無垢フローリングは木材からできていますので虫による食害を受ける可能性がある建築材料です。
いわゆるキクイムシですね。
木材を食べる虫、キクイムシとしてはシロアリがよく知られていますがシロアリの他にもカミキリムシ、ヒラタキクイムシなどいます。
よくあるご質問(木を食べる虫)
Q. 木を食べる虫にはどんな種類がありますか?
A. 木を食べる虫には主にシロアリ、キクイムシ、ヒラタキクイムシなどがいます。これらは木材内部に入り込み、構造や床材に被害を与えることがあります。
Q. 無垢フローリングに虫が発生した場合どうすればよいですか?
A. まずは専門の業者に相談し、被害状況を調査することが大切です。早期の駆除や薬剤処理によって、被害の拡大を防ぐことができます。
Q. 虫を予防するために日常でできることは?
A. 室内の湿度を抑える、木材表面を清潔に保つ、隙間を塞ぐといった対策が有効です。また、防虫処理された木材を使用することも予防に繋がります。
木を食べる虫の区分
木を食べる虫は3つの区分に分けられます。
区分けは、木材が持つ水分量です。
いわゆる含水率ですね。
【A群】原木丸太 含水率100~50% 伐採直後の丸太を好む
【B群】製材品→乾材 含水率30~10% 乾燥した木材を好む
【C群】原木丸太~製材品 湿った木材を好む
【A群】にはカミキリムシ科、ゾウムシ科、キクイムシ科、キバチ科などで
主要な加害種は、ハンノキクイムシやニホンキバチです。
【B群】は、ヒラタキクイムシ科、ナガシンクイムシ科、シバンムシ科、
アメリカカンザイシロアリ属、ダイコクシロアリ属などで
主要な加害種はヒラタキクイムシ、オオナガシンクイムシ、
チビタケナガシンクイ、ケブカシバンムシ、アメリカカンザイシロアリです。
【C群】は、シロアリ類で主要な加害種はイエシロアリ、ヤマトシロアリです。
シロアリは、木造住宅完成後に飛んできて木材を食べるそうですがヒラタキキクイムシやカミキリムシはそうとも言えないようです。
シロアリへの食害対策は、防虫防蟻処理を新築時から行っています。
ヒラタキキクイムシやカミキリムシがシロアリと大きく違うところは、製材品や家具と一緒に移動して被害を与えると言われています。
また、移動する過程でヒラタキクイムシが進入する事もあるかもしれません。
ヒラタキキクイムシは、甲虫類でカブトムシやクワガタムシやホタルの仲間です。
成虫は、春から夏場にかけて発生するのが今まで一般的とされてきましたが最近では、高気密、高断熱住宅や暖房の普及で冬でも発生しているようです。
主に含水率が低い乾燥した木材を食害すると言われています。
ヒラタキクイムシは、数種類存在します。

ヒラタキクイムシ
赤褐色で体長は3~8mm

ケヤキヒラタキクイムシ
多少木色味のある褐色で体長は3~5mm

アラゲヒラタキクイムシ
黒褐色で体長は1.5~2mm

ケブトヒラタキクイムシ
背面は黄白色の細い毛で覆われる
体長は2~3.5mm
ヒラタキクイムシは、どんな木材でも食べる訳ではありません。
ヒラタキクイムシが卵を産み付けるにあたり好む木は卵が孵化した後に幼虫が食するデンプン質があること。
成虫が卵を産み付けれる導管がある木を好みます。
木材のデンプン質は、心材にはほとんど無く辺材のあるために心材部はほとんど食べられません。
おおまかには、木材の白太部分は虫にとって栄養分が高いために食害を受けやすく、赤身部分は食害に受けにくいという事です。
広葉樹でも環孔材の方がヒラタキクイムシによる食害に被害が多いのではと言われています。
ヒラタキクイムシが好む樹種としては広葉樹散孔材のでナラ、ケヤキ、タモなどがあります。
広葉樹の環孔材は、カエデ、カバ、サクラなどです。
どちらかというと散孔材は木目がはっきりしているグループで環孔材は木目がぼやけているグループです。
広葉樹で導管が太い樹種でも栗(クリ)などタンニンが多く含まれる樹種には寄りつき難いと言われています。
南方から輸入される広葉樹でラワンべニアの材料でもあるラワン材を好むと言われます。
ラワンの虫穴は本当によく見かけます。
ベニヤになった時点では死滅しています。

また、デンプン質が少なく、卵を産み付けるための導管がない針葉樹のスギやヒノキは食害に合う事はありません。
昔から杉や桧を柱や梁に使用してのは古の知恵かも知れません。
とは言えデンプン質は、時間とともに変質しますので新築後2年間がヒラタキクイムシの食害が出やすいとされています。
ヒラタキクイムシは、木材の含水率が7~30%の範囲でないと生存できません。
もし、無垢フローリングの原材料に卵や幼虫がいたとしても、製造時に乾燥機で乾燥させる為に死滅すると言われています。
ヒラタキクイムシの卵や幼虫は50℃で30分の過熱で死滅します。
もし、ヒラタキクイムシの食害にあったとしたら…
フローリング表面に直径1~2mm程度の穴と木材の粉(木屑)が現れていたとしたらヒラタキクイムシが成虫になって脱出した虫食い穴です。
食害が広範囲でなければ専用のノズル式殺虫剤で駆除を試みてください。
殺虫剤はホームセンターやWebでも簡単に手に入ります。
ほとんどの製品は、散布するのではなく、ノズルを虫穴に挿入して薬剤を噴射するようですが、使用方法はそれぞれの殺虫剤の使用方法に従ってください。
広範囲に食害が見られた場合は、専門の駆除業者に相談する事をお勧めします。
問い合わせ先が分からない場合は、以下に相談してみるのも良いでしょう。
公益財団法人 日本ペストコントロール協会
URL:https://www.pestcontrol.or.jp/
電話:03-5207-6321
ここまでヒラタキクイムシについてお話しましたが、以前衝撃的なものをTVで見てしまったのでご紹介いたします。
下の画像は、木材からカミキリムシの幼虫を取り出した時の画面です。

