ひねくれものです。
見た目はかなりひねくれていますけど、かなり良い仕事をします。
こいつの名前は『手違い鎹(カスガイ)・手違い釘』と言います。
コイツがひねくれているにも深い訳があります。
そうです深いわけがあってひねくれているのです。
こんな感じで木材の連結に使用されていました。
本実加工やビス止めなど、電動工具が発達するまでは主流の連結方式でした。
剣道場の床の連結にも良く使われていました。
京都武徳殿、野間道場、春風館道場、秩父明信館など名だたる道場に使われてきました。
もちろんその時代の釘は鍛造でもっと太くてしっかりした物が使われていました。
ひねくれていますが仕上がりの美しさとしては今でも一級品と言えるのではないでしょうか。
本実(凹凸)は使いませんしダボ穴もあきません。
現在は、ビスを使用することが多いですが、
この工法で施工されている道場はぜひリフォーム時にも
これと同じ工法で再施工していただきたいものです。
ひねくれもの

前田 英樹
木材コンシェルジュ
執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)
前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。
また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。
FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。
株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/