国産材の無垢フローリングと輸入材の無垢フローリング どっちを選ぶ??

投稿日:2019年03月22日

国産材の無垢フローリングと輸入材の無垢フローリング どっちを選ぶ??

国産材の無垢フローリングと輸入材の無垢フローリングのどちらを選ぶかで迷われるお施主様もたくさんいらっしゃいます。

その理由も様々ですが、国産材の無垢フローリングと輸入材の無垢フローリングとで迷われているお施主様からよくご質問頂くのは以下の4点です。

・価格
・樹種
・硬さ(傷つきやすさ)
・環境配慮
他にもあると思うのですが、この4点について考えてみます。

・価格

誰もがこのように考えているとは言えませんが、輸入材の無垢フローリングの方が安価だと思われているお施主様の方が多いような気がします。
実際に無垢フローリング専門店木魂でも、ある条件で無垢フローリングを検索すると輸入材の無垢フローリングの方が安価です。
その代表樹種がパインフローリングです。
激安!パインフローリング!!は本当に激安なのか??」をご一読いただくと、一概に輸入材が安価だとは限らい事が分ると思います。

 

・樹種

これが非常にややこしい。
何故かと言いますと、日本の呼び名、海外の呼び名、学術名と同じ木でも様々な呼び名が有るからです。

よく耳にする樹種だと
タモ=アッシュ
ナラ=オーク
さくら=チェリー
クルミ=ウォールナット
カバ=バーチ
と言われています。
間違えてはいないと思うのですがこれまた少し掘り下げていくと、オークはナラではなくカシではないの?とかとか

他にも
米杉が杉でなかったりカナダツガは栂でなかったり米松も松でなかったり

樹種名に関しては、一般的な総称としてくらいに考えていた方が気が楽になるかもしれません。
たくさん樹種名を覚えようと頑張るお施主様もいらっしゃいますが全ての樹種名を覚える必要もないし自分で気に入った樹種だけ覚える事にしましょう。

 

・硬さについて

一般的には、広葉樹が重くて硬い、針葉樹が軽くて柔らかいと言われています。桐、朴、唐松などこれに当てはらないかもしれない樹種もあるのでざっくりです。軽くて柔らかい木という事は、スカスカしていて凹みができやすいという事です。でも、触れた時には温かいという特徴も持ち合わせています。

フローリングとして世界で多く採用されている樹種はオークだと思います。オーク材は、表面硬度が高く傷が付き難いと言われています。そういう事から、フローリングにオーク材が最適である!とは一概にいう事はできません。何故か?世界中でフローリングを使っているほとんどの人は靴を履いて生活している方だからです。しかし、日本は特別です。素足で生活しています。そうすると杉や桧やパインなど柔らかい樹種の方が軟らかく足あたりがよいとも考えられます。

軟らかいと傷や凹みが付きやすいのでは?と考えてしまいがちです。実際に、その通りだと思います。では、その傷や凹みを付ける犯人は誰でしょう?ほとんどのお施主様の答えが『子供たち』です。物を落としたり、椅子を引きずったり容易に想像ができます。たぶん、そのほとんどが子供部屋という事になるかと思います。

そんな時には、杉でも桧でも節有材のご採用を提案いたします。樹種その物の香りや温かさは節が有っても無くても変わりません。節が有る分傷や凹みは目立ちにくいので節無し材と比べると圧倒的に気楽に生活ができます。
デザインが気に入らないとなると別ですが…
それに価格が安い!
オイル塗装を施しても4,000円/㎡台からご用意があります。合板フロアーが2,500円/㎡くらいだったとしても無垢フローリングは温かみが有り、その何倍もの期間使用できます。

傷や凹みが気になるようでしたら、傷をつけないように細心の注意を払っての窮屈な生活よりも傷が付いても気楽に生活できる無垢フローリングがどれに当たるのかでご検討いただければと思います。

それぞれの木の硬さや性質については
木材性質一覧表をご参照ください。

 

・環境配慮

国産材の方が地球環境にとって優しい
なぜ?
木は光合成しますので大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して炭素(C)を木の幹に固定化し、酸素(O2)を放出します。木が腐らなかったり、燃えたりしないうちは二酸化炭素を溜め込んでいます。木をたくさん植えて、たくさん長く使って二酸化炭素を固定化しましょう。
との事ですが、日本だけが取り組んだところで世界的に見たらどうなんだろう?と思う今日この頃です。

でも、せっかく固定化された炭素の塊りである木をたくさんの化石燃料を使って海外から持ってくるのは自然環境には優しくないなぁとは思います。その程度です。輸入自動車なんかと比べるとまだましと思うのか、輸出している日本車はどうなんだろうか?

