剣道場床専用オイル塗布作業について

最近では、剣道場床にオイル塗装されることが多くなってきたようです。
仕上げ方によってオイル塗装を施した方が良い場合とそうでない場合があります。
オイル塗布の際に、床面を研磨される方がいらっしゃいますが、剣道場の床に関しては研磨が適した床材とそうでない床材があります。

研磨は、床材の厚みが無いと不可能です。
最近では、15mm厚のフローリングを研磨して剣道場専用オイルを塗布したりしている現場も見られます。
15mm厚程度のフローリング材を研磨する事でサネ部分(凹凸)が薄くなり、剣道の踏込による割れやササクレが出てぐさりと足裏に刺さります。とても危険です。

一般的には、カバやブナなど体育館に使用されるような広葉樹フローリングは厚みが15mm~18mm程度だと思います。体育館床は、ウレタン塗装が多く用いられていますがウレタン塗装があって15mm~18mmで使える様に設計されています。そうです。ウレタン塗装は、ボンドの役割も果たしているのです。そのウレタン塗装を剥がしてオイル塗装にすると床の強度も低下します。床面の強度上、ウレタン塗装を剥がしてはいけない場合もたくさんあると言う事です。通常工事屋さんは、お施主さんの言われた通りに作業はします。しかし、その裏に隠れている危険などは見落としがちです。もちろん踏込足の荷重がどれくらいかかるかなんて知る余地もありません。ただ単に表面を削って塗ればいいと言う簡単な作業ではないのです。

では、どうやって現況の床から快適な稽古環境を手に入れればいいのか?リフォームや改修の場合は、各現場で仕様がまちまちです。ご不明な点等があれば一度、当社までお問い合わせいただければと思います。

 

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木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

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