
「マンションでも無垢フローリングを取り入れたいけれど、防音や管理規約が心配…」そんな声をよく耳にします。自然素材の温もりを持つ無垢フローリングは、戸建て住宅だけでなく、近年ではマンションリフォームや新築でも注目されています。本記事では、マンションにおける無垢フローリング導入のメリットと注意点、施工方法、防音対策、選び方のポイントまで詳しく解説します。
無垢フローリングとは?
無垢フローリングとは、天然木をそのまま一枚板として加工した床材のこと。合板フローリングとは異なり、接着剤を使わず、木そのものの質感、香り、肌触りを楽しめるのが特徴です。湿度調整作用や経年変化による味わい深さも魅力です。
マンションに無垢フローリングを導入するメリット
- 温かみのある空間演出:自然素材の優しい質感が、リビングや寝室を心地よい空間に変えます。
- 健康面の安心感:化学物質を含まないため、子どもやペットにも安心です。
- 経年変化を楽しめる:長年使うほどに色味や艶が変化し、愛着の湧く床になります。
- 断熱性・調湿性に優れる:夏はさらっと、冬は暖かく感じる快適な床材です。
導入前に確認すべきマンションのルール
マンションでは「管理規約」に床材の仕様制限が設けられていることが多く、主に遮音性能に関する基準があります。多くの場合、「LL-45」や「LL-40」といった遮音等級が求められ、これを満たさないとリフォーム許可が下りないこともあります。
無垢フローリングを使うには、これらの基準に対応する「LL-45・無垢フローリング」「遮音マット」や「乾式二重床」などの副資材や下地材との併用が必要です。
床衝撃音の「LH」と「LL」とは?
マンションなど集合住宅において、床から発生する「音」の対策はとても重要です。特に、床衝撃音は「重量床衝撃音(LH)」と「軽量床衝撃音(LL)」の2種類に分類され、それぞれ異なる音の種類と対策方法があります。
LH(重量床衝撃音)とは?
LHとは「Heavy Impact Sound」の略で、子どもが飛び跳ねたり、大人がドスンと歩いたときのような重くて低い音を指します。床構造や下地材、防振材の性能が大きく影響します。対策としては、二重床構造や防振ゴム脚の採用などが効果的です。
LL(軽量床衝撃音)とは?
LLとは「Light Impact Sound」の略で、スプーンを落としたり、イスを引きずったときのような軽くて高い音を指します。主にフローリング表面の材料やクッション性が対策に関係し、遮音マットやカーペット類などが効果的です。
遮音等級の見方と基準
日本では、これらの衝撃音に対して「遮音等級」で性能が示されます。たとえば:
- LL-45:軽量床衝撃音を十分に抑えられるレベル(マンションの多くで採用)
- LH-55:重量床衝撃音をやや軽減できる程度
一般的に数値が小さいほど遮音性能が高いことを意味します(例:LL-40はLL-45より静か)。
無垢フローリングとの関係
無垢フローリングは美しい風合いと耐久性が魅力ですが、遮音性能は単体では備えていないため、必ず「遮音材」との組み合わせが必要です。特にマンションでは、管理規約でLL-45相当を求められることが多いため、施工方法・下地材・使用する製品の性能を総合的に検討することが大切です。
無垢フローリングに適した施工方法
- 直貼り工法:遮音マットの上に直接フローリングを貼る方法。仕上がりの高さを抑えられるが、下地処理がシビア。
- 二重床工法:床材の下地に防振ゴム付きの支持脚を設置し、フローリングを敷く方法。コストと床高アップに注意。
いずれの工法も、施工には専門的な知識と経験が必要です。実績のある業者を選びましょう。
よくある失敗とその対策
マンションで無垢フローリングを導入する際にありがちなトラブルは以下のとおりです。
- 施工後に「床鳴り」や「沈み込み」が発生
- 隣室や下階からのクレーム
- 管理組合からの是正命令
これらはすべて、事前の確認・遮音対策・正しい施工で防ぐことが可能です。特に、「遮音等級LL-45以上の無垢フローリングや遮音マットを使った工法を採用した施工事例があるか」を業者に確認しましょう。
直貼りフローリングの歩行感について
一般的なマンション用の直貼りフローリングは、遮音性を確保するためにクッション性のある下地材を用いており、歩行時に「フカフカした」感覚になることがあります。この感触は好みによりますが、「しっかりした踏み心地」を求める方には物足りなく感じられることも。
一方、無垢フローリング専門店・木魂(こだま)が提供する製品は、歩行感にも徹底的にこだわっています。
- 木魂防音無垢フローリング:自然素材の風合いと遮音性を両立しつつ、沈み込みを抑えた安定した歩行感が特長。
- 遮音等級LL-45対応の挽板直貼りフローリング:高遮音性能を確保しながら、「沈みすぎず硬すぎない」理想的な踏み心地を実現。
マンションでも、遮音性と快適な歩行感を両立させたい方には、木魂の無垢・挽板フローリングがおすすめです。ショールームでは実際の床に触れていただくことも可能です。
施工事例:無垢フローリング+遮音対策で快適な暮らし
東京都の分譲マンションで無垢フローリングを導入した施主様からは、「音の問題もなく、素足で過ごすのが気持ちいい毎日」といった声をいただいています。当社では、LL-45対応の木魂防音無垢フローリングは直貼り工法により、管理組合からの承認もスムーズに得られました。
木魂防音無垢フローリング施工事例
まとめ:マンションでも“本物の木の床”を
マンションに無垢フローリングを導入することは、確かに簡単ではありません。しかし、防音対策や施工方法、管理規約を正しく押さえれば、自然素材の心地よさを都会の集合住宅でも味わうことができます。五感に響く暮らしを、ぜひ無垢フローリングで実現してみてください。
別記事:我が家のマンションは、無垢フローリングに張り替える事が可能なの???
チャートを使って3つの工法から選べる遮音性能LL45対応マンション無垢フローリング
よくある質問Q&A
Q1. 一般的なマンションでも無垢フローリングは導入できますか?
一般的なマンションは、直貼り工法と乾式二重床工法の何れかの工法である場合が多いです。
上記2工法の場合は、無垢フローリングを導入できる可能性が高いです。
Q2. 防音性能は大丈夫ですか?
LL-45やLL-40等の遮音性能が求められる場合があります。
直貼り工法であれば、木魂防音無垢フローリングをご採用ください。
床暖房をご採用いただいている場合は、遮音等級LL45挽板直貼りフローリングや遮音マットサウンドプルーフ2ご検討ください。
乾式二重床工法であれば、乾式二重床の品番から遮音性能を調べて管理組合に提出してください。
チャートを使って3つの工法から選べる遮音性能LL45対応マンション無垢フローリング
Q3. 無垢フローリングの手入れは大変ですか?
表面にオイルやワックスを塗布する必要がありますが、慣れれば手間はかかりません。乾拭きと時々のメンテナンスで美しさを保てます。
Q4. 傷や凹みには弱くないですか?
確かに合板に比べ柔らかいため傷はつきやすいですが、削って再生できるというメリットもあります。
Q5. 無垢フローリングの張り替えは可能ですか?
もちろん可能です。工法など施工状況によりますが、部分張り替えや全面リフォームも対応できます。