今日は杉フローリングについて実験してみました。
一般的に、暖かく感じ、調湿効果にも優れていると言われている
杉フローリングですが一概には言えないようですよ。
上記画像は左がウレタン塗装品で右が無塗装品の杉フローリングです。
両方とも寸前まで同じ袋に入れて冷蔵庫に保管していました。
“でんっ”と私の手の平を両方に被さる様に置いてみました。
もちろん両方とも表面温度は同じなので一瞬「ヒヤッ」と感はあります。
ウレタン塗装品の方は無塗装品に比べると少し冷たい感じがします。
表面温度は同じなのに何故でしょう?
この「ヒヤッ」と感は触れた物の熱伝導率の大小で変化します。
柔らかいフローリングは熱伝導率が小いために触った瞬間に暖かく感じます。
と言うのが通説ですが、無垢フローリングの上にウレタン塗装を施すと
木に触れていると言うより先にウレタン塗装に触れている事になります。
そのため「杉」本来の暖かさに触れていないことになります。
このまま数十秒間触ったままにしておきます…
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さて。。。
ぱっと手を離してみると… (・・?
ウレタン塗装の方に手の跡が残っています。
よく見るとその部分だけ結露したようになっています。
そしてまたそのまま数分放置します…
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あら?
左がウレタン塗装品で右が無塗装品です。
ウレタン塗装品の方だけに水滴が見受けられます。
これでは簡単に「杉フローリング」が
暖かくて調湿効果があるなんて言えないですね。
ところでウレタン塗装って…
ウレタン塗装とは、ウレタン樹脂が主成分になっています。
少し心配な点は2つあります。
ウレタン塗料は塗装する際に塗装しやすいように、
有機溶剤や水に樹脂を溶かしています。
有機溶剤が使用された場合、その有機溶剤がわずかではありますが残ります。
また、ウレタン樹脂は、合成化学物質をもとに作られています。
そのため、原料がわずかではありますが残っている場合があります。
なんだかウレタン塗装品が悪いって書いている様に思われるかも知れませんが、
決してそういう訳ではないんです。
ウレタン塗装にも良いところがたくさん有るのだからこれだけ普及していると言えます。
例えば、
新築やリフォームの際に杉フローリングのウレタン塗装品を施工したとしましょう。
お施主様にとっては引き渡したその一瞬がピカッと輝いて
とっても綺麗で満足されることでしょう。
ここでよく考えてください。
その後、何十年も過ごす大切な住宅です。
お施主様の“ピカッ”から与えられる満足はこの「一瞬」です。
無垢フローリングはその上で生活すると100%凹みます。
凹むとヒビが入ります。
「一瞬」を取るか、時間をかけての「味わい」を取るか?
もちろんお施主様の価値観によるところですが、
良いところも悪いところも両方説明して商品を勧めていくことが大切だと思います。