北海道の木を東京に持ってくるにもかなりの二酸化炭素が排出されるだろうし、どこまでどうなんだか…

なるべく近隣の木を上手に使うのが最良なのかもしれません。
こちらのページでも【無垢フローリング選び方】について詳しく紹介しております。

 

国産無垢フローリングと輸入無垢フローリングのどっちを選ぶ?のQ&Aまとめ

国産材と輸入材の無垢フローリング、どっちが長持ちしますか?

長持ちするかどうかは、樹種・使用環境・施工方法により異なります。樹種による違いはあまりなく、使い方次第という事が言えます。

価格が安いのはどちらですか?

品質やグレードによっては国産材のほうがコストパフォーマンスに優れるケースもあります。

環境にやさしいのは国産材?輸入材?

環境負荷の観点では、輸送距離が短い国産材のほうがCO2排出量が少なく、森林資源の持続的利用に貢献できます。ウッドマイルと言います。地域材の使用は地元経済の活性化にもつながります。

デザイン性に優れているのはどちらですか?

輸入材にはオークやウォールナットなどの色味や質感にバリエーションがあり、スタイリッシュな内装と相性が良いです。一方で国産材はナチュラルで優しい風合いがあり、和風や自然派のインテリアに適しています。お住まいになる方のセンスによるところが多いのではないでしょうか。

まとめ|国産材と輸入材、あなたに合う無垢フローリングは?

選ぶ基準は「価格」「デザイン性」「環境意識」「メンテナンス性」など多岐にわたります。
大切なのは、どちらかが絶対に優れているというよりも、住まい手の価値観やライフスタイルに合った選択をすること。
もし迷ったら、実物を見比べて、触れて、足で感じてみてください。無垢フローリング専門店木魂のショールームゆらぎでは、国産材・輸入材の無垢フローリングを実際に体感できます。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

殺虫剤などの薬剤処理を使用していない原料の無垢フローリングはありますか?

投稿日:2018年11月13日

同じようなご質問が重なることが有ります。

今回の問い合わせは

Q:殺虫剤などの薬剤を使用していない原木を使用した無垢フローリングの用意がございますか?

無垢フローリングと言えば、自然素材の代表格で快適な住環境を整えるのになくてはならない存在となっています。

合板フロアーの様に接着剤を多用せずに住宅の床材として使用できるのは健康面を気遣う方にも安心感を与えます。
安心・安全で健康的な住宅は、誰もが求める住環境です。

住宅建材やボンドに反応する持病をお持ちの方は住宅計画の資材選びにおいてかなり慎重にならざるを得ません。

そして本題の殺虫剤などの薬剤を使用していない原木を
使用した無垢フローリングの取扱いがあるのか?
とご質問をいただくと・・・

弊社では、 残念ながら  “ No ”   です。
完全に薬剤が掛かっていないと言える木材はありません。

えっ!そうなの? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
そこまでの履歴は当社でも分かりかねます。
例えば、杉や桧とか楢や樺とか何でもいいんですけど森があって
その近くに虫が好む樹木林が有ったとします。
人間は、その樹木林を守ろうと殺虫剤が噴霧します。
こんな感じです。

地上からの薬剤噴霧

 

ヘリコプターからの薬剤空中散布

両方の画像とも、様々な樹木が映り込んでいます。
この様な薬剤散布方法が取られているので、
うちの木材は絶対に殺虫剤が掛かっていない。と言い切れません。

海外の木材でも同じようなことが言えます。
参考:気候変動 瀬戸際の地球 消える北米の森 ナショナルジオグラフィック

しかし、薬剤は噴霧や散布程度では木の中に入り込むことはないと考えます。
樹皮近辺(丸太の外廻り)に留まるとされています。
無垢フローリングに加工する際は、樹皮の近くは使用しません。
よって無垢フローリングとなった際に残留している殺虫剤や防カビ剤はほぼ無いと考えます。

薬剤と聞くと何となく嫌なのは当然だと思います。
使用しているかしていないかよりも薬剤が残留しているか?
はたまたご自身に合っているかどうか主治医と一緒に検討してみてはいかがでしょうか?

