無垢フローリングを施工するにあたって直前に思いつくのが貼り方のデザインです。
貼り方のデザインにも様々なバリエーションがあります。
乱尺貼り、りゃんこ貼り、ヘリンボーン貼り、すだれ貼、市松貼、朝鮮貼り、斜め貼り、いかだ貼りなど。
フローリングのサイズや加工で施工できるできないがほぼ決まりますが、先に貼り方のデザインを知ることでそのデザインに合った無垢フローリングをご検討いただくことも可能です。
様々な無垢フローリングの貼り方デザインを検討してみましょう。
●乱尺貼り
長さがまちまちの無垢フローリングを貼っていくデザインです。おおよそ400~1200㎜くらいの長さで1枚物の無垢フローリングが1ケースに梱包されています。長さがまちまちなので施工が面倒な様にも見えますが、室内での取り回しが意外と容易です。長さがまちまちなので長さ方向の貼り仕舞いに合った長さの物を持っていけるのでカットロスが出にくいのも特徴の一つです。世界中で見てもハードウッド(広葉樹)では一番多い無垢フローリングの加工方法です。捨て貼り合板工法が増えたので日本でも乱尺は以前よりも増えたと言われています。日本では欧米に比べると1820mmのOPC(ワンピース)の1枚物に拘り過ぎている感があるようです。資源を大切に使えます。
>乱尺貼り無垢フローリング一覧
●りゃんこ貼り
一定の長さの無垢フローリング(定尺)を一定の継ぎ目に合わせて貼っていく施工方法です。日本の住宅の床工法においては、昨今の捨て貼り合板方式以前は根太工法が主流でした。おおよその根太間隔が303mm程でしたので貼っていくうちに無垢フローリング同士の継ぎ目は大体合っていました。中途半端に一部だけズレてしまうと非常に目立ちますので大工さんは施工前に検討を付け、決まった根太上に継ぎ目に揃えて施工しました。今でも床暖房の小根太に施行する際にはりゃんこ貼りになりがちですね。
●ヘリンボーン貼り
杉綾柄とも言われるヘリンボーンです。西洋では、「ニシンの背骨の形」に似ているところからヘリンボーンherring(ニシン)・bone(骨)と言われております。日本では、「杉の葉の形」に似ているところから杉綾(すぎあや)と言われ、古来より人気の高い柄模様です。洋服の生地柄にもヘリンボーンはありますよね。。ヘリンボーンフローリングのデザインは、ダブルやバスケットなど工夫を凝らした貼り方もございます。ヘリンボーンは、長さが短く幅が狭いことから木材の辺材を使用したのが始まりでです。資源の有効活用にもなっている柄です。ヘリンボーン貼りには、ヘリンボーン貼り専用のが必要です。通常の無垢フローリングのサネ加工(凹凸)とは少し異なります。
>ヘリンボーンフローリング一覧
●すだれ貼り
定尺の無垢フローリングの巾木口の継ぎ目を横一線に施行します。無垢フローリングが整然と整列しているようなデザインになります。以前の根太工法の時代には、床面のねじれ剛性が落ちるのと幅木口の継ぎ目が浮いてくるので、どちらかと言うとすだれ貼りは避けられた施工方法です。最近では、捨て貼り合板方式が標準施工用方法となりとなりフローリング裏面全体がしっかり固定されるのですだれ貼りも可能となりました。すだれ貼りの条件としては定尺の長さでエンドマッチ加工が施されれている無垢フローリングとなります。
●市松貼り
無垢フローリングサイズ300x75x15mmを工事現場に持ち込み、並列に4枚並べて施工する。隣り合う4枚組は貼る方向を直交させます。または、木材加工工場で300x75x15mmを4枚連結して300x300x15㎜に連結加工して直交しながら施工していきます。以前は、住宅でもよく見られた工法です。学校など文教施設や大規模店舗ホームセンターにもよく使用されています。材料が短いので歩留まりが非常に良い床材です。桧材を使用する賃貸用無垢フローリングマットでも市松貼りが可能です。
●朝鮮貼り
朝鮮半島で古い民家などに見られた貼り方。短い材料を有効的に使えます。デザインだけを取るのであれば、短いフローリングの両木口に長めのフローリングを直交方向に貼ります。そもそも短材を歩留まりよく使うための工法だと思うので、長い材料はあまり使用しない方が雰囲気が出る。元々は土台や大引き材の上端の角に欠きを掘りこみ、その欠きに床板を乗せた簡素な工法。朝鮮貼り工法は、今でも京都府の河井寛次郎記念館で見ることができます。
>朝鮮貼り貼り方デザインについて
●斜め貼り
乱尺でも定尺でも捨て貼り合板が施されている現場であれば施工可能です。単純にお部屋の壁面に対して斜めに施工する工法です。斜め貼り工法は、かなりの材料ロスが発生すると言われています。デザイン性は高いと思います。生活するには少し慣れが必要です。
●いかだ貼り
定尺の無垢フローリングの木口継ぎ目を少しづつずらして貼る工法です。雁行貼りとも言われ、雁が群れで空を飛ぶ編隊形からとって言われています。基本的に捨て貼り合板の下には根太や大引きが定尺で入っていることが多いことから、釘やビスを根太や大引きに届くように施工していくと自ずといかだ貼りや雁行貼りになっていきます。
いかがでしたでしょうか?
無垢フローリングの貼り方デザインのバリエーションは結構あったと思います。どのデザインも実現するにあたっては様々な条件があります。もし、無垢フローリングの貼り方デザインにこだわるのであれば、先にそれぞれのデザインに合った無垢フローリングを検討する必要があります。
ぜひ、東京都江東区新木場の無垢フローリングショールームでご検討いただければと思います。
こちらのページでも【無垢フローリング選び方】について詳しく紹介しております。