今日から筑波大学剣道場床のメンテナンス工事です

今日から筑波大学剣道場床のメンテナンス工事です。
できる限り薄く研磨して剣道場床専用オイルを塗布していきます。

※注意※2016年6月追記
研磨が可能な床材とそうでない床材があります。
研磨は、床材の厚みが無いと不可能です。
最近では、15mm厚のフローリングを研磨して剣道場専用オイルを塗布したりしている現場も見られます。
15mm厚程度のフローリング材を研磨する事でサネ部分(凹凸)が薄くなり、剣道の踏込による割れやササクレが出てぐさりと足裏に刺さります。とても危険です。一般的には、カバやブナなど体育館に使用されるような広葉樹フローリングは厚みが15mm~18mm程度だと思います。
体育館床は、ウレタン塗装が多く用いられていますがウレタン塗装があって15mm~18mmで使える様に設計されています。そうです。ウレタン塗装は、ボンドの役割も果たしているのです。そのウレタン塗装を剥がしてオイル塗装にすると床の強度も低下します。床面の強度上、ウレタン塗装を剥がしてはいけない場合もたくさんあると言う事です。


通常工事屋さんは、お施主さんの言われた通りに作業はします。しかし、その裏に隠れている危険などは見落としがちです。もちろん踏込足の荷重がどれくらいかかるかなんて知る余地もありません。ただ単に表面を削って塗ればいいと言う簡単な作業ではないのです。では、どうやって現況の床から快適な稽古環境を手に入れればいいのか?リフォームや改修の場合は、各現場で使用がまちまちです。一度、当社までお問い合わせいただければと思います。

 

ご要望は「なるべく薄く削って床表面の凹凸を無くしたい」という事です。
薄く削って平滑になんて…  とても難しいです。
でも、はっきりとしたご要望を頂けることは非常にありがたい事でもあります。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (7)
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (8)
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (13)

 

早速作業開始!
こちらの機械がドラムサンダーです。
これで床面を研磨していきます。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事

粗い番手からオイル塗装下地まで3回ほど研磨します。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (12)

木は、表面を削ると中身は綺麗なままです。
以前、ダークグレーになった地栂3000x120x120㎜三方柾を“30,000円です”って言ったら
「どんな商売しとんねんヴォケがぁ~!」とおばちゃんに怒鳴られたのを思い出します。
立米70万円ですよ。分からない方には説明しても分からないものです。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (1)

ゆっくりゆっくり薄く磨いていきます。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (3)

ゆっくりです… 約600平米を2日間掛けて磨いていきます。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (2)

ところで「薄く削って凹凸を無くしてほしい」とリクエストを頂いたのですが、ただ無理なリクエストをした訳では無いところが毎度感動させていただける筑波大学の現場。見てください。この白くてお餅を落として踏んづけてノビノビになったような跡がいっぱいです。

筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (4)

こっちにも…
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (9)

あっちにも…
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (10)

コレ。実は剣道部の学生さん達が力を合わせて研磨作業前に凹凸をパテで埋めてくれていたんです!!この広い面積を何日前からこの作業してくれていたんだろう? スゴイッ!
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (5)

凹凸を事前にパテ埋めしていただいた事で最薄で研磨が可能となります。
筑波大学剣道場床メンテナンス工事 (6)
剣道場の床板は、薄くすればするほど強度が弱くなる訳ですからなるだけ厚さを保った方が強度は保たれます。工事の工程や実際に行う作業内容を考慮して先を考えていないとタイミングを合わすことすらも難しいのではないでしょうか?ちなみにパテは完全硬化に時間が掛かります。
あぁ今日もまた筑波大学剣道部の監督さんや部員さんの剣道場床愛を感じました。本当に素晴らしいと思い感動しました。

kodama_234x60_120625_ani_v1

剣道場床建築工房

剣道場新築床工事の様子はこちら
剣道場床 剣道場床材 剣道場オイル 剣道場ワックス 剣道場研磨 剣道場サンディング

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)