それでも気になるのであれば無垢フローリングは諦めた方が無難ですね。
だってほとんどの木は、山主や施主よりも長生きしてるはずです。
個々の木の生き字引は、ほぼ存在しませんから誰も分かりません。

 

 

薬剤処理を一切していない木材はありますか?

基本的には存在しません。上記先述の通りです。また、殺虫・乾燥・寸法安定などの目的で、出荷前に何らかの処理(高温乾燥や燻煙処理など)が施されているのが一般的です。

「薬剤不使用」と書かれている木材も処理されているのですか?

はい。薬剤そのものは使われていなくても、殺菌・殺虫・乾燥などの目的で物理的・熱的な処理が施されていることがほとんどです。

無処理木材を使うことは危険ですか?

日本のような高温多湿の気候では、シロアリ・腐朽・カビのリスクが非常に高く、建材として無処理木材を用いることは現実的ではありません。

健康を重視したい場合はどうすればよいですか?

薬剤使用を最小限に抑えた木材や、F☆☆☆☆(フォースター)などの低ホルムアルデヒド製品を選ぶのが良いでしょう。当社でも自然志向の方に配慮した商品をご用意しています。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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激安!パインフローリング!!は本当に激安なのか??

投稿日:2018年11月06日

材木屋としてこの様な事を書くことも大変恐縮ではございますが、
一般のお施主様が勘違いされていることも多いので書いてみます。

昨今、無垢フローリング激安品の代名詞と言えば申し訳ないけどパインフローリングの節有・無塗装品が多くみられます。

激安!パイン無垢フローリング!! 〇〇〇〇円! とかですね…

実際、当社でも3,500円/㎡から販売しています。
合板フロアから少し頑張って手が届きそうな価格帯も人気の一つです。

パインフローリング 節有・無塗装パインフローリング 節有・無塗装

 

また、パインフローリングは、白く明るく、軟らかく温かみが有り、節が顔面みたいに揃い、北欧風な感じが漂う人気の無垢フローリングです。

価格は安い。

確かに安い。

でも、そのまま使えるのか?

パインフローリングのそのほとんどが現地では土足用として販売されています。
土足用という事は、靴を履いて生活する方たち専用なのでそもそも素足で生活する日本人の生活スタイルに合っているものかどうなのか?

日本では、無垢フローリングを使用しようとするとカンナ仕上げでない限りウレタン塗装やオイル塗装、ガラス塗装など何かの塗装を施すのが一般的です。

そもそも日本向けの無垢フローリングの無塗装品は、表面に#180ほどのサンディングを掛け、塗装下地を作って無塗装として在庫や販売をすることが多いです。

輸入品のパインフローリングは、サンディング処理されていない物が多くみられます。
モルダーという加工機から出て来たままの状態です。
もし、これを日本国内で何らかの塗装を施そうとしたときには表面をサンディングし下地を作ってから塗装を施す事になります。
もちろんサンディング費用も塗装費用も掛かります。
サンディングとオイル塗装費を合わせると2000円/㎡は掛かると思います。

あともう一つ。
パインフローリングは、
節などの表面補修処理が施されていないことが多いようです。
抜け節、節欠け、ヤニツボなどは補修せずにそのままの事があります。

節の欠け
節の欠け
枝の折れた跡
枝の折れた跡
ヤニツボ
ヤニツボ

抜け節や節欠けなどは、
素足で歩くと引っかかる可能性も無きにしも非ずです。
ヤニツボなんかは、ベタベタしてあまり気持ちいいとは言えませんね。

これが国産の桧フローリングや杉フローリングになると、抜けたり欠けたりしている節は埋め木で処理されたり。
各節もパテ埋めしてサンディング処理を施すなど、素足対応の加工が施されています。

