今日から筑波大学剣道場床のメンテナンス工事です

投稿日:2015年07月27日

今日から筑波大学剣道場床のメンテナンス工事です。
できる限り薄く研磨して剣道場床専用オイルを塗布していきます。

※注意※2016年6月追記
研磨が可能な床材とそうでない床材があります。
研磨は、床材の厚みが無いと不可能です。
最近では、15mm厚のフローリングを研磨して剣道場専用オイルを塗布したりしている現場も見られます。
15mm厚程度のフローリング材を研磨する事でサネ部分(凹凸)が薄くなり、剣道の踏込による割れやササクレが出てぐさりと足裏に刺さります。とても危険です。一般的には、カバやブナなど体育館に使用されるような広葉樹フローリングは厚みが15mm~18mm程度だと思います。
体育館床は、ウレタン塗装が多く用いられていますがウレタン塗装があって15mm~18mmで使える様に設計されています。そうです。ウレタン塗装は、ボンドの役割も果たしているのです。そのウレタン塗装を剥がしてオイル塗装にすると床の強度も低下します。床面の強度上、ウレタン塗装を剥がしてはいけない場合もたくさんあると言う事です。


通常工事屋さんは、お施主さんの言われた通りに作業はします。しかし、その裏に隠れている危険などは見落としがちです。もちろん踏込足の荷重がどれくらいかかるかなんて知る余地もありません。ただ単に表面を削って塗ればいいと言う簡単な作業ではないのです。では、どうやって現況の床から快適な稽古環境を手に入れればいいのか?リフォームや改修の場合は、各現場で使用がまちまちです。一度、当社までお問い合わせいただければと思います。

 

ご要望は「なるべく薄く削って床表面の凹凸を無くしたい」という事です。
薄く削って平滑になんて…  とても難しいです。
でも、はっきりとしたご要望を頂けることは非常にありがたい事でもあります。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (7)
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (8)
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (13)

 

早速作業開始!
こちらの機械がドラムサンダーです。
これで床面を研磨していきます。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事

粗い番手からオイル塗装下地まで3回ほど研磨します。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (12)

木は、表面を削ると中身は綺麗なままです。
以前、ダークグレーになった地栂3000x120x120㎜三方柾を“30,000円です”って言ったら
「どんな商売しとんねんヴォケがぁ~!」とおばちゃんに怒鳴られたのを思い出します。
立米70万円ですよ。分からない方には説明しても分からないものです。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (1)

ゆっくりゆっくり薄く磨いていきます。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (3)

ゆっくりです… 約600平米を2日間掛けて磨いていきます。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (2)

ところで「薄く削って凹凸を無くしてほしい」とリクエストを頂いたのですが、ただ無理なリクエストをした訳では無いところが毎度感動させていただける筑波大学の現場。見てください。この白くてお餅を落として踏んづけてノビノビになったような跡がいっぱいです。

筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (4)

こっちにも…
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (9)

あっちにも…
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (10)

コレ。実は剣道部の学生さん達が力を合わせて研磨作業前に凹凸をパテで埋めてくれていたんです!!この広い面積を何日前からこの作業してくれていたんだろう? スゴイッ!
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (5)

凹凸を事前にパテ埋めしていただいた事で最薄で研磨が可能となります。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (6)
剣道場の床板は、薄くすればするほど強度が弱くなる訳ですからなるだけ厚さを保った方が強度は保たれます。工事の工程や実際に行う作業内容を考慮して先を考えていないとタイミングを合わすことすらも難しいのではないでしょうか?ちなみにパテは完全硬化に時間が掛かります。
あぁ今日もまた筑波大学剣道部の監督さんや部員さんの剣道場床愛を感じました。本当に素晴らしいと思い感動しました。

kodama_234x60_120625_ani_v1

剣道場床建築工房

剣道場新築床工事の様子はこちら
剣道場床 剣道場床材 剣道場オイル 剣道場ワックス 剣道場研磨 剣道場サンディング

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

霧島赤松集成フローリングは霧島松を使用しているフローリングなのか検証しました

投稿日:2015年07月05日

また最近になって霧島赤松について問い合わせが多いです。
剣道場に使われる国産赤松集成材フローリングはご用意がございます。

現在、流通する霧島赤松集成フローリングの多くは本物の霧島赤松で無い場合が多いようです。
ただ品名が霧島赤松集成フローリングと言うだけで中身は違う産地の赤松の場合が多いです。
そもそも霧島赤松なんて言う銘木は、材木商がパッと一目見ればわかります。

あまりにも霧島赤松について馬鹿げた問い合わせが多いので数年前に第三者機関の研究施設に持ち込んで同位体の検査を行いました。
同位体検査では、木材や食品の試料を比較し輸入国産判別のみならず、さまざまな国内産地判別が可能です。
よく食品で同位体検査で産地判別が行われるのは、うなぎ、肉、米、コーヒーなどです。
農産物の産地偽装に関しては、調べてみればわかる時代になった様です。