この画像は、あの人気番組、探偵ナイトスクープの「ソファーベッドの中から聞こえる奇妙な音」という相談の放送回の画像です。
なんとこの幼虫は、依頼者が購入したソファーベッドの構造材から取り出されました。
幼虫の正体は、カミキリムシの幼虫だったそうです。
カミキリムシ?
確か、カミキリムシの幼虫は、木材の含水率が50~100%の時に生存する・・・かもしれないはず?
ソファーベットは、もちろん屋内用でありそれに使う木材は乾燥材なのでは?
なんで?
表面はとても綺麗に見えたソファーベッドも、その中身の構造まで見ては購入できません。
とにかく面白い依頼でもあったので、ぜひ興味がある方は「ソファーベッドの中から聞こえる奇妙な音」を拝聴してみてください。
2019年6月現在ではAmazon Primeで見る事ができました。
ヒラタキクイムシやカミキリムシの虫害は、屋外から飛来して被害が発生する事はほぼありません。
ほとんどの原因は、卵や幼虫が潜んだ既に虫害がある製品の持込みによるものです。
建築材料にだけ注意しても、あとで持ち込まれた家具や木材品から発生する事があるのでご注意ください。
ちなみに近年は、建材に薬剤を使う量が少なくなったので害虫被害が増えたという方もいらっしゃいます。
しかし、ホルムアルデヒドの放散量を増やしても抑えてもヒラタキクイムシは卵を産卵し孵化するとの実験結果もあります。
建材をノンホルマリン化したことで虫害が増えたとは言えない様です。
当社の広葉樹の無垢フローリングにおきましては、乾燥過程で60℃~80℃の高温乾燥を施しておりますのでほとんどの幼虫や卵は死滅すると考えております。
とは言え、被害にあわれて方には恐縮ですが虫も自然の一部なので共存していくしか無い訳です。
ちなみに虫の恩恵を最大限に受けた無垢フローリングが有ったりします。
アメリカの古材・アンティークチェスナットフローリング(栗フローリング)
非常に面白い無垢フローリング達ですのでぜひアクセスしてみてください。
無垢フローリングと虫に関するよくあるご質問(FAQ)
無垢フローリング専門店「木魂」を運営する、株式会社五感の代表取締役として、この業界に40年お世話になっております専門家の視点から、無垢材と虫の関係について丁寧にお答えいたします。
Q1. 無垢フローリングから虫が出ることはありますか?
無垢フローリングは自然の木材を使用しているため、稀にヒラタキクイムシなどの木を食べる虫が発生する可能性はゼロではありません。しかし、私どもが扱う広葉樹の無垢フローリングは、製造過程で60℃~80℃の高温乾燥を施しております。虫の卵や幼虫は50℃で30分加熱すると死滅するため、製品自体から発生することはほとんどございませんのでご安心ください。
Q2. 虫はどのような木材を好んで食べるのでしょうか?
ヒラタキクイムシは、幼虫の栄養源となるデンプン質が豊富な広葉樹の白太(辺材)を好みます。具体的にはナラ、ケヤキ、タモなどの散孔材が狙われやすい傾向にあります。一方で、デンプン質が少ないスギやヒノキなどの針葉樹や、木の中心部である赤身(心材)は食害に遭いにくいという特徴がございます。古来より柱に杉や桧が使われてきたのは、こうした理由もあるのかもしれません。
Q3. もしフローリングに虫が発生してしまった場合、どう対処すればよいですか?
フローリングの表面に直径1~2mm程度の穴と細かい木屑(粉)が見られた場合、ヒラタキクイムシが成虫になって脱出した跡と考えられます。食害が局所的であれば、ホームセンター等で販売されている専用のノズル式殺虫剤を虫穴に直接注入して駆除を試みてください。もし広範囲に被害が及んでいる場合は、日本ペストコントロール協会などの専門業者様へご相談されることをお勧めいたします。
Q4. 虫害を防ぐために、日常で気を付けることはありますか?
実は、ヒラタキクイムシなどが屋外から飛来して住まいに被害をもたらすケースは稀です。ほとんどの場合、後から持ち込まれた家具や木製品に既に卵や幼虫が潜んでいることが原因となります。そのため、建材だけでなく、新しく家具をご購入される際などに虫食いの穴がないかご注意いただくことが、一番の予防に繋がります。
Q5. 建材の化学物質が減ったことで、虫が増えたのでしょうか?
近年の建材がノンホルムアルデヒド化したことと、虫害の増加に直接的な関係はないという実験結果が出ております。それよりも、高気密・高断熱住宅や暖房の普及により、冬でも室内が暖かく保たれていることが、虫の発生しやすい環境を作っている主な要因のようです。虫も自然の一部ですので、正しい知識を持って上手にお付き合いいただければと存じます。

