焼杉(焼き杉)とは「焼杉に関する研究 -性能評価と普及に向けたフィジビリティスタディ-」

投稿日:2018年09月24日

関西以西では住宅や蔵の外壁に使用されているのを
よく目にする焼杉ですが、関東近辺ではあまり見かけることはありません。

焼き杉板について資料を集めてご紹介できればと思っております。

そもそも「焼き杉板」とはどういうものなのか?
『焼杉に関する研究
-性能評価と普及に向けたフィジビリティスタディ- 』より
一部を紹介させていただきます。

Google ストリートビューを活用して日本全国の焼杉分布を調査するなど
とても素晴らしい研究だと思います。

用語としての「焼杉」
そもそも,「焼杉」はいつ頃から存在するものなのか。
また,「焼杉」という用語そのものが正しい用法なのか。
現在でも京都などでは「焼板」と呼称しており,両者に違いがあるのか。
そうしたことすら判然としないため,
明治時代以降の主要な国語辞典および
建築関連の専門用語辞典において,「焼杉」・「焼板」および
それに関連する用語がどのように記載されているか調査した。
その結果,大正期以前の国語辞典には「焼杉」「焼板」ともに
項目として挙げられているものは存在しなかった。
管見の限り「焼杉」の語が最初に掲載されていたのは,
落合直文編『日本大辞典 言泉 全六巻』(1930,大倉書店)である。
同辞典によれば「焼杉」は「やきぎり(焼桐)」と
同じ意味であるとしており,
「焼桐」の項目には「器物・下駄などに雅致あらしむるために,
桐の材の表面を火に焦したる上,木理を洗ひ出し,凸起せしめたるもの。」
と記載されている。
要するに同辞典における「焼杉」は木材の表面をあぶったもので,
主に工芸品などで用いられる浮造り加工のことを指しており,
本研究における建築材料としてのそれとは異なることが分かる。
そして,「焼杉」を最初に確認できたのは,
彰国社編『建築大辞典 第1版』(1974 年)であった。
一般に,ある用語の誕生時期と辞書への掲載時期が異なるのは当然である。
ましてや,専門用語であればそのずれが大きくなることは想像に難くない。
また,「焼杉」という用語は使っていないが,
ブルーノ・タウトは 1950年時点で日本の焼杉に言及しており,
それを日本の伝統的な工法と認識している 。
一方,最初の建築用語辞典とされる
中村達太郎著「日本建築辞彙」(1906 年)にも記載がないこと
などを踏まえると,日本の伝統的な素材とされる「焼杉」という
言葉の起源は,実はそれほど古くまで遡らない可能性もある。
なお,本稿では「焼杉」と「焼板」は同じものを指すこととし,
以下「焼杉」という表記で統一する。

製造方法
では,焼杉はどのように製造されるのか。
焼杉の製造方法は,手作業により焼く方法(以下「手焼き」とする)と
工場で機械により焼く方法(以下「機械焼き」とする)の
大きく二種類に分けられる。

(1)手焼き
手焼きは,三枚以上の板を筒状に角柱となるよう組んで焼く方法である。
三角柱が一般的であると考えられるが,四角柱の場合や,
それ以上の多角柱の場合もある。
いずれも組んだあと下から古紙などに種火を付けて入れ煙突効果により,
板材の表面を一気に焼き上げる。
所要時間は,板の含水率や炭化層の厚さによっても異なるが,
長くとも 5 分程度である。
なお,木を組む際には木表を内側とし,木表を焼くことが一般的である。
機械焼きが普及する以前においては,川の土手や収穫後の田んぼなどで,
大工がそれぞれに焼杉を制作していたとのことである。
そして、実際に手焼きによる焼杉の制作を行い,
加熱面温度及び内部温度を測定した。
制作の概要および温度測定の結果はのとおりである。
実験では着火後約 3 分にて最初の火源が鎮火してしまったため,
その後,実験開始 5 分 8 秒に再び口火を投入し,
縄紐が切れるまでの 2 分 10 秒間燃焼した。
加熱面(熱電対 1,3)の温度がそれぞれ,再着火から 1 分 16 秒後,
48 秒後に木材の炭化温度とされる 260℃を超えた。
再着火後の加熱面の最高温度は,
板下端より 1,500mm の位置(熱電対 1)で
354.6℃,板下端より 1,000mm の位置(熱電対 3)で 428.1℃であった。
内部温度については,加熱終了後も温度が上昇し,
板下端より 1,500mm の位置
(熱電対 2)で 133.9℃,板下端より 1,000mm の位置(熱電対 4)で
159.7℃であった。
温度変化から推察するに,
炭化層の厚みはおよそ 1.5 ㎜であると考えられる。
火源の鎮火したため再点火を行ったが,
本実験により手焼きにおける木材の挙動を把握することができた。
この挙動の意味については,第 5 章にて再び論じることとする。