今回の場合は、本物の霧島赤松の試料があれば比較は容易です。
結果は、霧島赤松集成フローリングとして販売されている赤松は東日本地域の松と推測される。とのことでした。

“霧島赤松集成フローリング”を研究所に持ち込んで検証した結果です。
その時の試験体がこれです。
霧島赤松 (1)

霧島赤松 (2)
凹んでいるたったこの量で判断できます。
以下が結果です。

検体量:263g
検査及び判定法:TC/EA IR-MS及びEA IR-MSによる
炭素、窒素、酸素安定同位体比分析検体からえられた
炭素、窒素、酸素安定同位体比値の多変量解析による判別分析

分析結果
試料木片(霧島赤松集成フローリングとして販売されているもの)
窒素安定同位体比試料木片:-1.08%0
炭素安定同位体比:-23.12%0
酸素安定同位体比:19.80%0
霧島赤松(本物の霧島赤松)
窒素安定同位体比試料木片:-0.05%0
炭素安定同位体比:-24.10%0
酸素安定同位体比:22.0%0

結果注釈:
試料木片と霧島赤松標本の分析値を対比したところ
試料木片は、酸素安定同位体比が低く、また炭素安定同位体比も低い値を示す。
試料木片の安定同位体比は、九州宮崎県産松に比較した場合、
より東日本の安定同位体比値に近く、霧島赤松ではないと判断できる。

以上が分析試験結果です。
この試験体の“霧島赤松集成フローリング”は東日本の松ということなので、もう松の産地なんてどこでもいいのでしょうね。
とにかくどこの産地の松でもいいから集めに集めて“霧島赤松”という名前を付けて販売したいってことですね。
東日本の松を宮崎県近隣の霧島赤松と言えるくらいなのでもういっそのこと輸入品の赤松でも良いのではないかとも思えます。
せめて“霧島赤松集成フローリング”が“国産集成赤松フローリング”くらいで止めておけばよかったのに、何か“霧島赤松”に拘らなければいけない要因があるんでしょうね。
もしかしたら設計図書に記載されやすい様にとかそんなくだらんことで産地偽装に手を染めた人がいるのかな?
しかし、設計図書への記載では同等品もOKなので今後は“霧島赤松”でなくただの”国産赤松”でも問題なく採用されるようになっていくのでしょうかね?新聞なんかで「JAS認定取得製材工場で産地偽造」なんて見出しは見たくないですし、せめてこんな浅はかな考えが剣士でない事を祈ります。

今回の試料の霧島赤松フローリングは、本物の霧島赤松ではないとの結果だったのでこのブログを読まれた方は設計図書で“霧島赤松集成フローリング”と記載があっても気兼ねなく色んな産地の“赤松集成フローリング”を検討できるのではないでしょうか?
仕様書に記載した設計士に「霧島赤松」とはどういう物なのか問い合わしてみましょう。国産赤松に仕様が広がるなら価格も安く抑える事ができるかもしれません。

現在、同位体を比較すれば農産物の産地確認なんて結構簡単にできたりします。もちろん比較する為の資料が必要となりますが
日本国内のどの地域で生息していたのかまでも判別できるようです。

なぜ、私がここまで調べたのか?私は、東京都民です。産地偽装されたものに税金を使われたくないだけです。「東京都 入札 霧島松  剣道場」などでWeb検索してみてください。どんなところで使われているのかすぐにわかります。せめて表記は「霧島赤松集成材」改め「国産赤松集成材」にしていただければと思います。一都民怒ってます

霧島山に登って来ました
霧島松を求めて・・・
銘木霧島松で作る本物の霧島松フローリング
霧島赤松集成フローリングは霧島松を使用しているフローリングなのか検証しました

 

 

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

青森県・弘前城武徳殿

投稿日:2015年05月16日

こちらの記事は、以下へ移行いたしました。
剣道場建築工房・剣道場探訪記

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

弘武館松澤道場 道場開き 

投稿日:2015年05月10日

弘武館松澤道場 道場開き お招きいただきました。
直 心 是 道 場

弘武館松澤道場 (6)
弘武館松澤道場 (5)
弘武館松澤道場 (4)
弘武館松澤道場 (3)
弘武館松澤道場 (2)
弘武館松澤道場 (1)

kodama_234x60_120625_ani_v1

FaceBook 剣道場新築床工事の様子はこちら

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

橿原公苑柔剣道場・旧武徳殿

投稿日:2015年05月08日

こちらの記事は、以下へ移行いたしました。
剣道場建築工房・剣道場探訪記

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/