【剣道場の床構造】床下に並ぶ甕(カメ)の役割とは?伝統建築の音響技術

投稿日:2016年04月07日

六甲山系の大学で剣道場の床下に潜っての調査です。
この体型でも隙あれば床下にも潜ります。
この地域、猪と間違えられないようにしなくては…
剣道場の床下 (2)
昭和9年に建築されたこの道場が只者ではない。
床下には音響効果を上げるための
甕(カメ)が規則的に斜めに向けて設置されている。
スピーカーの様な役割を果たしているのでしょう。
能舞台にも同じように甕が設置されているそうです。
色々見てみるとたくさん工夫が施されていて面白い。
スプリングの設置方法、木材の連結方、固定方法等々・・・
うーん・・・ 狭い場所ながらもこれはなかなか飽きないなぁ
剣道場の床下 (1)
2010年ころの改修時の図面では、
床下地材が桧材になっているんだけど・・・ 違うよなぁ
この道場、とっても面白い。
ぜひ、改修を手掛けてもっとたくさん先人の知恵を学ばせて頂きたい。

 

Q1. 昭和初期の剣道場の床下にある「甕(カメ)」は何のためにあるのですか?

A1. この甕は、道場の「音響効果」を高めるために設置されています。床を踏み込んだ際や発声した際の音が、甕の中で反響し、道場全体によく響くように工夫された、先人の知恵による「音響装置」のような役割を果たしています。

Q2. 床下の甕はどのように並べられているのですか?

A2. 今回調査した昭和9年建築の道場では、甕がただ置かれているのではなく、規則的に、かつ斜めに向けて設置されていました。音が効率よく広がるように計算された配置だと推測され、当時の建築技術の高さがうかがえます。

Q3. 剣道場以外でも、床下に甕を置く建築様式はあるのですか?

A3. はい、実は日本の伝統芸能である「能舞台」の床下にも、同じように甕が設置されていることがあります。剣道の踏み込みと同様に、能の足拍子の音を美しく響かせるための工夫であり、武道と芸能に通じる建築文化の共通点が感じられます。

Q4. このような昔の道場の床構造から、現代の建築は何を学べますか?

A4. 現代の道場建築では見られない、木材の連結方法や固定方法、スプリング(弾力性)の工夫など多くの学びがあります。単に古いだけでなく、剣士の足腰への負担軽減や音の響きを追求した設計思想は、現代の道場づくりやリノベーションにも大いに活かせるものです。

Q5. 現在の剣道場でも、床下調査や改修を依頼することはできますか?

A5. はい、可能です。私たち「株式会社五感」では、剣道場床や無垢フローリングの専門家として、また剣道家としての視点から、床下の構造調査や改修提案を行っています。古い道場の良さを残しつつ、安全性や機能性を高めるお手伝いをいたします。

 

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木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

体育科教育2015年10月号『音が決め手のモノ』剣道場の床下に隠された秘密|音響を支える「甕(かめ)」と伝統技術

投稿日:2015年09月11日

体育科教育2015年10月号 音が決め手のモノ
おもしろい記事が載っています。
体育科教育2015年10月
体育科教育2015年10月-2

剣道場には様々な音や声が入り交ります。
練習の始まりを示す太鼓の音や、無数の竹刀が交わり合う音、さらには、「ター!」「ウォー!」といった威勢のよいかけ声、打突の際の力強い踏込によって床板の音も響き渡ります。
昔ながらの剣道場には、こうした音響を文字通り縁の下で支えるモノが床下に備え付けられています。

その正体は甕(かめ)。
現在でも、伝統的なスタイルの剣道場の床下には、空の甕が口を上にして置かれいます。
踏み込んだ時の音は、こうした甕の作用によって道場に響き渡る仕掛けになっています。
床下の甕による音響効果は、もともとは能舞台の床の響きをよくするためのもので、舞台大工たちの秘技ともされていました。
もともと能舞台は野外で行われていたために、甕は余計な音を吸収し、笛や太鼓、謡の声とともに足で踏む拍子を効果的に共鳴させる音響効果として施されていました。

研究者によると、竹刀打込稽古法の普及とともにそうした音響効果も導入されたと推測されています。
能と比較してみると、剣道での竹刀がぶつかる音を和楽器に、かけ声は歌、足の踏込は足拍子と、それぞれが能舞台での音と対応していることがわかります。

また、大正元年に落成した警視庁の演舞場にも甕がしっかりと埋められていたそうです。
ひょっとしたら、辛く厳しい修行の中でも、踏み込みの音を道場に響き渡らせることによって気持ちよく修行に打ち込む、そのような意図も込められていたのかもしれません。

 

Q. 剣道場の床下にある「音響を支えるモノ」の正体は何ですか?

伝統的なスタイルの剣道場では、床下に「空の甕(かめ)」が口を上にして置かれています。これが踏み込み時の衝撃音を共鳴させ、道場全体に音を響き渡らせる役割を担っています。

Q. 床下に甕(かめ)を置く仕組みはどこから伝わったものですか?

もともとは「能舞台」の床の響きを良くするための工夫で、舞台大工たちの秘技とされていました。野外で行われていた能において、足拍子を効果的に共鳴させるための知恵が剣道場にも導入されたと考えられています。

Q. 甕(かめ)には音を響かせる以外にどのような効果がありますか?

音を共鳴させるだけでなく、「余計な音を吸収する」という吸音・調音の効果も備えています。これにより、竹刀の音、掛け声、足拍子が調和した神聖な響きが生まれます。

Q. 剣道の音と「能」の構成にはどのような共通点があるのですか?

竹刀がぶつかる音は和楽器、威勢の良い掛け声は歌(謡)、力強い踏み込みは足拍子に対応していると言えます。剣道場の音響は、まさに伝統芸能のような様式美を備えているのです。

Q. なぜ厳しい修行の場である道場に、こうした音の仕掛けがあるのですか?

踏み込みの音を道場に響き渡らせることで、「気持ちよく修行に打ち込む」という意図も込められていたのではないかと推測されます。音は剣士の精神面にも大きな影響を与える重要な要素です。

 

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木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/