くるくるくるくるくる

柾目・ストレートグレイン

 

 

 

 

 

 

一見、焼き菓子のようにも見えるこの物体は何でしょうか???
私が食いしん坊だからと言って食べ物ではありません。
食べられそうな気もしますが…
これは鉋屑(カンナクズ)なんです。
こんなにも薄い木がこの様に綺麗に丸くなるのにはちゃんとした理由があります。
それは木目で違いが出ます。
木目には、大きく分けて板目と柾目があります。
板目と柾目の違いは製材方法によって異なります。
柾目は年輪に対して直角に割ると現れる真っ直ぐな木目です。
板目は年輪に沿って割ると現れる竹の子状の木目です。

↓柾目の木目
柾目・ストレートグレイン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓板目の木目
木魂黒松板目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柾目の鉋屑は綺麗に丸くなります。
繊維方向が揃っている為に綺麗に丸まります。
柾目・ストレートグレイン

 

 

 

 

 

板目の鉋屑は反ってもしゃもしゃになります。
竹の子状の木目と同じように繊維方向も複雑になり綺麗には丸まりません。
木魂黒松・板目・超仕上げ

 

 

 

 

 

漢字とは素晴らしく良くできていますね。
板・柾それぞれ木辺を取っちゃうと…
「反」「正」になります。
板目と柾目の意味がここから来ているんですかね。
分厚いと分かり難いですが薄くしちゃうと明確です。
ちなみに英語だと
柾目はstraight grain
板目はcross grain
英語でもなんとなく意味が分かりますね。
かといって柾目が良くって板目が悪いと言うわけでは全くございません。
意匠性も重要ですが、適材適所に使い分ければ良い事です。
それにしても柾目は本当に美しく均一で、和の文化には欠かすことの出来ない木目ですね。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

2件のコメント

  1. コメント遅いですが。。。
    正と反。
    感動です。
    素晴らしい。
    目からうろこです。
    深いですねえ。

  2. 後輩さま
    コメントありがとうございます。
    漢字も木も難しいけど面白いですよね。
    木の名前において英語では由来が大体予想が付きますが、日本語または漢字になると少しややこしそうですね。
    英語では、tsuga○○○○で○○○○に人名が入ったり、地域が入ったりします。そして、tsugaだけで表現したり話したりしなくて○○○○もはっきり伝えます、
    日本語では○○○○はあまり言わずに栂とだけ言いますね。日本にも2種類の栂が生息するそうです。
    同じような事では、昆虫のチョウチョ等にも言えますね。
    英語ではアゲハ蝶は△△△と固有名詞で呼びます。
    日本では、△△△アゲハでも○△○アゲハでも通称で「アゲハ」と呼びますね。
    言葉が変われば表現も考え方も違う部分が多々あるようです。
    色んな勉強になりますね。

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