国産材の利用推進は輸入材だけの責任ではない

投稿日:2009年06月03日

TVで「日本の風景が変わる…食と農と森の悲鳴」という番組を見ました。
食料自給率を上げよう、森にたくさん有る国産材を使おう!という内容です。
この方向性はとても良い事だし、本来するべき当然の事だと思います。
私は木材を扱っていますので木材の放送部分は少し真剣に見ていましたが、
少し疑問に思う事がありました。
日本人の生活習慣が欧米化するにつれて、住宅の欧米化も進む。
また、木材の輸入が自由化した事で輸入木材が増える。
その結果、国産材の利用が落ち込む。というように取れました。
別に欧米化が進んでも国産材は使えます。
生活習慣の欧米化と言うよりも面倒くさがる人が増えただけではないでしょうかね。
元々木が使われていた部分が石油系の物に変わっている事が多いと思いませんか?
パッとあたりを見渡すと…
壁天井→ 漆喰や板貼りがビニールクロスに
建具 → ベニア板にシート貼りへ
窓枠 → よくわからない木目調のシートへ
床材 → 合板のペタペタした薄っぺらい物へ
風呂 → 風呂ふた、風呂桶、浴槽がプラスティックに
箱  → 物流に使う通い箱から和菓子を入れる箱
他にも郵便箱やおかもちや脚立など色々と木を使わなくなった物があります。
石油由来の物にすると、何故か雰囲気や味わいの無い物になってしいます。
なんとか雰囲気のあるものにしようと木目調の物を作る。
自然が何十年何百年と時間を掛けて作り上げた物なのでそんなに簡単ではない。
私も含めてそれで良かったと思ったからこんな偽物に溢れた時代になったのでしょう。
その時だけよければ良いというか、見る目が無いというか、品がないというか…
“手入れが面倒だけど木が良い”という方はいつの時代にも少なからずおられます。
メンテナンスフリーで長年使えると言われても、その長年がたった20年だったり。
35年、50年ローンを組んで20年後に床を貼り換えなんて嫌ですよね。
知人の材木屋さんの床は70年以上使われています。
ってことは70年以上手入れを怠っていないと言う事です。
国産材が使われなくなった理由は、単に輸入木材が増えたと言う理由だけでなく、
日本人の品格の欠如もこのような時代を招いた一つの原因なのかもしれません。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

投稿日:
カテゴリー: 木材

この木何の木?

投稿日:2009年05月19日

SM-03

 

 

 

 

 

 

この木はなんの木だか分かりますか?
ヒントはホームランバッターのバットやボーリングのレーンに使われる木です。
宝飾品のようにも扱われ、高級車のパネルや家具の面材にも使われます。
答えは「メイプル(楓)」です。
メイプル(楓)も綺麗なところばかりではなく、
マグロで言う大トロ・中トロ・赤味の様に木も表情に様々なところがあります。
節があるところと無いところ、幅が広いところと狭いところなど色々です。
“そんなの知ってるよ~”って声が聞こえそうですが…
では…
この木目を見て、山火事か何かでこの木が延焼した年が
どの部分の木目に現れているか分かりますか?
私は残念ながら分かりません。
でも、見る人が見れば分かるんですって^^;
その分かる方は、子供の頃から広葉樹が好きで好きでたまらなかったそうで、
いつの間にか木の生い立ちがなんとなく分かるようになってきたそうです。
何でも好きには勝てそうにないです。
ちなみにその方は大学の先生でした。
いやはや本当に楽しい授業でした。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
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ALL無垢のスピーカーが発表されました

投稿日:2009年05月15日

株式会社レクストよりALL無垢材のスピーカー【SH-SP7】が発表されました。
REQST SH-SP7

 

 

 

 

 

REQST SH-SP7

 

 

 

 

 

REQST SH-SP7

 

 

 

 

 

私も知らなかったのですが、スピーカーボックスのほとんどが
MDF※1やパーティクルボード※2で作られているんですね。
これらの上に薄い木目のシートが貼ってあるんですね。
まさに「なんちゃって天然木」です。
【SH-SP7】を視聴しましたが非常にまろやかな音を奏でていました。
大音量よりもやさしくそっと聞かせるスピーカーです。
楽器と重ねて考えてみると、MDFやパーティクルボードで作られた物なんて知らないし、
本物の無垢材との歴史を考えても道理がいきます。
では何故無垢材のスピーカーが稀少なのか?
それは無垢材は狂いが生じるからです。
エア漏れと言う現象を引き起こすそうです。
そこで採用されたのがクラシカルバーチです。
特殊な乾燥技術によって非常に寸法安定性が高い無垢材になっています。
また、絶乾状態に近い為にスカスカなのにそれなりに硬度があります。
これはスピーカーにとっても有利に働くそうですよ。
気になる方はレクストさんまで視聴に行って見て下さい。

