どちらがどうだか分かりますか?

下の画像を見て違いが分かりますか?
両方とも剣道に使用される竹刀(しない)です。
ぱっと見は同じように見えるかもしれませんが実は右側は本物の竹で作った竹刀で左側はカーボンで作った竹刀なんですよ。
竹刀1


カーボンは釣り竿にも良く使われていますよね。
非常に粘りがあり軽くて丈夫です。
もう15年くらい前からどんどん利用されるようになりました。
そう言えば昔は釣竿も竹で作られていましたね。
竹でできた釣竿も竹刀も手入れを怠ると割れたり変に反ったりします。
手入れの行き届いていない竹刀はササクレができてサクッと相手へ刺さることにもなりかねません。
そこで登場したのがカーボン竹刀です。
竹刀2竹刀3竹刀4
表面は強化プラスチックのような物でカーボンを巻き込んでいます。
カーボンの竹刀の特徴は割れにくいので手入れが簡単と言われています。
よくシナルので打たれた方はとても痛く感じます…
よくカーボンと本物の竹でどちらが良いのかという話になります。
単純に考えると安全性の高いカーボン製の方が良いと思われがちです。
もちろん価格はカーボン製は本物竹に比べて10倍以上の価格になります。
竹刀は消耗品なので耐久性を考えると結局は変わらないと言う意見も多く聞かれます。
そうなのでしょうか?
耐久性も安全性も稽古前の竹刀の点検や日々の手入れの仕方によって高めていく事ができると思います。
どちらかと言うとカーボン竹刀を使用して手入れが不十分になることの方が危険だと思います。
竹刀は竹部の他にも先革、先芯、中締め、弦、柄革等と言った重要な部材があります。
この部分は本物の竹もカーボンも同じ素材でできています。
このどれかが破損していても稽古相手に怪我を負わす事となります。
もう一つにはカーボンは工業製品です。
どれをとっても均一にできています。
本来竹刀は1本1本に特徴があり、太さや重心のバランスと言ったように自分で自分に合った竹刀を選ばなければいけません。自分で自分に合った物を選ぶという作業も大切です。
竹は自然素材なので同じ物は絶対にありません。
自分で自分に合った竹刀を選んでしっかりと手入れをし愛着を持って稽古すれば竹でもカーボンでも日々安全に稽古に励むことができますよね。
一番怖いのは自分の防具や竹刀に無関心なことです。
防具も竹刀も自分だけの物でなく相手にとっても非常に大切なものです。
しっかりと相手もことも考えて手入れをしましょう。
勝ち負けよりも思い遣りが大切です。
竹刀5竹刀6

木材コンシェルジュ

執筆・監修者情報:前田英樹(株式会社五感 代表取締役)

前田英樹氏は、無垢フローリングおよび剣道場床の専門家です。吉野材専門問屋や木材小売業での経験を経て、2008年に株式会社五感を設立。東京・新木場で無垢フローリング専門店「木魂」を運営し、ショールーム「ゆらぎ」では多種多様な無垢材を提供しています。

また、「剣道場床建築工房」を運営し、剣道場の床設計・施工を専門に手がけています。剣道五段の有段者として、国産スギ材を使用した剣道場専用床材を開発し、剣道に適した「弾性剣道場床」を推奨。足腰の負担を軽減し、剣士のパフォーマンス向上と安全性の確保を重視した床づくりを行っています。全国の大学や道場で採用され、高い評価を得ています。

FSCおよびPEFC/SGECのCoC認証を取得し、木材のトレーサビリティを重視。武道学会賛助会員。日本剣道振興協会賛助会員。各種メディアへの寄稿や講演も行い、業界内で信頼されています。

株式会社五感 公式サイト
無垢フローリング専門店木魂: https://www.muku-flooring.jp/
剣道場床建築工房: https://kendoujou.com/

4件のコメント

  1. 木の香さん、はじめまして。工房 木よう大工の広報担当・ポッポと申します。弊ブログにトラックバックをありがとうございました。
    それにしても竹刀にカーボン製があるなんて、知りませんでした。ほんとに痛そうですね。木の香さんがおっしゃるように道具の手入を簡便にすることの怖さを私も感じました。技と磨くと同時に道具を整えることはとても大切ですから。道具の整備にとても時間をかける職人さんたちをたくさん見ています。スポーツもきっと同じですよね。
    またおじゃまします。今後ともよろしくお願い致します。

  2. コメントありがとうございます。
    職人さんの道具はいつも綺麗じゃないといけませんよね。
    これからもよろしくお願い致します。
    ありがとうございます。

  3. 中一さま
    コメントありがとうございます。
    竹刀のお手入れ方法に関しては、
    なかなか文面ではお伝えできません。
    竹刀の手入れは必ず定期的に行ってください。
    自分が怪我をすることはほとんどなく、稽古相手を傷付ける事になります。
    よろしければ新木場までお越しください。
    竹刀のお手入れ方法をお教えしますよ。
    hideki@muku-flooring.jp までご連絡ください。
    よろしくお願い致します。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)