東京武道館第二武道場(剣道場)の床改修の打ち合わせ

投稿日:2022年05月10日
東京武道館第二武道場
東京武道館第二武道場

東京武道館第二武道場(剣道場)の床改修の打ち合わせを行いました。
こちらの床は、とても知恵と工夫が施されており、図面を見ても、現物を見ても、なかなかその理由が分からない加工が施されている箇所が多い床です。ぱっと見は松のフローリングに見えますが、JASフローリングの日本農林規格に照らし合わせると、フローリングとは言えない床材です。

2012年ころ、筑波大学・鍋山隆弘先生に「東京武道館改修工事の見学に行ってみないか」とお誘いいただきました。その時に、新築時に携わった東京都のプロジェクト担当者の方と設計士さんから直接東京武道館への思い入れや工夫を教えて頂きとても勉強になりました。
その知恵と工夫は、国体開催と共に静岡県武道館や埼玉県立武道館の武道場床へと引き継がれていきました。少しづつ改良が加わり各武道館とも全く同じ工法では無いものの、よく似た工法と部材で構成されています。

プレーヤー、施主、管理者の”三方良し”を皆目指すところではありますが、なかなか難しいのが現状です。私が聞いた中では東京武道館の現状の床は、剣士(プレーヤー)の方々にはとても好評です。今回も東京都の担当者の方は「東京における剣道の聖地を守り抜く」と力強くおっしゃっておられました。改修後もきっと素晴らしい道場床になると思います。

 

kodama_234x60_120625_ani_v1

FaceBook 剣道場新築床工事の様子はこちら

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/