※1MDF
木材を繊維状にほぐして成形熱圧し板にした製品のことを繊維板(ファイバーボード)と呼び、
硬質繊維板(ハードボード)、軟質繊維板(インシュレーションボード)などがあるが
MDF ( Medium Density Fiberboard メヂュアム・デンスティ・ファイバーボード)は
中質繊維板のこと。
アメリカで生産されたのが始まりで家具用にもっとも多く使われているが、
住宅の玄関・居間といったところの建築内装壁、また、収納ユニット・下駄箱などの
基材として使用されている。
素板のまま使用されることが少ないのでMDF が使われていることに気づかないことが多い。
国内の合板メーカーも生産しているが、エンジニアリングウッド( 工業化木材)として
需要が高まり、最近は一定の輸入量が確保されている。

※2パーティクル・ボード
パーティクル・ボード(particle board )は戦後、ヨーロッパにおいて
戦争中の森林乱伐により枯渇した木材資源を補うために、森林育成の際に生じた
間伐材や林地残材を利用し、復興資材として開発した板材料・削片板。
木材を細かく切りきざみ、小片とし、よく乾かしてからユリア樹脂などの接着剤を
スプレーなどで添加し、一定の面積と厚さに熱圧成形してつくる。
木材の節、腐れ、狂い、そりなどの欠陥を除くこと、また小径木、林地残材、工場廃材などの
低価値の原料から大面積の板材をつくることができるのが特徴。
建築の壁下地材、床下地材、屋根下地材(野地板)、家具、弱電機用などに使われる。
日本でも昭和28 年頃から生産を開始したが、安い合板が大量にあったため
欧米ほど発展を見なかった。
しかし合板の熱帯材原料不足を背景に、合板の代替需要として、
このところMDF (中質繊維板)などとともに再びクローズアップされた。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

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ブラックウォールナットってどんな木なの?

投稿日:2009年05月02日
BW-25
BW-26  ブラックウォールナットフローリング

 

BW-24
BW-24  ブラックウォールナットフローリング

 

いつの時代も人気のブラックウォルナットフローリングです。
その人気は、やはりブラックウォルナットが持つ独特の黒さからが一番の要因でしょう。
非常に重厚感がありカッコいいです。
ところでところでブラックウォルナットって木はどんな木なんでしょう。
もちろん黒くて硬くて広葉樹で高級家具に使われて…色々あります。
広葉樹と針葉樹

 

 

 

 

 

私のメモ書きで申し訳ないのですが…
基本的には、広葉樹は自分の幹と根は大体3:2の割合で薄く広く育ちます。
針葉樹は、水が少ない場所で育つ事が多いので根は下へ下へと細く深く伸びていきます。
ブラックウォルナットは広葉樹なので根が広く張ります。
下記の画像はブラックウォルナットの立ち木です。

ブラックウォールナット 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポツンと立っています。
だいたいブラックウォルナットの立木はポツンとなっています。
幹の下、根の張った部分にはほとんど他の植物は生えないと言われています。
上の画像でも確認できますが、根元付近は茶色く地面が見えています。
ブラックウォルナットは自分で毒とまでは言いませんが、
それに近い養分を出す事で自分の周りに植物を生かせません。
どんどん自分に養分がくるようにしている訳です。
言いようによっては、ブラックウォルナットの黒さは毒々しい黒さとも言えます。
そう言われればそんな感じにも見えるような気もしますね。
危険と渋さは紙一重と言ったところでしょうか。
もちろんブラックウォルナットフローリングには人間に対しての毒なんてものは存在しません。
きっと重厚感に満ちた住空間を演出してくれる事でしょう。

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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ウッドデッキ(イペ材)の変色は

投稿日:2009年04月26日

最近は、立て続けにウッドデッキのご質問を頂きました。
ウッドデッキの木材を選ぶに当たって
どんな木材が適しているかと言うご質問です。
でも、なかなか難しいです。
お施主様が求める事と言えば…
・メンテナンスフリーなウッドデッキ
・あまり変色しないウッドデッキ
・安いウッドデッキ

ちなみにイペ材は施工後3ヶ月くらいで…
ウッドデッキ

 

 

 

 

こんなシルバーグレー色に変化します。
ウッドデッキ

 

 

 

ウッドデッキも施工場所にもよったりしますが、
・メンテナンスフリーなウッドデッキ
・あまり変色しないウッドデッキ
・安いウッドデッキ
はなかなか難しいです。
腐ったり、変色したりするのも含めてウッドデッキだと思います。
ちょこちょこと自分で手入れをするのが一番の長持ちの秘訣です。

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

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また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

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