無垢フローリングをご検討いただく中で
硬さに重きを置いてご検討いただくお施主様もいらっしゃいます。
木材の硬さは、比重に比例しますので
比重が高い樹種が硬い木材、低いものが軟らかい木材となります。
一般的には、針葉樹が柔らかく、広葉樹が硬いと言われていますが
針葉樹でも硬めのカラマツ(ラーチ)もあれば
広葉樹でも柔らかい桐や朴などもあるので一概には言えません。
木材性質一覧表で見てみると、
サクラより硬いヒノキがあったり
クロマツより柔らかいケヤキがあったりと
一概に数値で表すのは難しいようです。
ここでの気乾比重の表記は、平均値となっています。
毎日肌に触れ、家具の重みを受け止める床材だからこそ、ライフスタイルに合った硬さを選ぶことは快適な住まいづくりの鍵となります。今回は、木材のプロの視点から、無垢フローリングの硬さの決まり方や、硬い木・柔らかい木それぞれの特徴、そして選び方のポイントについて解説します。
無垢フローリングの硬さは「気乾比重」で決まる
そもそも、木材の硬さはどのように判断すればよいのでしょうか。
一つの大きな指標となるのが「気乾比重(きかんひじゅう)」です。
木材の硬さは、基本的にこの比重に比例します。
- 比重が高い樹種 = 繊維が密で重く、硬い木材
- 比重が低い樹種 = 空気を多く含み軽く、軟らかい木材
カタログやスペック表を見る際は、この気乾比重の数値をチェックすることで、そのフローリングのおおよその硬さを知ることができます。気乾比重は「木材性質一覧表」でご確認いただけます。
「広葉樹=硬い」「針葉樹=柔らかい」は絶対ではない?
一般的に、フローリング業界では以下のように言われることが多いです。
「針葉樹(スギ、ヒノキなど)は柔らかく、広葉樹(オーク、チークなど)は硬い」
これは大まかな傾向としては正しいのですが、一概にすべての樹種に当てはまるわけではありません。自然素材である木材には、例外も多く存在します。
針葉樹でも硬い「カラマツ」、広葉樹でも柔らかい「キリ」
例えば、針葉樹であってもカラマツ(ラーチ)などは比較的比重が高く、硬めの木材として知られています。
逆に、広葉樹の代表格である桐(キリ)や朴(ホオ)などは、非常に柔らかく軽量です。
数値だけで判断できない樹種の個体差
木材性質一覧表などで数値を細かく見ていくと、さらに興味深い逆転現象が見られます。
- 一般的なサクラよりも、針葉樹のヒノキの方が硬い場合がある
- 針葉樹のクロマツよりも、広葉樹のケヤキの方が柔らかい個体がある
このように、樹種の名前や「針葉樹・広葉樹」という分類だけで硬さを決めつけるのは難しく、あくまで目安として捉える必要があります。
また、カタログに記載されている気乾比重はあくまで「平均値」であり、同じ樹種でも育った環境によって個体差があることも理解しておきましょう。
硬い木と柔らかい木、どっちがおすすめ?メリットと選び方
では、実際には「硬いフローリング」と「柔らかいフローリング」、どちらを選べばよいのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットを比較して、ご自身の優先順位に合うものを選びましょう。
傷に強く耐久性重視なら「比重の高い(硬い)樹種」
オーク(ナラ)、メープル、チークなどの硬い木材は、以下の特徴があります。
- メリット: 傷や凹みに強く、土足歩行やキャスター付きの家具にも耐えうる耐久性があります。
- デメリット: 足触りがひんやりとしやすく、長時間立っていると足への負担を感じる場合があります。
足腰への優しさと温かさなら「比重の低い(柔らかい)樹種」
スギ、パイン、ヒノキなどの柔らかい木材は、以下の特徴があります。
- メリット: 空気を多く含むため断熱性が高く、素足で触れても温かみを感じます。クッション性があり、転倒時の衝撃も緩和します。
- デメリット: 傷がつきやすく、重い物を落とすと凹みやすい性質があります。
ライフスタイル別・おすすめの硬さはこれ!
生活スタイルによって、おすすめの硬さは異なります。
| シーン・要望 | おすすめの硬さ | 推奨樹種例 |
|---|---|---|
| 土足で使用する・ペット(大型犬)がいる | 硬め(高比重) | オーク、チーク、カリン |
| リビング・ダイニング(バランス重視) | 中程度~硬め | バーチ(カバ)、タモ、クリ |
| 寝室・子供部屋・素足で過ごしたい | 柔らかめ(低比重) | スギ、パイン、ヒノキ |
無垢フローリングの硬さに関するよくある質問
- Q. 最も硬くて傷がつきにくい無垢フローリングの樹種は何ですか?
- A. 一般的に流通している樹種の中では、ウリン(アイアンウッド)やイペなどの南洋材がトップクラスの硬さと耐久性を誇ります。室内用として人気の樹種では、オーク(ナラ)、チーク、メープルなどが比重が高く、傷に強い「硬い木」に分類されます。
- Q. スギやパインなどの「柔らかい木」は、すぐに傷だらけになりますか?
- A. はい、硬い広葉樹に比べると傷や凹みはつきやすいです。しかし、柔らかい木には「復元力」があり、小さな凹み程度なら水分を含ませることで元に戻る場合があります。また、傷も経年変化(味わい)として馴染みやすいため、傷を気にしすぎない方や、足触りの温かさを優先したい方には非常におすすめです。
- Q. ペット(犬・猫)がいる場合、硬い木と柔らかい木どちらが良いですか?
- A. 一長一短があります。「床の傷防止」を優先するならオークなどの硬い木がおすすめですが、硬い木は表面が滑りやすく、ペットの足腰に負担がかかる場合があります。「ペットの歩きやすさ(グリップ力)」を優先するなら、爪が食い込む柔らかい針葉樹(スギ・ヒノキ)の方が滑りにくく安全です。
- Q. 「硬い木は冷たい」というのは本当ですか?
- A. はい、傾向として正しいです。硬い木(高比重)は空気をあまり含まないため熱伝導率が高く、体温を奪いやすいためヒヤッと感じます。逆に柔らかい木(低比重)は細胞内に多くの空気を含んでおり、断熱性が高いため、素足で触れてもほんのりとした温かさを感じることができます。
まとめ:数値はあくまで目安。最後は足触りで確認を
無垢フローリングの硬さは比重に比例しますが、数値はあくまで平均的な目安に過ぎません。
「硬いから良い」「柔らかいからダメ」ということはなく、適材適所で選ぶことが大切です。
数値上のスペックだけでなく、実際にカットサンプルを手に取り、爪で押してみたり、靴下や素足で踏んでみたりして、ご自身の肌感覚で「心地よい」と感じる硬さを選ぶことをおすすめします。

