギュラー材はNo.3 あたりに該当する。
米材は、オールド・グロス(一般的には天然木で樹齢100 年以上の用材)からセカンド・グロス(100 年生未満の若齢木、二次林木が多い)へ移行しており、次第にレギュラー材、並材が多くなる。
174 . ロイヤリティ(Royalty )
サバ州、サラワク州といったマレーシアで実施されている原木の輸出税。輸出業者が当局へ支払う。
樹種別にランクづけされている。ランクは現在A 、B 、C 、D 、E 、F 、G 、H 、その他の9 ランク。たとえばAはセランガンバツ(NO.1 、2)、B はセラヤ(赤、白)、C はクルインといったもの。
その都度、見直し、改訂されているが、マレーシアにしても基本的には丸太輸出を規制しようという方針だから、原木輸出税は値上がり傾向にある。
175 . ロー・ロー船(Roll on – Roll off vessel )
米材本国挽き製品を運んでくるフェリーボートのようなもので、岸壁に着くと後部からトラックやフォークリフトが出入りして船の内部で積み込みができる。つまり荷役が少ないから荷痛みがないし、時間も短縮できる。
また甲板に風の取り入れ口があり、船の中を風が通って後部に抜けるから航海中にも乾燥されカビも生えなく、この点は密閉されたコンテナ輸送より良い。
たとえばカナダのシーボード社の場合、45 日間に3 隻が循環しており15 日間に1 船入るスケジュールであった。なお積載量約5 万㎥

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