無垢フローリングの虫穴とドロバチの意外な関係|材木屋にとっての益虫とは?

ドロバチの巣木材ヤード

 

子供の頃には家の軒下などでよく見つけていたのですが、最近は見なくなったドロのかたまり。
発見次第に棒で突っついて潰していたものです…
背が高くなって視線が変わったのが原因なのかどうなのか。
ドロバチの巣

 

 

 

 

 

 

 

この泥のかたまりみたいな物は蜂の巣なのです。
先日、読んだ「リンゴが教えてくれたこと」にも益虫としてドロバチやトックリバチが登場していました。
蜂と言えば顔付きから凶暴な感じがしますが、益虫として考えられる事も多い様です。
いやいや、害虫と考えるより人間にとっては益虫そのものと言っても過言ではないはず。
代表的な蜂の益虫としては、ミツバチが挙げられます。
蜂蜜を集めたり、授粉のお手伝いをしたりします。
この蜂さんたち、実は私達材木商にとっても非常にありがたい虫さんなのです。
ドロバチ

 

 

 

 

 

 

材木屋さんは倉庫や製材所などで見かけられた事があるかもしれません。
なんでそんな蜂の巣が材木屋にとって益虫となるのでしょうか?
ドロバチさんやトックリバチさんは、自分達の巣に色々な昆虫の幼虫を持ち帰り、そこに卵を産み付けます。
孵化した蜂の子は親蜂が持ち帰った幼虫を食べてすくすくと育ちます。
木材は、製材してから何年もの間、材木屋の倉庫で自然乾燥させることがあります。
もちろん最初は、生きている木を伐採して製材する訳ですから虫さん達にとっては、新鮮そのものと言うことになります。
その木の中には、虫さんが宿っています。
と、言うよりも虫さん達の家を人間の都合で伐採して木材にしてしまうのです。
なので虫さんがいてもガッカリせずに逆にスミマセン…なのです。
虫さん

 

 

 

 

↑木の中にいた虫さんです
製材後、材木屋の倉庫で自然乾燥している間に、虫さん達は何をしているのか???
ムシャムシャと新鮮な木を食べています。
もちろん材木には、ニョロニョロと虫が木を食べた痕跡も残ります。
一般的には、材木の価値は下がりますが、海外では「ワーミーグレード」として高値で売買されることもあるそうです。
ここで薬剤でもバラ撒けば虫も殺せるのでしょうが薬剤はバラ撒く人間にも悪影響を及ぼしかねません。それはいけません。
そこで登場するのがドロバチくん達です!(色んな種類の益蜂がいるみたいです)
材木屋にとってのドロバチくん達は、カミキリムシ等が木材に卵を産みつけた虫穴から中に入り、カミキリムシ等の幼虫を自分達の巣に持って帰ってくれるのです。
こんな作業は人間には到底無理な事ですが、ドロバチくん達はせっせと働いてくれます。
ドロバチ

 

 

 

 

そう思うとなんだか急に蜂さんがカッコ良く見えてきたりします。
子供の頃、巣を棒でツンツンして潰したドロバチさんゴメンナサイ。。。
とても良い蜂さんだったのね。
しかし、今となってはドロバチさんやトックリバチさんの巣すら見付け難くなりました。
材木屋さんも扱う品物が変化したり、人工乾燥技術が発達したりして自然乾燥も少なくなってきているようです。
虫が住み難くなるってのは多少なりとも人間にも影響があるのかもしれません。
人間も自然の一部であるということをしっかりと自覚しなくてはいけません。
虫穴が有るから「使えない」と嘆くのではなく、どうやったら上手に自分達の家に
使えるのかを考えるのも、木材という自然素材を扱う業者の役目とも言えるでしょう。
その木材は、元々虫さんの家だったわけですから。。。

 

 

木材とドロバチ・トックリバチに関するよくあるご質問

Q1. 木材の近くにあるドロバチの巣は、駆除すべきでしょうか?

いいえ、むやみに駆除する必要はありません。ドロバチやトックリバチは、木材を食い荒らすカミキリムシの幼虫などを狩ってくれる「益虫(えきちゅう)」です。材木屋にとっても、大切なパートナーと言える存在なのです。

Q2. 蜂が木の中に卵を産んで、木を傷めることはありませんか?

ドロバチたちは木を食べるのではなく、既に木の中にいる害虫の幼虫を連れ出すために穴を利用します。人間には不可能な「木材内部の害虫駆除」を代行してくれる、非常にありがたい働きをしてくれます。

Q3. 無垢材に虫穴があるのは、品質が悪いということでしょうか?

日本では敬遠されがちですが、海外では「ワーミーグレード」と呼ばれ、自然の風合いとして高く評価されることもあります。虫が住めるほど化学薬品(殺虫剤)が使われていない、安全な天然木である証拠とも言えます。

Q4. なぜ最近はドロバチの巣を見かけなくなったのですか?

人工乾燥技術の普及により、自然乾燥をさせる材木屋が減ったことが一因かもしれません。自然乾燥の過程で生まれる生態系が失われつつあることは、人間にとっても自然との繋がりを考えるべき警鐘と言えるでしょう。

Q5. 虫穴がある無垢フローリングを上手に使うコツは?

「欠点」と捉えるのではなく、その木が森で生きてきた証として受け入れることが大切です。自然素材の個性を活かした家づくりを提案するのも、私たちプロの役目だと考えております。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。東京木材問屋協同組合武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。

株式会社五感 東京都江東区新木場1-6-13 木のくに屋ビル4F 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

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