(2)機械焼き
一方,機械焼きは,その名の通り,
バーナーを組み込んだ機械により工場において焼く方法である。
工場によって細かな手法は異なるが,
ベルトコンベヤーに乾燥させた杉板材を乗せ,
バーナーを組み込んだ機械の中に材を流しながら表面を焼き,
その後水をかけるなどして
鎮火するという方法で制作することが一般的である。
商品によっては,表面の炭化層をブラッシングして落とす機械や,
塗装を行う機械にかけることもある。
ただし,機会焼きにおいても一部,
節処理など手作業行程が入るケースもある。
接合部については,
事前に相じゃくり加工を行った後に焼くケースが大半である。
ブラッシングをかけない商品の場合,燃焼時間は 30 秒以内で,
炭化層の厚さは 1~2mm 程度のものが多い。
なお,手焼き同様に木表を焼く場合がほとんどである。
2017 年 10 月現在確認できたメーカーは6社で,
焼杉の工場生産開始年は,
6 社中 4 社が 1973 年から1975 年にかけて集中している。
また,工場が立地するのは,
いずれも焼杉が現在一般的に使用される西日本である。
そして,本研究では6社すべてにインタビュー調査
(以下「メーカーインタビュー調査」とする)を行った。
その結果については第 4 章にて詳述する。

地域分布
焼杉の地域分布については,
藤森照信が滋賀県以西に分布すると述べている。
しかし,その根拠は示されておらず,
また「滋賀県以西」が具体的に指す範囲や,
分布が偏在する要因などについての言及はない。
焼杉の地域分布は,その性能とも大いに関係しているとも考えられ,
今後の普及を考える際にも重要な要素となる。
そこで,まず焼杉の地域分布の実態把握を目指した。
ところが,日本全国を現地調査により網羅的に調査することは
予算上も日程的にも現実的ではない。
そこで,深層学習のプログラムおよび Google ストリートビューを活用した
手法を開発した。具体的な手順は表 2-3 の通りである。
こうして開発した焼杉判定器に基づく
焼杉の地域分布を図示したものが図 2-3 である。
四角が重要伝統的建造物群保存地区,丸が旧街道の宿場町を示している。
そして黒が,上記判定器により,
焼杉が二か所以上確認できた地区・宿場町で,
焼杉が使われている可能性が高いことを示している。
グレーが,焼杉が一か所のみ確認できた地区・宿場町である。
白抜きが,焼杉が確認できなかった地区・宿場町で,
焼杉が使われていない可能性が高いことを示している。
なお,地図は国土地理院発行の数値地図(国土基本情報)および
ESRI ジャパンの全国市区町村界データを使用した。
これによると,藤森がいう通り,
焼杉は概ね滋賀県以西分布しているのが見て取れる。
具体的な東西の分布の境界は,
滋賀県と岐阜県および滋賀県と三重県の県境に
位置する鈴鹿山脈にあるとみられ,
このことは現地調査からも確かであるといえそうである。
ただし,一部岐阜県内にもまとまって焼杉を使用している個所もみられる。
一方,北陸方面については明確な境界があるわけではなく,
京都府から福井県,石川県,富山県,新潟県と北上するにつれて
徐々に減っていく。
また,西日本のなかでも,高知県,徳島県などの四国太平洋岸側や,
熊本県・鹿児島県など九州南部では
あまり分布していないように見受けられる。
なお,使用部位としては,
町家の妻面,蔵の壁面などに使われることが多い。
また,青森県など,実際には分布していないと思われる地域にも
分布している要因として,判定器の判定ミスや,
伝統的には分布していなかったが近年何らかのきっかけで
使用され判定されたといったことが考えられる。