桧の埋め木
桧の埋め木

 

節のパテ処理
節のパテ処理

 

スギの埋め木
スギの埋め木

また、塗装に関してもパインフローリングは、塗装費や塗装屋までの横持ち運賃が掛かりますが、国産の杉フローリングや桧フローリングの場合は、製材所で塗装することがほとんどなので安価です。

例えば税別単価で比較してみると…
パインフローリング           節有 無塗装       3,580円/㎡
自然オイル塗装費                      2,000円/㎡
合計:                   5,580円/㎡

杉フローリング IS-05  節有 オイル塗装  3,999円/㎡

桧フローリング AH-22  節有 オイル塗装  4,160円/㎡

 

あれれ?
パインフローリングより桧や杉の無垢フローリングの方が安価ですね。

結局は、日本で住宅内装材として使える状態にした時の価格差で比較するのが良いのではと思います。

決してパインフローリングが良いとか悪いとか言ってるわけではございません。
パインフローリングの表情や温かさや香りが好きな方もたくさんいらっしゃいます。

ただ、パインフローリングが素直に安価だと思ってはいけないという事です。

杉フローリングや桧フローリングだってB級アウトレット無垢フローリングとなるとかなり安くなりますし…

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

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楢(ナラ)材と鉄くぎの相性が悪い? どのような釘で固定すればいいのでしょうか?

投稿日:2018年06月30日

 

たまたまナラフローリングの施工に際して同じ質問が重なりました。

『ナラは、鉄くぎと相性が悪いと聞きましたが、
ナラフローリングどのような釘で固定すればいいのでしょうか?』

相性が悪いと言ってもどんなところで相性が悪いのか?
よくよく伺ってみると木材における鉄汚染の事を気にされている様でした。

某サイトでは以下の様に説明されています。
「ヨーロピアンオークの欠点として、乾燥に時間がかかる事や、乾燥の際に割れなどの狂いが生じる事も多く、さらに、鉄を腐蝕させる性質を持っているため、鉄の釘やネジを使う事が出来ません。湿気が多いところに使うと、鉄製の釘と共に、その周辺が変色してしまう恐れがあります。」

 

とはいえ、樽に使用されている楢材(ナラ)などは
かなりのテンションが掛かった状態で70年以上も使われてきたわけだし
強度的には問題は無いのではないかと思います。

以下はウイスキー樽に使われていたナラ材をフローリングに再加工した商品画像です。
確かに釘があったと思われる個所は黒く変色していますね。

 

 

 

気になるのなら採用を控えればよろしいかと思います。
ただ、世界中でフローリング材に一番多く使われている樹種はオーク材であることも間違いではございません。

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執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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無垢フローリングが激安になっちゃうその訳は?

投稿日:2018年05月28日

”激安”って耳にしますよね。

激安といえども不要な物はそもそも購入する必要が無しですが大体の人はなんでも激安と聞くと気になってしまうものです。
もちろんフローリング以外にも激安は様々な商品やサービスが存在しています。

激安って言い方は少し下品に聞こえたりするかもしれませんがアウトレット、B級品、訳有り品なども同じような感じでしょうか。

最近、郊外に大型アウトレットモールがたくさんできてきましたがそこでは正規の洋服でも季節外れの物や売れにくいサイズ、モデルチェンジしたカバンや靴や時計など通常価格より安い商品が所狭しと並んでいます。

どんなものでも安いからには理由がある訳で様々な企業努力で価格を抑えて販売しているのは当然かと思います。

他にも…
夕方のスーパーでは、食品の消費期限が迫っているから売り切りたい。
事故車の中古車だが人気車種だから人気が落ちる前に売り切りたい。
モデルチェンジ前の商品は新型が出る前に売り切りたい。
など色々な理由がなんとなくわかる訳です。

無垢フローリングや木材の価格については、それぞれの原材料価格はおおよそ横一線だと言われています。
世界中必ず高く買ってくれる人のところへ流れていく原木です。
そなのに無垢フローリングの激安とはどのような仕組みや理由で実現しているのでしょうか?
・ロット販売
・正規品とは異なりマイナス要因がある
・加工工程を省いている
・偽装表示品である
以上のようなことが言えるかと思います。
それぞれ見ていく事にしましょう。

