無垢フローリング 節あり と言ってもいろいろですのでよくよくご検討ください

無垢フローリングをご検討いただく際に決めなくてはいけない条件に節があるか無いか、節ありか節なしかを選ばなくてはいけません。
中には、小節や上小節など今まで聞いたことがないような言葉も出てくるのでこんがらがっちゃいそうになります。

節は、枝が生えていた箇所であり、幹が垂直方向に伸びるのに対して枝はほぼ水平方向に伸ばし、しっかり葉で光合成しようとします。
幹と枝とでは断面が真逆になるので、板目材を製材する際には円形または卵型の節がフローリングや羽目板などの板材表面に現れます。

節のあるなしは、樹種の持つ特徴、材の性質や大きさ、製材方法など様々な条件から表情は変わってきます。
一般的には、節の無い板材は植林から立木の成長過程での手入れ、自然現象、丸太の選別から製材、加工まで様々な条件が揃わなければ作れませんので節の少ない材は、本当に奇跡に近い材木と言えます。

無垢のフローリングでも、同条件であれば節あり材は節無し材よりも平米単価が割安に販売されることが多いです。
ただし、平米単価が割安だから材木として悪いという訳ではなく適材適所に使い分けて頂くことで問題なく住宅部材として使用できます。

 

無垢フローリングの節ありと節なしと一言で言っても木によってずいぶんと表情が異なることがあります。
壁材や天井材に使用する羽目板も同様ですね。

一般的には、針葉樹のパイン(赤松)、桧(ヒノキ)、杉(スギ)、唐松(カラマツ)などは、1本の幹が中央で真っ直ぐに伸び、三角錐の様にとがった形で育ちます。
一方の広葉樹は、ナラ、アカシア、クリ、ウォールナット(クルミ)、バーチなど枝分かれして大きく樹冠を広げ、ずんぐりとした丸い形で育ちます。幹が枝分かれしているので、どこが幹でどこからが枝なの見当が付きにくいです。

この様なことから、広葉樹の枝は太くて少なく、針葉樹の枝は細くて多くなります。

針葉樹の無垢フローリング節ありと広葉樹フローリング節ありを見比べてみます。
無塗装と塗装品が混在しておりますが、仕上げの塗料や塗装はさておき節の大きさと数量をご確認ください。

針葉樹 無垢フローリング 節あり

パイン無垢フローリング節あり 無塗装
パイン無垢フローリング節あり 無塗装

 

阿波桧無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
阿波桧無垢フローリング節あり オイルワックス塗装

 

伊予杉無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
伊予杉無垢フローリング節あり オイルワックス塗装

 

唐松無垢フローリング節あり 無塗装
唐松無垢フローリング節あり 無塗装

 

 

広葉樹 無垢フローリング 節あり

ブラックウォールナット無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
ブラックウォールナット無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
シベリアンウォールナット無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
シベリアンウォールナット無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
シベリアンバーチ無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
シベリアンバーチ無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
ヨーロピアンアッシュ無垢フローリング節あり オイルワックス塗装
ヨーロピアンアッシュ無垢フローリング節あり オイルワックス塗装

 

いかがでしょうか?
一言で無垢フローリング節ありと言っても全く表情が異なりますね。

「無垢フローリング 節あり は、節が多すぎて嫌だ!」と言っていたお施主様がイメージしていたフローリングの樹種が針葉樹だとしたら
広葉樹の無垢フローリング 節ありをご覧になられて「節ありOK」となることもしばしばございます。
節に愛着を持たれて「蜜蝋ワックスでのメンテナンスが楽しみ!」とおっしゃっていただけるお施主様のいらっしゃるほどです。

無垢フローリングをお選びいただく際には、カットサンプルではなく現物の大きさでご確認いただくことをお勧めいたします。

こちらのページでも【無垢フローリング選び方】について詳しく紹介しております。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

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