 

ここまでが
焼杉に関する研究
―性能評価と普及に向けたフィジビリティスタディ―
で発表された一部になりますが、
この他の章では焼杉の性能評価、
普及に向けた課題などが発表されています。
焼杉板についてこんなにまとめられている研究が
存在するなんて知りませんでしたし夢にも思わなかったです。
ぜひ、焼き杉についてお知りになりたい方はアクセスしてみてください。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

福岡県 剣道場床工事施工事例

投稿日:2018年09月18日

福岡県で剣道場床工事が完了しました。

元請:蔵座建築士事務所

 

福岡県にて剣道場床工事を承りました。
九州では、宮崎県の日章学園に続き2件目です。
さすがに剣道王国と言われる九州地方からは
たくさんのお問い合わせを頂いております。

お時間さえ頂ければ日本全国はたまた世界中で
専門の職人が出向いての施工が可能です。

剣道場床建築工房・㈱五感

 

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FaceBook 剣道場新築床工事の様子はこちら

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シベリアンウォルナットフローリング(SW-02)になぐり加工(ゆらぎ)を施した施工事例

投稿日:2018年09月10日

 

シベリアンウォールナットフローリングに
なぐり加工を施した施工事例です。

なぐり加工は、様々な無垢フローリングから
お選びいただく事が可能です。

シベリアンウォールナットフローリングは
品番:SW-02をお選び頂きました。

 

シベリアンウォールナットフローリングは、
無垢フローリングショールームゆらぎで常設展示しております。

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

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ブラックウォールナット無垢フローリング・BW-34 施工事例

投稿日:2018年08月31日

ブラックウォールナットフローリング
品番:BW-34
サイズ:乱尺(610-1210㎜)x130x15mm
(長さ1820㎜に対して必ず2ピースです)
塗装:自然オイルワックス
スタイル:ラフ
価格:14,191円/平米(税込)

※上記価格には、配送費は含まれておりません。
※価格は予告無く変更する場合がございます。

ブラックウォールナットフローリング は、
無垢フローリングショールームゆらぎで常設展示しております。

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無垢フローリングの補修跡|パテでの傷や割れの補修手順

投稿日:2018年08月20日

無垢フローリングのパテ補修ガイド【DIYで簡単にできる方法】

1. 無垢フローリングとは?

無垢フローリングは天然木から切り出した一枚板を使用した床材で、風合いや質感が魅力的です。しかし、長年の使用による「傷・割れ・へこみ(凹み)」が発生しやすく、適切な補修が必要となります。

無垢フローリングにおいては、床板表面と節の繊維が真逆な方向のため、乾燥時には必ず割れが発生します。そのため、割れた箇所には適切な木工パテ埋めが必要となります。

また、無垢材・木材は動きがあり、温度や湿度の変化に応じて膨張・収縮を繰り返します。このため、時間が経過するとフローリング(無垢材)の表面に細かな割れが生じるのは避けられません。特に冬場の乾燥期には木が収縮しやすく、割れがより顕著になります。この特性を理解し、定期的な補修とメンテナンスを行うことが重要です。

さらに、無垢フローリングは経年変色する特徴があります。しかし、補修に注入した木工パテは経年変色しにくいため、時間が経過すると補修部分が目立つ場合があります。補修後に色が合わない場合は、無垢材・木材用の着色剤を活用することでより自然な仕上がりにすることができます。

元々、無垢材である無垢フローリングには木工パテ埋め注入補修が施されている場合もあります。特に節あり材では、製品としてあらかじめ埋め補修(注入補修)が施されていることが多いため、新品の状態でも補修跡が見られることがあります。


【無垢フローリングパテ補修の事例】

ダグラスファー無垢フローリング補修 パテ (1)
ダグラスファー無垢フローリング補修 パテ
ダグラスファー無垢フローリング補修 パテ (2)
ダグラスファー無垢フローリング補修 パテ

 

 

ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ (2)
ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ
ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ (1)
ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ
ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ (4)
ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ
ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ (3)
ブラックウォールナット無垢フローリング補修 パテ

 

