無垢フローリングのウレタン塗装が剥がれる原因とは?補修方法とオイル塗装への切り替えについて

ウレタン塗装は表面にプラスチックの塗膜を作ることで汚れや水に強くなるのがメリットですが、長年使用していると経年劣化により「剥がれ」が生じることがあります。一度剥がれてしまうと、見栄えが悪くなるだけでなく、木材そのものが汚れやすくなってしまいます。この記事では、無垢フローリング専門店としての視点から、ウレタン塗装が剥がれる原因と、剥がれてしまった際の適切な補修方法、そして「オイル塗装」へ切り替えるという選択肢について解説します。

なぜ剥がれる?無垢フローリングのウレタン塗装が劣化する原因

無垢フローリングのウレタン塗装が剥がれる主な原因は、日々の生活による「摩耗」と「経年劣化」です。

経年劣化と摩耗

ウレタン塗装は木材の表面を樹脂の膜で覆っています。非常に硬い塗膜ですが、毎日歩いたり、椅子を引きずったりする摩擦によって少しずつ薄くなっていきます。特に、よく歩く場所(動線)やダイニングテーブルの下などは、局所的に塗膜が削れ、最終的に剥がれにつながります。

湿気や傷からの水分侵入

生活の中でついた微細な傷から水分が入り込むと、木材と塗膜の間に隙間ができ、塗装が浮き上がってしまうことがあります。これが広がると、パリパリと塗装が剥がれる原因となります。

【実例】施工から5年、店舗で使用された無垢フローリングの剥がれ

こちらは、実際に本物の無垢フローリング(タモ材・ヘリンボーン貼り)を施工して5年が経過した店舗様の床の様子です。

タモ(アッシュ)ウレタン塗装の剥がれ事例
施工から5年経過した店舗の床。ウレタン塗装に着色仕上げが施されています。

店舗という土足環境であるため、住宅に比べて傷みは激しくなります。床を見るとこのお店が相当繁盛していることが分かりますが、着色されたウレタン塗装が剥がれ、地肌の木の色が見えてしまっています。

着色ウレタン塗装の場合、傷がついたり剥がれたりした際に、塗装の色と木材本来の色の差がはっきりと出てしまうため、劣化が目立ちやすいという特徴があります。

ウレタン塗装が剥がれてしまった場合の対処法・補修方法

では、塗装が剥がれてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

DIYでの部分補修はおすすめできない理由

「剥がれた部分だけニスを塗れば直るのでは?」と思われるかもしれませんが、ウレタン塗装の部分補修は非常に困難です。新しく塗った部分と古い部分のツヤ感や厚みが合わず、かえって補修跡が目立ってしまうことが多いためです。

プロによる「サンディング(削り直し)」での再生

最も確実できれいな方法は、フローリングの表面を専用の機械で薄く削り取る「サンディング(削り直し)」です。古くなった塗膜と汚れを一度すべて削り落とし、新しい木肌を出してから再塗装を行います。

これにより、新品同様の美しさを取り戻すことが可能です。

「再塗装」か「オイル仕上げ」か?ライフスタイルに合わせた選択

サンディングを行って塗膜をリセットする際、再び「ウレタン塗装」をするか、浸透系の「オイル塗装」に切り替えるかを選ぶことができます。

傷ついた無垢フローリング

用途によって有利な点と不利な点を理解する

ウレタン塗装が剥げる度に業者に依頼して再塗装をするべきなのか? それとも、自分でお手入れができるオイル塗装にして、毎日磨き込むことで経年変化を楽しむのか?

それぞれの特徴を理解して、ご自身の生活スタイルに合った仕上げを選ぶことが重要です。

  • ウレタン塗装: 日頃のメンテナンス(ワックスがけ等)はほぼ不要で楽ですが、傷がついたり剥がれたりした際の補修は大掛かりになります。
  • オイル塗装: 定期的なオイルの塗布が必要ですが、傷がついたとしても、その部分だけサンドペーパーで削ってオイルを塗ればご自身で簡単に補修ができます。

床材はどんな材料でも、生活していれば100%傷がつきます。「傷がつかない床」を探すのではなく、「傷がついたときにどうなるか?」「どう直せるか?」を床選びやメンテナンスのポイントにすることをおすすめします。

まとめ:ライフスタイルに合わせて塗装を選び直す機会に

ウレタン塗装の剥がれは、床のリフレッシュ時期のサインでもあります。そのまま放置せず、専門業者によるメンテナンスを検討してみてください。

当店では無垢フローリングのメンテナンス方法や、塗装の違いについても詳しくご案内しています。以下のページもぜひご参照ください。

無垢フローリング お手入れ・メンテナンス関連情報

無垢フローリングの塗装に関するよくある質問

無垢フローリングのウレタン塗装が剥がれる主な原因は何ですか?

主な原因は、歩行や椅子の使用などによる日々の「摩耗」と「経年劣化」です。また、小さな傷から水分が入り込み、塗膜と木の間に隙間ができることで塗装が浮き上がり、剥がれにつながる場合もあります。

剥がれたウレタン塗装をDIYで補修することはできますか?

DIYでの部分補修はおすすめできません。新しく塗った部分と古い部分のツヤや厚みを合わせるのが非常に難しく、かえって補修跡が目立ってしまうことが多いためです。プロによるサンディング(削り直し)と再塗装をおすすめします。

ウレタン塗装とオイル塗装、メンテナンスしやすいのはどちらですか?

「傷の直しやすさ」で言えばオイル塗装です。オイル塗装は傷がついてもサンドペーパーで削ってオイルを塗れば自分で補修できます。一方、ウレタン塗装は日々の拭き掃除などは楽ですが、傷や剥がれが生じた際の大掛かりな補修が必要になります。ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

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