季節柄、お施主様から
『無垢フローリングの表面にホットカーペット(電気カーペット)が使用できるのか?』
というご質問を受けます。
回答としては、無垢フローリングの表面に電気カーペット(ホットカーペット)の使用は避けていただくのが無難です。
電気カーペット使用時の裏面温度は、各メーカーの発表によると約40~60℃になるそうです。
- 電気カーペットの裏面は、約40~60°Cになります。またクッションなどを長時間同じ場所にのせていると、その下の部分だけさらに温度が高くなります。
- 床材、フローリング材の種類によっては、変色したり、変形、反り、すき間が空くなどするおそれがあります。
- 特に白木や天然木の床材、塩化ビニール製の床材はご注意ください。
- 床に熱を伝えにくくするため、毛足のない敷物(フェルト生地)や布地(シーツや毛布)などを敷き断熱してください。
富士通ゼネラルHPより
【電気カーペット】フローリングシートについて
ヒーターユニットの裏面は、約40度から50度になります。
熱に弱い床材(ビニールシート他)やフローリング床の場合、通電の熱で床材が変色、変形、割れ、すきが発生するおそれがあります。
フローリングシートを使い、断熱する必要があります。
Panasonic HPより
無垢フローリングでホットカーペットを使用することにより想定される不具合としては、過乾燥による割れ、反り、曲がり、隙間などになります。最近の複合合板フロアーは木質であると言え、表面は写真を貼り付けたシート貼りが多く見られます。以前は、本物の木を薄くスライスした突き板をベニヤ板に貼り付けていたので、割れや反りなどが見られることもありましたが、さすがに写真が割れたり反ったりという事はほとんどないでしょう。
一般向けに電気カーペット(ホットカーペット)のアルミ断熱材は販売されているようですが、こちらの商品は電気カーペット(ホットカーペット)自体の性能をあげるものであり、フローリング面の断熱を目的に開発されたものでは無いようです。
・熱反射性のあるアルミ蒸着フィルム(表面)で熱を下に逃さず、断熱効果のある発泡ポリエチレン層(裏面)で床からの冷気を防ぎ、保温力をアップさせます。
・すばやく温まり、保温効果も優れていますので(画像内 試験データ参照)、暖房機器の設定温度を低くできるため、電気代の節約にもなります。
・アルミ蒸着フィルム面(表面)にすべり止め加工を施していますので、上に敷いたホットカーペットやこたつ敷きのズレを防ぎます。
・はさみ等で自由にカットできます。
無垢フローリングと電気カーペット(ホットカーペット)の断熱ということであればスタイロフォームを使った方が良いと思います。スタイロフォームそのものを裸で使うとその軟らかさからポロポロと欠けてしまうので、表面にイグサを貼ったスタイロ畳にしてみるのも一つの手だと思います。
床暖房対応無垢フローリングの上だったら、電気カーペット(ホットカーペット)を使っても良いのでは?というご質問もいただきますが、床暖房対応フローリングは、フローリングの裏面に熱源を置いて試験しますので全く別物になります。また、床暖房試験は、フローリング表面温度が29℃±2℃くらいで行います。電気カーペット(ホットカーペット)の裏面は約40~60℃になるという事なので温度もかなり異なります。
こたつに関しても同じようなことを問い合わせいただきます。無垢フローリングの上にこたつを設置しても良いのか?こたつ布団の中の温度は、30~60℃くらいと言われています。フローリングの上に直接こたつを置くことはあまり無いかもしれません。パッと思いつくのは畳の上にコタツを設置している様子です。畳は冷たくないしコタツにも電気カーペット(ホットカーペット)にも対応する日本が誇る万能床材です。もっともっと普及してもいいのになぁ?と思いますが、ビニール系の床材が安価すぎて価格競争となると難しいところです…
そもそもが温かくもない複合合板フロアーだから床暖房や電気カーペット(ホットカーペット)が必要なのかもしれません。そもそも冷たく感じることが無い無垢フローリングだったら他にも暖房効率が良いものが見つかるかもしれません。