『雁行タイプフローリングの由縁』と『雁行フローリングの特徴と施工方法』

投稿日:2021年11月30日

雁行タイプや雁行型など、建築用語でたまに聞いてはいました。しかし、実際に雁が飛んでいるのを見たことは無く、少しイメージし難かったのですがなるほど合点がいきました。

先日、たまたまくりこま高原駅のホームで雁行を初めて見ました。 鳥類には非常に疎く、何という鳥なのか分かりませんがきっと雁だと思います。

灰色雁ハイイロガン

くりこま高原駅近隣道路沿いの田んぼに降り立つのですが、警戒心が非常に強く近づこうとするとすぐに飛び立ってしまいます。なかなか間近で撮影させてくれることはありませんでした。雁を撮影するには、かなり望遠タイプのカメラが必要になりますね。

日本に飛来する雁の約8割が宮城県で越冬するそうです。くりこま高原駅から 伊豆沼、内沼方面に向かって飛んでいました。ものすごい数の雁の群れです。次から次へと雁の群れが雁行をなして飛ぶ姿は本当にきれいな風景でした。以下の動画は、くりこま高原駅のホームから見た雁行です。すごい鳴き声ですね。始めて見たので圧倒されました。

 

建築用語でも雁行を耳にすることがあります。雁行タイプのフローリングや雁行タイプのマンションなどです。
雁行タイプのフローリングは、施工性に優れ、フローリング同士のつなぎ目が目立ち難く、貼り上りが美しいとされています。

雁行タイプのフローリング
雁行タイプのフローリング

 

こちらの画像は、雁行型マンションの一例です。雁行型のマンションは、陽当たりや通気性に優れると言われています。

雁行型マンションの例
雁行型マンションの例

 

雁行タイプのフローリングの特徴は、幅に対して複数枚のフローリングをつなぎ合わせた形状になっているところです。複数枚がつながっていることで貼り付け作業が早く施工性が上がります。また、フローリング両端が規則的にずれていますので貼り上りのつなぎ部分が分かり難く美しく仕上がります。
雁行タイプのフローリングは、無垢フローリングではなく複合合板フローリングで製造されることがほとんどです。さらには、マンション用遮音等級L45直貼り複合合板フローリングとして販売されることが多いようです。当社では、雁行タイプのフローリングは販売しておりませんが、マンション用遮音等級L45フローリングは、L45木魂防音無垢無垢フローリングL45挽き板合板フローリングサウンドプルーフ2の3つの工法からお選びいただくことが可能です。

雁行タイプのフローリングを施工する手順としては少しコツが必要です。と言っても貼りはじめだけ気を付ければ、後は最後の1列までは同じ作業の繰り返しです。貼り始めの列の雁行フローリングの長さを決めてどんどん貼っていきます。最後の1列は、貼り終いに合わせて幅をカットします。雁行フローリングは、見た目から施工が難しそうに思いがちですが、他のフローリングと比べても施工性は悪くなく、どちらかと言うと良い方になります。

雁行タイプのフローリングを貼る手順
雁行タイプのフローリングを貼る手順

雁行フローリングの詳細な解説
定義と特徴: 雁行フローリングとは、板の接合部がずれるように配置されたフローリングで、施工性に優れ、継ぎ目が目立ちにくい美しい仕上がりが特徴です。

メリット:

施工が容易で時間短縮が可能。
継ぎ目が目立ちにくく、美観を保ちやすい。
遮音性能が高く、特にマンションなどで効果的。

デメリット:

無垢材ではなく、複合合板が主流であるため、無垢材特有の風合いを求める方には不向き。
施工時に特有のコツが必要で、経験の浅い施工者には難易度が高い場合がある。

 

実際に雁が隊列を組んで飛ぶ姿を見て、初めて雁行タイプのフローリングや雁行型のマンションの意味が良くわかりました。まさに百聞は一見に如かずです。雁が飛ぶ姿はとても美しい光景でした。

 

雁行(がんこう)フローリングに関するよくあるご質問

「雁行(がんこう)フローリング」とはどのような貼り方のことですか?

雁行(がんこう)とは、空を飛ぶ雁の群れのように斜めにずらして並べる様式を指します。フローリングにおいては、一定の長さにカットしたピースを規則的にずらして貼る手法を指し、整然とした美しさとリズム感のある表情が特徴です。

定尺(ていしゃく)フローリングとの違いは何ですか?

一般的な「定尺」は全ての板が同じ長さですが、雁行貼りに用いる場合、あらかじめ決められた一定のズレ幅(例えば1/3ずらしなど)を維持して施工します。これにより、ランダムに貼る「りゃんこ貼り」よりも、よりデザイン性が高く、格式高い印象を与えることができます。

雁行貼りに向いている部屋やインテリアはありますか?

規則正しいラインが強調されるため、広めのリビングや廊下、店舗のフロアなど、奥行きを感じさせたい空間に非常に向いています。和風建築はもちろん、モダンな洋室やクラシックなインテリアにも上品なアクセントとして馴染みます。

施工時に注意すべきポイントはありますか?

雁行貼りは規則性が命ですので、貼り出しの計算と正確な割り付けが重要です。板の継ぎ目が一定の間隔で並ぶよう、熟練の職人による丁寧な手仕事が求められます。また、材料のロス(端材)がランダム貼りより少し多くなる傾向がある点も考慮しておくと安心です。

無垢材で雁行貼りをするメリットは何ですか?

無垢材特有の一枚一枚異なる木目や色味が、雁行貼りの規則的なパターンと組み合わさることで、自然の風合いと人工的な造形美が融合します。単なる床材としてだけでなく、住まいを彩る意匠(デザイン)としての価値を最大限に引き出せるのがメリットです。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/