新築直後の室内の匂いについての相談を受けました。
こちらのお宅は某有名ハウスメーカーで建てた住宅です。ちょうど1年もの間、住む事ができずにいます。お話を聞くと目がチカチカするなど化学物質に反応される方が多く見られますが、お電話でお話を聞く限りではその様なお話は無く、臭いがたまらなく嫌だということです。
新建材やボンドの臭いが嫌で壁には珪藻土、床には無垢フローリングを採用されていました。「ん?これは相当敏感な方かな?」とも思いました。病院の検査にも行かれたそうですが結果は良かったそうです。
はてはて???
様々な専門家に相談されました。ボンドがこの臭いの原因かもしれないとの事でしたが、きっちりと原因もつき止めずにリフォームのお話になったそうです。これまで新築住宅で気分が悪くなった方の住宅を何件か手掛けられたそうです。医療機関等とは全く関係の無い工務店さんでした。
使用した無垢フローリングのメーカーを聞いたところどちらの商品か分かりました。なるほど… なんとなく原因の想像がつきました。近所なので早速お伺いしました。やはり思った通りでした。使われていたのはサーモウッド処理が施されているアッシュとバーチのフローリングです。全部屋に使われています。サーモウッドはフィンランドでの特許技術なので正確にはサーモウッドとは言えないのでしょうが、よく似た製法で製造されたフローリング材です。サーモウッドは「熱」と「水」だけを使用する高熱木材乾燥技術により、普通の木材を腐りにくくした高耐久エコ木材です。木材を熱で処理すると、吸湿性が低下し、耐腐性能や寸法安定性が高まるというのは古来からの知恵でした。その知恵を科学にしたのが森と水の国フィンランドで生まれたサーモウッドの高熱乾燥技術です。「高温」と「水蒸気」により、木材本来の水に弱い性質を改良するサーモウッドの高熱乾燥方法は、木材の耐久性を高めながら同時に、環境にも人にも優しい革新的な技術です。
と、まぁこんな感じの本当に素晴らしい木材なんです。
でも何故この素晴らしい木材が住みづらさの原因になるのでしょうか?サーモウッドは高熱で木材を乾燥させるために少し焦げた様な臭いが残ります。サーモウッドに限らずどの木ともそれなりの香りがありますが、このサーモウッドの香りはなかなか通常では、嗅ぐことができない臭いなんです。好き嫌いが結構はっきりする臭いです。
施工時に残こしておいたフローリングの角を切り落としてそこの臭いを嗅いでもらうとやはりこの臭いが気になるとのことでした。
私はこの臭いも年数が経てば消えていくのでもう少し様子を見てみてはとアドバイスしました。
もちろん素晴らしく綺麗なフローリングです。
しかし、1年間も住めない住宅を見てきたから早めに住める様にしたいとのことでした。こんな短い期間に無垢フローリングを張り替えるのはもったいないですね。今回のもったいないは、無垢フローリングの事前説明で回避できた筈なのに。。。サーモウッド処理を施した木材には必ず必要な説明なのに。裏付けの無い「大丈夫です」の一言に惑わされるお施主さんが本当に多いですね。木もお金ももったいないです。
また、今でも危険なキーワードに営業させる業者もどうでしょう…木材は非常に難しい商材です。それなりに知識と経験が必要でしょう。
自分が扱っている商品が分からない人が販売する限りクレームは無くなる事はないでしょう。当り前ですね。
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