L字型廊下へのフローリング貼り方デザイン

投稿日:2018年01月29日

無垢フローリングの見え方について注意すべきポイントがあります。
L字に曲がっている廊下角の貼り方については少し注意したいです。

フローリングを自分で選ぶには選んだけど、貼り上りが
こんなイメージでは無かったんだけど…となる事もある箇所です。

1尺x6尺(1820x303mm)の合板フロアーなら、L字型廊下フローリングの貼り方
その1・4のパターンを良く見かけます。
まぁしょうがないか。1’x6’の合板フロアだし…ともなりますね。
一部、合板フロアーでも1’x6’では無く雁行タイプは異なります。

      

      

無垢フローリングの場合はどうでしょう。
1~4までどの貼り方でも対応はできるのですが
一番美しく、耐久性があるのはやはり”その3”だと思います。

その2もスカッと綺麗に見えますね。
これは留め加工と言ってフローリングの木口を斜めに切って
擦り合わせながら施工していきます。
完成時はスカッとして綺麗に美しく見えますが、
フローリングの小口によっぽど手間と工夫を凝らさないと
時間経過とともに段差ができるかもしれません。

その3は、小口にエンドマッチ加工と言って
サネ(凹凸)が付いているのでりゃんこ貼りしても
キチリと納まりやすいです。
また、貼りあがりが「入」の字にいていることから
家に福が入ってくるようにという意味合いもあるそうです。
大工さんの心遣いが垣間見れる部分でもあるんですね。

L字型廊下の無垢フローリングの納まり
なら、見た目・意味合い・耐久性も合わせて
その3の納まりをお勧めします。


ちなみに地域などによって呼び方は変わるかもしれませんが
その3は、りゃんこ貼り
その2は、留め加工貼り
で大工さんには伝わるかと思います。

デザイナーさんや意匠設計の方には、
上記の絵をプリントして渡すかこちらのURLを連絡する
のが無難だと思われます。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/