スラブ厚120mmでJIS規格LL40の床材ってどんな物?

マンション床の防音についてのお問い合わせをよくいただきます。
ほとんどのマンションは管理組合規定で
軽量衝撃音LL:45程度の床材を指定されています。

公の機関で軽量衝撃音のテストをするとスラブ厚は150mmです。
このスラブの上に防音材などの実験体を置いて
タッピングマシーンでテストをします。

そのテスト結果がLL:40やLL:45だったりする訳で
この数値は保障値ではありません。

最近、問い合わせが多い事例が…
スラブ厚120㎜の物件でLL:40等級以上の床材を使用する事。
こんな材料が存在するとは思えません。

公の場でL値データを測定するにしてもスラブ厚は150㎜です。
もう少し、現場の状況を掘り下げて聞いてみると
築20年以上で現状カーペットか絨毯という場合がほとんどです。

簡単に言うと
LL(軽量衝撃音)はスプーンなどが落ちた時の音です。
LH(重量衝撃音)は子供達がどんどんはしゃいだ時の低い音です。
カーペットや絨毯などはLLには非常に有効ですが
LHではあまり効果が期待できません。

つまりスラブ厚120㎜の物件でLL:40等級以上の床材を使用する事。
と言う事はスラブが120㎜しかなく防音性能が低いので
カーペットか絨毯しか使用できません。
と言う事なのでしょう。

上手いこと?を言うもんだ…(-_-;)
マンションの防音材を調べていてその物件の
スラブ厚を知った時の方が少し怖い気がします。

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

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