シベリアンウォールナット無垢フローリング補修 パテ (2)
シベリアンウォールナット無垢フローリング補修 パテ
シベリアンウォールナット無垢フローリング補修 パテ (1)
シベリアンウォールナット無垢フローリング補修 パテ

 

どんぐり無垢フローリング補修 パテ (2)
どんぐり無垢フローリング補修 パテ
どんぐり無垢フローリング補修 パテ (1)
どんぐり無垢フローリング補修 パテ

 

杉スギ無垢フローリング補修 パテ (2)
杉スギ無垢フローリング補修 パテ
杉スギ無垢フローリング補修 パテ (3)
杉スギ無垢フローリング補修 パテ

 

桧ヒノキ無垢フローリング補修 パテ (2)
桧ヒノキ無垢フローリング補修 パテ
桧ヒノキ無垢フローリング補修 パテ (1)
桧ヒノキ無垢フローリング補修 パテ

 

ラーチ無垢フローリング補修 パテ (2)
ラーチ無垢フローリング補修 パテ
ラーチ無垢フローリング補修 パテ (1)
ラーチ無垢フローリング補修 パテ
無垢フローリングでも土足用は補修パテ埋め無し (2)
無垢フローリングでも土足用は補修パテ埋め無し
無垢フローリングでも土足用は補修パテ埋め無し (2)
無垢フローリングでも土足用は補修パテ埋め無し

 


2. 無垢フローリングの補修が必要な理由

無垢フローリング(無垢材)の主なトラブル

  • 節割れ:木の節が割れることで、見た目が悪くなり、ゴミが詰まりやすい。
  • へこみ(凹み):家具の重さや衝撃による凹み(へこみ)。
  • :日常使用でできる小さな傷。

これらの問題を解決するためには、適切な木工パテ注入補修が有効です。


3. 無垢材における木工パテ補修の基本と選び方

補修木工パテの種類と特徴

木工パテの種類 特徴
水性パテ 乾燥が早く、扱いやすい
油性パテ 乾燥が遅めで強度がある
エポキシパテ 強度が高く、屋外でも使用可能

適切なパテを選ぶことで、補修の仕上がりが格段に向上します。


4. DIYでできる無垢材の木工パテ埋め注入補修の手順

必要な道具
  • 補修用木工パテ
  • ヘラ
  • 紙やすり(サンドペーパー)(#240~#400)
  • ウエス(布)
  • 着色剤(必要に応じて)
補修手順
  1. 補修箇所の清掃
    • ゴミやホコリを取り除き、補修箇所を乾燥させる。
  2. 木工パテを注入
    • ヘラを使い、木工パテを凹み(へこみ)に注入する。
    • 盛り出た過剰な木工パテを削ぎ落とす。
  3. 乾燥(2〜24時間)
    • 木工パテの種類によって異なるため、説明書を確認。
  4. 仕上げ研磨
    • 凹み(へこみ)箇所に紙やすり(サンドペーパー)をあて表面を滑らかにする。
      紙やすり(サンドペーパー)は粗いものから#80→#120→#180位までの番手でやする
  5. 着色・仕上げ
    • 既存の無垢材フローリングと色を合わせる。

5. 補修後のメンテナンス方法

  • 無垢材には定期的なワックスがけで保護。
  • 湿度管理を行い、木材(無垢材)のひび割れを防ぐ。
  • 重い家具の下にはフェルトを敷くことで傷防止。

6. よくある質問(Q&A)

Q1: 木工パテの色が床と合わない場合は? A: 木材用の着色剤を混ぜると自然な仕上がりになります。

Q2: どのくらいの頻度で補修すればいい? A: 使用状況によりますが、2〜3年に一度のパテ埋め注入補修がおすすめです。

Q3: DIYで難しい場合はどうすれば? A: プロに依頼すると、高品質な補修が可能です。


【まとめ】

無垢フローリング(無垢材)の補修は適切な無垢材用木工パテを選び、丁寧な作業を行うことで美しく仕上げることができます。木材の特性を理解し、適切な湿度管理を行うことで、割れの発生を最小限に抑えることができます。今回ご紹介した方法を参考に、自宅のフローリングを長く大切に使っていきましょう。

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木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
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