 

・ロット販売
ロット販売とは、大量販売で尚且つ細かい数量には対応できません。1ロットが50ケースなら50ケース単位でしか購入できないという事です。
60ケース欲しくても100ケースでしか購入できません。売る側からしたら小分けする手間が掛からないので安くしやすいですね。

 

・正規品とは異なりマイナス要因がある
木材では主に、キズが付いた物や割れ、反り、曲りなどがこれに当たります。無垢フローリングなら90巾仕上がり寸法で製材してみたが、
88ミリにしか仕上がらなかった寸法違いの製品などもこれに当たります。なかには梱包にだけ傷が付いていて、中身は無傷と言う物もあるそうなので希望の品でそういう物を見つけたらラッキーですね。

 

・加工工程を省いている
何だかよくわからないですね。でもあるんです…訳が。たまに見かけるのが、無垢フローリングの塗装についてです。樹種、サイズ、グレード、が同じで、無塗装とウレタン塗装の無垢フローリングを比較した際にウレタン塗装品の方が安いという事があります。塗装しているのにしていない方が高くなっちゃう?どうしてこうなっちゃうのか?ウレタン塗装は木の表面に造膜するのですが、木の表面の呼吸を止める効果と木を固める効果を持ち合わせています。はい。乾燥工程が省けます。無垢フローリングだと巾方向にUの字やその真逆方向に反りが出やすいのですが、施工現場でそのような現象が出ないように製造段階で反るだけ反らしてから加工を施すのが通常の乾燥法です。”木の応力を抜く”とも言われます。しかし、乾燥には時間も費用もとっても掛かります。乾燥工程を甘くし、ウレタン塗装で固めると言った生産工程だと無塗装品よりウレタン塗装品の方が安くなる場合も有ります。これは、工夫と言えば工夫だという事も出来ますしウレタン塗装前提の無垢フローリングにそこまでしっかり乾燥させなくてもよいのではないか?とも考えられますね。但し、お施主様に対しては説明が必要なポイントだと思います。


・偽装表示品である

普通に堂々と販売されています。馬鹿にしているのか?と思えてしまう代表がカバザクラです。カバかサクラか?おちょくっているのか馬鹿にされているのか?通称がカバザクラだからそれで良い。らしいです。業界のレベルが露呈しています。カバは、カバノキ科。サクラはバラ科。原木の価格が全く異なります。現状では、サクラやチェリーの方が高価です。

銘木でも偽装表示が結構あります。たまに良材が出ると有名産地に持ち込んでブランド名を付けて販売されたりしています。

霧島山系に生える霧島松は、今も昔もなかなか手に入らない銘木松です。他産地の赤松集成材を霧島松と銘打って販売しています。東京都や神奈川県で良く出回っている霧島松ですが、本場の鹿児島県、宮崎県以上に東京都には産地偽装した霧島松が多いです。また、これが使われているのが公共物件だからさらにたちが悪い。

あとは、違法伐採された木材などが安く流通する事もあるようですが、現状、違法伐採は国際的に合意された定義はなく、一般的に、それぞれの国の法律に反して行われる伐採を指すことが多いです。

違法伐採の木材を使用しない為にも流通業者も国際的な森林認証機関である FSC® および PEFC / SGECなどに加盟しているかどうかも一つの目安となります。

無垢フローリング専門店木魂を運営する株式会社五感では、国際的な森林認証機関である FSC® および PEFC / SGEC より、生産・流通・加工工程の管理認証であるCoC認証(Chain of Custody)を取得しております。無垢フローリング FSC® および PEFC / SGEC製品のご案内

また何と比べて激安なのか?にもよります。そもそも無垢フローリングと合板フロアーを比べるのであれば圧倒的に安価な無垢フローリングの方が激安になります。同じ使い方をして10年後に美しいのは無垢フローリングです。

どれだけ安定して長く使えるかどうかでも激安になるか、割高になるかが決まってきます。しっかりと製品の特徴をとらえて商品を選ぶ事にしましょう。

 

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

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